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2008年 2月号
BOX版(ネットストーレッジ)……●
Essay……●

マガジン2008−1


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子育て最前線の育児論byはやし浩司   06年 2月 29日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【ある老人の苦悩】

An agony of an old couple who has still been looking after their son who is now45 years 
old. Their son does not work at all but he sometimes steals the couple's money from the 
safe. Until when shoud parents have their responsibility to look after their sons and 
daughters?

●ドラ息子

 その老人(八二歳)には、二人の息子がいた。長男は、今、四五歳。二男は、今、四〇
歳。長男は、市内で、小さなレストランを開いている。二男は、隣のM県の県立病院で、
ドクターをしている。

 その老人は、長男と同居している。もともと何かと問題のある長男で、高校を卒業した
あとは、仕事をするでもなし、しないでもなし、十年近く、ブラブラしていた。老人は、
元国鉄職員。毎月の年金は、約三二万円。そこそこの生活をするのには、困らないはずだ
ったが、長男は、その老人のスネをかじりつづけた。が、それだけではなかった。

 長男は、金庫から、老人の貯金通帳を盗み、そこから勝手にお金を引き出し、遊興費に
使ったりしていた。車を買ったり、趣味のモデルガンを買ったりなど。が、やがて老人の
妻が倒れ、死んだ。老人が、七五歳のときのことだった。

 が、相変わらず、長男は遊びつづけた。ときどきアルバイトらしいことはしていたが、
生活費は、一円も入れなかった。まったくのドラ息子。とんでもないドラ息子。しかしそ
んな息子でも、他人には、やさしかった。おだやかな男だった。とくに女性には、親切だ
った。結婚こそしなかったが、そんなわけで、老人の家には、いつも若い女が出入りして
いた。

 老人の財産は、自宅の土地(一〇〇坪)と家。それに遺産で相続した、畑が六〇〇坪あ
まりあった。長男は、この財産に目をつけた。ああでもないこうでもないと理由をつけて
は、その土地を担保に、借金を重ねた。そのとき老人は、どこか頭の働きが鈍くなり始め
ていて、こまかい計算ができなくなっていた。が、気がついたときには、その畑は、宅地
に転用され、さらに人手に渡っていた。

 二男はドクターをしていたが、ほとんど実家には帰ってこなかった。長男が二男を避け
た。何かにつけてできの悪い長男、何かにつけてできのよい二男。そういう関係で、良好
な兄弟関係など、育つはずがない。そういう長男だったが、ある日、その老人は私にこう
言った。「昔から、できの悪い子どもほど、かわいいと言いますね。そのとおりですよ。S
(二男)は、どこへいっても、ひとりで、しっかりやっていく子どもです。心配していま
せん。しかしY(長男)は、そうではありません。だからよけいにかわいいです」と。

 今でも長男は、その老人の目を盗んでは、サイフからお金を抜き取っているという。小
さな金庫もあるが、長男は、合いかぎをもっているらしい。しかしそれを知りつつ、その
老人は、「まあ、いいじゃないですか……」と。「どうせ、すべて長男のものになるのです
から」と。

●リズムでできる人間関係

 親に依存する子ども。子どもに依存する親。こうした依存関係は、一度できると、一方
的なものになる。……なりやすい。尽くす側と、尽くされる側の立場が、はっきりしてく
る。

 ある女性(七六歳)は、生活費のすべてを、息子(四九歳)に依存していた。息子は見
るにみかねて、そうしていたが、今では、それが当たり前になってしまっている。息子は
こう言う。「母にお金を渡すと、決まってこう言います。『大切に、つかわさせてもらうか
らね』と。まるで私がお金を出すのが当然というような言い方をします」と。

 一方、ここに書いたようなドラ息子がいる。ただ親からむしりと取るというだけの子ど
もである。それなりに社会性もあり、責任感もある子どもなのだが、親に対してだけは、
そうでない。「してもらうのが当然」と考える。このケースでは、親が子どもに尽くしてい
ることになる。

 問題は、なぜ、そうした依存関係が、「尽くす側」と、「尽くされる側」に、分かれるか
ということ。そこで調べてみると、最初は、ごくささいなことで始まるのがわかる。たと
えば、「教える世界」でも、こんなことがある。

 定規を忘れる子どもがいる。そこで私は、いくつか定規を買いそろえておく。忘れた子
どもに、貸してやるためである。しかしそういうことをすると、とたんに、定規を忘れる
子どもがふえる。一度、こういう関係ができると、それを改めるのは、容易ではない。あ
る日突然、「もう定規は貸してやらない」などと言おうものなら、大混騒動になってしまう。

 さらに定規を用意しておくと、そのままもって帰ってしまう子どもが出てくる。「盗む」
という意識からではない。無意識のまま、自分のケースに入れて、もって帰る。そこで毎
月のように新しい定規を買い足して、補充することになる。が、ここで終わるわけではな
い。子どもは定規を粗末に扱うようになる。あちこちで使うたびに、定規をなくすように
なる。そしてそのたびに、私のところから定規をもって帰る……。

 こうして定規について、「尽くす側」と、「尽くされる側」の立場ができる。もっともこ
れは定規という、教育の中の、ほんの一部の「部分」にすぎない。しかしこうした関係が
無数に積み重なって、やがてそれが人間関係をつくる。子育てのリズムというのはそうい
うもので、一事が万事。最初は小さな流れが、無数に集まって、やがて大きな流れになる。
で、一度そうなると、その流れを変えるのは、もう、容易なことではない。

●小さな流れのときに……

 大切なことは、「尽くす側」にしても、「尽くされる側」にしても、そういう流れをつく
らないこと。わかりやすく言えば、サービス過剰も、またサービス不足も、子育てでは、
決して好ましいものではないということ。とくに親としては、サービス過剰に注意する。
サービス過剰は、決して子どものためにならないばかりか、結局は、そのツケは、親に戻
ってくる。苦労するのは、親自身ということ。

 家庭では、こんなことに注意するとよい。

(1)一〇%のニヒリズムを大切に……全幅に子どもを愛するということと、全幅に子ど
もに尽くすということは、まったくの別問題。いつも心のどこかで、「子どもは子ど
もで、勝手に生きればいい」と、冷たい心をもつ。割合としては、一〇%くらいか。
これを「一〇%のニヒリズム」という。

(2)必要なことと、そうでないことを分ける……子どもに何かをしてあげるときは、「子
どもにとって、それが必要なことか、そうでないか」を、まず頭の中で考えるよう
にする。これはちょっとしたコツで、それを覚えると、できるようになる。そして
「不必要」と感じたら、ぐんと自分をおさえる。あるいはしない。

(3)自分自身の中の依存性を知る……依存性というのは、体にしみついたシミのような
ものだから、それを正したり、消すのは容易ではない。しかしそれに気づくだけで
も、方向を変えることはできる。もし今のあなたが、親になっても、あなたの両親
に対して、どこかベタベタしているようなら、あなたは無意識のうちにも、同じよ
うに、子どもにベタベタの関係を求めていることが多い。そしてその分、子どもは
子どもで、あなたに対して依存心をもちやすくなっていると思ってよい。

(4)「必要な訓練(トレーニング)はするが、その限度をわきまえている親のみが、真
の家族の喜びを与えられる」(バートランド・ラッセル)の言葉を、かみしめる。子
育ては、いつもこの「限度」との戦いである。溺愛も、過保護も、過干渉も、過関
心も、その限度を忘れたときに、問題になる。

●イギリスの哲学者でもあり、ノーベル文学賞受賞者でもあるバートランド・ラッセル(一
八七二〜一九七〇)は、こう書き残している。「子どもたちに尊敬されると同時に、子ど
もたちを尊敬し、必要なだけの訓練は施すけれど、決して程度をこえないことを知って
いる、そんな両親たちのみが、家族の真の喜びを与えられる」と。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●恐怖のしりとり

++++++++++++++++

風船に蚊取り線香を、セロテープで
つける。

その風船を順に回しながら、しりとり
遊びをする。

やがて蚊取り線香の火が風船に届き、
そこで風船が爆発。

「恐怖のしりとり遊び」である。

アイディアは私が出したが、子どもたち
(小5)が、どうしても、それをしたい、と
言った。

そこで2度ほどしてみたが、最後まで
する子どもはいなかった。

みな、終わりごろになると、「こわい」
「こわい」と言って、机の下に
もぐってしまった。

そしてドカ〜ン!
かなり大きな音である。

が、ここで事故。
吹き飛んだ蚊取り線香が、見あたらない。
さがすと、2度とも、じゅうたんを
焦がしたり、ふとんを焦がしたりしていた。
そこに1センチ大の穴を作った。

子どもたちは、「記念ができた!」と
喜んでいた。
蚊取り線香でできた穴が、記念、と。
私には理解しがたい、子どもの心理である。

家ではまねをしないように!

火事になるかも?


Hiroshi Hayashi+++++++++++はやし浩司

●サービス業

よく「教育はサービス業」という。
「教育」とは名ばかり。その中身は、
サービス。さらにかみくだけば、「接客業」。
接客業であることが悪いと言っているのではない。
今では、生徒は、(お客様)。

たとえばある幼稚園の園長が、こう教えてくれた。
「今では給食といっても、レストラン形式で、
給食を出さないと、親たちは満足しません」と。

「園児にさせないのですか?」と、私が聞くと、
「とんでもありません」「もしそれで、火傷(やけど)
でもされたら、たいへんです」と。

さらにこのあたりの小中学校でも、教師が
生徒に何かしてほしいときは、「〜〜してはどうでしょうか」
(提案型)、「〜〜してくれませんか」(依頼型)という
ような言い方に変わってきている。

昔のように、「おい、〜〜しろ!」式の言い方を
したら、それこそ、たいへん。もちろん体罰など
もってのほか。プリントを丸めて、児童の頭を
たたいただけで、親たちは、大騒ぎする。

「教え育てる」と言っても、何を教え、育てるのか。

学校といっても、その中身は、受験塾、もしくは
予備校。わかりやすく言えば、指導。受験指導。
今では、学校が、進学塾の講師を呼んで授業(?)を
するようになった。

教育そのものが、大きく変質しつつある。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●新聞の投書から……

I read an article on a newspaper in which her families were suddenly dropped into a 
sorrow, since their eldest daughter announced that she would get married soon. But 
why? In this case of the announcement, families would be glad and receive the news 
with a joy. But in this column her father was deeply depressed with the news.

 少し前、M新聞の朝刊にこんな投書が載っていた。今では、新聞記事でも、そのまま転
載することはできない。著作権の問題がからむ。で、少し内容を変えて、ここに紹介する。

 「私にとって、記憶に残る大切な日。それは、姉と結婚したいと言って、一人の男性が、
私の家にたずねてきた日。だれも姉の結婚に反対したわけではないが、父は、そのあと一
日中、押し黙ったまま、背中を丸めて、テレビを見ていた。母も、台所で洗いものをしな
がら、ハンカチで顔を押さえて泣いていた。それから一週間ほど、私の家は、重苦しい雰
囲気に包まれた。冷ややかなムードになり、母はふて寝を繰りかえし、口数も少なくなっ
た。私も怒ったり、泣いたりした。姉がいなくなるという、さみしさに、家族それぞれが、
それぞれの方法で耐えていた」と。

 長女の結婚について、家族の狼狽(ろうばい)ぶりが、よくわかる。しかし私は、この
投書を読んだとき、「どうして?」という気持ちが、先にきてしまった。「どうして、家族
は、長女の結婚を、そのようにとらえたのか?」と。

 結婚の申しこみが、あまりにも急なことだったので、心の準備ができていなかったのか。
長女が、まだ若くて、結婚を考える年齢ではなかったのか。長女が、一家の中では、大切
な存在だったので、それがつらかったのか。いろいろ考えられる。その家族には、その家
族しかわからない、心の事情というものがある。

が、私が「どうして?」と思ったのは、そのとき、家族のだれか一人でも、結婚の申し
こみを、喜ぶことはできなかったのかということ。投書を出した二女まで、「おとなげな
い態度を、姉にしてしまった」と書いている。どうして? まさか長女にとって、不本
意な結婚というわけでもなかったと思う。投書の終わりは、こうなっている。「今では元
気な三児の母。これからも幸せを願わずにはいられない」と。

 まず考えられるのは、日本人は昔から、娘の結婚を、「取られる」ととらえること。今で
も、「娘を、嫁にくくれてやる」とか、「嫁をもらう」とか言う人がいる。いわゆる娘に対
して、モノ意識をもっているとも考えられる。

しかし、どうもそれだけではないようだ。私はこの投書を読んだとき、たがいの間に流
れる、ベタベタの人間関係を感じた。子離れできない親、兄弟離れできない妹、そして
それをつなぐ、相互の依存関係。それが悪いと言っているのではない。(悪いと言ってい
るようなものだが……。)それが日本の家族であり、その家族には、外国にはない、温も
りがある。

 たとえば、私の母は、いくら「いらない」と言っても、朝ごはんを用意してくれる。「急
いで帰るから、朝食は食べない」と言っても、だ。実家の土間で靴をはきかけていると、
母はこう言う。「いいから、食べていけ」と。

 一方、アメリカでは、こうはいかない。「〜〜してくれ」「〜〜してほしい」と、いちい
ち言わなければ、何もしてくれない。へたに、「朝食はいい」などと言おうものなら、本当
に、何もしてくれない。日本人の私からみると、アッケラカンとしすぎていて、どこかも
の足りない。

 こうした違いが積もりに積もって、たがいの国民性をつくる。そしてそれが家族のあり
方、さらに家族の関係にまで影響をおよぼす。

 もしこの段階で、つまり「一人の男性が、私の家にたずねてきた日」に、もう少し、親
は親で自立していたら、親の見方は変わったのではないだろうか。二女は二女で自立して
いたら、二女の見方は変わったのではないだろうか。

全体として、もう少し、長女の結婚を前向きに喜び、前向きに祝うことができたのでは
ないだろうか。「おめでとう! よかったね! 幸せになってね!」と。私には、「そう
あるべきだ」とまで書く勇気はないが、しかし私がもっている感覚とは、ずいぶんと違
うように思う。もっとも、私には娘がいない。だから娘をもった親の気持ちはわからな
い。だから軽率なことは書けないが、どう頭の中でシミュレーションしてみても、その
ときのその父親のような心境にはならない……と思う。

 さて、みなさんは、どうだろうか。親の立場というよりも、自分自身を娘の立場に置い
て、考えてみてほしい。あなたに恋人がいた。結婚を考えるようになった。そこで相手の
男が、自分の両親に会いにきた。そして承諾を求めた。とたん、一転して家庭の中が暗く
なってしまった! 険悪なムードが流れ、たがいにピリピリし始めた。しかしだれも結婚
に反対しているわけではない。が、そういうムードになってしまった!

 この先は、その投書の人に失礼になるので、書けない。しかしこれだけは言える。日本
には日本の、これから克服していかねばならない問題は、山のようにある。この投書の中
には、それを考えさせる、ひとつのヒントが隠されている。もう一度、みなさんも、この
投書を、じっくりと読んでみてほしい。

女……それは男の活動にとっては、大きな(つまづき)の石となる。女を恋しながら、何
かをすることは、むずかしい。しかし、ここに恋が妨げにならない唯一の方法がある。そ
れは恋する女と結婚することである。(トルストイ「アンナ・カレーニア」)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●今朝・あれこれ(1月30日)

Temporary tax rate of gas would be maintained and we have to keep paying abt 25 yen 
per litter above the fixed tax of 25 yen still from now on. The ruling party of Japan 
insists to maintain the tax and the opposition party is agaist it. Whatever it is, a huge 
amount of money is being spent on waste, ex., 50 million yen for each car of a parking 
lot. (50 million yen for each car!) What a waste it is! Another tiopic I write here is about 
a new governor of Osaka-Fu. The new governor has been a TV talent as well as a 
lawyer.
I feel the value of democracy of Japan is still falling down.

+++++++++++++++

数日つづいた雨だが、今朝は
やんだ。

先週より、暖かくなった感じがする。
よかった!

運動不足で、体が、ナマっている。
今日から、運動、再開!

+++++++++++++++

●暫定(ざんてい)税率

 ガソリンの値段があがった。しかし暫定(ざんてい)税率はそのまま。

 わかりやすく言うと、こうなる。

 現在、ガソリン1リットルあたり、50円弱の税金が含まれている。本来は、25円弱
であったものが、暫定税率という名目で、それが約2倍に引きあげられた(1993年1
2月)(注※)。

 その暫定税率の期限が、今年(2008年)の3月31日にやってくる。

 与党は、「暫定税率を据え置く」と主張している。野党は、「それはおかしい」と主張し
ている。

 官僚たちは、小ズルイことばかりしている。贅沢な資金をよいことに、好き勝手なこと
ばかりしている。だから、こういうとき信用されない。国民の怒りは、むしろそちらに向
かっている。

 おとといの報道番組(1月28日)によれば、その資金を使って、「特例」という名のも
と、駐車場まで作っているという。あるところでは、「車、1台分の駐車場を建設する費用
に、5000万円もかけている」とか! (1台分の駐車場を作るのに、5000万円の
費用だぞ!)

 当然、そうした駐車場管理団体は、U省に勤める役人たちの天下り先となっている。

 「暫定」ということで決められた税率なら、暫定期間を経た今、廃止すべきではないの
か。「暫定」というのは、「しばらく、仮に」(国語大辞典)という意味である。英語辞書で
も、「temporary」となっている。

 私個人としては、ガソリンの値段は、ギリギリまであげればよいと思っている。その分
だけ、ガソリンの消費量が減る。地球温暖化を阻止するためにもよい。しかしそうして得
た税収を、道路工事のためだけに使うというのは、おかしい。どう考えても、おかしい。「国
防費よりも多い」(民主党)というのは、さらにおかしい。

 これから先、官僚たちが、「暫定」という言葉を使っても、みなさん、信用するな! 彼
らが言うところの「暫定」というのは、「永久に」という意味である。つまりこれもその場
しのぎの、官僚用語! ごまかし用語!

+++++++++++++++++

(東京新聞の記事より)

「ガソリン税(揮発油税など)に上乗せされている暫定税率(1リットルあたり約25
円)を、継続するのか廃止するのか。その行方が通常国会の大きな争点になっている。
暫定税率継続はなぜ必要なのか、廃止を目ざす狙いは何なのか。自民、民主両党の担当
者に、主張を戦わせてもらった」(東京新聞・1月27日)。

 わかりやすく言えば、「道路を整備したい」と主張する、与党側。「5兆4000億円も
の巨額の資金が、道路整備だけに使われるのは、おかしい」と主張する、野党側。

 最近、また、私の町内で側溝工事が始まった。前からあった側溝を、作りなおすという
工事である。しかしまあ、何というか、見るからにムダな工事。まるで工事のための工事。
こういうムダな工事が、今の今も、全国津々浦々でなされている。それを思うと、ゾッと
する。

(注※)……揮発油税の税率は揮発油税法上、1キロリットルあたり2万4300円となっ
ているが、租税特別措置法(昭和32年3月31日法律26号)第89条第2項の規定に
より、1993年(平成5年)12月1日から2008年(平成20年)3月31日まで
の間、倍額の4万8600円が適用される(ウィキペディア百科事典より)。


●大阪府で、またまたタレント府知事

 大阪府で、新しい府知事が誕生した。天下り官僚のつぎは、タレント弁護士。タレント
が悪いわけではない。弁護士が悪いわけではない。しかし民主主義という(主義)が、ま
すます軽くなっていくように感ずる。

 大阪府といえば、あの横山N氏が、しばらく府知事を務めたところである。「パンパカパ
〜ン」でよく知られていた、あの横山N氏である。

 だれがなっても、それを選ぶのは、府民の責任。ただ、こういう府知事の誕生で、いち
ばん喜んでいるのが、その(下)で働く、役人たちではないのか。府知事を、どのように
でも料理できる。


●2月29日号(Magazine for Feb. 29th edition)

I will issue nr. 1011st magazine on Feb. 29th, which is this. I issued nr. 1000th on the last 
Feb. 4th but it is funny that I don't feel anything special in my mind that I have done 
something. Why not? I am stepping forward again to another goal of nr. 2000th, but I 
shall follow my nose. I just keep writing, which is everything for me.

+++++++++++++++++

この原稿は、2月29日号ということ
になる。

去る2月4日(月)に、電子マガジンは、
1000号になった。

だからこの2月29日号は、1011号という
ことになる。

つぎの1000号をめざして、また、
長い戦いが始まった。

しかし2000号は、目ざさない。
成り行きに任せる。

あとは行けるとこまで行く。
ただとても残念なことに、1000号
を超えたというのに、「何かをなし遂げた」という
実感は、ほとんど、ない。

どうしてだろう?

++++++++++++++++++

●雑感・あれこれ

今日は、1月30日。
このところ、何かにつけて、忙しい。
たとえば、こうだ。

私のしたいことと、ワイフのしたいことが
同時にあったとする。

そういうときは、両方とも、する。

あるいは、1時間でもヒマができたら、
その1時間で、したいことをする。

けっして、あと回しにしない。

もちろん私の仕事もある。

+++++++++++++++++

●まじめに生きる

ときどき、まじめに生きるのが、バカらしくなる。
ほんとうは、そうであってはいけない。
それはわかっている。
しかしそのバカらしさと戦うのも、たいへん。
言うなれば、これは(内なる敵)との戦いということか。

ワイフも、ときどき、こう言う。
「あなたは、ラマンチャの男(=ドンキホーテ)みたい」と。


++++++++++++++++++

原稿をさがしてみた。
何と、6年前にも同じことを考えていた。

++++++++++++++++++

●私はドンキホーテ

 セルバンテス(ミゲル・デーサーアベドラ・セルバンテス・1547〜1616・スペ
インの小説家)の書いた本に、『ドンキホーテ』がある。『ラマンチャの男』とも呼ばれて
いる。夢想家というか、妄想家というか、ドンキホーテという男が、自らを騎士と思いこ
み、数々の冒険をするという物語である。

 この物語のおもしろいところは、ひとえにドンキホーテのおめでたさにある。自らを騎
士と思いこみ、自分ひとりだけが正義の使者であり、それこそ世界をしょって立っている
と思いこんでしまう。そして少し頭のにぶい、農夫のサンチョを従者にし、老いぼれたロ
バのロシナンテに乗って、旅に出る……。

 こうした「おめでたさ」は、ひょっとしたら、だれにでもある。実のところ、この私に
もある。よくワイフは私にこう言う。「あんたは、日本の教育を、すべてひとりで背負って
いるみたいなことを言うね」と。最近では、「あなたは日本の外務大臣みたい」とも。私が
あれこれ国際情勢を心配するからだ。

 が、考えてみれば、私一人くらいが、教育論を説いたところで、また国際問題を心配し
たところで、日本や世界は、ビクともしない。もともと、だれも私など、相手にしていな
い。それはいやというほどわかっているが、しかし、私はそうではない。「そうではない」
というのは、相手にされていると誤解しているというのではない。私は、だれにも相手に
されなくても、自分の心にブレーキをかけることができない。そういう意味で、ドンキホ
ーテと私は、どこも違わない。あるいはどこがどう違うのか。

 よく、私塾を経営している人たちと、教育論を戦わすことがある。私塾の経営者といっ
ても、経営だけを考えている経営者もいるが、中には、高邁(こうまい)な思想をもって
いる経営者も、少ないが、いる。私が議論を交わすのは、後者のタイプの経営者だが、と
きどき、そういう経営者と議論しながら、ふと、こう思う。「こんな議論をしたところで、
何になるのか?」と。

 私たちはよく、「日本の教育は……」と話し始める。しかし、いくら議論しても、まった
く無意味。それはちょうど、街中の店のオヤジが、「日本の経済は……」と論じるのに、よ
く似ている。あるいはそれ以下かもしれない。論じたところで、マスターベーションにも
ならない。

しかしそれでも、私たちは議論をつづける。まあ、そうなると、趣味のようなものかも
しれない。あるいは頭の体操? 自己満足? いや、やはりマスターベーションだ。だ
れにも相手にされず、ただひたすら、自分で自分をなぐさめる……。

 その姿が、いつか、私は、ドンキホーテに似ていることを知った。ジプシーたちの芝居
を、現実の世界と思い込んで大暴れするドンキホーテ。風車を怪物と思い込み、ヤリで突
っ込んでいくドンキホーテ。それはまさに、「小さな教室」を、「教育」と思い込んでいる
私たちの姿、そのものと言ってもよい。

 さて私は、今、こうしてパソコンに向かい、教育論や子育て論を書いている。「役にたっ
ている」と言ってくれる人もいるが、しかし本当のところは、わからない。読んでもらっ
ているかどうかさえ、わからない。しかしそれでも、私は書いている。考えてみれば小さ
な世界だが、しかし私の頭の中にある相手は、日本であり、世界だ。心意気だけは、日本
の総理大臣より高い? 国連の事務総長より高い? ……勝手にそう思い込んでいるだけ
だが、それゆえに、私はこう思う。「私は、まさに、おめでたいドンキホーテ」と。

 これからも私というドンキホーテは、ものを書きつづける。だれにも相手にされなくて
も、書きつづける。おめでたい男は、いつまでもおめでたい。しかしこのおめでたさこそ
が、まさに私なのだ。だから書きつづける。
(02−12−21)

●毎日ものを書いていると、こんなことに気づく。それは頭の回転というのは、そのとき
のコンディションによって違うということ。毎日、微妙に変化する。で、調子のよいと
きは、それでよいのだが、悪いときは、「ああ、私はこのままダメになってしまうのでは
……」という恐怖心にかられる。そういう意味では、毎日、こうして書いていないと、
回転を維持できない。こわいのは、アルツハイマーなどの脳の病気だが、こうして毎日、
ものを書いていれば、それを予防できるのでは……という期待もある。

●ただ脳の老化は、脳のCPU(中央演算装置)そのものの老化を意味するから、仮に老
化したとしても、自分でそれに気づくことはないと思う。「自分ではふつうだ」と思い込
んでいる間に、どんどんとボケていく……。そういう変化がわかるのは、私の文を連続
して読んでくれる読者しかいないのでは。あるいはすでに、それに気づいている読者も
いるかもしれない。「林の書いている文は、このところ駄作ばかり」と。……実は、私自
身もこのところそう思うようになってきた。ああ、どうしよう!!

●太陽が照っている間に、干草をつくれ。(セルバンテス「ドン・キホーテ」)

●命のあるかぎり、希望はある。(セルバンテス「ドン・キホーテ」)

●自由のためなら、名誉のためと同じように、生命を賭けることもできるし、また賭けね

●ばならない。(セルバンテス「ドン・キホーテ」)

●パンさえあれば、たいていの悲しみは堪えられる。(セルバンテス「ドン・キホーテ」)

●裸で私はこの世にきた。だから私は裸でこの世から出て行かねばならない。(セルバンテ
ス「ドン・キホーテ」

●真の勇気とは、極端な臆病と、向こう見ずの中間にいる。(セルバンテス「ドン・キホーテ」)

+++++++++++++++++++++++++++++++++++はやし浩


●Kさん夫婦(A couple named Mr. and Mrs. K)

*What should a couple be like? Is it a normal style of a couple whose husband works in 
offices in day-time and whose wife does quite adifferent thing at home? Here is an 
article about it.

 Kさんは、今では珍しい、専業農家を営んでいる。
「珍しい」というのは、このあたりでは、専業農家の人は、ほとんどいないということ。
数年前までは、もっぱらミカンを栽培していた。
が、高齢になったこともあって、今は花木に主流を移している。
その分、ミカンは少なくなった。

 そのKさんは、いつも奥さんと二人で仕事をしている。
何をするにも、二人といった感じ。
そういうKさん夫婦を見ていると、「ああ、これが夫婦の、もともとの、あるべき姿なんだ
なあ」と思う。
言いかえると、夫は会社勤め、妻はもっぱら家事、あるいは共働きというのは、もともと
あるべき姿ではないということになる。
このことは、外国の夫婦と、くらべてみても、わかる。

 たとえば同じサラリーマンにしても、夫婦の密着度は、国によって違う。
オーストラリアの友人も、長い間、サラリーマンをしているが、若いころは昼食を食べる
ためにも、家に帰っていた。
あるいは奥さんが、夫の会社の近くまでやってきて、いっしょに昼食を食べていた。
「今は?」と聞くと、「今は、(たがいに歳をとり)、めんどうになった。(I can't
 be bothered so much.)」と。
その違いがきわまったものが、単身赴任ということになるが、オーストラリアでは、今も、
昔も、日本型の担任赴任など、考えられない。

 こう考えていくと、夫婦とは何かという問題にまで、発展してしまう。いくら「夫婦に
は形はない」とは言うものの、「ではなぜ、男と女は結婚するのか」ということまで考えて
いくと、夫婦にも、ある程度の「形」があるのではないかということになる。
もちろんその形にこだわるのも、よくない。反対に今、いわゆる「形だけの夫婦」が、多
い。
多すぎる。

 そこでKさん夫婦を見てみると、たがいに夫婦というよりは、仲のよい友だちといった
感じがする。
たがいに仕事をしているときでも、助けあうとか、いたわりあうとか、そういう意識はな
いように思う。
ただ淡々と自分のことをしているだけといったふう。若い夫婦のように、「愛している」と
か、「愛されている」とか、そういうイチャイチャしたムードはもちろんない。
あえて言うなら、たがいに空気のような存在? が、それでいて、二人の呼吸がピタリと
あっている。

 ……となると、夫婦というのは、その「呼吸」ということになる。呼吸があっていれば、
夫婦。呼吸があっていなければ、夫婦ではない? 
形があるとするなら、それが夫婦の、あるべき形ということになる。
外見ではなく、あくまでも中身。
中身さえあれば、それを包む形には、それほど意味はない。

 これからの日本は、夫婦がこうした中身のある夫婦になれるよう、少しずつでも、その
しくみを変えていかねばならない。
たとえば夫が同僚と飲み食いするときでも、妻が同席するとか、あるいは夫の仕事を手伝
うために、たまには妻も会社へいき、アルバイトをする、とか。
住居と職場を近づけるとか、あるいは在宅ワークを、もっとポピューラーにするとか。方
法はいくらでもある。
少なくとも、今までのように、夫の仕事のために、妻のみならず、家族全体が犠牲になる
ような、あるいはそれを当然とするような社会のあり方は、お・か・し・い。

 Kさんの家で、ミカンを数箱分けてもらいながら、私はそんなことを考えていた。

●結婚、つまり両性の結合は、それ自体はもっとも小さな社会の一つだとしても、もっと
も大規模な政府の存在そのものとなる源泉である。(ベンジャミン・フランクリン)

●強い家族をもてば、米国はより強くなる。(クリントン元大統領)

●すべての幸福な家庭は、たがいによく似ているが、不幸な家庭は、それもが、それぞれ
の流儀で、不幸である。(トルストイ「アンナ・カレーニア」)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●コロラドの月(Moonlight On The Colorado)

 夜、犬が騒いだので、庭へ出てみた。美しい夜だった。つんと冷たい風。澄み切った星
空。

 中学生のとき、コーラス部で、「コロラドの月」という歌を歌った。簡単な曲だった。し
かしあのころの私は、まだ見ぬ外国に、限りないロマンをいだいていた。いや、まだ知ら
ぬ恋に、限りないロマンをいだいていたと言うべきか。「♪……君よ、こよ、うるわしき…
…」と。

 そのせいか知らないが、昔、飛行機の上からはじめてコロラド川を見たときには、本当
に感激した。「ああ、あのときの川だ」と。……そんなことはどうでもよいが、こういう静
かな夜は、どういうわけか、「コロラドの月」が、自然と鼻歌となって出てくる。

 あのときの、あの仲間はどうしているかな……とふと、思う。先生は、どうしているか
なと、ふと、思う。

 男子の部員は、四〜五人しかいなかった。あとは全員、女子。その中に佐藤君という後
輩がいた。歌手になった野口五郎という人の、兄だった。今はどこかで作曲の仕事をして
いるということだが、そのまま疎遠になってしまった。

 こういう夜は、無性に、人が恋しくなる。それは過ぎ去りし日々への郷愁か。それとも、
人生の終盤にやってきた自分への悔恨か。若いころの思い出が、ツユと消えたように、私
もまた、つぎの瞬間には、ツユと消えるのか。そんなはがゆさが、こうしてあのころの思
い出を、輝かせる。

 そう、今、脳裏に飛来したのは、コンクールに行くときの私たちだ。みんなでゾロゾロ
と、どこかの会場に向かっている。並んでいるわけではないが、前のほうに、女子が、歩
いている。コーラス部には、美しい人が集まっていた。Iさん、Tさん、Yさんなど。そ
の女子たちが、明るく、声を張りあげて、何やらはしゃいでいる。初夏の陽光を、まばゆ
いばかりに浴びながら……。

 遠い昔のような気もするし、つい先日のことだったような気もする。時間でみれば、ち
ょうど四〇年も前のことだが、その実感が、まったくない。ただ私だけが、いつの間にか、
歳をとったような感じがする。記憶はそのままなのに、肌からはハリが消え、シワもふえ
た。頭は、もう白髪だらけだ。そんな私が、気分だけは中学生のままで、コロラドの月を
口ずさむ……。

♪コロラドの月(Moonlight On The Colorado)
キング作曲(近藤玲二訳詞)

コロラドの月の夜 一人ゆく岸辺に
思い出を運びくる はるかなる流れよ
若き日いまは去りて 君はいずこに
コロラドの月の夜 はかなく夢はかえる
 
コロラドの山の端に 涙ぐむ星かげ
今もなお忘れられぬ うるわしき瞳よ
夜空に君の幸を 遠く祈れば
コロラドの山の端に はかなく夢はかえる

 部屋にもどって、コタツのふとんを肩までかぶせた。体はシンまで冷えているはずなの
に、どこか心の中だけは、ポカポカしている。私はさらにふとんを深く、顔までかぶせる
と、そのまま眠ってしまった。甘い夢に包まれて……。 
(02−12−23)

●少し前、アメリカに行ったとき、二男が、「パパ、コロラド州はいいところだよ。いっし
ょに来て住まないか」と言ってくれた。私がもう少し若くて、それにアメリカに人種偏
見がなければ、そうしただろう。が、今の私には、もうその気力はない。今ある世界の
中で、今ある自分を大切にして生きたい。「冒険」ということになれば、私は、若いころ、
さんざんしてきた。思い残すことは、ほとんどない。


Hiroshi Hayashi+++++++++++はやし浩司

●新しい挑戦

+++++++++++++++++

「YOU TUBE」というサービスが
ある。わかりやすく言えば、ビデオの配信
サービスのこと。

この1か月近く、私は、そのYOU TUBE
にハマっている。

私のワイフも、日に何度かは、「音楽と
私」(はやし浩司のHPのトップ画面)
から、このYOU TUBEをのぞいて
いる。

ワイフの好きな音楽を集めたコーナーも
用意した。ついでに「団塊の世代、ご用達」
というコーナーも、用意した。

団塊世代にとって、「これは!」という
音楽や歌を集めてみた。

興味のある人は、ぜひ、一度、「音楽と
私」をのぞいてみてほしい。

で、それに刺激されて、私も、今朝、2本
ほど、ビデオと写真を、YOU TUBE
にアップロードしてみた。

1本は、浜松駅周辺の様子。もう1本は、
教室の近くにある五社(ごしゃ)神社の様子。

五社神社というのは、徳川家康にもゆかりの
ある、このあたりでは、よく知られた、かつ、
由緒ある神社である。

ともに観光案内のビデオのようなもの。

で、私は決めた。

浜松市内をくまなく、YOU TUBEを
使って紹介してみよう、と。

数を口にすると、それに束縛されるので、
この際、数は、問題にしたくない。50本に
なるかもしれないし、100本になるかも
しれない。

外国の人が、この浜松を知りたいとき、
何かの手がかりになればうれしい。

・・・ということで、どんなに小さくてもよい。
何か、目標をもつということは、よいことだ。

またまた忙しくなりそう・・・!


++++++++++++++++++++

●USTREAM

YOU TUBEについて書いたので、USTREAM
についても書かねばならない。

USTREAMのほうは、同じビデオでも、時間制限は
ない。一応、12時間まで、ということになっている。
が、12時間も使う人はいない。一方、YOU TUBE
は、最長10分程度までとなっている(※)。

私はこのサービスを使って、現在、子育て論を展開して
いる。これも、私のHPのトップ・ページ
から、見ていただけるようにしておいた。

「こちらBW放送局」というのが、それ。こちらも、
どうか、よろしく!

(注※)・・・YOU TUBEのばあい、ソフトを
ダウンロードすれば、10分以上のビデオも
アップロードできる。


+++++++++++++++++++++++

●「日本」

私が知るかぎり、「日本」という言葉の出てくる歌は、
ほとんどない。ほとんどないが、中には、ある。そのひとつが、
これ。「♪遠い世界に」(西岡たかし作詞)である。

団塊の世代なら、みな、この歌を知っている。みな、歌った。
私も歌った。

再び、何十年ぶりかに聞いてみた。今でも、「赤い風船」は、
健在のようだ。

+++++++++++++++

遠い世界に

遠い世界に 旅に出ようか
それとも赤い風船に乗って
雲の上を歩いてみようか
太陽の光で にじをつくった
お空の風を もらって帰って
暗い霧を 吹き飛ばしたい。

ボクらの住んでいる この街にも
明るい太陽 顔を見せても
心の中は いつも悲しい
力を合わせて 生きることさえ
今ではみんな 忘れてしまった
だけどぼくたち 若者がいる。

雲にかくれた 小さな星は
これが日本だ 私の国だ
若い力を 体に感じて
みんなで歩こう 長い道だが
一つの道を 力のかぎり
明日の世界を さがしに行こう
明日の世界を さがしに行こう

++++++++++++++++

うれしかった。と、同時に、あのころの私を思い出した。
何か不安だった。しかしその不安の中に、何か光る希望を
感じていた。前に進んでいけば、何かがある。そんな
思いで、私たちは、がむしゃらに未来に向かって、突っ走った。

この曲も、「音楽と私」に収録しておいたので、興味
のある人は、聞いてほしい。世代を超えて、今の若い人
たちにも、何か訴えるものがあるはずである。


++++++++++++++++++++++++

●寒い夜

寒い夜。何が楽しいかといって、ワイフと抱きあって
寝ることくらい、楽しいことはない。
暖かい。気持ちよい。ときどきワイフは、「温泉に入って
いるみたい」という。
たしかにそんな気分になることもある。

ときどき、2人で、ふとんの中で、合唱することも
ある。あるいはそのまま1〜2時間、ペチャペチャと
話しつづけることもある。

そう言えば、知人のSGさんは、ネコを抱いて寝るそうだ。
「ネコは暖かいから、コタツがわりになる」と。

そんな私だが、このところ、ふと、こんなことを
思うことがある。
「こんな時は、いつまでつづくだろうか?」と。

私たちは結婚以来、35年以上、床をいっしょに
してきた。今ではどんなに夫婦喧嘩をしても、
寝るときまでには、仲なおりする。
ひとりで寝るのは、つらい。寒い夜は、なお、つらい。

たぶん、ワイフは私なしでも寝られるが、私は、
ワイフなしでは、寝られない。
ときどきひとりで寝るときもあるが、そういうときは
恐ろしい夢を見る。

「13日の金曜日」に出てくる、ジェイソン級の
恐ろしい夢である。

母子分離不安というのがあるが、私のは、「夫婦分離
不安」ということになる。

あと、10年か? それとも20年か?
すっかりババ臭くなったワイフだが、それでもそんな
ワイフがいとおしい。

一日、一日と、人生そのものが、削られていくように
思うこともある。

つらいこともあった。悲しいこともあった。しかし総じて
みれば、私たちの(私の?)人生は、それなりに
楽しかった。おもしろかった。

あとはそれをできるだけ長く、つづけるだけ。
息子たちには、迷惑をかけたくない。
最後の最後まで、私たちは私たちで、生きていく。

だからやはり、いっしょに寝るのがよい。
今のうちに、しっかりと2人で寝るのがよい。
「今」というときを、しっかりとかみしめながら・・・。


++++++++++++++++++++++

●我が家のギョーザ

ワイフはギョーザを焼くのが苦手。
食べるときは、ナイフとフォークが必要。
フライパンの上で、いつも一枚の、お好み焼きのように
なってしまう。
だから食べるときは、ギョーザとは思わないこと。
お好み焼きと思うこと。

・・・ということで、先日、ラーメン屋でギョーザを注文した。
どれも、パリパリに焼けていた。

私「おい、ここのギョーザ、バラバラになるぞ」
ワ「・・・!」と。

ワイフは、他責型人間。わかりやすく言えば、意地っぱり。
めったに自分の失敗を認めない。
何があっても、相手が悪いと、言い逃れる。

ギョーザのときも、「このギョーザ、へんね」
「作り方が甘いのよ」となる。
(ほんとうは、腕がまずいくせに!)

一方、私は、自責型人間。何があっても、「ぼくが悪い」と、
先にあやまってしまう。あやまらなくてもよいときまで、
あやまってしまう。

だから夫婦でいられる。両方とも凸でも困る。
凹でも困る。

長い間、いっしょにいると、夫婦もそうなるらしい。
たがいに欠点を補いあいながら、それでいて、
たがいの欠点は欠点として、増幅される。
たがいに削りあいながら、丸くなるということはない。

そんなわけで、あとはたがいに、「許して、忘れる」。
その繰りかえし。その連続。

いろいろな夫婦がいる。
いろいろな夫婦がいるが、夫婦、それぞれ。
標準もないし、基準もない。

「私は私」と居なおって生きるように、夫婦もまた、
居なおって生きるしかない。「夫婦分離不安」でも、
何でもよい。それが私の形なら、それでよい。
だれかに合わせて、自分たちを作りかえる必要はない。

ギョーザの話から夫婦論になってしまった。

ところで、私はギョーザが大好き。
ギョーザと白い、ホカホカの白いご飯さえあれば、
それで満足。いつもそうやって、食べている。

この浜松は、ギョーザの町として、知られている。
おいしいギョーザを食べたかったら、浜松へどうぞ!


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子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 27日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●民主主義vs資本主義(Democracy vs Capitalism)

Capitalism often invades democracy and more often it brings democracy into crisis. 
What is needed is how we can control the capitalism with the power of democracy. 
Otherwise democracy itself would be collapsed. Here I take an example and discuss 
about it. 

++++++++++++++++

ロバート・ライシュという人が
書いた、「新資本主義」(Taming Super-
Capitalism)という本が話題になっている。

オーストラリアに住む友人が、読んで
みたらよいと勧めてくれた。

概略を言えば、資本主義と民主主義の
対立について書いた本ということになる。

資本主義は、金儲け主義が前提となって
いる。商品のリサクルにしても、企業は、
何も、社会的正義感があって、それを
しているのではない。
よりコストをさげるために、それをする。

社会的責任や、社会的道徳があるから、
それをしているのではない。

すべてが(金儲け)につながっている。

一方、民主主義は、常にこうした資本主義に
振り回されるという宿命を負っている。

私なりに、ひとつの例をあげて考えてみたい。

たとえば日本には進学塾というものがある。
アメリカにも、学外教育組織として、
ラーニング・センター(Learning Centers)の
ようなものはある。

しかし内容は、まったく、ちがう。

日本の進学塾は、どうカモフラージュ
しようとも、(企業)である。金儲けを
目的とした、企業である。

もちろん進学塾とて、需要と供給の
バランスの上に成り立っている。
需要があるから、存在する。
「悪」と決めてかかっては、いけない。

では、なぜ、親たちが、子どもを進学塾
へ通わせるかと言えば、理由は、簡単。

親たちは、自分の生活を通して、社会の
不公平を、毎日、いやというほど、見せつけ
られている。

それから生まれる不公平感が、親たちを
して、子どもを進学塾へ走らせる。

しかしその一方で、進学塾がもたらす弊害も
少なくない。数えたら、キリがない。
が、何よりも最大の弊害は、進学塾が、
こうした公平感、もっと端的に言えば、
社会的格差を拡大させているということ。

ある大蔵官僚(当時)は、テレビのレポーター
の質問に答えて、こう言っていた(テレビ報道・
1999年)。

レポーターが、「天下りをどう思いますか?」
と聞いたときのこと。私ら、学生時代勉強で
苦労したのだから、当然だ」「国のために仕事
ばかりしているから、退職後の仕事をさがす
ヒマもない。(だから国が用意してくれるのは、
当然だ)」と。

中には、進学塾の世話にならず、官僚になった
人もいるかもしれない。しかしそういう人は、
例外。大半は、その進学塾の世話になっている。

こんな話もある。

都内の公立高校の学力低下がはげしかったころ
のこと。いろいろと話題になったが、文部省の
役人の子弟で、公立高校へ通っている子どもは、
ほとんどいなかった。
(私は、「ゼロ」と聞いていた。)

つまりこうして社会的格差は広がり、
不公平感が一般社会に蔓延することになる。
そしてそれが直接的に、民主主義の危機へと
つながる。

もっともだからといって、進学塾だけを
やり玉にあげることは正しくない。

進学塾も、その他、あまたある(企業)の
ひとつに過ぎない。
そこで働く講師にしても、その範囲で、
懸命に仕事をしている。

だがどこかで、だれかが進学宿をコント
ロールしないと、たいへんなことになる。

もっと端的に言えば、どこかで、だれかが、
資本主義をコントロールしないと、それこそ
民主主義の危機どころか、地球温暖化の例を
見るまでもなく、全生物を絶滅にまで、
追い込んでしまう。

つまりこれが冒頭に書いた、資本主義と
民主主義の対立ということになる。

もっともこのテーマは、何も、今に始まった
ことではない。
10年前にも、20年前にもあった。
そこでたぶん、ロバート・ライシュという
人は、その打開策として、「新資本主義」
という本を書いたにちがいない。

翻訳本も出ているということだから、
あとで書店でさがしてみるつもり。

+++++++++++++++++++

8年前の2000年に書いた原稿を
添付します。
(中日新聞、発表済み)

+++++++++++++++++++

日本の将来を教育に見るとき 

●人間は甘やかすと……?

 官僚の天下りをどう思うかという質問に対して、ある大蔵官僚は、「私ら、学生時代勉強
で苦労したのだから、当然だ」「国のために仕事ばかりしているから、退職後の仕事をさが
すヒマもない。(だから国が用意してくれるのは、当然だ)」(NHK報道・九九年春)と答
えていた。

また別の女子学生は、「卒業しても就職先がないのは、社会の責任だ。私たちは言われる
まま、まじめに勉強してきたのだから」(新聞投稿欄)と書いていた。人間は甘やかすと、
ここまで言うようになる。

●最後はメーター付きのタクシー

 私は以前、息子と二人で、ちょうど経済危機に見舞われつつあったタイを旅したことが
ある。息子はともかくも、私はあの国にたまらないほどの懐かしさを覚えた。それはちょ
うど四〇年前の日本にタイムスリップしたかのような懐かしさだった。あの国では誰もが
ギラギラとした脂汗を流し、そして誰もが動きを止めることなく働いていた。若者とて例
外ではない。タクシーの運転手がこんな話をしてくれた。

若者たちは小銭ができると、まずバイクを買う。そしてそれで白タク営業をする。料金
はその場で客と交渉して決める。そこでお金がたまったら、「ツクツク」と呼ばれるオー
ト三輪を買って、それでお金をためる。さらにお金がたまったら、四輪の自動車を買っ
て、それでまたお金を稼ぐ。最後はメーター付き、エアコン付のタクシーを買う、と。

●日本には活気があった

 形こそ多少違うが、私たちが子どものころには、日本中に、こういう活気が満ちあふれ
ていた。子どもたちとて例外ではない。私たちは学校が終わると磁石を持って、よく近く
の小川へ行った。そこでその磁石で金属片を集める。そしてそれを鉄くず屋へ持っていく。
それが結構、小づかい稼ぎになった。父の一日の稼ぎよりも多く、稼いだこともある。が、
今の日本にはそれはない。「生きざま」そのものが変わってきた。先日もある大学生が私の
ところへやってきて、私とこんな会話をした。

学「どこか就職先がありませんか」
私「君は何ができる?」
学「翻訳ぐらいなら、何とか」
私「じゃあ商工会議所へ行って、掲示板に張り紙でもしてこい。『翻訳します』とか書いて
くれば、仕事が回ってくるかもしれない」
学「カッコ悪いからいやだ」
私「なぜカッコ悪い?」
学「恥ずかしい……。恥ずかしいから、そんなこと、できない」

 その学生は、働いてお金を稼ぐことを、「カッコ悪い」と言う。「恥ずかしい」と言う。
結局その学生はその年には就職できず、一年間、カナダの大学へ語学留学をすることにな
った。もちろんその費用は親が出した。

●子どもを見れば、未来がわかる

 当然のことながら日本の未来は、今の若者たちが決める。言いかえると、今の日本の若
者たちを見れば、日本の未来がわかる。で、その未来。最近の経済指標を見るまでもない。
結論から先に言えば、お先まっ暗。このままでは日本は、このアジアの中だけでも、ごく
ふつうの国になってしまう。いや、おおかたの経済学者は、二〇一五年前後には、日本は
中国の経済圏にのみ込まれてしまうだろうと予想している。

事実、年を追うごとに日本の影はますます薄くなっている。たとえばアメリカでは、今
では日本の経済ニュースは、シンガポール経由で入っている(NBC)。どこの大学でも
日本語を学ぶ学生は急減し、かわって中国語を学ぶ学生がふえている(ハーバード大学)。

私たちは飽食とぜいたくの中で、あまりにも子どもたちを甘やかし過ぎた。そのツケを
払うのは、結局は子どもたち自身ということになるが、これもしかたのないことなのか。
私たちが子どものために、よかれと思ってしてきたことが、今、あちこちで裏目にでよ
うとしている。

(参考)

●日本の中高生は将来を悲観 

 「二一世紀は希望に満ちた社会になると思わない」……。日韓米仏四カ国の中高生を対
象にした調査で、日本の子どもたちはこんな悲観的な見方をしていることが明らかになっ
た。現在の自分自身や社会全体への満足度も一番低く、人生目標はダントツで「楽しんで
生きること」。学校生活で重要なことでは、「友達(関係)」を挙げる生徒が多く、「勉強」
としたのは四か国で最低だった。

 財団法人日本青少年研究所(千石保理事長)などが二〇〇〇年七月、東京、ソウル、ニ
ューヨーク、パリの中学二年生と高校二年生、計約三七〇〇人を対象に実施。「二一世紀は
希望に満ちた社会になる」と答えたのは、米国で八五・七%、韓仏でも六割以上に達した
が、日本は三三・八%と際立って低かった。自分への満足度では、米国では九割近くが「満
足」と答えたが、日本は二三・一%。学校生活、友達関係、社会全体への満足度とも日本
が四カ国中最低だった。

 希望する職業は、日本では公務員や看護婦などが上位。米国は医師や政治家、フランス
は弁護士、韓国は医師や先端技術者が多かった。人生の目標では、日本の生徒は「人生を
楽しむ」が六一・五%と最も多く、米国は「地位と名誉」(四〇・六%)、フランスは「円
満な家庭」(三二・四%)だった。

 また価値観に関し、「必ず結婚しなければならない」と答えたのは、日本が二〇・二%だ
ったのに対し、米国は七八・八%。「国のために貢献したい」でも、肯定は日本四〇・一%、
米国七六・四%と米国の方が高かった。ただ米国では「発展途上国には関心がない」「人類
全体の利益よりわが国の利益がもっと重要だ」とする割合が突出して高く、国際協調の精
神が希薄なことも浮かんだ。

 千石理事長は「日本の子どもはいつの調査でもペシミスティック(悲観的)だ。将来の
夢や希望がなく、今が楽しければよいという現在志向が表れている。一九八〇年代からの
傾向で、豊かになったことに伴ったのだろう」と分析している。

+++++++++++++++

民主主義は、積極的に守ってこそ、守れる。
また守らねばならない。

ついでながら一言。

社会の完成度は、いかに弱者にやさしい
かで、測定される。

弱者にやさしい社会を、完成度の
高い社会という。そうでない社会を、
低い社会という。

弱者を平気でふみにじるような社会は、
そも、私たちが求める社会ではない。
またそういう社会を、許してはいけない。

民主主義が何のためにあるかといえば、
私たちの高い理念を、そこに具現化する
ためである。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 民主主義 超資本主義
 supercapitalism 資本主義の限界)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●今日・あれこれ(Jan. 24th  2008)

●「同胞」という名の独裁者(A Tyarant named "Commrade")

South Korea has supported a tyrant named "Kin xx", not the people of North Korea 
themselves. Now South Korea is beginning to notice her own mistakes she made in the 
past.

+++++++++++++++++

わかりやすく言えば、金大中、それにつづく
ノムヒョン大統領が支えてきたのは、Kxx
という独裁者。K国の国民ではない。

金大中もノムヒョンも、その区別もできな
かった。「同胞」「同胞」と叫びながら、その
同胞というのは、ほかならぬ、あの独裁者
だった。

おかしな左翼主義に毒され、方向音痴に
なってしまった。

このたびロンドンで、「第8回北朝鮮人権・
難民国際会議」が開催された(08年1月22日)。

その席で、元K国軍人であった、P氏は、
つぎのように発言している(朝鮮N報)。

+++++++++++++++++++++++

「10年以上韓国と世界から、北朝鮮の深刻な状況を改善するために、多くの支援を受け
たが、住民の生活はほとんど変わっていない。コメを送っても最初に軍に送られるよう制
度化されている」「北朝鮮住民は北朝鮮の体制が崩壊することを望みながら、涙を流して生
活しているが、韓国政府が何も考えずに、北朝鮮当局にコメを送り住民を助けていると宣
伝しているのを見ると、間違ったことをしているのではないかという思いがわく」と。

金大中もノムヒョンも、実におかしな
対北政策を繰りかえしてきた。どれも首を
かしげたくなるようなものばかり。
そしてその一方で、これまたおかしな
……というより、時代錯誤的な反日・反米
政策を繰りかえしてきた。

「南北戦争(朝鮮動乱)は、アメリカの
責任。さらに言えば、その元をつくったのは
日本」「だから、K国には責任はない」
「韓国やK国は、その犠牲者にすぎない」と。

日本と韓国が仲なおりすれば、これほど
すばらしいことはない。再び、日・米・韓
の絆(きずな)が太くなれば、さらにすば
らしい。

自由主義貿易圏のワクの中に自らを置きながら、
反日、反米を唱える異常さ。その異常さに、
韓国の人たちが、一日も早く気がつくことを
願う。

……ということもあって、私の「日韓
経済戦争」の記事は、しばらく休んでいる。
もう少し、様子をみてから、また書こう。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●息子より

My son is coming to Napa, the Jal training center from this March. He is now at 
Haneda, receiving final schooling before that. He has been trainen for the last three 
years but another half a year he needs. It is a very long way to be a pilot.

++++++++++++++++++++++++

昨日、J社に入社した、息子からFAXが届いた。
1月からは、羽田で、座学を受けているという。
「座学」というのは、いわゆるスクーリングをいう。
それが終わると、3月から、アメリカのNで、大型機の
操縦訓練を受けることになっている。

パイロットの世界では、無数の資格試験に合格しなければ
ならない。その上、飛行機の機種ごとの免許証も必要。
すでに3年間も訓練を受けている。が、それが、さらにあと
1年半もつづく。

ワイフが、「アメリカのNって、どこ?」と聞いた。
私も知らない。

ヤフーで検索してみると、サンフランシスコ湾のすぐ北
ということがわかった。

緑に囲まれた静かな町らしい。ワインの産地としても
知られているらしい。イチローのホームベースのすぐ近く
といったほうが、わかりやすいかもしれない。

ところで、その息子が、今度、J社で、「社長表彰」なるものを
受けることになった。直接、社長から表彰されるという。
新入社員で社長表彰を受けるのは、J社、はじまって
以来のことだという。

またまた何かを、しでかしたらしい。

……いろいろつらいことはあるが、そんなわけで、昨夜
は、ワイフと2人で、息子の話に酔いしれた。

オーストラリアで息子の世話をしてくれたB君に、さっそく、
礼の手紙を書く。

毎週、息子を飛行場まで連れていってくれた。何でもはじめて
グライダーに乗った日には、「もう飛行機はやめた!」と、
息子が叫んでいたという。よほど目を回したらしい。

その日は、運悪く、天候の悪い日だったらしい。

Dear Bob,

I again thank you very much for your having done for my son, Eiichi. He joined JAL, a 
leading Japanese air-way company and he shifted from Narita to Haneda and he is 
being received the last schooling before he leaves for Pana, Cal, USA , this coming 
March. By the way here is a good news. He is given the "Prize of Boss" directly from the 
boss and he will meet with the boss of the company soon. He was happy over the phone 
last night. He has been always the top through the hard trainings over past three years. 
You know why? Because you helped him while he was with you, for which Akiko and I 
thank you very much. When he rode a glider for the first time in your place, he had a 
very bad air-sick and he said, "I shall not be a piliot anymore." Now he is finding his 
own way for happiness. I am sure he will be NO1 pilot in the near future.Here in Japan 
it is cold and it is blowing hard. In Tokyo and other places they had snow-falling, but not 
here in Hamamatsu. Last week I had a speech in Fuji-city where I could see beautiful 
Mt. Fuji. It is a pity that you were not there.  

Hiroshi Hayashi

++++++++++++++++++++

 アメリカのNへ、行ってきた人がいるという。現在、外資系企業で働く人が書いた、旅
行記である。

(掲載許可がいただけなかったので、紹介できません。ごめん!)

++++++++++++++

J社・ナパ運航乗員訓練所

自宅から車で遠出するのは、XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
XXXXXX、楽しい一日を過ごしホテルへと向かった。

+++++++++++++++++++++

●「凧」で進む船(Wind Power ship)

A German ship building company this time has constructed a kind of a wind power ship, 
with which fuel is saved 35~40%. The ship flys a giant kite in front of the ship. It is a 
very good idea, isn't it?

++++++++++++++

ドイツの貨物船が、巨大な凧(たこ)を
前方に付け、それでもって推力を得ている
という。

ドイツのベルーガ船舶会社が健造した船
(1万トン級)が、それ。

凧の大きさは、160平方メートル。
これによって、「風の状態によっては、
35〜40%の燃料を節約できる」(東亜N
報、08・1・24)という。

35〜40%といえば、大きい!

++++++++++++++

 帆船とまではいかなくても、風力を利用した船は、いろいろ考えられる。半・帆船でも
よい。追い風のときは、帆を広げて、それでもって、推力を得る。

 が、これほどまでに効果があったとは!

 今度、ドイツの船舶会社が作った船は、船の前部で、凧をあげる。その凧の大きさは、
160平方メートル。(写真で見たところ、縦横40メートル、1600平方メートルのま
ちがいではないかと思うが……。しかし1600平方メートルも、ない?)

 凧であれば、帆船のように重心をさげる必要もない。帆船のばあい、ヨットもそうだが、
重心をさげるために、船底に重しを置く。

 ナルホド! コロンブスの卵である。

 そこで私のアイディア。

 船の前方で、傘を広げるように、帆を張る。左右に張るとよい。まっすぐうしろからの
追い風のときは、左右の帆の大きさを同じにする。風がななめうしろからくるときは、コ
ンピュータじかけで、左右の帆の張り方を調整すればよい。

 そうすれば、もっと、燃料費を節約できるのではないか。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●鎌倉へ

++++++++++++++++++

TM先生が、フィンランドの教育事情に
ついての記事を送ってくれた。

雑誌「化学と教育」に載っていた記事で
ある。

そのお礼にと、電話をすると、弱々しい声。
「どうしたの、先生?」と聞くと、「ひざ
が痛い」「夜も眠れない」「胃が痛い」と。

胃の中のものが、食道のほうへ逆流する
という。「そのため、2時間おきに、目が
さめます」とも。

「元気?」と聞くと、「そうでもないです」と。

そこで急きょ、1月27日(日曜日)、鎌倉
の先生の自宅へ行くことにした。

「明後日(あさって)まで、ちゃんと、生きて
いてよ」と言うと、「たぶん、生きています」
「どこかでおいしい夕食を食べましょう」と。

TM先生が教えてくれたものは、多い。
多すぎて、ここには、書ききれない。

田「何時ごろ、来ますか?」
私「できるだけ、早く行きますから・・・」
田「来る前に電話を、ちょうだい」
私「だから、今、してるじゃ、ありませんか」
田「そうですね、ははは」

私「ところで先日、T薬科大学の元学長の
水N先生が亡くなりました。年齢が77歳
とありました。先生の友人の水N先生ですか?」
田「ちがいます。水N先生は、今年、87歳
になるのではないかな」
私「ああ、よかった。その方は、何でも、がん
で亡くなったそうです」
田「ハハハ、それは困りますね」と。

この話には、ウラがある。

TM先生の友人に、水N先生という人がいる。
鎌倉で、同じテニス仲間だという。
東大の元薬学部長で、R研では、主任研究員を
していた。その水N先生が、がんの特効薬というか、
予防薬を発見した。

その成分が、漢方薬の半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
の中に含まれているという。

毎晩、寝る前に、耳かき一杯程度を、口の中で
溶かしてのむとよいという。耳かき、一杯程度の
ごく少量でよいという。

そこでその水N先生を中心に、「半夏厚朴湯信者」が
できた。TM先生も、そのひとり。

で、今から、9年ほど前に、TM先生が私の家に
来たとき、「林君ものんでみたら?」と言って
くれた。

以来、9年間、私とワイフは、その半夏厚朴湯を
寝る前にのんでいる。一晩も、欠かしたことがない。

が、先日亡くなった水N先生は、がんだったという。
私とワイフは、少なからず、ショックを受けた。

「私たちは、がんにはならないはず」と。そういう
信仰(?)が、もろくも、崩れた。

それについてTM先生は、「あの水N先生では
ないから、心配しなくてもいいですよ」と。

この話を信ずるか、信じないかは、読者のみなさんの
判断に任せる。

TM先生自身も、(信者)という言葉を使っている。
つまり「半夏厚朴湯・信者」と。

だからそれを信ずる人は、その薬をのんでみたらよい。
漢方薬の中でも、女性のイライラや、胃の薬として
知られている、何でもない薬である。値段も安い。

TM先生は、こう言った。「おかげで、私のテニス
仲間には、がんで死んだ人はいません。ただし、
頭のボケには効かないようです」とも。

肝心の水N先生は、認知症か何かになって、いまでは、
人の顔もよく判断できなくなってしまったそうだ。

私「水N先生が、がんで亡くなったら、半夏厚朴湯
信者は、霧散してしまいますよね」
田「ははは」と。

ジョークが通ずるということは、TM先生の脳みそは、
まだだいじょうぶということ。安心した。

しばらくしてから、東京の羽田にいる息子に電話をした。
「TM先生に会いたいなら、27日に、鎌倉へ来るように」と。

息子がいた、横浜K大学にも、先生の弟子が、10人以上も
いるという。

一度、何かの記念講演のとき、息子は、そこでTM先生に
会っている。わざわざ声をかけてもらったと、はしゃいで
いた。

私の人生を、大きく変えた人。
それがTM先生だった。
私はTM先生に会って、「肩書きとは無縁の世界を生きて
やろう」と心に誓った。

そう誓うまでのいきさつは、いろいろある。あるが、
そう誓った。

「自由人として、どこまでできるか」「どこまで生きられるか」、
それはとりもなおさず、私の人生への挑戦状だった。

今でもその気持ちに、いささかの狂いもない。

が、そのTM先生も、会うたびに、元気がなくなっていく。
先ほども、そうだ。もともと温和な声の持ち主だが、
その声が、ますますか細くなったように感ずる。

ワイフに、「明後日、鎌倉へ行ってくるよ」と声を
かえると、ワイフもうれしそうだった。

「ビデオをたくさん撮ってくるよ」とも。

(注、半夏厚朴湯については、各自の判断と
責任で服用してください。服用に関して、私、
はやし浩司は、いっさい、責任を負いません。)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

最前線の子育て論byはやし浩司(2422)

【スリ?】(Pick-Pocket)

My wife and I went to Hneda to meet my son. My son was there to meet with us at 
Shin-Yokohama. Then we took a bus to Haneda airport where he has been trained since 
early this month. This is a story about a pick-pocket I met on the way back home. 

++++++++++++++++++

●新横浜駅で

場所は、新横浜駅。
東横線の改札口を出て、新幹線の乗り場に向かっていた。
エスカレーターをおりた。そこでのこと。
背中で、ゴソゴソとした動きを感じた。

日曜日の夕刻で、周辺は、かなり混雑していた。

エスカレーターをおりたところで、横にいたワイフが、こう言った。
「(バッグの)チャックがあいているわよ」と。

バッグを横腹のほうへ回してみると、チャックが、15〜20センチほど、あいていた。
私は「?」と思いながら、チャックを閉めなおした。

このところ、何かと自分を信じられないことがつづく。
「たしかに閉めたのに……」と心の中で思った。

私は改札口の右横にある自動販売機で、切符を買った。

●カードがない!

「中華料理店で見たときには、チャックは閉まっていた」と私。
「おかしいわね」とワイフ。

一度、同じような経験を、以前、ディズニーランドでもしている。
何かの乗り物に乗ったあと、自分のバッグを見ると、バッグの口が大きく開いていた。

幸いにもそのときには、お金など、大切なものは、入れてなかった。
「スリだろう」と思ったが、しかし私には、そのときの覚えがまったくなかった。
しかし今度は、背中で、ゴソゴソとした動きを感じた。

「きっとスリだよ」
「そうね」と。

新幹線に乗ったあと、私は、バッグを大きく開けると、中身を確かめた。
カード類が入っている、小さなサイフがあるはずである。
が、どこをさがしても、それがない!

とたん、胸騒ぎ。ハラハラとした胸騒ぎ。

「VISAのカードと、N証券のカードがない……」と。
座席の上にバッグを置き、中身を、すべて出してみた。

が、カード類が入っている、小さなサイフがない!

●冷静に

当初、不安と心配が、ドカッと私を襲った。
がん検診か何かを受けて、要精密検査の知らせを受けたときの気分に似ていた。
私は、そう感じた。

が、それも一巡すると、冷静な判断力が働き始めた。

VISAカードは、1日の使用限度額が、10万円以内に設定してある。
N証券のカードは、N証券会社内の機械でしか、使えない。
それにN証券のカードには、暗証番号が必要である。
「明日の9時に連絡すればいい」と。


「VISAカードで買い物でもされたら、困るね」と私。

心のすみに不安感を押しやりながら、ワイフにそう言った。

「家に帰ったら、カード会社に連絡しよう」
「どこかに置き忘れたのじゃ、ない?」
「そうかもしれない……」
「でもね、あなたのバッグは、パンパンにものが入っているでしょ。
スリでも、手が入らないわよ」と。

バッグの中には、パソコン雑誌が入っていた。
それがバッグの上の方を、おおっていた。

●合理化

こういうとき心理学でいう、合理化が、心の中で始まる。
「使われるとしても、10万円まで」
「どこかの旅館で一泊したと思えばいい」
「株か何かで、10万円、損をしたと思えばいい」
「明日、その分を、株か何かで、もうければいい」と。

さらに、「命があるだけでも、もうけもの」
「がんの精密検査とは、ちがう」
「10万円で健康が買えれば、安いもの」
「元気で、横浜で遊んできたのだから、文句を言うな」とも。

こうしてスリにあったことを、自分の中で、解消しようとする。

再びワイフが口をきいた。

「サイフを、家のどこかに置き忘れたのかもしれないわよ」と。

たしかにその可能性はあった。
ときどきそのサイフを外に取り出すことがある。
台所のXXに置くこともある。

「記憶のどこかで、そんなようなことをしたのを覚えている……」と。
しかしその自信はなかった。

●恐怖

最近、ときどき、自分を信じられなくなるときがある。
ものの置き忘れも、多い。
置き忘れというより、どこに置いたか忘れてしまう。

それは「恐怖」と言ってもよい。
たとえば洗面所で顔を洗うために、手袋をはずす。
が、顔を洗ったあと、その手袋をどこに置いたか、わからなくなる。

で、さがしてみると、洗面台のすぐ横に、それがあったりする。
最初見たときは、そこにはなかったはず……、と。

脳細胞が、老化しているためか?
それとも認知症の始まりか?

何であるにせよ、自分を信じられなくなるというのは、恐怖そのものである。

そこで最近、私は、小さなボイスレコーダーをぶらさげて歩くようになった。

そのつど、私の声を録音しておくためである。
わかりやすく言えば、メモがわり。
しかし手袋のようなものは、いちいち録音しない。
「手袋は、洗面台の横に置きました。これから顔を洗います」と。

●あきらめ

こうした心理的な緊張感は、それほど、長つづきしない。
心の緊張感を持続するためには、相当なエネルギーを消耗する。
やがて疲れてくる。
それにつられて、緊張感も薄れてくる。
とくに昨日は、横浜から羽田へ、そして羽田から蒲田(かまた)へと、歩いた。
ふつうなら、新幹線に乗ったとたん、眠り始めるところ。

事実、「何とかなる」と思ったとたん、スーッと睡魔が襲ってきた。
見ると、ワイフは、すでに眠っていた。
「のんきな人だな」と思った。
と、同時に、私もウトウト、し始めた。

が、私という人間は、いまだかって、一度たりとも、寝過ごしたことはない。
DNAで構成された体内時計の性能が、よいせいではないか。
いくら眠っても、別の脳みそが、カチカチと時を刻んでいる。
そのときもそうだった。
掛川駅を出て、あと10分で浜松、というところで、目がさめた。
同時に、雑誌を、床にドサッと落とした。
その音で、ワイフも目を覚ました。

●羽田

私「今日は、楽しかったね。いつもの何倍も長かったように感ずる」
ワ「そうね。朝も、早かったから」と。

本当は、その日は、恩師のT先生を見舞うつもりだった。
しかし前日の遅くになって、先生から、断りの電話が入った。
かなり体調を崩されたらしい。
「このところ胃が痛くて眠られない日がつづいています」と、メールにあった。

そこで羽田にいる息子を訪ねることにした。
息子は、現在、羽田で研修を受けている。

朝、7時に家を出た。
新横浜駅で、息子と待ち合わせた。
そこからバスで羽田へ。

第2ターミナルから、息子の研修所のある、XXへ。
そこへはモノレールで行った。
あとは先にも書いたように、一度、蒲田へ出て、そこで昼食。

家に帰ったのは、午後7時ごろ。
途中、義兄に横浜のみやげを届けた。

●サイフ

家に帰って、まっさきに、台所のXXをさがした。
が、サイフはそこにはなかった。

つづいて自分の書斎の中をさがした。
しかしそこにもサイフはなかった。

で、念のためにと、先日、G温泉へもっていったときのバッグをさがしてみた。
「まさか……」と思いながら。

いや、その前に、VISAの盗難届用の電話番号を、ネットでさがした。
それはすぐ見つかった。
「VISA 盗難 届け」で検索できた。
盗難届けは、24時間、受けつけてくれるらしい。

が、である!
何と、そのサイフが、あった!
G温泉へもっていったバッグの中に、それがあった!

「こんなところにあったよ!」とワイフに声をかけると、「よかったわね」と。
しかし軽い喜びが収まると、またまたあの不信感。
「自分を信じられない」という、あの不信感。

「こんな大切なものを、バッグの中に入れ忘れるなんて!」
「いったい、ぼくの脳みそは、どうなってしまったのだ!」と。

それについて、ワイフは、こう解説した。

「大切なものだから、バッグの奧の奧にしまったのね。
それでそこに入れ忘れたのよ」と。

ナルホド!、ということで、自分を納得させた。

それにしても、よかった。

そのあと、ホ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ、という長〜イ、ため息をついた。

(2008年1月28日、月曜日、記)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●日本人よ、もっと怒れ!

(Abt. 40 years ago, a most stupid decision was made by the government, to construct our 
international airport in Narita, which is so far away from Tokyo. It takes about 1 hour 
and half by express train. How come did they construct the airport in such a remoted
 area? Then internationalization of Tokyo has been far behind. Now at Haneda airport a 
new international terminal building is being under construction, but why now? Too late.

+++++++++++++++

羽田空港では、現在、国際線ターミナルの建設が始まっている。
(一部の国際線は、すでに離発着しているが……。)

しかし今ごろ、国際線? 国際線ターミナル?
日本の経済力がまだあるころならまだしも、ここまで弱体化した今、なぜ?

おかしな政治的エゴのために、国際線が、それまでの羽田空港から
現在の成田空港に移された。

日本の運輸行政で、もっともバカげた決断だった。
おかげで、日本の国際化は、10年は遅れた。20年は遅れた。
遅れるのみならず、羽田空港のハブ化は、ツユと消えた。

現在、韓国、香港、シンガポールなどに、
その(力)が分散してしまった。

もしあのとき、羽田空港を拡張することによって国際線化を
推し進めていたら、今ごろ羽田空港(=東京)は、
押しも押されぬ、一大、国際ハブ空港になっていただろう。

無理に無理を重ねるから、成田の地元では、住民たちの
猛反発まで買っている。
そのため成田空港の国際化まで、遅れてしまった。

あのね、あんな不便なところに空港を作って、どうするの?
開港当初は、外国からやってきた乗り継ぎの旅行客たちは、成田で
一度飛行機をおりて、わざわざ数時間もかけて、羽田まで
来なければならなかった。

その時間的ロスは、たいへんなもの!

今でも、千葉県側は、国際空港を、成田から羽田へ移すことに
反対しているという。

もう、やめよう!
こんなバカげた反対のための反対は!
日本全体の利益を考えて、もっとものごとは、合理的に考えよう。
そして、日本人よ、もっと声をあげて、怒ろう!

だれだ、あんなバカげたところに、国際空港を作ったのは!
東京から、特急で、1時間半もかかる、ヘンピなところに!

新幹線だってそうだ。

岐阜県の当時の有力政治家が、新幹線の線路を、大きく、岐阜寄りに曲げてしまった。
ウソだと思うなら、一度でよいから、新幹線の線路を見てみることだ。
名古屋を出たあと、新幹線は、不自然なまでに、大きく岐阜よりに迂回している。

もし名古屋から京都(あるいは米原)へ直行するルートを選んでいたら、
東京→大阪間は、今より、10〜15分は、短縮されたはず。

田舎の、田んぼの中の駅を通るために、以後、40年以上、
無駄な電力を日本は使いつづけている。
利用客は、ムダな料金を払いつづけている。
ヒマな人は、一度、そのロス計算をしてみたらよい。

みなが怒れば、これから先、こういうバカげたことは少なくなる。
怒らないから、そのまま放置される。
そして同じバカげたことが、繰りかえされる。

今度、羽田空港の国際線ターミナル建設を見ながら、
私は、そんなことを考えた!
(1月29日、記)


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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●The Child is Father of the Man

++++++++++++++++++++++++++++

My heart leaps up when I behold
 A rainbow in the sky :
So was it when my life began,
So is it now I am a man,
So be it when I shall grow old
Or let me die !
The Child is Father of the Man :
And I could wish my days to be
Bound each to each by natural piety.

+++++++++++++++++++++++++++++

●子どもは、人の父

イギリスの詩人ワーズワース(1770〜1850)は、次のように歌っている。

  空に虹を見るとき、私の心ははずむ。
  私が子どものころも、そうだった。
  人となった今も、そうだ。
  願わくは、私は歳をとって、死ぬときもそうでありたい。
  子どもは人の父。
  自然の恵みを受けて、それぞれの日々が、
  そうであることを、私は願う。

 訳は私がつけたが、問題は、「子どもは人の父」という部分の訳である。原文では、「The
 Child is Father of the Man. 」となっている。

この中の「Man」の訳に、私は悩んだ。

ここではほかの訳者と同じように「人」と訳したが、どうもニュアンスが合わない。詩
の流れからすると、「その人の人格」ということか。つまり私は、「その人の人格は、子
ども時代に形成される」と解釈したが、これには二つの意味が含まれる。

一つは、その人の人格は子ども時代に形成されるから注意せよという意味。もう一つは、
人はいくらおとなになっても、その心は結局は、子ども時代に戻るという意味。

誤解があるといけないので、はっきりと言っておくが、子どもは確かに未経験で未熟だ
が、決して、幼稚ではない。子どもの世界は、おとなが考えているより、はるかに広く、
純粋で、豊かである。しかも美しい。

人はおとなになるにつれて、それを忘れ、そして醜くなっていく。知識や経験という雑
音の中で、俗化し、自分を見失っていく。私を幼児教育のとりこにした事件に、こんな
事件がある。

 ある日、園児に絵をかかせていたときのことである。一人の子ども(年中男児)が、と
てもていねいに絵をかいてくれた。そこで私は、その絵に大きな花丸をかき、その横に、「ご
くろうさん」と書き添えた。

が、何を思ったか、その子どもはそれを見て、クックッと泣き始めたのである。私はて
っきりうれし泣きだろうと思ったが、それにしても大げさである。そこで「どうして泣
くのかな?」と聞きなおすと、その子どもは涙をふきながら、こう話してくれた。「ぼく、
ごくろうっていう名前じゃ、ない。たくろう、ってんだ」と。

 もし人が子ども時代の心を忘れたら、それこそ、その人の人生は闇だと、私は思う。も
し人が子ども時代の笑いや涙を忘れたら、それこそ、その人の人生は闇だと、私は思う。
ワーズワースは子どものころ、空にかかる虹を見て感動した。そしてその同じ虹を見て、
子どものころの感動が胸に再びわきおこってくるのを感じた。そこでこう言った。

「子どもは人の父」と。

私はこの一言に、ワーズワースの、そして幼児教育の心のすべてが、凝縮されているよ
うに思う。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●掲示板の投稿相談より

(As to School refusal of pre-school children)
++++++++++++++

保育園へ行きたがらない……。
そんなとき、親は、どう構えた
らよいのか?

++++++++++++++

こんにちは。いつもマガジンを読んでいます。
3歳9ヶ月の長男について相談させてください。
1歳6ヶ月の弟と二人兄弟で、父親とは生まれた時から別居中、私の両親、妹と同居して
います。

今年の4月に年少組に入園しました。クラスは17人(男8人女9人)です。

同じクラスにいるA君がかなりやんちゃというか乱暴な子で、ことばもきつく、叩いたり、
つねったりということもよくあるようです。

特に私の長男にだけ、ということではないようですが、本人は「A君はどうしてすぐに怒る
んだろう」などと言って、保育園に行きたがりません。

少人数なので、他の子と遊んでいればいいという問題でもないような気がします。
いっそ、転園をしたほうがいいのだろうかとも思います。それとも行きたくない間は、家
で私が一緒に過ごしていればいいのでしょうか?

今日も、朝、「お母さんがいい」といって園の入り口で泣いてしまったのですが、先生に抱
っこされて無理やり連れて行かれてしまいました。

そういう姿を見るのも本当に辛いです。なぜ、そんな風にしてまで保育園に行かせるのだ
ろう、と。

なかなか朝、出発しようとしない長男をみて、私の両親は、「甘やかしてる」と思っている
ようです。

でも、本人が「行こう」と思えないのに無理に連れて行くのは、どうしてもかわいそうで
できません。

もうすぐ夏休みの希望保育がはじまるので、8月は半分以上お休みです。そういう話をし
ながら、「今日は行ってこようか」と気持ちを奮い立たせているような毎日です。

できるだけ、彼が不安定にならないように、スキンシップも心がけているつもりですが、
足りていないのかもしれません。

私の気持ちが不安定なことが、悪い影響を与えているかもしれません。

正直なところ、どうしていいのか分りません。

保育園など、行かなくてもいいという気持ちがあるのですが、
やはり同年代の子ども達と遊んだり、ケンカしたりすることも大切なことだと思うのです
が。
(和歌山県T市 AEより)

++++++++++++++++++++++++++はやし浩司

●子どもの心の問題は、消去法で……

 「保育園(幼稚園)へ行きたがらない……」という子どもをみるときは、まず、(1)理
由が、はっきりしているばあい。(2)理由が、はっきりしていないばあいに分けて、考え
ます。

 つぎに、同時に、もっとも心配なケースから、消去法で、一つずつ削りながら、子ども
の心をさぐっていきます。これは病院のドクターが、その人の病気を診断する手法と似て
います。つまり一番、心配なケースから順に、「これでなければ、これ」「これでなければ
これ」……と、考えていきます。

 AEさんのケースでは、いろいろな理由が考えられます。心配な(1)ノケースから、
順に並べてみると、つぎのようになります。

(1)不登校に準じた、恐怖症
(2)対人(集団)恐怖症
(3)怠学に準じた、不登園
(4)神経症
(5)母子分離不安
(6)軽い情緒不安
(7)怠け
(8)わがまま

 AEさんが疑問にもっておられるように、「毎日、行かせなければならない」と考えるほ
うが、おかしいのです。同感です。オーストラリアなどでは、子どもが少しずつ集団生活
に慣れるように、たとえば、月水金だけ、あるいか火木土だけ通うというように、週3日
制の幼稚園も珍しくありません。

 どうして日本だけ、いきなり、週5日も行かねばならないのでしょうか? 最初は、週
1日だけ。2年目からは、週3日だけ。3年目からは、週5日……という方法も、とられ
てもよいのではないでしょうか。

 また、よく子どもが幼稚園などを休むと、先生から電話がかかってきて、「後(おく)ま
すから……」と言われますね。いやな言葉です。本当に、いやな言葉です。

 で、AEさんのばあいは、(1)〜(8)から順に様子を判断していきます。(1)〜(4)
の状態ですと、ほかにも、心身症(神経症)による症状が、出ているはずです。夜尿、腹
痛、潔癖症などなど。もしそういう症状も見られるなら、心の安静を大切にしてください。
(私のHPのあちこちに書いてありますので、参考にしてください。)

 こういうケースでは、「A君がいやだ……」というのは、口実(ターゲット)にすぎませ
んから、あまりその言葉に振り回されないように! A君を排除すると、今度は、B君に
なります。

 私は、AEさんの家庭の状況から考えて、下の子どもが生まれたことが引き金となって、
赤ちゃんがえりから情緒が不安定になり、そのあと、(5)の母子分離不安が起きたのでは
ないかと疑います。(母親から離れてしまい、そのあと、何ごともなく過ごすようであれば、
母子分離不安と考えてよいのではないでしょうか。)もしそうであれば、言うまでもなく、
スキンシップを濃厚にして、安定的な愛情を大切にします。

 対処のし方としては、『求めてきたときが与え時』と考えて、「ママ〜」と甘えてきたら、
すかさず、抱いてあげるとか、ぐいと手をつないであげるとかしてあげます。すかさずす
るのが、コツです。「待っていてね」とか、「今は、ダメ」式の応じ方をしてはいけません。

 転園を考える前に、まず、「適当に行く」ということを考えてください。週3日行けば、
上(じょう)できと考えるようにします。残りの日は、いっしょにハイキングでもして、
すごします。無理をしないこと。(私なら、そうします。また実際、そうしました。)

 保育園へ行かなくてもよい状態かもしれませんが、しかし母子だけで親子のパイプを作
ってしまうのも、好ましくありません。母子関係を調整する人がいればいいですが、そう
でないと、濃密になりすぎてしまいます。

 母親側としては、それでよいかもしれませんが、子どものほうに、いろいろと問題が起
きてきます。幸いにも、ご両親と同居ということですから、そのあたりの調整をうまくし
てください。

 年齢的にも微妙なときですから、無理をせず、様子を見られてはどうでしょうか。もう
すぐ夏休みですし、これから半年くらいの間に、子どもも、どんどんと変わっていきます。
とくに4・5歳〜からは、いよいよ少年期への移行期に入ります。

 今のうちに、よく使い、よく手伝いをさせ、社会性を身につけさせてあげてください。
5歳をすぎると、それができなくなります。今は、(しつけ)の適齢期とみてください。

 いつも、励ましのメール、ありがとうございます。AEさんの相談には、いつも最優先
で、返事を書きます。(これは恩着せ!+お礼!)

【追記】

 A君のことは、まず、先生に相談してみてください。先生との連絡を密にすることが、
重要です。

 あとは、子ども自身の解決法に任せます。これから先、この種の問題は、モグラたたき
のモグラのように起きてきます。

 大切なことは、問題そのものよりも、問題を解決するための、プロセスを子どもの中に
作っておくことです。技法といってもよいかもしれません。

 親としてはつらいところですが、がまん、がまん。そして先生に、相談、です。AEさ
んと、お子さんの会話は、すばらしいです。今のやり方を支持します。

 A君を叱るのではなく、何か、A君の好きそうなものを、お子さんにもたせ、A君に与
えてみてはどうでしょうか。あるいは、家へ招待してあげるとか。A君には、悪いことを
しているという意識はありません。ですからA君を責めても、この時期、意味はありませ
ん。

 押してだめなら、引いてみます。これは幼児指導の鉄則の一つです。


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●今朝・あれこれ(1月23日)

Jan 23rd 2008

+++++++++++++++++

今朝は、小雨。シトシトと、冷たい
雨が降っている。

カーテンが閉まっているので、外の
様子はわからない。もうすぐ7時だ
というのに、まだ薄暗い感じ。

この雨が終わると、暖かくなるのか。
それとも、またまた寒くなるのか。

ここ数日、寒い日がつづいている。

+++++++++++++++++

●画像編集(Graphic Design)

 起きたら、まずメールを読む。つぎにニュースを読む。今朝は、メインのHPの写真を
入れ替えた。この前の日曜日に、画像編集ソフトを買ってきた。今は、それにハマってい
る。

 「ぼくにもできるかなあ……?」という不安はあったが、やりだしてみると、意外と簡
単。あちこちの写真を集めて、切り抜いて張りつける。ボカを入れたり、油絵風にしてみ
る。写真そのものを立体化する。

 これが結構、楽しい。昨夜も風呂から出て、1時間ほど、没頭した。おかげで、今朝は、
どこか風邪気味。軽い頭痛。


●株価暴落(Stock Depression)

 この1週間、株価は暴落につづく、暴落。今朝のニュースを読むと、アメリカは、0・
75%の利下げを発表した。簡単に言えば、お金をバラまくということ。数日前、16兆
円規模の、日本で言う、緊急の経済対策を講じた。しかし常識で考えても、そんなのは、
焼け石に水。

 日本のバブル経済が崩壊したときには、日本政府は、30兆円以上もの緊急の経済対策
を講じた。毎日新聞は、つぎのように伝える(1月18日版)。

「米政府が18日に発表した緊急経済対策は、米国の国内総生産(GDP)の1%にあ
たる1500億ドル(約16兆円)という大規模なものだったが、実施時期や内容に具
体性が欠けていたことなどから、市場に失望感を与えた」と。

 今、経済の世界では、たいへんなことが起きているようだ。地震で言えば、震度7とか、
8とかの激震が起きた。その上、余震につづく余震。今はまだ、みな、あたふたとしてい
るときだから、その被害の実態は見えてこない。しかしそのうち、それが見えてくるはず。

 停滞とか、沈滞とか、その程度ですめば、まだよいほう。へたをすれば、会社の連鎖倒
産という形で、私やあなたの生活を直撃するかもしれない。いや、すでに株投資、外債投
資で、財産を失った人も多いはず。

 「バクチ(=株取引)は、小遣いの範囲ですること」……というのが、私のモットー。
実は、私も、かなりの損をしている。ハハハ。さがった株は、しばらく塩漬け。こういう
のを、私は、「冬眠」と呼んでいる。今が、そのとき。

 
●ニューズウィーク誌・正月Special版を読む

(Reading "Newsweek Jan2/9")
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今ごろ、正月号?、と思う人も
いるかもしれない。

しかし、今、やっと、私のところに
戻ってきた。

買ったのは年末だったが、そのあと、
ワイフに取られてしまった。

で、今。

ニューズウィーク誌、1月2/9日号。

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 研究者にとって、何を研究するかは、大きなカケ。メルボルン大学にいたころ、田丸謙
二先生は、こう言った。

 「触媒の力で、水を酸素と水素に分離できれば、無尽蔵のエネルギーを人間は、手に入
れることができます」と。

 田丸先生は、その研究をしていた。

 が、それから10年ほどたって、田丸先生の自宅を訪ねると、田丸先生は、こう言った。
「コンピュータと遺伝子工学が、こうまで進むとは思ってもみませんでした」と。どこか、
残念そうだった。

 しかし、だ。今、その触媒(正確には、「触媒工学」という)が、脚光を浴びている。昨
年会ったとき、田丸先生に、「その後、触媒による水と酸素の分離はどうなりましたか?」
と聞くと、田丸先生は、こう言った。

 「R研でも、20人ほどのチームを作って、結構いいところまできていますよ」と。言
い忘れたが、田丸先生は、国際触媒学会の前会長でもある。

 で、その遺伝子工学。さらに先へと進もうとしている。ニューズウィーク誌は、「ポスト・
ゲノム最先端を行く」(P34)と題して、それを報じている。

 ケンブリッジにあるサンガー研究所では、昨年の夏、30億対もあるとされる塩基配列
のうち、1%に当たる、3万対の配列の機能解明に成功したという。

 素人にはわかりにくい話だが、つまりは、人間の設計図を手に入れつつあるということ。
その設計図さえ手に入れば、どんな病気も、その設計図を作りかえることで、治すことが
できる。「糖尿病やアルツハイマー病、さらにはがんまで」と。

 ついでに、ニューズウィーク誌には書いてないが、寿命さえも、いじることができるよ
うになるかもしれない。

 考えてみれば、これは恐ろしいことでもある。(いいのかなあ?) この記事を読んでい
て、興味深かったのは、つぎの点である。

 「ジャンク(ガラクタ)と呼ばれ、存在意義が軽視されてきた数多くのDNAが、実は
重要な役割を担ってきているらしいこともわかってきた」と。

 私は以前、似たような記事を読んだことがある。

 脳の中には、「辺縁系」と呼ばれる部分がある。その辺縁系について、私たちは学生のこ
ろ、「辺縁系は、原始脳で、今は働きはありません」などと教わった。しかし、だ。これが
とんでもないまちがいであった。

 人間の記憶(海馬)や、やる気(帯状回)、それに感情判断(扁桃核)などは、この辺縁
系が担っている。原始脳どころか、(人間)が(人間)である、中枢部分が、ここにあるこ
とがわかってきた。

 DNAの中にも、無駄なものはない、ということらしい。

 で、研究するにも、時代の流れというものがある。その(流れ)を読みまちがえると、
無駄な研究で終わってしまう。

 そうそうその田丸先生だが、6年前に、「フェムト秒」の話をしてくれた。今では、フェ
ムト秒単位での、化学反応を、実際に観察できるようになったそうだ。そのとき書いた原
稿を添付する。この世界は、ほんとうに、おもしろい。なおこの中で、「ある科学者」とい
うのは、田丸先生をいう。

+++++++++++++++

●フェムト秒(Femt Second)

 ある科学の研究者から、こんなメールが届いた(02年9月)。いわく……

「今週は、(今日ですと先週と言うのでしょうか)、葉山の山の上にある国際村センターで、
日独のジョイントセミナーがありました。私の昔からの親しい友人(前にジャパンプライ
ズを受けたノーベル賞級の人)が来ると言うので、近くでもあるし、出させてもらいまし
た。 今は固体表面に吸着した分子1個1個を直接見ながら、それにエネルギーを加え
て反応を起こさせたり、フェムト秒単位(一秒を10で15回繰り返して割った短い時
間)で、その挙動を追っかけたり、大変な技術が発達してきました」(TK先生)と。

 このメールによれば、(1)固体表面に吸着した分子を直接見ることができる。(2)フ
ェムト秒単位で、その分子の動きを観察できる、ということらしい。それにしても、驚い
た。

ただ、(1)の分子を見ることについては、もう20年前から技術的に可能という話は聞
いていたので、「へえ」という驚きでしかなかった。しかし「フェムト秒単位の観察」と
いうのには驚いた。

わかりやすく言うと、つまり計算上では、1フェムト秒というのは、10の15乗倍し
て、やっと1秒になるという時間である。反対に言えば、1000兆分の1秒というこ
とになる。さらに反対に言えば、1000兆秒というのは、この地球上の3100万年
分に相当する。計算するだけでも、わけがわからなくなるが、1フェムト秒というのは、
そういう時間をいう。

こういう時間があるということ自体驚きである。もっともこれは理論上の時間で、人間
が観察できる時間ではない。

しかしこういう話を聞くと、「では、時間とは何か?」という問題を、考えざるをえなく
なってしまう。もし人間が、1フェムト秒を、1秒にして生きることができたら、その
たったの1秒で、3100万年分の人生を生きることになる! ギョッ!

++++++++++++++

 このフェムト秒の考えには、私に大きな影響を与えた。時間の観念そのものを変えてし
まった。

 たとえば私たちが「1秒」という時間にしても、それは人間である私たちが使う時間に
過ぎない。その1秒を、ひょっとしたら、3100万年にして生きている生物というか、
宇宙が、どこかにあるかもしれない。

 「宇宙」といっても、私たちが住む、この大宇宙ではない。ホーキング博士がいうとこ
ろの、別宇宙をいう。そこにも、ここにもある、バブルのような宇宙をいう。

 (反対に、人間がいうところの3100万年を、1秒にして生きている生物というか、
宇宙が、どこかにあるかもしれない。)

 つまり1秒といっても、生き方によって、1年分にもなるし、10年分にもなるという
こと。ダラダラと長生きをすれば、それでよいということでもない。大切なのは、時間の
中身ということになる。

 田丸先生、ありがとう!


●山荘の化粧直し(Reparing my mountain house)

+++++++++++++++

山荘の化粧直しが、今日、終わる。
この前の日曜日に作業を見てきたが、
あの山荘が、新築同様に、ピカピカに
なっていた。

うれしかった。と、同時に、ムラムラと
また、あの愛着がわいてきた。

土地作りに、6年。建築以外のほとんどの
作業は、私とワイフが、した。

毎週、ユンボを借りてきて、土地を
ならした。ダンプも借りてきて、ジャリを
敷いた。石組みも、した。道路も、舗装した。

水道管、排水管工事も、自分たちでした。

が、13年目。

実は、そろそろ、あきてきた。
使うとしても、週に1回程度。

で、今回の化粧直し。
外壁全体に、フェルト状のペンキを塗り、
その上に、シリコン樹脂を塗ってもらった。

「新築のときのようになった」と、ワイフは
大喜び。それを見て、私の顔もゆるんだ。

とたん、先に書いた、あの愛着。

「だれかに売ろうという話は、しばらく、
お預け」と、私。

「そうね。もっと使わなくちゃ」と、ワイフ。

そう、このところ、山荘を売ることばかり
考えていた。

まだまだ人生は、ナガ〜イ。

+++++++++++++++

●今してみたいこと(What I want to do now)

 パソコンで作曲を楽しんでいたのは、今から、もう15年ほど前のこと。当時、Y社か
ら、「ミュージック君」とか、「ミュージ郎」とかいうソフトが売りに出された。音源機器
などが一式ついて、当時のお金で、30万円ほどした。それを買ってきた。

 が、そのあとしばらくすると、それらは、すべて息子たちに取られてしまった。

 そして今、またまた作曲をしてみたくなった。おととい、街中のパソコンショップへ行
くと、その種のソフトが、数種類並んでいた。今では鼻歌で歌うと、自動的に音符にかえ
てくれるソフトまである。もちろん、そのまま、いろいろな楽器で演奏できる。

 それが、ほしくなった。もう一度、作曲をしてみたくなった。実は、これには理由があ
る。

 先週、YOU TUBEで、「金沢大学」を検索してみた。私の母校である。校歌か寮歌
をさがすつもりで、そうした。が、それはなかった。かわりに同窓会などの様子を収めた
ビデオなどが、出てきた。

 「これではいけない」と、私は思った。(私にも、愛校精神というものがあるぞ!)

 で、そんなとき近くのショッピングセンターへ行くと、たまたまCDの安売りをしてい
た。見ると、その中に、「四校寮歌・北の都」があった。Dというグループシンガーが歌う
寮歌だった。

 私はそれを買った。買ったあと、自分で、寮歌をYOU TUBEに収めた。背景の写
真には、大学の卒業アルバムの載っているのを使った。

 しかしどこか、へん。歌い方がちがう。節回しもちがう。Dは、楽譜を見ながら、それ
を音声にかえているだけ。何かの唱歌を歌っている。そんな感じがした。つまりだれかが
寮歌を聞きながら、それを採譜した。その採譜したものを、Dが、歌っていた。

 「それなら……」ということで、私がそれをしたくなった。

 まず、楽譜を作る。編曲する。演奏する。それに自分の声を何重にも合わせていく。理
論的には、男声合唱団が歌っているようにみせかけることも可能である。

 Dが歌う寮歌より、はるかにすばらしいものができるはず。CDの寮歌は、ピアノ演奏
だけ。しかしソフトをうまく使えば、それをオーケストラ演奏にすることもできる。

 ……ということで、またまた目標ができた。春になって、ヒマができたらしてみたい。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●ホームレスの男(A Home-less Man)

There are some home-less people around my house. They live near Sanaru Lake and 
sometimes come to the streets. It is my habbit to give them some money when I happen 
to see them on the streets. But don't give it without exchanging some conversations. In 
my case it is also my habbit to talk to them like this; "Hi, did you have your dinner?" or 
"It's very cold, isn't it?". When they talk back to us, then I say, "Have a eat with this 
money" or "Have something warm with this money". They have their own diginity with 
pride. Don't have a kind of superiority in ourselves. They are the same people as we are. 
Nothing is different from us.

++++++++++++++++++

佐鳴湖の周辺には、10人前後のホームレスの男
たちが住んでいる。その中の1人。

年齢は、70歳くらいか。
やせて、細い顔をしている。
風呂にも、長い間、入っていないにちがいない。
差し出す手は、いつも、すすけたように黒い。

ワイフは、こう聞いた。
「どうして、お金をあげるの?」と。
私は、すかさず、こう答えた。

「あの男、ほら、ぼくのおやじに、
似ているだろ……」と。

こういうホームレスの人たちに、小遣いを
渡すときには、ひとつのコツがある。

けっして、いきなり、お金を渡してはいけない。
まず、話しかける。

「おじさん、メシは食べたのか?」とか、
「寒いと、たいへんだね」とか、など。

相手が、「食べていない」とか、「寒い」とか
答えたら、お金を差し出す。差し出しながら、
こう言う。「これで何かを食べなよ」とか、
「暖かいものを食べなよ」とか。

それにもうひとつ、コツがある。
(「コツ」というのも、失礼だが……。)

けっして、見返りを期待しない。
相手が喜んでいるだろうとも思わない。
お金を渡したら、その人のことは、
サッと忘れる。

が、何よりも大切なことは、けっして
優越感をもたないということ。つまり、
「いいことをした」などとは、
ぜったいに、思ってはいけないということ。

理由が、ある。

そういう人はそういう人なりに、自尊心を
もっている。
そういう人はそういう人なりに、心が
キズついている。

(それに、そういうことをしたからといって、
いいことをしたということにはならない。)

たまたま今夜も、その男に会った。
小雨を避けながら、DVDショップの前で、
小さく体を丸めて、座っていた。

いつものように、「これで何かを食べなよ」と言って、
1000円札を差し出すと、「ありがと」と
言って、手の中で、それを握った。

私「こういう言い方は好きではないが、
勝者も敗者も、紙一重。どこもちがわない。
ほんの少しリズムが狂っただけで、勝者は、
敗者になる。ぼくたちだって、明日のことは
わからない」
ワ「そうね……」
私「地球全体がおかしくなって、すべての
生物が死滅するかもしれないというときに、
勝者も敗者もないだろ……」
ワ「そうね……」と。

私は、先日、「EARTH(アース)」という
映画を見た。そのときから、少し人生観が変
わったように思う。

私はその映画を見ながら、それまでに経験
したことのない涙をこぼした。
美しい、どこまでも美しい自然の景色を
見ながら、涙をこぼした。

それは静かな涙だった。

ワ「ああいう人は、病気になったら、どう
なるのかしら?」
私「それでおしまいだろうね」
ワ「かわいそうね……」
私「かわいそう? ……とんでもない。
今のぼくたちよりは、しっかりと真実を
つかんでいるのかもしれない」

ワ「……」
私「ダラダラと長生きするからといって、
幸福とはかぎらない。またそんな人生に、
あまり意味はない。まあ、できれば、お金を
あげるよりは、食べ物をあげるほうがいいけ
どね」と。

そしてこれまたいつものように、その男の
ことは、すぐ忘れた。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

●写真の加工に挑戦

 今日は、写真の加工に挑戦してみた。使ったソフトは、S社から発売されている、「Pa
intgraphic―2」。「draw」とセットで、3000円弱だった。

 前から、一度はしてみたいと考えていた。2枚の写真を合成したり、あるいは背景だけ、
油絵風にしてみたり、とか。

 が、やってみると、意外と簡単にできた。さっそく、その写真で、私のHPのトップペ
ージを飾ってみた。(興味のある人は、ぜひ、見てほしい。私の処女作ということなる。)

 写真を加工することによって、平らべったい写真に、奥行きができる。しばし自分の作
品(?)に見とれる。うれしかった。楽しかった。


Hiroshi Hayashi+++++++++++はやし浩司

●ホームレスの男(2)(A home-less Man -2)

In Japan we have memorial parties periodically after someone's death, spending a lot of 
money for foods and drinks as well as money for the temple priest. But what is that for? 
The more important thing is that we are here and we are alive here. The man is, too. He 
is there and he is alive. Both of us are equally fighting against "loneliness". Nothing is 
different between us.

+++++++++++++++

昨夜(1月20日)、ホームレスの
男について書いた。そのあと、ワイフと
こんな会話をした。

「ほら、日本では、供養というと、死んだ
人に対してするだろ。ぼくは、今、生きている
人を、もっと大切にしたらいいと思う。

みんなで飲み食いして、お寺にお金を出すくらい
なら、今、ああして寒空で震えている人を
助けてやったらいい。

そのほうが、よっぽど、供養になる。

あの男、ぼくの死んだおやじにそっくりだろ。
年齢も同じくらいだ。

ぼくのおやじは、お金にも、健康にも
恵まれなかった。死んだときは、家族の
だれにも愛されていなかった。

酒を飲んで、無茶ばかりしていたからね。

でも悪かったのは、おやじではない。
酒だよ。さらにその先を言えば、戦争だよ。

おやじだって、戦争の犠牲者だった。
酒に溺れるようになったのは、今で言う
PTSDだったと思う。

その結果、家族の心は、バラバラになってしまった。
そんなこともあって、死んだときのおやじは、
孤独だったと思う。

今になってみると、それがよくわかる。
あの男を見ていると、死んだ、おやじが
思い浮かぶ。

みんな、必死になって、孤独と戦っている。
ぼくのおやじも、戦った。今のぼくもね。

ぼくは、ああいう男を見ると、放っておけないよ」

それに答えてワイフがこう言った。

「私たちは、どうせ死ねば、この世から消えるのよね」

「そう、これから先、30年生きる人も、10年生きる
人も、同じ。長い、短いといっても、この宇宙の
大きさと比べたら、誤差のようなもの。

大切なことは、今、ここに生きているという実感を
大切にしながら、懸命に生きること」

「じゃあ、あの男の人は、どうなの?」

「ぼくたちと、どこもちがわないよ。ただ、ほんの
少しだけ、歯車が狂った。狂ったまま、あの男は、
今のような男になった。

ぼくたちだって、明日のことはわからない。
ぼくから見れば、あの男は、明日のぼくという
ことになる。

あの男から見れば、ぼくたちは、明日のオレという
ことになる。

大切なのは、ぼくたちはみな、同じ人間ということ。
その一体感だと思う。

この一体感をなくしたら、人間の心はバラバラに
なってしまう。

もしそうなったら、そのときこそ、ほんとうに、
人間はおしまい」と。

+++++++++++++++++

●日本の未来(The future of Japan)

The center of the economy is being put together in New York, London and Hong-Kong, 
but not in Tokyo. Too much regulations and ristrictions obstructed the development of 
Japan. But don't worry. 

かつて私たちは、インドや中国の貧しさに驚いた。
同じころ、アメリカ人たちは、日本の貧しさに
驚いていたにちがいない。

しかし今、その立場が、逆転しようとしている。

今すぐというわけではないだろうが、アメリカの
崩壊は、ますます現実味を帯びてきている。
日本も、やがて、インドや中国の経済圏にのみ込まれて
いくだろう。

現在、世界の経済の中心地は、ニューヨーク、ロンドン、
そして香港に集約されつつある。東京ではない。

もし東京に可能性があるとしても、シンガポールのつぎ。
たいした規制緩和(行政改革)もせず、モタモタして
いるうちに、こうなってしまった。

はっきり言えば、東京に、未来は、もうない。
つまり日本の繁栄も、ここまで。

この話をすると、ワイフがこう言った。

「私たちはいいけど、これからの子どもたちが、かわい
そうね」と。

しかし心配は無用。

これからは日本人も、「日本人」というワクにこだわら
ないで、世界へ出て行けばよい。

なぜ、ニューヨークやロンドン、それに香港が、
世界の経済の中心地になりつつあるかといえば、
理由は、簡単。

多民族が入り混ざり、外国人にも住みやすい環境を
用意しているから。すでに多くの日本人も、これらの
都市で、活躍している。

経済のグローバル化はますます進む。と、同時に、
「国」という垣根は、ますます低くなる。

相手の国の貧しさを見ながら、「勝った」「負けた」
と言いあう時代は、あと30〜50年のうちには、
終わる。

東京がだめなら、香港がある。ニューヨークがある。
ロンドンがある。

すでにそういう時代が、そこまで来ている。

タイム誌(1月17日)は、つぎのように書いて
いる。

「19世紀と20世紀が、それぞれ帝国主義と
戦争の時代だとすれば、21世紀は金融の時代
とし、これら3都市が世界的な金融網を構築し、
世界経済に活力を吹き入れている。 

それぞれ米国、欧州、アジアにある3都市は、
いずれも港であり、貿易が発達し、主要産業が
製造業から、サービス業にすでに転換されている。

とくに、世界各地から集まってきた移民が多い
という共通点ももっている。06年現在、
ニューヨークとロンドンの移民はそれぞれ
34%、31%に達し、香港は外国籍の中国人、
すなわち華僑が最も多い都市だ」。 

「交通が便利で通信が発達しており、開放的で
自由な経済文化を持っているという点が、
これら3都市をグローバル化の模範、
金融都市としての成長を可能にした」と。

「3都市は、毎週数10〜数100便の相互直航便と、
よく発達したインターネット通信網で結ばれている。
 
3都市はまた、HSBCシティーグループ、
ゴールドマン・サックス、JPモルガンなど
国際的金融機関の本社や地域本部を誘致し、
年間400億〜540億ドルの企業公開(IPO)
を誘致している」(東亜N報紙より抜粋)とも。 

ついでながら一言。この1、2年、日本からの
外資の逃避がつづいている。

「あと50年で、日本の円は、世界市場から
消えるだろう」という予測も、なされ始めて
いる。


++++++++++++++++++++++++++

●建前論(Principle Argument)

In Japan principles are more important than the real life. Sometimes it sounds 
ridiculous.

 香港出身の国際的俳優のJが、こんなことをどこかのパソコン雑誌に書いていた。何で
も東京の歌舞伎町で、ロケをしようとしたときのこと。地域の警察の許可がもらえず、結
局は、撮影を断念したというのだ。

 Jは、こんなふうに述べている。

 「通り沿いの歓楽街では、売春が堂々となされているのに、路上での撮影は許可されな
い」と。

 つまり「日本の建前論には、あきれた!」と。

 同じことが、YOU TUBEについても、言える。

 現在私は、HP上で、「音楽と私」というコーナーをもうけている。今、はやりの(YO
U TUBE 共有サイト)のひとつである。

 YOU TUBEで公開されている、音楽や映像を、私好みで一覧できるようにした。
ところが、である。

 日本の歌や映像は、しばらくすると、どんどんと削除されていく。テレビ映像を撮影し
たものは、ダメ。歌も、ダメ。音楽も、ダメ……ということらしい。とくにNHKで放送
されたようなものは、あっという間に削除されていく。「利用規約に違反しているため、こ
の動画は削除されました」という文字とともに……。

 日本のどこかで、だれかが監視しているためらしい。そのつど、YOU TUBEに抗
議しているためらしい。最近では、吉永さゆりの「寒い朝」(NHK版)まで削除された。
少し前は、「喜びも悲しみも、幾年月」まで削除された。どれも古い映像で、ざらざらした
感じのものだった。(商品価値はないと思うのだが……。)

 おかげで私は、毎週のように、「音楽と私」コーナーを、更新しつづけている。が、これ
にも、うんざり。このところ、日本の歌や映像は、できるだけ避けるようにしている。

 しかしその一方で、国際的な歌手やグループの、歌や音楽は、そのまま。映画の映像も、
そのまま。ビートルズの曲などは、ほぼ全曲、自由に楽しむことができる。映画「タイタ
ニック」の名場面も、自由に楽しむことができる。音声も、クリア。もちろん映像つき!

 もちろん著作権の問題もあるだろう。映像所有権の問題もあるだろう。しかし建前論ば
かり口にしていても、それが国際的な標準とかけ離れていたら、意味はない。ないばかり
か、かえって日本だけが、のけものにされてしまう。

 悪いことばかりではない。

 YOU TUBEで聞いたあと、その歌手のCDを買い求めるということもある。(私は、
いつもYOU TUBEを見てから、CDを買いに行くぞ!) 過去をなつかしむという
こともある。テレビ局の奧の奧で、死蔵されるままになるくらいなら、思い切って公開し
たらよいのではないか。公開が無理なら、もう少し、大目に見てもよいのではないのか。

 YOU TUBEといっても、映像もそれほどよくない。音声もモノラル。この先のこ
とはわからないが、今のところ、限界がある。有償で、かつ営利を目的としたものでなけ
れば、それほどカリカリすることでもないのではないか。……と、私は思うのだが。

 ホント! 私という日本人ですら、日本の「建前論」には、あきれる。


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子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 22日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【子育て、Q and A・特集】(4)

(ホームページの読者の方より)

Q:2歳2ヶ月の男の子のことで相談です。

妊娠中から私はつわりがひどく、妊娠悪阻にかかり入院するほどで、精神的にも不安定で
10ヶ月間ほとんどねたきりでした。
子供は欲しかったのですが、あまりのしんどさに、なんどかおろす事も考えましたが、主
人の励ましでなんとか無事健康な男の子を出産することが、出来ました。

産まれてから母乳をうまく吸えないようで、何度かチャレンジはしたのですが、1ヶ月ほ
どでミルクに切り替えました。
うちの子は夜はよく寝てくれたのですが、とにかくよく泣く子で、2歳になったいまでも
私が少しでも離れると、泣きついてついてきます。
だから、起きている間は何も出来ません。それは仕方がないと最近では思い、できるだけ
いっしょに遊んでます。

心配なのは、ぜんぜん同じ世代の子供と遊んでくれません。というより逃げてしまうか、
私にあっちとばかり他の誰もいないところにいきます。児童館に行ったりしてもそうで、
マンションのお友達のところでも1人違うところに行ってしまうか、私から離れません。
実は気になることがあり、産まれて1ヶ月のころからいっしょのマンションのお友達と仲
良くなりよく遊んでいたのですが、その子とは誕生日も同じ、血液型も同じという男の子
で、とても乱暴な子でいつもうちの子は、おもちゃをとられたり、叩かれたりで泣いてば
かりいました。今思うと私は、そのおかあさんのてまえばかり考え、自分の子供をかばっ
てやれなっかたと反省しています。

そこのおかあさんは、怒らないで育てるという考え方の人で、人のものとろうが、叩こう
が、突き飛ばそうが、あかんやんぐらいの軽い言い方でもちろんとったおもちゃなんか返
しなさいなんて言わないひとで、だんだん私もストレスになりあまりつきあわなくなった
のですが、毎日電話がかかってきて、今日は外出るとか、買い物一緒にいこうとか、とに
かく家の中まで入ってくる人で、主人からは付き合うなと、さんざんいわれてきました。
子供も歩くようになったころには、その子を見ると逃げるようになり、いつからか、他の
子とも遊ばなくなっていました。

今そのことだけが原因ではないのですが、引越ししました。私や主人とならすごく楽しそ
うに遊ぶのですが、やっぱりあまりよその子とは遊んでくれません。
私の妊娠中のことが、それともその子(よくいじめられた子)のことがトラウマに、それ
とも私の育て方に何か問題があるのでしょうか?
神経質とはよくいわれます。確かに今も手がかかっているので、イライラすると怒鳴って
しまうこともあります。主人の言うことは聞くのに私の言うことは、あまりきいてくれま
せん。主人に言わすと、信頼関係が築かれてないと、指摘されました。確かに思い当たる
ところはあるように思います。周りのことばかりに気を使いすぎたり、子供につらい思い
をさせてきたかもしれません。

悪循環で私の言うことを聞いてくれない、そしたらイライラする、怒ってしまうといった
具合です。

子供は自分の思うようにならない、そしてしてはいけないとは、わかっているつもりだっ
たのですが、そうなっていたのでしょうか?今一番気になることは、他の子と遊んでくれ
ない、怖がっているのか、いやなのか逃げてしまうということです。保育園など考えてい
るのですが、入れていいものか悩んでいます。言葉もまだあまり出てないので先生に伝え
られないのではーなど。幼稚園はいるころには、直るのでしょうか?私はどういうふうに
子育てをしていいか悩んでいます。子供がそんなに楽しそうにしていなくても、児童館や
お友達と遊ばしたほうがいいのかーでも逆に無理して行っても私のほうが、なぜうちの子
だけ遊ばないんだろうと、落ち込んでしまいます。話が前後したり分かりにくいこともあ
ったかと思いますが、何かいいアドバイスお願いします。群馬県・YRより)

A:Rさんへ、メール、ありがとうございました。しかしながら私は乳幼児の中でも、乳児お
よび就園前のお子さんについては、まったくの門外漢であり、指導経験もほとんどありま
とができません。この点をお含みおきの上、どうかお許しください。

(1)お子さんの泣き方の様子が詳しく書かれていないので、それがどういうものである
か、私に
は把握しかねています。興奮して、ギャーギャーと泣くようであれば、まずかんしゃく発
作を疑ってみます。かんしゃく発作については、ヤフーで、「はやし浩司 かんしゃく発作」
で検索してくだされば、いくつかヒットすると思います。

(2)泣き方が不安定で、親からみて「わけのわからないもの」であれば、情緒不安が疑
われます。お子さんの心は、外からはわかりませんが、いつも緊張状態にあると思います。
その不安定さが、たとえば対人恐怖症となってあらわれているのではないかと思います。
「恐怖症」についても、このサイトのどこかに書いておきましたので、参考にしてくださ
い。トラウマなどというおおげさなものではなく、子どもはふとしたきっかけでこの恐怖
症になります。またなったからといって、それほどおおげさに考える必要はありません。
まだ二歳ですから、無理をしないで、ときどこかで少しずつ心を慣らすという程度でいい
のではないかと思います。早く園へやればそれでよいというものでもありませんので。

(3)一つ心配なのは、あなたがお子さんを妊娠したときから、心配先行型、不安先行型
のリズムをつくってしまったことです。「中絶しようか」と考えたということ自体、大きな
わだかまりになっているはずです。本気で、つまり心の底から望んで生まれた子どもでは
ない……というわだかまりが、今のあなたとお子さんの人間関係をつくっています。「子育
てリズム論」は、私のサイトの目次から、「親が変われば」のコーナーをお読みください。
あなたの心の状態によくあてはまると思います。子供というのは、長い時間をかけて、あ
なたの心をカガミのようにそのまま映し出します。すでにそういう状態とみてよいでしょ
う。あなたのわだかまり、心配や不安が、基本的にあるため、「何をしても心配だ」という
ような見方で、あなたはお子さんを見てしまうのです。

(4)どこかの調査でも、70〜80%の母親が育児でイライラしているということがわかっ
ています。ですからあなただけではありません。子育てというのは、そういうものです。
つまりそういうものであるという前提で、つきあえばいいのです。気負うことはありませ
ん。あなたはあなただし、どうか自分を責めないでください。

(5)さて本題。お子さんが対人恐怖症になっているとしたら、無理をしないこと。無理
をしても、かえって症状は悪化します。これは心が熱病にかかったようなものです。それ
ともあなたは風邪で熱を出して寝ている子どもに、水をかけるとでもいうのでしょうか。
あなたの考えで、また外見から見た様子だけで、お子さんを判断してはいけません。私も
閉所恐怖症、高所恐怖症などがあります。一度屋根にテレビのアンテナをつけにあがった
のですが、おりられなくなってしまったことがあります。人は「気のせいだ」と言います
が、決して気のせいなどという簡単なものではありません。そういうことをまずわかって
あげなさい。お子さんは本当にこわいのです。また恐怖症は誰でもなるものであり、珍し
くも何ともありません。

(6)ではどうするか。順に話していきましょう。まず情緒が不安定になったら、幼児は、
とにかくスキンシップを濃厚にします。抱き癖がつくとかつかないとか、それは横に置い
ておきましょう。いつも抱いてあげる。強く抱いてあげる。手をつないであげる。添い寝
をしてあげるなど。そもそも日本人はスキンシップが少ない民族です。ブッシュ大統領な
んか、奥さんとベタベタと手をつないで歩いていましたね。あれが国際的な標準です。親
子もそうで、先日もヒューストンの空港で、親子連れをみかけましたが、皆、親子がベタ
ベタとしていましたよ。ですからあなたも遠慮せず、スキンシップを濃厚にしてみてくだ
さい。あとは白砂糖を断ちます。これだけで、つまり徹底してやれば、一週間程度で、症
状がおさまってくるはずです。ダメもとと思い、一度、ためしてみてください。(できれば
CA,MGの多い食生活も一方でこころがけてください。)

(7)「幼稚園へ入るころにはなおるか」ということですが、分離不安などの情緒的な問題
にからんでいるときは、そんなに簡単にはなおりません。また「なおそう」とか、そうい
う発想で考えないことです。(なおるものなら、私の閉所恐怖症をなおしてほしいもので
す。)あなたのお子さんにも、よい点や悪い点、さらには得意なことや苦手なことができ始
めているのです。人とつきあうのが苦手なら、苦手でもよいではないですか。そういう子
どもを迎えてあげるのも、親の努めですよ。「お母さんも、うるさいところはいやだわ」と
言ってあげるほどの包容力をもってください。実のところ、子どもの心の問題で、親は安
易に「なおす」とか言いますが、そういう発想はどうしても好きになれません。なおすの
ではなく、受け入れるのですよ。またこの問題だけは、あせってなおそうと思うと、かえ
って症状を悪化させますから、くれぐれもご注意ください。

(8)保育園へも無理しないこと。たった30年前には2年保育があたりまえでした。幼
稚園へ通わない子どもも5%はいました。が、今では2歳から……? 人間の質が変わっ
たとでもいうのでしょうか。いいですか。子どもは親が育てる。親のぬくもりで包みなが
ら育てる。それが子育ての原則です。家庭が許すなら、保育園はできるだけ遅くしなさい。
集団に慣れるというだけの目的なら、ほかにも方法はあると思います。かなり神経質で、
過敏傾向の強いお子さんのようなので、ここはとくに慎重にかまえてくださいね。

(9)「落ち込む?」……とんでもないことです。あなたは風邪をひいて熱を出して寝てい
る子どもを見て、落ち込むのですか? 親の愛には三種類あります。本能的な愛と代償的
な愛。それに真の愛です。あなたはやっと代償的な愛(親のエゴにもとづいた身勝手な愛)
にたどりついた段階です。お子さんが苦しんでいるのに、落ち込む親がどこにいますか! 
自分の思い通りにならないからといって、落ち込むのは真の愛ではない。代償的な愛です。
あなたは自分の心のすき間をうめるために、子どもを利用しているだけ。あるいはそれが
「親の愛」と誤解しているだけ。きびしいことを書きましたが、これはあなたのためです。
あなたがすばらしい母親になるためです。わかってくださいね。

(10)言葉の問題なでおについては、メールだけではお答えしかねます。

(11)最後に大切なことは、まずあなたの「わだかまり」が何であるかを知り、つぎに
お子さんをあなたの心の中に迎え入れることです。(あなたはお子さんをまだ迎え入れては
いない。)できがわるくても、「あなたを愛しています」「あなたが苦しいときは、お母さん
も一緒に苦しんであげます」「無理することはないのよ」「あなたはいい子ですよ」「あなた
はすばらしい子になりますよ」「いやな人とは無理してつきあわなくてもいいのよ。お母さ
んだって、いっしょのマンションの友だちと仲よくなれなかったのだから、偉そうなこと
は言えないのよ」と、言います。こうした言葉を自然に言えるようになったとき、あなた
のお子さんのもろもろの問題点は、ウソのように消えています。どうかこの言葉を信じて
ください。そのときになると、(今でも問題はありませんが……)、今あなたが悩んでいる
問題など、どこかへ消えてなくなってしまいます。

 子育てははじまったばかりですね。これからつらいことや苦しいことが山のようにあり
ますよ。それはちょうど小さなヨットに乗って、大洋へ乗り出すようなものです。しかし
それがあるから人生もまた楽しいのです。つらいときがあったら、私のサイト(トップペ
ージ)から「心のオアシス」をのぞいてみてください。また何かあればメールをください。
今日はこれで失礼します。(2002−
2−24)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

 色々な育児のホームページやテレビ(キレる子どもやサイレントベビーなど)を
見て日々感じていた事、思っていた事がありますが、はやし先生のホームページ
や今回お送り下さいましたメールを拝見し、なんとなくホッと致しました。お互
いの育った環境に準じた子育てをしたいと思う気持ちから、主人と意見が違いま
して、いつも考えておりました。

 下に私の子育てを書きますので、(書き終わりまして、見直しましたら、とて
も長くなっていました。)はやし先生のお時間のよい時で構いませんので、ご意
見を聞かせて頂けたらうれしく思います。

よろしくお願い致します。

 私の子育ての方針(と言いましても、はじめての子どもで手さぐりですが……)は、
「子どもに不安を与えない」ようにするということです。だから、3ヵ月半の子どもがミ
ルクでもなく、オムツでもなく、眠たくもなく、遊んで欲しくもなく泣いている
時は、できるだけ抱いてあげる。抱けない時は、声をかけたり、側にいたり、お
んぶするようにしています。反対に、子どもが機嫌がいい時や一人で遊んでいる時は、
ほおっておいていますが……とにかく、子どもが安心できる環境を作るようにし
ています。たとえば、我が子は暗いのが嫌いなのですが、「暗いのが怖い」と言う
不安な気持ちを植え付けたくないので、部屋を明るくしたり、寝る前だと少し明
るくして声をかけて子どもの目の届く場所にいたり、添い寝して体をなでてやった
りしています。私は、今「暗いのは怖くない」と安心を与えてやれば、そのうち
怖がらなくなるだろうし、遅くても物心がつき親の言うことが理解できるように
なれば怖がらなくなると思っています。(余談ですが、主人は今我慢させておか
ないと、大きくなっても「暗いのが怖い」と泣くようになると言います。)

★多くの人は、「子どもの心を大切にする」ということと、「甘やかし」を
混同しています。子どもの心を大切にするということは、甘やかしでは
ありません。特にこのケースのように、暗闇恐怖症(軽度ですが……。重度の
恐怖症の子どものばあい、「こわい」という気持ちすら表現できないまま、
おびえます)の子どもは、子どもの心が安定するまで、無理をしないのが、大原則
です。無理をすればするほど、また強引に親の判断を押しつければつけるほど、
子どもの心に大きなキズをつけることになります。

★「安心できる家庭」は、子どもの心をはぐくむための絶対条件です。「安心
できる」ということは、「疑いを抱かない」という意味です。本来、親側も
そういうことをあまり意識しないで、つまり「安心できる家庭をつくろう」という
気負いがないまま、安心できる家庭をつくれるとよいのですが……。少し
気負いが感じられるのは、お母さん自身も、どこかで「安心できない家庭」を
経験しているのかもしれません。気負いはえてして、子どもの側から見て、
「押しつけ」になることがありますから、この点は注意してください。

 私の私見ですが、「『抱き癖』がつく」と言う親は「『自立心』をつける」と
子どもの為と主張しますが、自分(親)が「早く子育てから解放されたい」と言う
心の言い訳(やむをえず仕事をしている人は仕方ありませんが)のような気がし
てなりません。私も「解放されたい」と思う事は多くありますが、他の動物と違っ
て人間の赤ちゃんは抱いて育てられるように産まれてきているのだと思っ
ているので、子どもを産んだ以上側にいて抱いてあげるのは当たり前だと思っています。
そして、幼い頃の不安は大人になっても心のどこかに残っているのだから、「心」
で与えられる安心は惜しみなく与え、欲求は満たしてあげようとも思っています。

★「抱き癖」については、多くの人が論じていますが、元来日本人はスキンシップの
少ない国民であるという大前提で考える必要があります。アメリカへ行くたびに、
親子でも、夫婦でも、恋人どうしでも、実に平気にスキンシップを繰り返して
いるのには驚かされます。(日本でいう抱き癖は、たとえば親側のほうから
一方的に抱くイコール、溺愛的な抱き癖をいいます。またもともと情緒が不安定な子ども
は、自分の情緒を安定させるためにスキンシップを求めてくることもあります。)
「抱き癖」と、一言では処理できない問題を含んでいます。

★「抱き癖」がついたから自立心がないとか、そういうことにはなりません。
子どもの自立は、もっと別の角度から考え、また論じなければなりません。
それはちょうど、風邪をひいて寝ている子どもに向かって、「あなたは寝ている
から、なまけもの」というぐらい、私には乱暴な意見に聞こえます。

★子どもが求める限り、スキンシップには応じてあげる。また子どもの
情緒が不安定になっているのを感じたら、積極的に抱いたり、手をつないだり
してあげることは、満4・5歳前後まではとても重要なことです。むしろ今、
親に抱かれない子ども、スキンシップを受けつけない子どもが問題になって
います。心に何らかの大きなキズをもった子どもですが、そういう子どもは
今度は自分が親になったとき、「子どもを育てられない親」になる心配があり
ます。

★子ども自身に何らかの情緒障害があるときは、たとえば自閉症、かん黙症など、
特定の人(親など)には抱かれますが、それ以外の人には心を許さない分だけ、
人には抱かれません。保育園や幼稚園の先生が抱こうとしても、体をこわばらせて
しまいます。心が緊張状態にあるためとみます。(表情にだまされてはいけません。)

★「惜しみなく愛を与える」「惜しみなく抱く」というのが、親側の一方的な、つま
り、恩着せがましい押しつけにならないように注意してください。親の欲望を満たす
ために、一方的に「してあげる」というのは、子どもの側からみて、「いらぬおせっかい」
となりやすいですから注意してください。

 主人はそれが「『甘やかし』であり、『自立心』のない子どもになる」と言いま
す。勿論、お判りでしょうが欲しいものを全て買い与えると言う意味ではないし、
「我慢」が出来る頃になれば、色々な意味で「我慢」をさせなければいけないと
も思っています。それは「我慢」を無理に押し付けるのではなく、その時々で時
間がかかるかもしれませんが、どうして我慢をしなければならないかを教えてい
けば、ダダをこねるだけのわがままを言ったり、甘えん坊にはならないと思って
います。そして「我慢」する事から「自立心」が生まれるのではないかとも思う
のです。

★おっしゃる通りです。この点については、あなたのご主人の意見は、正しく
ありません。先ほども書きましたが、「自立」というのは、子どもに考えさえ、
行動させ、そして責任をとらせることです。同じ「甘い」と言っても、それは
「甘い(だらしない)生活規範」をいいます。そうでなければ心配はいりません。

★子どもに「がまん」させるのではなく、もしたくましく自立した子どもにしたければ、
家の中で、どんどん使うことです。家事を積極的に手伝わせます。子どもにとって
忍耐力というのは、「いやなことをする力」のことをいいます。台所の生ゴミを
手で始末するとか、そういうことです。もちろんほしいものをどんどん買い与える
というのは、ここでいう「甘い生活規範」になりますから、それは避けます。

 主人は子どもが一人でいい子にして遊んでいる時に、中途半端に遊んで自分の都
合で寝かせ、子どもがもっと遊んで欲しいと泣き、私が相手をしようとすると子ども
に「泣くな」と言い、私に「ほってほけ」「我慢させろ」と言います。子どもにし
てみれば自分が悪くないのに怒られている訳で、それなら最初から一人で遊んで
いる子どもに構って欲しくないし、「泣くな」でなく「お父さんは○○しないとい
けないから、いい子にして待っててね」と言って欲しいのです。

★こうしたケースでは、いろいろと不満がたまるかもしれませんが、100点満点を
夫に期待しないことです。「まあ、そこそこ適当に……」と考えることこそ、うまく
いくコツです。先ほども書きましたが、全体としてあなたは「よい母親であろう」とか
「よい家庭を築こう」という気負いが強過ぎるような気がします。それ自体は悪く
ないのですが、こうした気負いは、夫にしても、またあなたの子どもにしても、
かえって窮屈なものになりがちですから注意します。『子育てはまじめ七割、いいかげんさ
三割』と覚えておきます。やがて子どもは「パパはいいかげんな人だ」と思うように
なるかもしれませんが、さらにやがて、今度は子どものほうが親の操縦法を身につけ
ますから、それほどキリキリすることもないのです。子どもも、成長するということ
です。むしろ夫が子どもをあやしていたら、あなたのほうがそれを評価し、応援する
ようにしてみたらいかがですか。

 さらに、抱っこしても泣き止まない子どもに「こら!泣くな」と(主人は怒って
ないと言うのですが)怒ります。その前に、なぜ泣くかを考えてその原因を取り
除いてやって欲しいと思うのです。

★わかります。あなたは心のやさしい人で、子どもの心を理解しようとしています。
一方的に自分の考えを押しつけることを、「親意識」といいます。日本人は、
この親意識が強い民族です。長く続いた封建制度が、こうした親意識を生み出し
ました。今はその過渡期かもしれません。あなたの夫にも、「私は親だ」「父親は
権威だ」と意識がまだ残っているのかもしれません。あなたは妻として、そういう
夫をよく観察してみてください。あなたの夫の中に、「日本文化論」を発見できる
かもしれませんよ。(もっともこの問題は、そうは簡単には解決しません。あなたが
夫をさとしたところで、夫自身があなたのほうがかえってまちがっていると言うのが
オチです。)

 主人はそれらを何度言っても「自立心が養われない」「甘やかしすぎだ」「今
のうちから(物欲ではなく、不安感や安らぎを)我慢をさせろ」「将来わがまま
になる」と言います。私は、子どもがわがままになるのは、心の欲求を満たさず物
欲ばかり満たした結果、子どもが心の欲求を満たしたいが為に起こす行動ではない
のかと思ってるのですが、先生はどう思われますか? 主人の言うことも間違って
いないのでしょうか?

★あなたの夫には悪いですが、あなたの夫の考え方はあまりにも短絡的で、どう
反論してよいかわからないでいます。子どもの心を大切にするということは、
甘やかすということとは別問題です。まったく別問題です。またわがままになると
ということは、「ものの考え方が退行的、享楽的、自己中心的になること」を言います。
今回の問題はまったく別です。子どもの心にしっかりと耳を傾けながら、それが
わがままなものであれば、その時点で、毅然とした態度で、突っぱねればよい
のです。わがままな子どもについては、私のサイトのあちこちで書いていますので
また参考にしてください。

 私のしている子育ては、私の両親の子育て法であり、主人の言っていることは、
主人の両親の子育て方法でもあります。主人に聞いたのですが、自身は「自立心」
「我慢」と言って心も物欲も充分に満たされる事無く、押さえつけられて育てら
れた傾向にあると私は感じました。(勿論、子どもに良かれと思った結果なのでしょ
うが……)だからとは言い切れませんが、主人はわがままで物欲が強く我慢がで
きず、どちらかと言えば依存心が強いのです。(まぁ、いい所もあるので結婚し
たのですが。)

私も全ての欲求を満たされて成長したのではなく、厳しく(時にはひどく叩かれ
ましたが、私が悪い事をした時なので虐待とは思っていません。)育てられまし
たが「だめだからだめ」ではなく、「どうしてだめか」をいつも教えられていた
ように記憶しています。私の両親の子育てにも問題のあった所も、私の短所も自
負しているつもりです。
 だからこそ、子育てについてこれらの考えにたどり着きました。

★すばらしい発見をなさいましたね。私が同じことに気づいたのは、かなり
子育てが終わってからです。あなたはたぶんまだ若いと思いますが、ここまで
自分で発見なさったということは、あなたはすばらしい母親になれる資格があり
ます。(これは本気でそう思っています。)自分の過去を知る。そして今、あなたの
子どもが、「子どもの過去」を作りつつあるということ。それに気づけば、子育て
の真髄がわかったようなものです。(私の講演を聞きにおいでになったことが
ある方でしょうか?)実際、あなたのメールを読んで、私はいろいろ教えられました
し、感動しました。特にこの部分に、です。ここまで自分に気づく親は、本当に
少ないです。たいていの親は、自分の過去に引きずられていることすら気づかない
まま、同じ失敗を繰り返すのです。

 長くなりましたが、私は「甘やかし」や「わがまま」でではなく、自分の考え
を持ち、それを実践できるように「のびのび」と育てたいと思っています。

★まさに正解です。親は子どもの前を歩く。子どものガイドとして。親は子どもの
うしろを歩く。子どもの保護者として。親は子どもの横を歩く。子そもの友として。
あえて言うなら、「よい親であろう」という気負いは少なめにして、「友」として
自分を自覚してみたらいかがでしょうか。今のままだと、子どものほうが
窒息して、明るい笑顔が消えるかもしれません。どうかご注意ください。
(ひょっとしたら、あなたは夫にも、「完ぺきな夫」をあてはめ、それを
求め過ぎているのではありませんか? 子どもがまだ小さいから神経質に
なっているのは、理解できますが、あまり神経質にならないように。子ども
自身の伸びる力を信ずることです。)

 最後になりましたが、主人子育てについてのすれ違いに心苦しくなる時もあり
ますが、子どものことに無関心ではなく、色々と考えてくれるという事に違いはな
いので、それはとても嬉しい事とも思ってもいるのです。

★前だけを見て、前に進みなさい。あなたの夫はすばらしい人です。そういう
前提で前に進みなさい。すべてを受け入れて、すべてを許して前に進みなさい。
いいですか、ニ度と「まぁ、いい所もあるので結婚したのですが……」などとは
言ってはいけませんよ。そういう迷いは、やがて大きなわだかまりになりやすい
ので注意してください。あなたはあなたの夫を心底愛して結婚したのです。そして
あなたは今の子どもを心底望んで産んだのです。あなたの「現実」をすなおに受け
入れることです。わだかまりがあるなら、子どもが小さいうちに解決しておいて
ください。これから先、何度もそのわだかまりが、顔を出し、あなたの子育てを
狂わせます。今の「現実」を前提にして、これからの結婚生活を考えます。

長くなりましたが、ここまで読んでくださいましてありがとうございました。
新しい年まで後少しですが、寒くなってまいりましたので、
お体に気をつけ、よい年をお迎え下さい。
それでは、よろしくお願い致します。
(2001年12月26日付け)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●Hさんよりの返信

早速、ご意見を頂きまして、色々と考えさせられました。

 ★「惜しみなく愛を与える」「惜しみなく抱く」というのが、親側の一方的
な、つまり、恩着せがましい押しつけにならないように注意してください。

ご助言ありがとうございます。ハッとしました。
先ほどは書きませんでしたが、私は母に母の愛を「押し付け」られているように
感じている時期があり、とても苦しい時がありました。
(今はとても仲がよく、お互いに何でも話し合える母子です。)
「子供の為に」と気負わないように自然体で、子供に接しようと思いました。

 あなたの夫にも、「私は親だ」「父親は権威だ」と意識がまだ残っているのかもしれません。

主人自身そういう家庭で育ったのだから、そうなのだと思います。
この点は、おっしゃる通り今すぐにどうこうなるものではないので、
その時に出来る事を、苦痛でない範囲で手伝ってもらうようにしています。
そして、私は感謝の意をこめて「ありがとう」と言うように心がけています。

 あなたの夫には悪いですが、あなたの夫の考え方はあまりにも短絡的で、どう
 反論してよいかわからないでいます。子どもの心を大切にするということは、
 甘やかすということとは別問題です。まったく別問題です。

だから、私は先生に「押し付けでは?」と感じさせるぐらい、
「しなければ」と言う意識が強くなるのかもしれません。

(ひょっとしたら、あなたは夫にも、「完ぺきな夫」をあてはめ、それを
 求め過ぎているのではありませんか? 子どもがまだ小さいから神経質に
 なっているのは、理解できますが、あまり神経質にならないように。子ども
 自身の伸びる力を信ずることです。)

子供が生まれてすぐは、確かに私の理想「こうでなければならない」
「そうであって欲しい」を押し付けており、また主人はそれに
反発ばかりしていました。母の助言もあり私は押し付ける事
(反発された事に反発していました。)をやめました。
もしかしたら、主人が一歩引いてくれていたのかもしれませんが・・
今までの反発がなくなり、協力的になってくれました。

 「まぁ、いい所もあるので結婚したのですが……」

書き方が悪かったですね。すみません。
「悪いところばかりではない」→「いい所も沢山ある」という事を
伝えたかったのです。夫婦間のわだかまりと言うのはありません。
子育てのこともそうですが、私たちは何でも話し、また多くの意見交換をします。
だから、今回のようなすぐには解決の出来ない意見の違いも
多くあるのだと思います。
 そしてなにより、たまに言う親の無理や不愉快さから子供が主人を
嫌いにならないかと心配だったのです。
(いつもの楽しいことよりもたまにある嫌なことの方を
よく覚えていたりするので)

 主人の言っている事、している事は前回にも書いた通りですが、
それはいつもいつもではないんです。
彼は自分の思い通り(例えば、早く寝て欲しいのに寝てくれない。
子供が泣くので食事の準備が進まない、ゆっくり食事が出来ないなど)に
ならなかったりすると、自分より子供を相手にする私にムッとし、
その時に、色々なことを言うのです。
本気で言っているのかどうかは私には判りません。
(主人はしばしば思ってもないことを言ったと反省してますが、
私は心の中にない言葉は、口から出てくる事は口をついて出てこないだろう
と思っているからです。)そうは言っていても、私がどうしても
手が離せない時など抱く事ができない時は頼まなくても
主人が飛んでいって相手をしてくれています。
 そして、私が子供の相手をする事にその時は怒っていますが、
無理に止めさせたり、次の日に同じ事で怒ると言ったことはあまりないのです。
その都度冷静になった時に、反省をしているのかもしれません。

 前回、この事を書かなかったのは、主人の言っている事の中にもしかしたら
正しいことがあるのではないか?また、主人に「それは違うよ。」と
説明するときに、私の考えを押し付けて(主人には「押し付け」に感じる
だろうと言う意味です。)いいのかと疑問に思ったからで、
気になる事だけを書かせてもらいました。

 子供と一緒に遊び、嬉しそうに笑っている父子を見ると、
たまに無茶を言い、子供のような主人は、少しずつですが「父親」に
なっているのだと私はしみじみと思い、幸せを感じています。

 私の考え、主人の考えをお互いの父母からでなく、
第3者からの意見を聞いてみたいと常々考えている中、
時間がある時にインターネットで育児サイトを覗き、
皆さんがどういう考えで、子供とどう接しているかを見ていました。
 それと同時に専門家の方はどういう事をおっしゃっているのか、
知りたくもあり、たまたま覗いたメールマガジン発行サイトで
先生の事を知り、是非ご意見を頂きたいと思った次第です。
 そして、色々なご指摘やご助言を頂きまして、ありがとうございます。
心の中の疑問や迷いでモヤモヤしていた部分がスッと晴れたような気分です。
これからも、よろしくお願い致します。

追伸:また長々と書いてしまいました。
   (文章が下手なので恥ずかしいですが・・・)
   こんな私の考えでよければ掲載して下さい。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:娘夫婦には3歳になる女の子がいますが、借金や主人の浮気問題を抱えているため、家
庭が不和で、孫娘が保育所や家で危険メッセージを発するようになりました。極端に食事
を嫌がったり、保育所の先生を独占して団体行動がとれなくなったり、迎えにきた母親の
事や、帰宅を拒否します。保育所は大好きです。私は職業上(心理カウンセラー)娘にア
ドバイスを様々な形でしてはいますが、根本的に大きな問題があります。それは、孫娘が
ダウン症で、言語発育が不全なのです。情緒面や理解力や知的レベルは健常児に近く(簡
単な会話は手話で出来るので)苦労は少ないのですが、ストレスがたまると暴れだす時も
あります。こういう場合にカウンセリング的関わりがどの程度有効なのか全く見当がつき
ません。解決のためのアドバイスを頂きたいのですが。(徳島県Sより)

A:どうにかなる問題と、どうにもならない問題にはっきりと、二つに分けてみましょう。
娘さん夫婦の問題は、そのどちらですか。借金や浮気を乗り越えて、「夫婦」が成り立つ状
態でしょうか。それとももう危機的な状況でしょうか。しかしこの問題は、娘さんが結論
を出し、親はそれを信頼し支持するしかないでしようね。今は、そういう形の離婚も多い
し、離婚そのものが、問題という時代ではありません。この問題は、娘さんの結論を、し
んぼう強く待つしかないでしょうね。親としては苦しいでしょうが、ここは待つしかない
でしょうね。あれこれ指示を出すのは、この種の問題ではタブーかもしれません。
 
お孫さんの情緒の乱れは、家庭環境(騒動?)が原因だとするなら、そういう騒動から切
り離すことは一つの選択肢でしょうね。しかし多かれ少なかれ、皆さん、同じような問題
をかかえていますので、「うちだけが……」とは、思わないでくださいね。
 
ダウン症のお孫さんについては、まったく問題はないわけですから、問題としないことで
す。もうすでに受け入れておられるご様子ですので、気にしないで、前向きに考えられれ
ばいいのではないでしょうか。その話とは別に、ストレスがたまると暴れるのは、かんし
ゃく発作をまず疑ってみます。私のHPのどこかにかんしゃく発作について書いたところ
があります。またよろしかったら、ご覧になってください。(ほかに特に呼んでいただきた
いのが、トップページから、「心のオアシス」です。)
 
私もにっちもさっちもいかない問題をかかえたとき、一人の友人が、こう助けてくれまし
た。「何でもありのままを隠さず話す友人をつくれ。ぼくがその友人になってあげる」と。
私はその友人にすべてを話すことで、かなり助かりました。そしてそれまで問題だと思っ
ていたことが、実は何でもないささいなことだと知らされました。
 
娘さんとの信頼関係は、じゅうぶんありますか? もしあるなら、今、Sさんがかかえてお
られる問題は何でもない問題ですよ。しかし娘さんとの間に、亀裂や断絶があると、結局
は苦しむのは、Sさんご自身かもしれませんね。娘さんは、やさしい言葉を、かけてくれま
すか。私はそう望んでいます。そういう人間関係があれば、どんな苦労も乗り越えられま
すよね。
 
お孫さんの話に戻りますが、帰宅拒否、嫌悪症、摂食障害など、いろいろな神経症を表
しているので、全体として、愛情不足を疑って、濃厚な愛情、安心できる人間関係を用
意するしかないでしょう。その役をSさん自身がすることができませんか。6歳になる
まで(中間反抗期を終え、少女期へ入るまで)のことですから、それほど長くなくても
いいのです。あと2〜3年ですから。6歳を過ぎると精神的にも落ち着いてきますので、
それからはどうこうなるということは、心配しなくてもいいでしょう。私も父が酒乱で、
祖父が父親がわりをしてくれました。(まがりなりにも、まあまあの人間になれました?
が……) 
 
今、娘さんは、Sさんの理解と心の支えを、一番求めているでしょうね。「おまえが結論を
出せ。どんな結論であるにせよ、私たちは最後までおまえを信じ、おまえを支える」と
言ってあげたらどうでしょうか。「こうしろ、ああしろ」とは言わないように。またどん
な結論でも、それについて批判したりしないように。こういうとき親がすべきことは、「許
して忘れる」ですね。私はそうしてきました。あとはあきらめ、前向きに進みましょう。
「谷があるから山がある」とか、「どんな雲にも、銀色の縁取りがある」とか、おなぐさ
めする言葉はたくさんありますが、しかしこれらの言葉は、娘さんのご家庭の問題に対
してではなく、Sさんご自身への言葉だと思ってください。晴れない心。ふさいだ心。ゆ
ううつな心。何をしても泣きたくなるような心。夜も眠られない。朝起きたとき、一瞬
静かな静寂を感じ、「ああ、こんな心もあったのか」と驚く……。私もそうでした。多分、
Sさんもそうではないでしょうか。あるいは私のようにうつ病でなければ幸いです。(私
はうつ病になってしまいましたよ。)もし心労が続くようでしたら、どうかSさんご自身
の健康を大切になさ
ってください。しかしね、私も自分で、そういう経験をして、はじめて他人の苦しみを理
解できるようになりました。今、Sさんのお気持ちがよく理解できるのは、そのためです。
心理カウンセラーだということですので、こう考えてはどうでようか。「今、私は娘に教
えられている」と。私は息子たちが問題をもちこむたびに、そう思って試練を乗り越え
ました。(私の場合は、ものを書くことで、自分の悲しみを燃焼させることができました。)
 
Sさんも、この問題を乗り越えられたとき、私など足元にもおよばないほど、すばらしいカ
ウンセラーになっておられることと思います。いっしょに、乗り越えましょう。すでにS
さんがお気づきのように、今、娘さん夫婦がかかえておられる問題など、なんでもない
のです。何が問題だというのですか。離婚するのもよし。お孫さんを預かるのもよし。
世の中ではいくらでもある話ですしね。結婚に「形」などないし、「人生」に形などない
のです。
 
一つ心配なのは、娘さんとSさんとの関係です。良好であれば、問題はないのですが……。
第一に修復すべきは、娘さんとの人間関係でしょうね。決して娘さんを責めたり、追い
詰めたりしないように。しても無駄ですが、こういうケースでは、そういうことをする
と、関係を決定的に破壊しますし、破壊されると、その後、Sさんの苦労が、数万倍にな
ってしまいます。心労がSさんを押しつぶしてしまいます。しかし娘さんが、Sさんを
信頼し、Sさんが娘さんを信頼していれば、苦労が苦労でなくなってしまうはずです。「楽
しく、この困難なときを乗り越えようね」とです。私が一番気がかりなのはこの点です。
できの悪い子どもほどかわいいと、昔から言いますが、そんなできの悪い子どもでも、「お
父さん!」と言って胸に飛び込んできてくれれば、親の苦労など吹き飛んでしまうとい
うことです。そのためにも、もし私にアドバイスできることがあるとすれば、問題はこ
の一点です。「どうかお嬢さんを大切に。お嬢さんの心を大切に。お嬢さんを信じ、支え
てあげてください」です。ほかの問題は、すべて何でもない、よくある問題です。あと
は自然に解決する問題ばかりです。深刻に考えないように。すてきなお孫さんの笑顔が
想像できます。その笑顔を大切に。
 
とても私のような弱輩がアドバイスできるような方ではないように、お見受けしました。
失礼が多々あると思いますが、どうかお許しください。私でよければ、また何でも話し
てください。あなたの友になります。喜んで……。
 
では。ツクツクボーシが目の前の栗の木の中でなき始めました。今日は浜北市で講演をし
てきて、ほどよい疲れが気持ちいいです。では……。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:人前で叱るなと、はやしは言うが……

A:子どもを叱るときは、人のいないところで……は、大原則です。それは子どもの自尊
心を守るためです。しかしその自尊心をキズつける心配のないときは、人前でも構わない
ことは言うまでもありません。たとえば散らかしなどは、皆の前で叱っても、子どもの自
尊心をキズつけるということはありません。

 子どもの自尊心をキズつけるときというのは、たとえば、子ども自身が、誇りに思って
いることや、あるいは子どもの人格そのものを攻撃するようなときです。これを私は「格
攻撃」と言っています。たとえば「あなたはやっぱりダメな子ね」式の叱り方がそれに当
たります。こういう格攻撃はしてはいけません。これは子どもを指導するときの、大原則
です。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q: 学校の先生から呼び出しを受け、うちの子(小4女子)が、ほかのお子さんをいじめ
ているとのこと。あわててしまいました。

A: こういうケースでは、こちら側の正当性を主張しても意味はありません。いじめる側
(加害者側)といじめを訴える側(被害者側)の意識の差はたいへん大きく、あくまでも
相手のお子さんの立場になって考えてあげることこそ、重要です。おとなの世界ならとも
かくも、子どもの世界では、「親は、負けるが勝ち」です。先生の話をしっかりと聞き、相
手のお子さんの立場で考え、低姿勢で対処します。そして自分の子どもに向かっては、頭
から叱ったりせず、言い分にはじゅうぶん耳を傾けながらも、親として言うべきことは繰
り返し言います。「いじめ」と言っても、いじめる側にはその意識がないのが、ほとんでで
す。おもしろ半分に言ったり、したことが、相手をキズつけているケースがほとんどと言
ってよいでしょう。あなたにとって重要なことは、子どもたちが、「学校」という世界で、
互いに仲良く楽しく過ごせるような環境を用意してあげることです。そのため、親の主張
はひかえます。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q: 子どもをたくましい子どもにしたいが、どうすればいいですか。

A: フロイトは自我論の中で、「たくましさ」について、説明しています。それを子ども
にあてはめて考えてみると、こうなります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
               自我が強い子ども      自我が弱い子ども
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
行動能力       ものごとに攻撃的        ものごとに防衛的
             「やる」「したい」と言う      「いや」「つまらない」
と言う
現実感覚       現実感が強い          空想の世界に逃げることが多

             頼れるのは自分と考える    神秘的なものにあこがれる
趣味の方向性    将来に向かって展望をもつ  その場だけのせつな的な喜びを求め

             創造的              逃避的
衝動的行為      自己制御ができる       がまんができない
             自制心が強い          自制心が弱い
             善悪にしたがって行動する  善悪の判断が甘く、悪に流さ
れやすい
 原稿の一部は、中日新聞のコラムに書いておきましたので、参考にしてください。
                    


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

一つの離婚

 最近、知人夫婦が、離婚した。前から家の中はメチャメチャだと聞いていたが、(そう言
っていたのは、ワイフだが)、現実にそうなると、「どうして?」と思ってしまう。夫は、
開業医。妻は、東京の有名私大を出た、才女。実家の父親も、神奈川県で開業医をしてい
るという。私たち夫婦からすれば、雲の上の人たちということになる。

 離婚した理由はわからないが、ワイフはこう言った。「奥さんは、熱心なK教団の信者よ」
と。私は瞬間、壮絶な家庭内宗教戦争を想像した。が、宗教戦争が離婚をもたらしたと考
えるのは正しくない。こういうケースでは、何かほかに原因があって、妻が、信仰の世界
に身を寄せたと考えるほうが正しい。人は不幸になると、それがどんなタイプの不幸であ
れ、心に透き間ができる。その透き間を埋めるために、人は信仰に走る。……のめりこむ。
こう決めてかかるのは、信仰をしている人たちには失礼な言い方になるかもしれないが、
心の透き間というのは、そういうもの。私は「心のエアーポケット」と呼んでいる。この
エアーポケットは、だれにでもある。しかしふだんは、その人の理性や知性で、窓を閉じ
ているが、ふとしたきっかけで開くことがある。

 いや、信仰が悪いと言うのではない。それぞれの道を極めるために、信仰の世界に入る
人も多い。しかし個人信仰と、組織信仰とは区別しなければならない。本来、信仰という
のは、どこまでも心の問題。心の問題だから、その人個人の問題ということになる。が、
時として、その信仰が、組織に組み込まれ、その組織に利用されることがある。そしてい
つの間にか、反社会的な行動をしながら、その反社会性にすら、気づかなくなるときがあ
る。そのため日本以外の先進国では、宗教団体による政治活動はもちろんのこと、営利活
動すら法律によって禁止しているところが多い。

 その組織信仰かどうかは、簡単な方法で見分けられる。その組織や組織の指導者を批判
してみればよい。組織信仰をしている人は、組織あっての信者と徹底的に洗脳されれてい
るから、それに猛烈に反発する。そうでない信者は、組織そのものをもっていない。たと
えば私の実家は、真言宗大谷派だが、私の母も、家族も、現在の「長」がだれであるです
ら知らない。法事のときは、所属する寺の僧侶の悪口を言いあって楽しんでいる。

 さて先の知人に話をもどす。その知人の家庭には、何か大きな問題が起きたらしい。そ
こでその妻は、必死になって、つまり彼女なりのやり方で、家族をたてなおそうとした。
K教団に救いを求めたとしたら、それはあくまでも、その結果でしかない。が、夫婦で違
う宗教を信ずるのは、決定的にまずい。とくにK教団にように、ほかのあらゆる思想を否
定するような急進的な教団は、まずい。妻がその信仰にのめり込めばのめり込むほど、夫
の思想だけではなく、人格をも否定するようになる。そうなると、もう行きつく先は見え
ている。

 私はよく考える。宗教は心を救うか、と。いや、もちろん私にも信仰心は、ある。最初
にそれを自覚したのは、昔、学生時代、満天の星空を見たときだ。私はその美しさに圧倒
されて、ただただ涙をこぼした。それ以前にも、何かにつけて、自分の信ずる神や仏に祈
ったことはある。しかしそうした自分なりの祈り方が、決定的に変わったのは、「サダコ」
(原爆の少女「偵子」、広島の平和記念公園の銅像になったモデル)という本を読んだとき
のことだ。英訳本だったが、私は一ページ読むごとに目が涙であふれ、ときにはもうそれ
以上、読むことができなくなってしまった。「こんなにも熱心に、神に祈った人がいる」「こ
んなにも強く、神の力を必要とした人がいる」と。そう思ったとたん、もう自分のために、
祈ることができなくなってしまった。

 いや、今でもときどき、ふと油断をすると、自分のために何かを祈ろうとするときがあ
る。しかし別の心が、それを止める。「お前より、もっと神や仏の力を必要としている人が
いる。お前はそれ以上、何を望むのか」と。あるいは「神や仏に、スーパーパワーがある
とするならば、そのパワーは、私のためではなく、もっとその力を必要とする人のために
使ってほしい」と。

 私は凡人だから、他人のために祈るというようなことまでは、まだできない。しかし少
なくとも、その「サダコ」を読んでからというもの、自分のために祈ることはやめた。仮
に明日、死を宣告されても、私は祈らない。私は今まで、じゅうぶん健康だったし、すば
らしい家族に恵まれたし、人生も半世紀を生きることができた。貧乏は貧乏のままだった
が、しかし経済的に苦労したことはない。山荘をもつという夢も実現した。私はそれ以上、
人として、何を望むのか。

 知人夫婦は、ともかくも離婚した。男の子(高三)と女の子(中三)の二人の子どもが
いたが、男の子は父親が引き取り、女の子は母親が引き取った。聞くところによると、妻
は神奈川県の実家に帰り、ますます熱心なK教団の信者となり、毎日、毎晩、不況活動に
専念しているという。夫のほうには、もう再婚話がもちあがっているという。相手は、そ
の医院に勤めていた看護婦だという。ワイフから話を聞くたびに、私は、「なるほど……」
と、へんに納得させられている。
(02−8−14)※


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:小学2年生、7歳の子供に国語や感想文の宿題を教えていますが、その子は集中力がなく
2分と前を向いて座っていられません。とにかくよそ見が多くて家庭教師の方も教えるのを
断念して断るらしいのですが、集中力をつけさせるいい方法はありませんか?いろいろな
方に聞きましたがこれほど集中力のない子はいなかったらしく参考になりませんでした。
その子にどうにかして覚えたり学んだりする楽しみをわかってほしいのでいい方法があり
ましたらお教え下さい。

A:いくつかの方法があります。

(1)図書館の児童読書コーナーへつれていき、まず好きなことをさせます。1〜2時間
も好きにさせていると、自分で好きな本をもってきます。つまりそれで子どもの方向性を
知ります。

(2)その方向性について、親や教師の望まないものであっても、何も言ってはいけませ
ん。「こんな本はだめ」とか「こちらの本にしなさい」とかは言わないことです。

(3)このタイプのお子さんを預かるコツは、要するにがまんくらべと思うことです。短
気を起こしたら負け。

(4)方向性(たとえば機関車とかサッカーとか)がわかったら、「国語」とか「勉強」と
かを意識しないで、その方向性にあった本なり読書を通して、「文字」のおもしろさを教え
ます。(子どもによっては、ゲームの攻略本なら読むという子どももいます。)親にそのあ
たりを理解してもらいます。まともな本(?)を読むのは3〜6ヶ月先ですと告げます。
あせらないこと。(最初から児童文学書的な本を読ませようと思うと、失敗します。)

(5)図書館でだめなら、(図書館でも落ち着かないようであれば……)本屋へ連れていき、
「好きな本を一冊なら買ってあげるよ。どんな本でもよいから選んでごらん」と話します。
同じように子どもがどんな本をもってきても、「おもしろそうだね」と言って、それをほめ
てあげます。

(6)方向性がわかれば、それに準じた本を与えるようにします。要するに教える側が、
子どもの世界に入るということです。

私の場合、もう15年ほど前ですが、毎週日曜日に、「読書クラブ」をつくり、毎週7〜8
人の子どもを連れて図書館通いをしました。しかしこの方法は、親には理解されず、「遊ぶ
に行く」と思われ、評判はよくありませんでした。(実際、皆遊んでいましたが……。私も
自分の好きな本を読んでいました。)で、そのうち、一人二人と減り、結局1年半くらいで
やめてしました。しかし本好きにするには、これがベストの方法です。アメリカでも図書
館のおける読書指導にたいへん力を入れています。

さて集中力の問題ですが、疑ってみるべきは、「多動性児」の問題ですね。サイトのhttp://
www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/の「スクラップ」と、「中日新聞コラム」
(http://www.chunichi-tokai.
co.jp/education/child_world/で読んでいただけます。

もし多動性児であれば、指導は、

(1)まずカルシウム、マグネシウム分の多い食生活にこころがけ、精神面での沈静化を
ねらいます。カルシウムを、リン酸化する、リン酸食品をひかえます。

(2)勉強時間を、きわめて短時間に集中させます。2分もたないなら、2分だけと決め
てかかります。そして間に、遊びをいれ、気が向いたらまた2分だけ学習をねらいます。
その間は毅然とした態度で臨み、それを繰り返します。

(3)本来なら、勉強はあきらめ、その分のエネルギーを運動面やほかの面に向けさせて、
エネルギーを消耗させたほうが、結局は子どもにとってもよい結果が出るようです。英語
にも、「打ち寄せる波は止めることはできない」ということわざがあります。無理をすれば、
免疫性や抵抗力をつけ、さらには勉強嫌いにしてしまいますから、注意してください。7
歳の子ども(生徒さん?)ということですので、もうそろそろ落ち着いてくると思います。
この1〜2年が勝負です。

集中力と知能は表裏一体の関係にあります。知的能力の高い子どもは、人を寄せ付けない
集中力を見せます。言い換えると、知的能力を高める方法がないのと同じように、集中力
をつける方法はなく、結局は子どもの方向性を見極めながら、その方向性にそった指導を
するしかないようです。そしてそこから徐々に、好奇心を利用して、集中力を引き出して
いく……。M君という男の子がいました。小学3年生でした。ゲームの攻略本なら読むの
で、「ソルダックの防御力を2倍にするには、どうすればいいか」「金バージョンと銀バー
ジョンはどう違うか」という作文を書かせたら、喜んで書いていました。

あまり参考にならないかもしれませんが、私の経験がお役にたてればうれしいです。では、
失礼します。



【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

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子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 20日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【子育て、Q and A・特集】(3)

初めてメールさせて頂きます。
友人から先生のHPを教えてもらいました。

長男のことでご相談します。

今年入学した6歳になる長男です。下に2歳の弟がいます。3月生まれなので6歳に
なったばかりです。

赤ちゃんの頃からどちらかといえば神経質で、人見知りもあり、入園のときも母親か
離れられない子供でした。
それでもこの子なりのペースで成長してきたと思っていたのですが、入学して2週
間、懸念していたことが現実となり、少々悩んでおります。

几帳面でまじめすぎるところがあり、例えば忘れ物をしたり、人と違ったりすること
に過敏で、誰が責めるでもないのに泣けてきてしまいます。このところ、絵を描く機
会も多いのですが、「何でも自分の好きなものを描きなさい」と云われるとパニック
になるのか涙が出て手が進みません。

今日も学校でたまたま給食エプロンを間違えて使ってしまったらしく、それを先生は
責めたわけではないのに泣いてしまう、それを見ていた周りの子供たちが集まってき
たことでまた泣けてしまう・・・といった具合です。先生に質問したことを、先生が
聞き取れなくて聞き返すと、それだけでまた涙が出てきてしまうということもあった
ようです。

今に始まった事ではなく、保育園時代もその傾向はあり、結局は本人が乗り越えてい
くしかないと思っていたのですが、やはり何度か重なると、親としてどういう風に向
き合えばいいのか分からなくなり、ご相談した次第です。

強く言い聞かせた方がいいのか、本人が恥ずかしくなりこらえることが出来るように
なるまで、泣きたいだけ泣かせたほうがいいのか・・・。

何かアドバイス頂けるとありがたいです。(福岡県・TYより)


**************************************
メール、ありがとうございました。

私からの質問です。ご都合のよいときに
教えてくだされば、もっと的確にアドバイスできます。

(1)パニックになる症状は何歳から始まりましたか。
年中児になるころあたりから始まったはずですが、
思い当たることはありませんか?

(2)赤ちゃんのときから、親に
甘えるということを自然な形でしていましたか?
それともそうではありませんでしたか?

(3)下の子どもが生まれたあと、赤ちゃんがえりは
ありませんでしたか。下の子いじめはしませんでしたか。

今の症状は、いわゆる緊張性の情緒不安です。
(心はいつも緊張状態にあり、その緊張状態に
不安が入り込むと、一挙に情緒が不安定になります。
言い換えると、情緒不安というのは、心の緊張状態
がとれないことを言います。)

相手に心を許さない分だけ、緊張感がとれないのです。
原因の多くは、乳幼児期の神経質な子育てに求められます。
子どもが安心して甘えることができなかったとか。
スキンシップが不足していたかもしれません。

(4)赤ちゃんのとき、親に甘えましたか。
それを許しましたか。

(5)不安先行型の子育てをしていませんでしたか。
あるいは心配過剰?

(6)スキンシップは濃厚でしたか。あるいは早くから
親の手を離れて、保育園へ入れるようなことは
ありませんでしたか?

対人恐怖症と考えられますが、分離不安の可能性もあります。
その中でも、攻撃型(プラス型)と内閉型(マイナス型)
があります。パニックになるのは、マイナス型と考えて
よいでしょう。(プラス型はギャーと叫んで親のあとを
追いかけたりします。)症状は正反対ですが、
一番考えられるのは、下の子どもが生まれて、
赤ちゃんがえりを起こしたことです。

(6−2)分離不安の症状もあったようですが、何か思い当たる
事件はありませんか。無理に引き離したとか、迷子に
なったとか、あるいは親戚に預けられたとか、など。

(7)お子さんのリズムで生活していますか。それとも
手をぐいぐいと引きながら子育てをしてきたような
感じですか。

(8)お子さんを日常的に「あなたはおにいちゃんでしょ」式に
突き放していませんか。望まれて生まれてきたお子さんですか?
愛情をたっぷりと注いできましたか。


以上、TYさんからの返事をいただいた上で、
またお答えします。対処法などはそのとき返事
いたします。ご質問、ありがとうございました。
情緒が不安定になっているイコール、心の緊張感
がとれないでいるので、無理をしてはいけませんよ。
こじれると、結構やっかいなことになります。

今回はこれで失礼します。

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>
早速の返信、ありがとうございます。
記憶に不確かなところも多々ありますが、できるだけ思い出して書き出してみます。

いつも返信いただき、ありがとうございます。
今回の先生のお話に、少しほっとしつつも、改めて子育ての難しさを痛感しておりま
す。

先生のご質問に対し、改めて返答させて頂きます。

(1)パニックになる症状は何歳から始まりましたか。
> 年中児になるころあたりから始まったはずですが、
> 思い当たることはありませんか?
年長の半ばくらいからだったと思います。何かをきっかけにしてというような思い当
たることはないのですが。

> (2)赤ちゃんのときから、親に
> 甘えるということを自然な形でしていましたか?
> それともそうではありませんでしたか?
特に違和感は感じなかったと思います。甘えん坊の子でしたが、特にそれを厳しく突
き放すようなことはしなかったと思います。

> (3)下の子どもが生まれたあと、赤ちゃんがえりは
> ありませんでしたか。下の子いじめはしませんでしたか。
赤ちゃんがえりを心配しましたが、特にありませんでした。ただ、生まれたときに4
歳だったので、我慢して感情を表に出せなくなることが心配だったので、私としては
生まれてしばらくは何かにつけ、上の子を優先しました。

> 今の症状は、いわゆる緊張性の情緒不安です。
> (心はいつも緊張状態にあり、その緊張状態に
> 不安が入り込むと、一挙に情緒が不安定になります。
> 言い換えると、情緒不安というのは、心の緊張状態
> がとれないことを言います。)
>
> 相手に心を許さない分だけ、緊張感がとれないのです。
> 原因の多くは、乳幼児期の神経質な子育てに求められます。
> 子どもが安心して甘えることができなかったとか。
> スキンシップが不足していたかもしれません。
>
> (4)赤ちゃんのとき、親に甘えましたか。
> それを許しましたか。
甘えてきたと思いますし、拒絶もしなかったつもりです。

> (5)不安先行型の子育てをしていませんでしたか。
> あるいは心配過剰?
どちらかといえば不安先行型かもしれません。引っ込み思案の子だったので、特に集
団生活や協調面に関して、心配の種はつきませんでした。

> (6)スキンシップは濃厚でしたか。あるいは早くから
> 親の手を離れて、保育園へ入れるようなことは
> ありませんでしたか?
当時フルタイムで働いていたので、1歳から保育園に行っていました。ただ、その
分、スキンシップに関しては常に意識して、子供とは接してきたつもりなのですが。
> 対人恐怖症と考えられますが、分離不安の可能性もあります。
> その中でも、攻撃型(プラス型)と内閉型(マイナス型)
> があります。パニックになるのは、マイナス型と考えて
> よいでしょう。(プラス型はギャーと叫んで親のあとを
> 追いかけたりします。)症状は正反対ですが、
> 一番考えられるのは、下の子どもが生まれて、
> 赤ちゃんがえりを起こしたことです。
>
> (6−2)分離不安の症状もあったようですが、何か思い当たる
> 事件はありませんか。無理に引き離したとか、迷子に
> なったとか、あるいは親戚に預けられたとか、など。
事件として、特に思い当たることはないように思います。

> (7)お子さんのリズムで生活していますか。それとも
> 手をぐいぐいと引きながら子育てをしてきたような
> 感じですか。
ぐいぐい引っ張りたくなる気持ちになることも事実ですが、出来るだけセーブしてき
たつもりです。2歳までは延長のある保育園に 通っていましたが、3歳の時(年少
に上がる時)、学区の保育園に行った方がその後の小学校への入学にもストレスが少
ないかと思い、それまでの仕事を辞め、延長のない学区の保育園を選び、夕方からの
子供との時間を濃密にしてきました。

> (8)お子さんを日常的に「あなたはおにいちゃんでしょ」式に
> 突き放していませんか。望まれて生まれてきたお子さんですか?
> 愛情をたっぷりと注いできましたか。
「あなたはおにいちゃんでしょ」ということは、少なくとも父親、母親は言いませ
ん。お兄ちゃんというのはほめる時に使うぐらいです。私たちなりに愛情を注いでき
たつもりです。皆から祝福されて生まれ、かけがえない子だという気持ちに嘘はあり
ません。

今は私自身どう対処していいかわからないので、このことに関して子供に何も云って
いません。
もしまだ分かりにくいことがありましたら、またご連絡しますのでどうぞよろしくお
願いします。

私たちは取り返しのつかない育児をしてしまったのでしょうか?いつも子供たちのこ
とは1番に考えてきたつもりなのですが。

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ご返事、ありがとうございました。
いただいたメールから判断すると、
情緒が不安定というより、未熟性が原因ではないかと
思っています。感受性が強く、その感じたことをうまく
コントロールできないという状態です。もしそうなら、
やがて集団生活になれ、何かのことで自信をもてば
症状としては、自然に消えていく種類のものです。

外の世界(学校や友人関係)では、かなり神経を
使っていますので、家庭では、思いっきり手綱を
ゆるめるようにします。多少乱暴なことを言ったり、
生活習慣がだらしなくなりますが、大目に見てあげ
てください。あとは濃厚なスキンシップと、とりあえず
はCa,Mgの多い食生活にこころがけます。これら
はいわば精神安定剤として作用します。

対人恐怖症はどこかであったと思われます。親が
気づかないところで、です。「絵を描いてごらん」と
言われて涙ぐむということですが、そのあたりに
キーワードがあったように思います。多分幼稚園か
どこかで、一度いやな思いをしたのかもしれません。

問題は、こうした緊張感が、部分的なものなのか、
それとも、今、お子さんの生活全体に及んでいるも
のなのかという点です。※ふだんは何ともないが、
ふとしたことで、ときどきそうなるというのであれば
問題はないでしょう。しかしいつもどこか気を抜かない、
気を許さない、ピリピリしているというのであれば、
それが転じて、ほかの症状に結びつく(神経症、
恐怖症、不登校など)心配があります。そのあたり
はいかがですか。

もし部分的であるなら、先にあげた対処法で
じゅうぶんですが、いつも緊張状態にあるという
のであれば、「今の症状をより悪くしないこと」だけ
を考えて、さらに手綱を緩めます。どこかで自分を
発散できればいいのですが、そういう場所はあり
ますか。※

年齢的にみて、つまり発症(?)した時期からみて、
赤ちゃんがえりの変形とみてよいと思います。
原稿をはりつけておきます。本能的な嫉妬心が
いろいろ姿を変えて子どもの情緒に影響を与えた
ということです。「やさしすぎる」ということですが、
どこか気になります。無理をしているのではないか、と
です。あるいは仮面をかぶっていることも考えられます
が……?※いかがですか?

上記※部について、またくわしくわかれば教えてください。

では、また。

はやし浩司

*************************************
いつも返信いただき、ありがとうございます。
今回の先生のお話に、少しほっとしつつも、改めて子育ての難しさを痛感しておりま
す。

先生のご質問に対し、改めて返答させて頂きます。

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> 問題は、こうした緊張感が、部分的なものなのか、
> それとも、今、お子さんの生活全体に及んでいるも
> のなのかという点です。※ふだんは何ともないが、
> ふとしたことで、ときどきそうなるというのであれば
> 問題はないでしょう。しかしいつもどこか気を抜かない、
> 気を許さない、ピリピリしているというのであれば、
> それが転じて、ほかの症状に結びつく(神経症、
> 恐怖症、不登校など)心配があります。そのあたり
> はいかがですか。

息子は、この年代の男の子としてはおとなしい方だとは思いますが、普段、私が接し
ている時の様子は明るく、時にはおしりを出したりして笑わせる、元気な子だと思い
ます。家でもちょっと強く叱ると、涙ぐんだりはしますが、以外に立ち直りも早く、
ピリピリすることもないように思います。
手綱を緩めるというのは、少々のことは大目に見ていくということなのでしょうか?
長男は小さい頃から食が細く、同じ年頃の子に比べると、半分か、へたをするとそれ
以下かもしれません。故に食事を食べなかったりすると、どうしても私の口調がきつ
くなり、涙ぐみながら食べることも間々あります。後からいつも反省するのですが・
・・。体重も90パーセンタイルの下ぎりぎりなので、なんとか食べさせたい気持ち
と、この子の食は細いことを認めなければという気持ちがいつも私の中で入れ代わり
立ち代わり揺れています。こういうこともきっと影響しているような気がします。

> 年齢的にみて、つまり発症(?)した時期からみて、
> 赤ちゃんがえりの変形とみてよいと思います。
> 原稿をはりつけておきます。本能的な嫉妬心が
> いろいろ姿を変えて子どもの情緒に影響を与えた
> ということです。「やさしすぎる」ということですが、
> どこか気になります。無理をしているのではないか、と
> です。あるいは仮面をかぶっていることも考えられます
> が……?※いかがですか?

次男が生まれる時、長男は丁度4歳になる頃だったので、感情が表に出せなくなるこ
とだけは避けてやりたいと思い、赤ちゃんがえりしても受け止めるつもりでいたので
すが、以外に表立ったやきもちもなく、彼なりに赤ちゃんの存在を受け入れてくれた
ように見えました。今でも自分が遊んでいるものを弟が欲しがると、割とすぐに譲っ
てやり、突き飛ばしたり、たたいたりということも全くしません。それはそれでなん
となく心配で、無理をしているのではないかと思うこともあるのですが、それっぽい
様子もあまり感じ取ることは出来なく、かわいがってくれています。もっと奥深いと
ころに感情が押し込められているのでしょうか?
私のスタンスは、次男が怒って泣き出さない限り、長男が甘えてひざに乗ってきた
り、抱っこしてと云ってきた時は、受け入れるようにしています。これはこのままで
いいのでしょうか?

学校で泣いてしまったことを担任の先生から聞いた後日、先生の連絡帳に、号令を頼
んだらとても元気な声でできたこと、図工の粘土工作ではとても上手に動物園を造っ
ていたことが書いてありました。
友達作りは決して上手ではありませんが、気の合う子はそれなりにいるようです。保
育園の卒園文集では、仲良しのお友達の名前を書くところがあったのですが、ほとん
どの男の子が息子の名前を書いてくれていました。

思い返すと、男の子なんだからこれくらいは、とか、せめてこうなって欲しい、と
いった親の思いを押し付けるようなことをしてきたような気がします。

何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

***************************************


こういうケースでは、最悪なものから順に消去法的に消して
いくという方法で、子どもの問題を考えます。で、結論になる
と思いますが、大きな情緒的障害、精神的な問題は考えなく
てもよいのではないかということです。考えられるのは情緒的
未熟性(何らかの原因でよくあることです)ですが、これはこ
の時期の子どもの、20%(推計)に多かれ少なかれみられ
る症状で、これから先、年齢が大きくなれば、急速に改善
するものと思われます。要するにこじらせないことだけを
考えれば、よいでしょう。今のところ、深刻な神経症なども
ないようですから、それほど心配はなさらなくrてもよいの
ではないでしょうか。

手綱をゆるめるというのは、家庭をしつけの場からいやしの
場にできるだけ早く転換するということです。学校ではかな
り神経をつかっているようなので、生活習慣が多少だらし
なくなっても、「うちの子は外でがんばっているから、しかた
ないわ」と思うようにするということです。家ではもうガミガミ
言わないことです。

子どもの小食については、何らかの形で約30%の母親が
悩んでいます。食が細い、遅い、好き嫌いがはげしい、など。
まずしてみることは、冷蔵庫をカラにして、間食できるような
ものを一掃すること。甘味料の多い食生活を一掃して、CA
MGの多い食生活に切りかえること、です。私は「冷蔵庫を
カラにせよ」という指導をしています。小食児の家庭には、
それなりに、つまり無意識のうちにも、間食できるものが
ゴロゴロしているからです。もちろん甘いジュース類は周囲
から消します。アイス、クリーム、ケーキなども厳禁!

ご指摘のように、私も「どこか無理をしているな」とは感じて
います。「弟なんか嫌いだ」とすなおに言えるほうが自然で
はないかと思います。どこかで親の期待にこたえながら
「いい子」を演出しているような感じがします。ですからお尻
を見せたりしてふざけているようなら、そういう面をすなおに
外に出せるように、つまり子どもの側からみて、心を開ける
ような場を大切になさってください。このタイプの子どもは、
「これだけは人に負けない」というような一芸をもたせるこ
とをお勧めします。一芸論はあちこちに書いておきました
ので、またサイトをご覧になってください。メールの中で
気になったのは、「今でも自分が遊んでいるものを弟が
欲しがると、割とすぐに譲っ てやり、……」という部分です
が、長男としては、たいへん珍しいことです。つまりどこか
不自然に感じました。

スキンシップの与え方は、この際、今のままでよいと思い
ます。小学3〜4年までつづきますが、TYさんのケース
では、小学4〜5年までつづくかもしれません。ベタベタの
スキンシップではなく、質の高いスキンシップをこころがけ
てください。子どもの側からみて安心感の得られるような
スキンシップをです。(スキンシップが多いから依存性が
強くなると言うのは、ウソです。まったく別物です。)依存性
は親側の姿勢の問題です。

「男の子だから」「お兄ちゃんだから」というのは、もうや
めましょう。ひょっとしたら、TYさん自身が、「男の子」を
知らないか、「父親の形」を知らないのかもしれません。
それで勝手に「男像」をつくりあげ、その形に子どもを
当てはめようとしている感じがします。お父さんが割りと
権威主義的な、昔的な方だったかもしれませんね。

これからはもっと感情を表に出せるように、ゆるめてみ
ます。学校から帰ってきたときあなたの前で、だらしない
格好でもよいから好き勝手なことができるように。そういう
おおらかさで子どもを包んであげてみてください。少し
ずつですが心を開いてくれると思います。(1年単位で)

ときどき学校へ行くのをいやがったり、ぐすったりする
ようなことがあれば、適当に休みながら、心を調整して
あげてください。外の世界では無理をしているようです
から。それと涙もろい、すぐ泣くということは、最初のメ
ールに書いたとおりですから、心の緊張感をほぐすこと
を考え、一方で、あまりおおげさに考えないように。子ども
によっては、涙は汗のようなもののときがあります。涙
を出すことで、緊張感をほぐすときもあります。泣きたい
だけ泣かしながら、温かく見守ってあげます。(泣くことに
よって、子どもは心のバランスをとる、イコール、ストレス
を発散させるのですね。)

あとは学校の先生と連絡を密にしてください。直接子ども
をみている先生が、ほめてくれたということですから、私
はそれでよいと思います。この時期はほめながら、少し
うぬぼれぎみでも構わないから、前向きな姿勢を大切に
して伸ばすのがコツです。これから先、親離れを始める
小学3〜4年生ごろ、ややむずかしくなる時期がありま
すが、どうかうまく乗り越えてください。

では、これで失礼します。あまりよい回答になっていなくて
すみません。また何かあれば、連絡ください。あまり心配
せず、つまりあなた自身が自分の子育てに自信をもって
前向きに進んでください。メールで拝見したところ、とても
じょうずに子育てをなさっておられるようです。母親として
ほぼ満点をさしあげたいくらいです。(生意気なことを言って
すみません。)あなたはすばらしい母親です。メールの内容
にしても、たいへん理知的で、的確です。自信をもってく
ださい。あなたのような母親からはゆがんだ子どもは
生まれません。では……。

はやし浩司

Q:小学4年生の長女ですが、いつからかどもるようになってしまい、普通に話をしてても
言いたい事がなかなか伝わらずかわいそうなぐらいです。特にカ行とタ行がひどいです。
本人も気にしていて上手に話せれないからと授業中に発表することをいやがります。なお
す方法を教えてください。 

A:吃音(きつおん)についてですが、本人がセルフコントロールできる年齢かどうか微妙
なところです。つまり自意識の範囲で、指導になじむかどうかということです。小学4年
生というのは、微妙です。

(1)自意識でコントロールできないとき(幼児〜小1,2)の場合吃音指導はしないの
が原則です。発音練習は、別にします。

(2)自意識でコントロールできるとき(小学高学年以上)の場合
それでも吃音指導を子どもにあまり意識させないで、たとえば発音練習をしながら、結果
として吃音をなおすようにします。発音指導は、口をゆっくりと動かし、息をたくさん出
させ、子どもに発音のリズムをつかまさせます。苦手な音の言葉だけを、何度もゆっくり
と話させるようにします。たとえば「刀(かたな)で皮(かわ)を切る」という文章だけ
を、練習します。子どもに吃音指
導と思わせないようにするのがコツです。どこかで大声を出して、声を出してくれるとい
いのですが……。吃音そのものは、脳の機能的な変調が原因で、声帯がけいれんを起こし
て引き起こされるというのが、一般的な考え方です。つまり脳の変調を起こす原因(神経
質な家庭環境、神経症などの変調要因)があればそれを除去します。神経質な過干渉、過
関心、過負担、過剰期待など。しかしこれらの要因を除去したからといって、吃音はすぐ
にはなおりません。こうした変調(神経症とみる学者は多い)は一度現われると、数年単
位で続くことが多く、その間に、子ども自身が自信をなくしたり、失語症になったりしま
す。要するに周囲が無視すればいいのですが、これが子どもの世界では難しいようです。(そ
れをからかう子どもがいたりするからです。)私の場合は、ときどき子どもたち全員に大声
をださせ、それにまぎれてなおすという方法をとっています。ほかの子どもたちのいる前
では、指導しない。問題としない。なおそうとしないが原則です。家庭では、次のように
してみてください。苦手な音をふくむ言葉について、まずゆっくりと話す練習をします。
リズミカルに息を大きく吐き出しながら、音にあわせて口を動かすようにします。ここで
大切なことは、ゆっくりと話す練習をさせることです。「吃音をなおしましょうね」とか、
練習が吃音をなおすためとかいうようなことを子どもにわからせることは、子どもの前で
は避けます。(小学高学年以上であれば、ある程度、吃音をなおすということを意識させま
すが、あまり意識させると、かえって自信をなくさせたり、萎縮させたりしてしまいます。)
率直に言えば、無視して、皆が、だれも問題にしないような環境があれば、いいのですが
……。たいてい指導を始めると、子どもは小声になってしまいます。それがかえって指導
を難しくします。

 そこでどうでしょう。あまりなおそうとか、それが悪いことだと決めてかからないで、
もう少しおおらかに考えてみたら。おねしょと同じで、吃音そのものは、本人にとっては、
それほど不愉快なものではないのです。(私も子どものころ、軽度の吃音があり、今でも、
カ行音でどもることがあります。)

自意識がじゅうぶん育ってくると、苦手な音を出す前に、一呼吸おくようになり、ゆっく
りとしゃべるようになります。そうなれば、自然になおります。そういうことも考えなが
ら、子どもに吃音が悪いことだと思わせないようにします。(罪悪感をもたせると、まずい
ですね。ですから努めて無視するのが最良の方法で、それとは別のところで、発音指導は
します。どうもまとまりのない文になってしまいましたが、わかっていただけましたか?)
 
 私は正直に言いますが、吃音指導そのものは、ひとりの子ども(一対一の関係では)に
対してはしたことがありません。無視した形で、別のところで、子どもどうしにワーワー
しゃべらせ、それでなおすという方法をとっています。それが吃音指導の難しい点である
と同時に、コツです。対面式で指導すると、かえって失敗するのでは……? 吃音も含め
て発語障害は、こういう方法をとるのがベストです。(順に言わせてなおすという方法でも、
子ども自身が敏感になっていることが多く、たいていその段階で、気づかれてしまいます。
子どもが気づくと、その時点で指導ができなくなります。)

Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/

のコラムの中に、発語障害を書いておきましたので、ご覧になってください。HPの中にも、
どこかで詳しく書いておきました。では。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

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●子供の愛着行為

はやし先生へ、
おはようございます、埼玉県T市に住むマガジン読者です。

ところで、E-メールマガジンで、たびたびテーマを募集していますが、前々から、『アメリ
カでは、生まれたての赤ちゃんでも、夜寝る時には、夫婦の寝室とは別で、子供部屋で寝
る』と言われているし、アメリカのファミリードラマやアニメでも、かなり小さい子供で
も、ちゃんと自分の部屋を持ち、ベッドで寝ていますが、「ほんとうかしら?」と、疑問を
もっています。

現在三男は一才を過ぎていますが、おっぱいを飲みながら寝るので、私と同じ布団で寝て
いますし、もっと月齢が小さい時などは、二時間おきの授乳だったので、いちいち起きて、
ベビーベッドで寝ている子を抱き上げて授乳することすら苦痛でした。

先生の御二男の方はベビーはどのような環境で、寝ているのでしょうか? すごく興味が
あります。それとまじえて、子供と親が別々の部屋で寝始める頃の見極めと注意点なども
アドバイスして頂きたいです。

友人の子は、寝室を別にしたとたん、首が曲がったまま元に戻らなくなり、整体等、通っ
たのですが、なかなか治らず、寝室をまた親と同じにしたら、ピタリと治ったそうです。

+++++++++++++++++++++

●アメリカの子育て

 アメリカといっても、アジア全域ほど広く、また移民国家であるため、アメリカ人とい
っても、どういう人をアメリカ人というのか、必ずしも明確ではありません。もちろんア
ジア系アメリカ人も多く、その中の一部には、日系アメリカ人もいます。さらに同じ白人
でも、父親がフランス人、母親がウクライナ人、祖父がスコットランド人で、祖母がイタ
リア人という家庭は、いくらでもありま
す。

 で、その中でも、アングロサクソン系のアメリカ人にかぎっているなら、ご指摘のよう
に、赤ん坊のときから、寝室を分けるのが、ふつうのようです。アングロサクソン系とい
うのは、いわゆるイギリス系のアメリカ人です。ふつう私たちがアメリカ人というとき、
もっともポピュラーに想像する、白人のアメリカ人です。

 二男の嫁も、そのアングロサクソン系のアメリカ人で、代々、アメリカの中南部で暮ら
してきた家族です。ただ私の二男のばあいは、大きな二部屋だけのアパートで、別々の部
屋ということはありませんでした。大きなベビーバッグの中に赤ん坊を寝させていました。
しかし夜泣きがひどいので、私のワイフのアドバイスで、夫婦のベッドの間で、川の字の
ようにして寝させました。そうしたら夜泣きが収まったそうです。

 ご質問の件について、私は専門ではないので、よくわかりませんが、今までに私が書い
た原稿をあちこちから集めてみましたので、参考にしてください。

++++++++++++++++++++++++++++

●子どもの愛着行動

 母親は新生児を愛し、いつくしむ。これを愛着行動(attachment)という。これはよく
知られた現象だが、最近の研究では、新生児の側からも、母親に「働きかけ行動」がある
ことがわかってきた(イギリス、ボウルビー、ケンネルほか)。こうした母子間の相互作用
が、新生児の発育には必要不可欠であり、それが阻害されると、子どもには顕著な情緒的、
精神的欠陥が現れる。その一例が、「人見知り」。

 子どもは生後六か月前後から、一年数か月にかけて、人見知りするという特異な症状を
示す。一種の恐怖反応で、見知らぬ人に近寄られたり、抱かれたりすると、それをこばん
だり、拒否したりする。しかしこの段階で、母子間の相互作用が不完全であったり、それ
が何らの理由で阻害されると、「依存うつ型」に似た症状を示すことも知られている。基本
的には、母子間の分離不安(separation anxiety)は、こうした背景があって、それが置き
去り、迷子、育児拒否的な行為(子どもの誤解によるものも含む)などがきっかけによっ
て起こると考えられる。

●スキンシップは魔法の力 
 スキンシップには、人知を超えた不思議な力がある。魔法の力といってもよい。もう二
〇年ほど前のことだが、こんな講演を聞いたことがある。アメリカのある自閉症児専門施
設の先生の講演だが、そのときその講師の先生は、こう言っていた。「うちの施設では、と
にかく『抱く』という方法で、すばらしい治療成績をあげています」と。その施設の名前
も先生の名前も忘れた。が、その後、私はいろいろな場面で、「なるほど」と思ったことが、
たびたびある。言いかえると、スキンシップを受けつけない子どもは、どこかに「心の問
題」があるとみてよい。

 たとえばかん黙児や自閉症児など、情緒障害児と呼ばれる子どもは、相手に心を許さな
い。許さない分だけ、抱かれない。無理に抱いても、体をこわばらせてしまう。抱く側は、
何かしら丸太を抱いているような気分になる。これに対して心を許している子どもは、抱
く側にしっくりと身を寄せる。さらに肉体が融和してくると、呼吸のリズムまで同じにな
る。心臓の脈動まで同じになることがある。で、この話をある席で話したら、そのあと一
人の男性がこう言った。「子どもも女房も同じですな」と。つまり心が通いあっているとき
は、女房も抱きごこちがよいが、そうでないときは悪い、と。不謹慎な話だが、しかし妙
に言い当てている。

●大切な「甘える」という行為
 このスキンシップと同じレベルで考えてよいのが、「甘える」という行為である。一般論
として、濃密な親子関係の中で、親の愛情をたっぷりと受けた子どもほど、甘え方が自然
である。「自然」という言い方も変だが、要するに、子どもらしい柔和な表情で、人に甘え
る。甘えることができる。心を開いているから、やさしくしてあげると、そのやさしさが
そのまま子どもの心の中に染み込んでいくのがわかる。

 これに対して幼いときから親の手を離れ、施設で育てられたような子ども(施設児)や、
育児拒否、家庭崩壊、暴力や虐待を経験した子どもは、他人に心を許さない。許さない分
だけ、人に甘えない。一見、自立心が旺盛に見えるが、心は冷たい。他人が悲しんだり、
苦しんでいるのを見ても、反応が鈍い。感受性そのものが乏しくなる。ものの考え方が、
全体にひねくれる。
私「今日はいい天気だね」、子「いい天気ではない」、私「どうして?」、子「あそこに雲が
ある」、私「雲があっても、いい天気だよ」、子「雲があるから、いい天気ではない」と。

●先手を打って自分を守る

 このタイプの子どもは、「信じられるのは自分だけ」というような考え方をする。誰かに
親切にされても、それを受け入れる前に、それをはねのけてしまう。ものの考え方がいじ
け、すなおさが消える。「あの人が私に親切なのは、私が持っている本がほしいからよ」と。
自分からその人を遠ざけてしまうこともある。あるいは自分に関心のある人に対してわざ
と意地悪をする。心の防御作用と言えるもので、その人に裏切られて自分の心がキズつく
のを恐れるため、先手を打って、自分の心を防衛しようとする。そのためどうしても自分
のカラにこもりやすい。異常な自尊心や嫉妬心、虚栄心をもちやすい。あるいは何らかの
きっかけで、ふつうでないケチになることもある。こだわりが強くなり、お金や物に執着
したりする。完ぺき主義から、拒食症になった女の子(中三)もいた、などなど。

 もしあなたの子どもが、あなたという親に甘えることを知らないなら、あなたの子育て
のし方のどこかに、大きな問題があるとみてよい。今は目立たないかもしれないが、やが
て深刻な問題になる。その危険性は高い。

●行きづまりを感じたら、抱く
 ……と、皆さんを不安にさせるようなことを書いてしまったが、子どもの心の問題で、
何か行きづまりを感じたら、子どもは抱いてみる。ぐずったり、泣いたり、だだをこねた
りするようなときである。「何かおかしい」とか、「わけがわからない」と感じたときも、
やさしく抱いてみる。しばらくは抵抗する様子を見せるかもしれないが、やがて収まる。
と、同時に、子どもの情緒(心)も安定する。

(参考)
●抱かれない子どもが急増!

こんなショッキングな報告もある(二〇〇〇年)。抱こうとしても抱かれない子どもが、四
分の一もいるというのだ。

「全国各地の保育士が、預かった〇歳児を抱っこする際、以前はほとんど感じなかった『拒
否、抵抗する』などの違和感のある赤ちゃんが、四分の一に及ぶことが、『臨床育児・保育
研究会』(代表・汐見稔幸氏)の実態調査で判明した」(中日新聞)と。
報告によれば、抱っこした赤ちゃんの「様態」について、「手や足を先生の体に回さない」
が三三%いたのをはじめ、「拒否、抵抗する」「体を動かし、落ちつかない」などの反応が
二割前後見られ、調査した六項目の平均で二五%に達したという。また保育士らの実感と
して、「体が固い」「抱いてもフィットしない」などの違和感も、平均で二〇%の赤ちゃん
から報告されたという。

さらにこうした傾向の強い赤ちゃんをもつ母親から聞き取り調査をしたところ、「育児から
解放されたい」「抱っこがつらい」「どうして泣くのか不安」などの意識が強いことがわか
ったという。また抱かれない子どもを調べたところ、その母親が、この数年、流行してい
る「抱っこバンド」を使っているケースが、東京都内ではとくに目立ったという。

 報告した同研究会の松永静子氏(東京中野区)は、「仕事を通じ、(抱かれない子どもが)
二〜三割はいると実感してきたが、(抱かれない子どもがふえたのは)、新生児のスキンシ
ップ不足や、首も座らない赤ちゃんに抱っこバンドを使うことに原因があるのでは」と話
している。

++++++++++++++++++++++++

●スキンシップ

 よく「抱きぐせ」が問題になる。しかしその問題も、オーストラリアやアメリカへ行く
と、吹っ飛んでしまう。オーストラリアやアメリカ、さらに中南米では、親子と言わず、
夫婦でも、いつもベタベタしている。恋人どうしともなると、寸陰を惜しんで(?)、ベタ
ベタしている。あのアメリカのブッシュ大統領ですら、いつも婦人と手をつないで歩いて
いるではないか。
 
一方、日本人は、「抱きぐせ」を問題にするほど、スキンシシップを嫌う。避ける。「抱き
ぐせがつくと、子どもに依存心がつく」という、誤解と偏見も根強い。(依存心については、
もっと別の角度から、もっと別の視点から考えるべき問題。「抱きぐせがつくと、依存心が
つく」とか、「抱きぐせがないから、自立心が旺盛」とかいうのは、誤解。そういうことを
言う人もいるが、まったく根拠がない。)仮にあなたが、平均的な日本人より、数倍、子ど
もとベタベタしたとしても、恐らく平均的なオーストラリア人やアメリカ人の、数分の一
程度のスキンシップでしかないだろう。この日本で、抱きぐせを問題にすること自体、お
かしい。もちろんスキンシップと溺愛は分けて考えなければならない。えてして溺愛は、
濃密なスキンシップをともなう。それがスキンシップへの誤解と偏見となることが多い。

 むしろ問題なのは、そのスキンシップが不足したばあい。サイレントベビーの名づけ親
である、小児科医の柳沢さとし氏は、つぎのように語っている。「母親たちは、添い寝やお
んぶをあまりしなくなった。抱きぐせがつくから、抱っこはよくないという誤解も根強い。
(泣かない赤ちゃんの原因として)、育児ストレスが背景にあるようだ」(読売新聞)と。

 もう少し専門的な研究としては、つぎのようなものがある。

 アメリカのマイアミ大学のT・フィールド博士らの研究によると、生後一〜六か月の乳
児を対象に、肌をさするタッチケアをつづけたところ、ストレスが多いと増えるホルモン
の量が減ったという。反対にスキンシップが足りないと、ストレスがたまり、赤ちゃんに
さまざまな異変が起きることも推察できる、とも。先の柳沢氏は、「心と体の健やかな成長
には、抱っこなどのスキンシップがたっぷり必要だが、まだまだじゅうぶんではないよう
だ」と語っている。ちなみに「一〇〇人に三人程度の割合で、サイレントベビーが観察さ
れる」(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院・堀内たけし氏)そうだ。

 母親、父親のみなさん。遠慮しないで、もっと、ベタベタしなさい!

+++++++++++++++++++++

 あちこちから原稿を集めたため、内容がバラバラになってしまいましたが、こうして改
めて考えてなおしてみると、スキンシップは、必要であるかないかということになれば、
必要であるに決まっているということになります。

 で、ご質問の「量」ですが、それはあくまでも子どもをみて、判断するしかないのでは
ないでしょうか。とくに子どもの情緒の安定度をみながら、判断します。つぎの原稿は、
子どもの欲求不満について書いたものです。この中でも、少し、スキンシップについて触
れてみました。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:はやし先生はじめまして。 私は掛川市内に住むYと申します。2歳3ヶ月になる息子が
います。
 
先生の中日新聞でのコラムを毎回興味深く拝読しております。本も買わせていただきまし
た。先生のご意見を伺うにつけ「こういう考え方があったんだ!」と目からウロコをハラ
ハラとさせて喜んだり、反省したりしています。育児の壁にぶち当たると、こういうとき
はやし先生は何ておっしゃるのかな?」と思ったりもしています。
 
実は今も息子のことで気に病んでいることがあり眠れずに悶々とネットサーフィンしてい
たところ先生のHPを拝見し、ご迷惑とは思いつつ「どうぞ遠慮なく・・・」とある先生
のお言葉に甘えて、うしてメールを送らせていただきます。
 
相談についてですが内容は息子の性格についてです。ちなみに私は専業主婦で天気が良け
れば 毎日近所の公園で母子ともども顔見知りになった友達親子と遊んでいます。
 
息子は赤ちゃんの頃はまったく人見知りしない子供だったのですが1歳半ぐらいから家族
以外の人に話し掛けられると固まるようになってしまいました。
 
知らない人の集団に入っても泣いたりすることはなく楽しく遊びます。 相手が大人でも子
供でも自分から話かけることも あります。「けんちゃん(自分のこと)○○行ったきたの。」
とか 「今何してるの?」とか。 早いうちから単語が出て言葉は決して遅くはないと思い
ますが外にいる時よりは家の中の方が口数が増え楽しそうにしゃべります。
 
でも初めて会う人にはもちろん、毎日のように遊んでいる子供たちや親御さんに挨拶され、
面と向かって話し掛けられると ちょっと笑いながらだったり、時には下を向いて 黙って
しまいます。 でもその人たちと一緒に居ることは大好きで「公園に行く」「○○ちゃんと
遊びたい」と訴えてきますし楽しそうに一緒に遊んでいます。 公園で遊ぶ同じ月齢やそれ
以下の子供たちはほとんど「おはよう」ばいばい」「ありがとう」など息子に対して言って
くれます。自分から言えない子も親に促されれば言えます。私もせめて話しかけられたら
お返事できるようになって欲しいと思うのですが息子は全く言えません。
  
家の中で挨拶の絵本を読んだり、ゲーム感覚で例えば「朝起きた時の挨拶は?」などと聞
くと 「おはよう!」と正しい返事があるので どんな場面で何て挨拶するのかは理解して
いるようです。 主人を玄関で見送る時は「ばいばい!」などと自分からしています。家族
には「ありがとう」も言います。昨日は主人に「公園で○○ちゃんママにお菓子もらった。
でもアリガトウって言えなかった。」と自分で言っていました。
 
他人と比べてはいけないと思いつつ「どうして家の子は言えないんだろう」という思いが
募っています。周りの友達も「いつかは言えるから」と 言ってくれますがそのお子さん達
は上手にご挨拶ができるので情けないのですが何だか素直に聞き入れることができません。
 
これは単に照れていると思っていいのでしょうか?息子の変わりに私が返事したり挨拶し
ているのですが それでいいのでしょうか?親が言っていればいつかは言うようになると 
言われますが本当でしょうか?最近カンモク症をいう症状を知り息子もそれに近い状態な
のかと不安です。 
 
また性格はどちらかというとおっとりしており公園などでおもちゃを取られたり転ばされ
てもワーッと怒ることがなく涙をためてじっとしています。痛い時はもちろん泣きますが 
イライラとして癇癪を起こすようなこともありません。遊具なども順番に使うことを教え
たら それを守りますが強引な子に横取りされくやしいようですが小声で「ダメ」と言うだ
けです。
 
「お菓子がもっと食べたい」などと家族に自分の気持ちを主張して 泣くこともありますが
「ご飯前だから」とか「食べ過ぎだから」と 理由を何度か説明するとそれ以上は訴えてき
ません。おもちゃなども使う意志がなくなると自分で片付け始めます。
 
今まで私も取りたてて大声でガーッと怒ったことがなく、 家族からも友達からも息子は
「育てやすくおっとりした話せばわかる子」という目で見られています。
 
こういう息子は育てやすい物分かりのいい子供と喜ぶべきなのでしょうか? いいかえれ
ば自己主張が足らない、気が弱い子ということではないですか?私は今の息子の状態がと
っても不安です。もっと子供らしくイヤだったら もっと泣いて訴えればくれればいいと思
うし、手をだされたらやり返すくらいのくやしさを表現したらいいのにと親の私が歯がゆ
く思ってしまいます。 息子にも2歳児なりのストレスが溜まっているのでは、と心配する
のですが それは親馬鹿な思いでしょうか?
 
そこで私はついつい息子に教えるつもりもあって、他の子供とのやり取りに口を出してし
まいます。おもちゃを取られそうになると、「いま健ちゃん(息子の名前です)が使ってる
から待っててね。」とかたたかれたら 「痛いからやめてね。」とか。やっと息子もここ2、
3週間前から取られそうになると「今、健ちゃんが使ってるから!」と 言葉で抵抗したり
おもちゃをギュと強く抱え込むようになりました。自分で言えない時は相手の子のところ
まで私の手を引っ張っておかあさんが(言って)!」と言うようになりました。私が口を
出すことで真似するようになった、とうれしく思っていました。 
 
でも今日初めて公園でその様子を見た主人に指摘されたんです。「過保護すぎる。赤ちゃん
じゃないもう子供なんだから子供同士で 好きにさせるべき。特に男なんだし取られたら取
られたで ほっておけばいい。自分で解決する」と。 なんだか頭を殴られた気分でした。
そういうものなのかと。 たしかに私は息子のためではなく自分の気が済まないから 口出
ししていたのかも。
 
挨拶の時でも取り合いの時でも、自己主張が苦手な部分をフォローしてやりたい気持ちと 
それも個性と認め、できなくでもいいじゃないと受け入れてやりたい気持ちが 私の態度を
混乱させています。
  
息子にとってどうすることがいいのでしょうか。他人とのコミュニケーションが苦手な息
子に親としてこれからどのように接すれば良いのでしょうか。
 
私は母に言葉による暴力を受けて育ちました。 母は思い通りに行かないイライラやつらさ
を子供に当たり散らす人でした。私は小学生の時からうちに帰りたくないと悩み、中学生
の時は必要以上に母と会話をしませんでした。 常に母親の顔色を見て過ごしてきました。
大学生になり親元を離れることで関係は修復し今も時々子供を連れて帰ると喜んでくれま
す。でも未だに母の前に行くと緊張し、素直に自分の気持ちを話すことができません。母
に触れる時も体がこわばります。母に認めてもらいたい一心で色々と自分に無理なことも
してきました。でも受け入れてもらったと思うことは ありません。今でさえ親子ごっこの
ように息子と3人で出かけたりしますが母を心の底からは信頼していません。母は今でも
33歳になった私に「あんたはやればできる子だったのに」と愚痴をいうような人です。 
 
独身の頃から「絶対こんな親にはなりたくない!」と自分の心に言い聞かせてきました。 息
子が生まれてからできるだけ息子の気持ちを理解してやりたいと思ってきました。でもそ
う思うことで常に「私の育児が間違っていないか、息子を苦しめていないか」が気になっ
てしまうのです。 育児の正解が何なのかわかりませんし これで良かったなんて死ぬ間際
しかわからないと思いながら、です。もっと肝っ玉母さんのようにどーーーん!としてい
たいのに そうできません。2人目3人目と経験を重ねていく上で 「こんなことで悩んで
いた」と笑える日が来るのでしょうか。 こんなに細かいことで悩んでいたら、息子のため
にと理由をつけながら、いつか母と同じように 「あの子ができてなんであんたが出来ない
の」と言う親になってしまいそうで自分が情けない気持ちでいっぱいです。
 
なんだか愚痴のような相談で、しかもとんでもない長文になってしまいお忙しいところお
手をわずらわせて申し訳ございません。 厳しいお言葉、お叱りで結構ですので先生のお考
えやアドバイスなど頂けましたら 大変うれしいです。
 
季節の変わり目ですのでお体にお気をつけください。 これからもご活躍楽しみにしており
ます。 講演会にもぜひ一度伺いたいと思っております。 稚拙な文章で失礼の多々、お許
しください。 メール、ありがとうございました。(掛川市・Yより)
 
A:まず第一に、Yさん自身の中に、「母親像」がないことが気になります。母親像が混乱し
ていると言ってよいかもしれません。あなたのお母さんに対する態度、姿勢に、あなたの
母親像の乱れをみるわけです。もっと言えばあなたのお母さん自身も、何らかの理由で、
あなたという娘を心底、愛することができなかった……? それが、因果応報のように(こ
れを世代伝播という)、あなたへと伝わっているとみます。あなたの子育てがどこかぎこち
ないのは、そのためです。つまりあなた自身が、「親像」を定めることができないでいるわ
けです。
 
しかしこの問題は、ほぼ解決しつつあるとみます。今、あなたが「修復」という言葉を使
えるのが、その理由ですが、それ以上に、あなた自身が、自分のそういう「面」に気がつ
いている。あなたはそういう意味で、すばらしい母親です。(たいていの親はそれに気づか
ないまま、日常生活の中で振り回されています。)この問題だけは、自分自身の中の「わだ
かまり」に気づくだけで、少し時間はかかりますが、やがて解決します。(気づかないとい
つまでも振り回されることになります。)
 
あなたは対母親との関係の中で、心のキズをもっています。いえ、だからと言って、あな
たのお母さんを責めてはいけません。だれだって、一つや二つ、そんなキズはもっている
ものです。恐らく、あなたのお母さんも、戦後の混乱期の中で、落ち着いた家庭生活をも
てなかったのかもしれません。一度、娘の立場で、あなたの両親の関係、あるいは昔の生
活環境を観察してみるとよいでしょう。「なぜ、お母さんはそういう人になったのか」と。
そうすることによって、さらに自分の姿が見えてきます。つまりそれが「わだかまり」と
戦う方法の一つだということです。
 
こうしてあなた自身の「親像」を、根底から修復します。(今の修復方法はいわば対症療法
のようなもので、基本的な解決方法にはなりません。あなた自身が、親像をもてないため、
あるいは脳の中にインプットされていないため、ご自身の子育てで混乱するのです。昔、
こんなことを言う父親がいました。「子どもの抱き方がわからない」と。その父親は、母子
家庭で育てられた人でした。つまりその人には、「父親像」が入っていなかったのです。親
は、自分が育てられたという経験があって、はじめて自分の子育てができます。そうでな
ければ、頭の中だけで子育てをしようとしますから、どこかぎこちなくなるわけです。前
提として、今のあなたの子育ては、そういうものだと考えてください。繰り返しますが、
そういうふうに自分を正直にながめることが、この問題の最良の解決策だということです。
つまり、「何だ、私には親像がないのだ」「だから親像をつくればいいのだ」「無理をするこ
とはないのだ」と居直るのです。
 
あなたは今、「よい親になろう」「よい親であるためにはどうすればいいのだ」というよう
に、心のどこかで無理を重ねている。そういう無理が、回りまわって、あなたの子育ての
不安へと姿を変えているのです。無理をしてはいけません。先に書いたように、心豊かで、
親の愛情をたっぷりと受けて、何一つ不自由なく育った人のほうが少ないのですから……。
居直るのです。「私は私」と。そういう居直りがあなたの心に風穴をあけ、子育てを気楽な
ものにします。「よい母親」を演じないことです。もっとわkかりやすく言えば、「親では
なく、友として、あなたの子どもに接すること」です。
 
あなたのようなタイプの親を、気負いママと言います。「よい親であろう」という気負いま
かりが強くて、疲れてしまうのです。つまりあなた自身が、自分の心の緊張から解き放つ
ことができないのです。心理学的には、情緒不安定ということになります。(もともと情緒
不安定というのは、この緊張感から解放されないことをいいます。心はいつも緊張してま
すから、何ごとにつけ、不安発作に襲われるのです。これは私の意見ではなく、心理学の
世界では常識です。)
 
いいですか、だれだってそうなのです。あなただけが特別ではないし、あなただけが不幸
でもないのです。みんなそうなのです。みんな、外から見るとうまくいっているように見
えますが、それは「見せかけ」。日本人はもともと、親像をもつのがへたな国民です。権威
主義で、まあ、世界的にみても、へたなんですね。封建時代の後遺症というか、いまだに
封建時代の遺物を引きずっているというか……。あなたもその一人に過ぎないということ
です。「私は子育てはへた。親が親だからしかたないでしょ。だからあんた(あなたの子ど
ものこと)も、すばらしい母親を求めないでね。期待しても無理よ」と、まあ、居直れば
いいのです。あなた自身が言うように、優等生を自分に求めないこと。
 
ではどうするか?

あなたの子どもを「友」として受け入れます。これには時間がかかりますが、というのも、
あなた自身の「親意識」が強すぎるので(自然な形での親像がないのが、そのまた原因)、
その親意識との戦いになるから、しかし努力してみてください。あなたはあなたの子ども
のことを心配しているようで、結局は、自分の子どもを自分の思い通りにしたいだけです。
(これもよくある例で、これを代償的愛、あるいは代償的過保護といいます。)もっと言え
ば、あなたは自分の子どもを、受け入れていない。あるいはまだまだ、「子どもを愛する」
ということがわかっていない。失礼なことを言いますが、愛することは、苦しいことであ
り、まさに「許して忘れる」の連続です。それはというのも、不幸にして、あなた自身が、
そういうをあなたの母親から受けていないからです。(はっきり言い過ぎるかもしれません
が、許してくださいね。あなたにはたいへんショックなことばかり書きますが、あなたに
すばらしい母親になってほしいからです。)
 
あなたは子どもを育てているのではない。将来のすばらしい友を育てているのです。そう
いう視点で、あなたのお子さんを一度見てみてください。そうすると、あなたのお子さん
の苦しみや悲しみがもっと見えてきます。あなたのお子さんはお子さんなりに、懸命に「い
い子であろう」としているのです。それをあなたが、「ふつうでない」「もっと……」と思
えば、結局は、あなたがあなたの母親との間で感じた苦しみを、あなたの子どもに与える
ことになるのです。あなたは今、無意識のうちにも、自分が感じた苦しみ(あなたは「言
葉の暴力」と言いましたが)を、再び繰り返しているだけです。わかりますか? あなた
の子どももいつか、おとなになったとき、今のあなたと同じことを言いますよ。「ぼくの母
は、ぼくを信じてくれなかった。いつも、世間の目を気にしていた。ぼくはいい子でいる
ことばかり考えていた」と、です。これが世代伝播です。わかりますか?
 
あなたのお母さんは、あなたに対してぎこちない子育てをした。今もしている。そして今
度は、あなたも今、ぎこちない子育てをしている。そしてさらに、あなたの子どももおと
なになり、親になったとき、またぎこちない子育てをする。あなたの子どももいつかあな
たという人に接するとき、今のあなたのように緊張する……。ああ、もうこういう因縁は、
ここで断ち切らねばなりません。ではどうするか?簡単です。ウソでもいいから、たった
今から、あなたの子どもに向っては、「あなたいい子」「すばらしい子」「自慢の息子」と、
言えばいいのです。あなたはお子さんのマイナスな面ばかりを気にしていませんか。もし
そうなら、そうではなく、よい面だけを見るようにするのです。(あなたのお母さんはきっ
と、あなたのマイナスな面ばかりを見ていたのではありませんか?)いつか(3ヶ月後と
か、半年後に)あなたが自然な形で、「あなたはいい子ね」と言えるようになったとき、あ
なたのお子さんも、そのいい子になっていますよ。つまりこうして子どもをなおすのでは
なく、あなた自身の心を修復するのです。(たいていの親は、子どもに問題があると子ども
をなおそうとします。しかしなおすべきは、自分自身なのです。)
 
さて本論。

お子さんの問題ですが、緘黙症というのは確かにあります。そうであるかないかは、今回
のメールだけでは判断しかねます。が、同じような症状は、がんこな子どもや、かんしゃ
く発作(ふてくされ、無視)の子ども、敏感児、過敏児、対人恐怖症の子どもにも見られ
ます。また緘黙症というのは、まさに「貝殻を閉ざしたように固まります」ので、症状が
極端な形ででてきます。詳しくはサイトの「子どもの見方」で書いておきましたので、参
考にしてください。もしそうであるなら、これ以上、症状を悪化させないことだけを考え
て、無理をしないことです。(心を許した人なら、抱かれますが、緘黙症の子どもは、他人
に心を許しません。許さない分だけ、まず他人に抱かれません。あいさつをするとかしな
とかいうような簡単な問題ではありません。かん黙児の子どもは、まずあいさつすらしま
せん。)

いただいたメールの範囲では、私は対人恐怖症ではないかと思いますが、はっきりしたこ
とは言えません。緊張性の恐怖症です。(私も実のところそうでして、たとえば今は飛行機
恐怖症です。一度、飛行機事故に遭遇していますし、今度のNYのテロ事件でそれがまた
また倍化してしまいました。)そういう恐怖症は理屈では処理できないものです。あくまで
もお子さんの立場で、お子さんの視点で考えるようにしてください。無理をしてもなおる
ものではありません。かん黙児は、ふつう家の中では、ワーワーともっと無防備に自己主
張しますが……。メールによれば、あなたの前でもどこか内閉しているような印象を受け
ます。かん黙児というのは、1000人に2〜3人の出現率ですから、私は考えないほう
がよいと思いますが……。もし心配なら、もう少し大きくなったら、保健所の窓口か、児
童相談所で相談なさるといいでしょう。私でも診断はできませんが、「そうでない」という
判断はできます。(立場上、かん黙児ですという診断はできませんが、かん黙児ではないと
いう診断ならできるということです。4歳ぐらいになったら、一度また連絡をとってみて
ください。まず、その心配はないと思いますし、仮にそうであってもなおす方法はいくら
でもありますから。夜尿症と同じ脳の機能障害ですから、おおげさに考えることもないの
です。もともとは……。)
 
なお1歳半のとき、「固まる」ということでしたが、これは固まるのではなく、むしろ正常
な反応です。ちょうどそのころは、「人見知り」する時期にあたります。むしろそれがない
子ども(ホスピタリズム)のほうが心配なのです。で、今は2歳半ということでですが、
この時期の対処のしかたが、今の対人恐怖症の原因になっているのではないでしょうか。
これもよくあるケースで、珍しくありませんので、深刻に考えないでくださいね。もしど
うしても心配なら、もう一度、4・5歳から5・5歳にかけて、修復する時期があります
ので、そのときの対処方法をいつかお教えします。
(子どもが乳幼児から、少年期へと移行する中間反抗期の時期です。)
 
順に考えていきます。
 
「知らない人の集団に入っても泣いたりすることはなく楽しく遊びます。 相手が大人でも
子供でも自分から話かけることも あります。「けんちゃん(自分のこと)○○行ったきた
の。」とか 「今何してるの?」とか。 早いうちから単語が出て言葉は決して遅くはないと
思いますが外にいる時よりは家の中の方が口数が増え楽しそうにしゃべります。」
 
やはりかん黙児の心配はないですね。かん黙児は安易にはおとなには
決して話しかけませんから……。
 
「でも初めて会う人にはもちろん、毎日のように遊んでいる子供たちや親御さんに挨拶さ
れたり面と向かって話し掛けられると ちょっと笑いながらだったり、時には下を向いて 
黙ってしまいます。 でもその人たちと一緒に居ることは大好きで「公園に行く」「○○ち

んと遊びたい」と訴えてきますし楽しそうに一緒に遊んでいます。 公園で遊ぶ同じ月齢や
それ以下の子供たちはほとんど「おはよう」ばいばい」「ありがとう」など息子に対して言
ってくれます。自分から言えない子も親に促されれば言えます。私もせめて話し掛けられ
たらお返事できるようになって欲しいと思うのですが息子は全く言えません。」
 
あなたがあなたの母親に接したとき緊張するように、
あなたの子どももあなたに接すると緊張するのです。
わかりますか? そのときのあなたの子どもの心理は
実はあなた自身が、一番よく知っているはずです。
  
家の中で挨拶の絵本を読んだり、ゲーム感覚で例えば「朝起きた時の挨拶は?」などと
聞くと 「おはよう!」と正しい返事があるので どんな場面で何て挨拶するのかは理解し
ているようです。 主人を玄関で見送る時は「ばいばい!」などと自分からしています。家
族には「ありがとう」も言います。昨日は主人に「公園で○○ちゃんママにお菓子もらっ
た。でもアリガトウって言えなかった。」と自分で言っていました。
 
もう少し肩の力を抜いたらどうでしょうか。
あいさつなんてものは、したければすればいい。したくなければ
しなくてもいい。目と目だけでもあいさつはできますよね。
アメリカのように「ほほえむだけであいさつ」を交わす国もありますよ。
 
他人と比べてはいけないと思いつつ「どうして家の子は言えないんだろう」という思いが
募っています。周りの友達も「いつかは言えるから」と 言ってくれますがそのお子さん達
は上手にご挨拶ができるので情けないのですが何だか素直に聞き入れることができま
せん。
 
比較は一度クセになると、ずっと子育ての基本になりますから
しないように。あなたのお子さんの心も、あなたから離れます。
ご注意!
 
これは単に照れていると思っていいのでしょうか?息子のかわりに私が返事したり挨拶
しているのですが それでいいのでしょうか?親が言っていればいつかは言うようになる
と 言われますが本当でしょうか?最近カンモク症をいう症状を知り息子もそれに近い状
態なのかと不安です。 
 
まず、緘黙症ではないと思います。基本的には、不安先行型の
子育てをなさっているように思います。なぜ、あなたは自分の
子どもを信じられないのですか。ひょっとしたら、あなたとあなたの
夫の間にも、何らかのわだかまりがあるのでは……? あなたは
電撃に打たれるような恋をして、相思相愛で結婚し、まちこがれて
今のお子さんをもうけましたか? そうであるなら、わだかまりは
ないはずですが……?
 
また性格はどちらかというとおっとりしており公園などでおもちゃを取られたり転ばされ
てもワーッと怒ることがなく涙をためてじっとしています。痛い時はもちろん泣きますが、 
イライラとして癇癪を起こすようなこともありません。遊具なども順番に使うことを教え
たら それを守りますが強引な子に横取りされくやしいようですが小声で「ダメ」と言うだ
けです。
 
かなりお子さんは無理をしています。乳児期からあなたと一対一の
狭い世界で子育てをしたのが原因です。今ではふつうのことですから、
ここは居直りなさい。「うちの子は、こんなもんだ」とです。
オールマイティな子どもは求めないこと。子どもというのは、
得意な分野を伸ばし、不得意な分野には目をつむるようにして
育てます。要するにあきらめることはあきらめる。もうその時期に
きていますよ。
 
「お菓子がもっと食べたい」などと家族に自分の気持ちを主張して 泣くこともありますが
「ご飯前だから」とか「食べ過ぎだから」と 理由を何度か説明するとそれ以上は訴えてき
ません。おもちゃなども使う意志がなくなると自分で片付け始めます。
 
やはりいい子ぶっています。ご注意。
 
今まで私も取りたてて大声でガーッと怒ったことがなく、 家族からも友達からも息子は
「育てやすくおっとりした話せばわかる子」という目で見られています。
 
育てやすいのではなく、あなたの過関心が、お子さんをしてそう演じさせて
いるだけでは……?
一度、サイトの「ママ診断」を受けてみてください。多分「過干渉ママ」と
診断されるはずです。
 
こういう息子は育てやすい物分かりのいい子供と喜ぶべきなのでしょうか? いいかえれ
ば自己主張が足らない、気が弱い子ということではないですか?私は今の息子の状態
がとっても不安です。もっと子供らしくイヤだったら もっと泣いて訴えればくれればいい
と思うし、手をだされたらやり返すくらいのくやしさを表現したらいいのにと親の私が歯
がゆく思ってしまいます。 息子にも2歳児なりのストレスが溜まっているのでは、と心配
するのですが それは親馬鹿な思いでしょうか?
 
上と同じ。
 
そこで私はついつい息子に教えるつもりもあって、他の子供とのやり取りに口を出してし
まいます。おもちゃを取られそうになると「いま健ちゃん(息子の名前です)が使ってる
から待っててね。」とかたたかれたら 「痛いからやめてね。」とか。やっと息子もここ2,
3週間前から取られそうになると「今、けんちゃんが使ってるから!」と 言葉で抵抗した
りおもちゃをギュと強く抱え込むようになりました。自分で言えない時は相手の子のとこ
ろまで私の手を引っ張って「おかあさんが(言って)!」と言うようになりました。私が
口を出すことで真似するようになった、とうれしく思っていました。
 
上と同じ。 
 
でも今日初めて公園でその様子を見た主人に指摘されたんです。「過保護すぎる。赤ち
ゃんじゃないもう子供なんだから子供同士で 好きにさせるべき。特に男なんだし取られ
たら取られたで ほっておけばいい。自分で解決する」と。 なんだか頭を殴られた気分で
した。そういうものなのかと。 たしかに私は息子のためではなく自分の気が済まないか
ら 口出ししていたのかも。
 
ご主人の意見に同感です。
 
挨拶の時でも取り合いの時でも、自己主張が苦手な部分をフォローしてやりたい気持ち
と それも個性と認め、できなくでもいいじゃないと受け入れてやりたい気持ちが 私の態
度を混乱させています。
 
これも過干渉ママの典型です。
  
息子にとってどうすることがいいのでしょうか。他人とのコミュニケーションが苦手な息

に親としてこれからどのように接すれば良いのでしょうか。
 
子どものリズムで考えます。あなたはいつも子どもの前に立って、子どもの手を引いてい
る。
それではいけない。
 
「私は子どもの前を歩く。子どものガイドとして。
 私は子どもうしろを歩く。子どもの保護者として。
 私は子どもの横を歩く。子どもの友として。」
 
あなたはすばらしい母親ですが、三番目の「友」の意識がないのが気になります。どうか
あなたのお子さんのよき友になってあげてください。子どもの横に立つのですよ。あなた
のお子さんは、まちがいなくすばらしい子どもになります。こうしてあなたが考え、そし
て私も含めて、いろいろな意見を学ぼうとしている。そういう姿勢のある母親からは、決
してゆがんだ子どもは生まれません。こうしてメールを私にくださったということが、あ
なたがすばらしい母親だという証拠です。
 
これからもいろいろな山や谷があるでしょうが、こうして考え、悩み、苦しむからあなた
はすばらしい母親になるのです。今は、その第一歩。自分をもっと信じて前向きに進んで
ください。あなたが「心配だ」「不安だ」と思っていると、それがそのままあなたのお子さ
んの心となります。イギリスの格言にも、「相手は、あなたが相手のことを思うように、あ
なたのことを思う」というのがあります。その意味は、あなた自身がお考えください。
 


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

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よろしくお願いします。              はやし浩司
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.  /〜〜〜\  ⌒ ⌒      
. みなさん、   o o β      
.こんにちは!  (″ ▽ ゛)○   
.        =∞=  // 
□■□□□□□□□□□□□□□■□ ================= 
子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 18日
□■□□□□□□□□□□□□□■□ =================
★★★HTML版・カラー・写真版★★★
************************

http://bwhayashi2.fc2web.com/page023.html

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http://bwhayashi2.fc2web.com/page016.html
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【子育て、Q and A・特集】(2)

Q:学校の先生に問題があるが……

A:学校の先生の悪口、批判は、絶対に子どもの前ではしてはいけません。これは家庭教
育の大原則です。子どもが先生の悪口を言ったときも、「そうね」とか、「ママもそう思う
わ」などと、絶対に言ってはいけません。相槌を打てば打ったで、子どもは先生の指導に
従わなくなるばかりか、あなたの言葉は確実に先生に届きます。そうなればなったで、信
頼関係は崩壊します。もし問題があるなら、子どもとはまったく関係のない世界で処理し
ます。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:中学校での期末試験が終わって、がっくりしました。ミスだらけです。どうしてでし
ょうか?

A:昔、私がはじめて英語を勉強したときのこと。家に帰って「バイシクル」という英語
を読んでみせたら、祖父は、「浩司が英語を読んだ」と、心底喜んでくれました。しかし今、
そういう感激が消えました。テストの点数が悪かったりすると、親は「何だ、この点数は!」
と子どもを叱ったりします。あるいは「幼稚園のときから英会話教室へ行ったのに、ムダ
だった」と嘆いたりします。しかしどうしてそんな残酷なことを、子どもに言うのですか。
がんばったとは言えないまでも、子どもは子どもで精一杯、やったのです。それにテスト
といっても、日本のテストは、「皆が一〇〇点だと困る。差がつかないから。しかし皆が〇
点だともっと困る。差がわからないから」が基本です。仮に皆がよい点を取るようになっ
たら、問題が難しくなるだけです。

 さて本論。「ミスだらけ」ということですが、それも「力」(?)のうちです。力という
のは、どうしようもない力という意味です。恐らく本人も、どうしてそんなにミスが多い
かわからないでいるはずです。言いかえると、そういう力を責めても意味はないというこ
とです。仮に責めたところで、ミスがなくなるということでもないのです。

 こういうケースでは、そのミスを一番悔しがっているのは、子ども自身ではないでしょ
うか。だったら、ミスを責めるのではなく、また「どうして?」と悩むのではなく、子ど
もの立場で、「あなたはあなたなりによくがんばったのよ。今度はミスにもう少し気をつけ
よう」と言うべきではないでしょうか。こうした暖かい前向きな理解が、子どもを伸ばし
ます。親子のきずなを深めます。 


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:学校で落ち着きがないと、先生によく注意されます。

A:「落ち着きがない」原因は、いろいろ考えられます。心配なのは、多動性児ですが、ほ
かにも、家庭崩壊で心の秩序をなくした子ども、活発型の遅進性が見られる子どもなどが
います。
最近気になるのは、「イメージが乱舞する子ども」です。映像文化の影響と私は考えていま
すが、詳しくは、中日新聞東海本社のコラムに書いておきましたので、お読みになってく
ださい。トップページからアクセスできるようにしておきました。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:成績はまあまあですが、何ごとにつけ、そそっかしくて困ります。ミスが多いのが気
になります。

A:子どものもつエネルギーというか、バイタリティを大切にします。多少のミスよりも、
子ども自身が、達成感、満足感を味わうようにしむけます。こまかいことを言いつづける
と、かえって自信をなくしたり、萎縮したりします。ワークブックにしても、半分はお絵
描きになってもよい。そんなおおらかさが、子どもを伸ばします。子どもを萎縮させるも
のに、完ぺき主義、スパルタ主義、極端主義があります。「極端主義」というのは、私が考
えたものですが、ものの考え方が極端になる主義をいいます。たとえば「やる」と決めた
ら、あれもこれも、やり、「やめる」と決めたら、すべてをやめてしまうという育て方をい
います。子どもの成長は大きな川の流れのようなものです。変化を与えるとしても、少し
ずつ、ていねいに与えます。急に変えようと無理をすればするほど、子ども自身のよさも
奪ってしまいます。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:漢字の学習をやりたがらないので困っている。(小4男児をおもちのお母さん)

A: そもそも勉強というのは、いやなものです。私も女房がある会の役を務め、そのため
書記的な仕事を手伝っています。名簿を作成したり、会報を作ったり。で、そういう仕事
というのは、しばらくほうっておくと、すぐ山のようにたまります。で、私が自分のパソ
コンを使って、それを作るのですが、これが結構めんどうですね。女房は「まだやってく
れないの!」と怒りますが、自分の時間をみつけるのがたいへんです。いや、結構ヒマな
のですが、ヒマになればなったで、自分のために楽しみたい……。
 
子どもは学校で、約8時間の重労働を学校でしてきます。その上、家での宿題です。やり
たがらないのが、正常です。むしろ黙々と、従順に漢字の学習を続ける子どものほうが、
心理的に何らかの問題がある子どもとみます。小4でしたら、まだ勉強の必要性を理解で
きる年齢ではありませんから、本人の自覚をまつしかないと思います。ただできれば、子
どもに勉強を強いるのではなく、おうちの方が一緒に座ってあげて、学習を楽しむという
のはどうでしょうか。30分間一緒にすわってあげて、まあ10分、勉強らしきものをす
れば、この時期、上出来です。

 メールによれば、「事務的なことが苦手な子ども」ということですが、実のところ私もそ
うで、お子さんの気持ちがよ〜くわかります。

 まずいのは、学習を強制して、文字嫌いから国語嫌いや、作文嫌いにしてしまうことで
すね。そうなれば、大失敗というもの。メールによれば、能力的、性格的には問題のない
お子さんということですから、今しばらく、このままのドラマを続けられたらよいと思い
ます。将来的には、漢字など、いつでも取り返せますから。よそのお子さんは、皆、しっ
かりと学習していると思っておられるようですが、そんなことはありません。小4で、家
で積極的に学習している子どもというのは、10人に一人もいないと思ってください。「隣
の芝生はよく見えるもの」です。

 このコーナーの「格言集」も、また参考にしてください。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:早期教育は必要ですか。小学校入学までに、どんなことをすればいいですか。

A:小学校でする勉強を、先取りするのが早期教育ではありません。幼児期には幼児期にす
べきことが山のようにあります。早期教育というのは、将来に向かって、その基礎をつく
る教育のことをいいます。たとえば「文字を教える」のではなく、「文字を好きにさせる」
というのが、早期教育です。これをまちがえると、かえって子どもの伸びる芽をつんでし
まいますから、注意してください。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:習い事はどこまですればいいでしょうか。

A:習い事が問題ではなく、子どもの意思を確かめているかどうかが、問題です。子どもの
意思を聞きながら、決めます。ただ子どもは、お調子者ですから、先のことをあまり考え
ず、「やりたい」とか、「する」とか言いますが、オーバーヒートさせないように、させる
のがコツです。なお習い事は一度に急にふやさないこと。またやめるときも、一度に急に
やめないのがコツです。いつか機会があれば、私の本を読んでみてください。そのあたり
を詳しく書いておきました。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:離婚を考えているが、子どもに与える影響は……?

A:離婚そのものが子どもに与える影響は少ないです。離婚が問題となるのは、その離婚に
至る過程で、騒動が起きるからです。この騒動が子どもに深刻な影響を与えます。子ども
に見せる騒動は最小限に。なお子どもは、自分が愛されているというきずなさえ大切にす
れば、荒れるということはありません。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:はじめまして

About the troubles between children, this mother sent me an E-mail, saying what she 
should do in sunc and such case.

長女8歳(小2)と長男6歳(年長)の二人の子をもつ母です。子供の友達関係の事
でメールしました。

長女は一人では遊ぶのが苦手で友達と遊ぶのが大好きな子なんですけど、7月頃から
友達と遊ぶ事がなくなりました。最初は一人でいたい時もあるのかなと思い気にして
なかったんですが、夏休み明けに偶然、公園で長女の同級生の何人かに会った時のこ
とです。同級生の子の一人がお菓子を持っていたのでみんなに配っていたのですが
「○○ちゃん(長女)にはあげない」と言ってくれませんでした。長女は悲しそうな
顔をするだけで何も言いません。そして次の日に他の同級生にあった時、長女は友達
と遊びたくて走って駆け寄ったら、みんな逃げて行ってしまったのです。その日から
そうゆう光景を何度か目にしています。それ以降気をつけて学校の様子を聞くと「放
課後は一人で本を読んでいるか、友達が遊んだりゲームをしているのを見ている」と言
います。仲間に加わる事はないみたいです。心配なので先生に上記の出来事を伝え、
様子を聞いたのですが「特に仲間ハズレにされている所はみかけません。」と言われ
ました。親の私からみると長女は気が弱いところがあったり少々難点はあるけれど、
特に問題のある性格だとは思ってなかったのですが、現状は友達と遊びたくても上手
くいってません。友達との事については話したがらないのであまり聞く事ができませ
ん。女の子は高学年になると派閥ができたり影でいじめがあったりすると聞き心配で
す。長女の学年は1クラスなので仲間ハズレにされたら小学校の間中ひとりでいるこ
とになりそうで怖いです。長女の友達に長女の事をどう思っている?と言う事も聞き
にくいので、どうしていいのかわかりません。

長男のことですが、お調子者で融通がきかない性格をしています。幼稚園で男の子同
士の争いも多いようで、長男は口が達者ではないし喧嘩でも負けることが多くてよく
拗ねたりごねたりします。友達から見下されていてリーダー格の子の気分で仲間ハズ
レにされることも少なくないようです。年少の頃から登園拒否をすることが何度もあ
りました。それでも今年の春までは男の子達のグループと遊んでいました。最近は仲
間に入れてもらいたいと言っているのですが、クラスの男の子の誰とも遊んでもらえ
ないのでしかたなく女の子と遊ぶ日が続いています。明るく振舞っているので先生に
分かってもらおうと長男の気持ち(男の子の仲間に入りたくても入れてもらえない。
一緒に遊ぼうと言っても無駄だからいじめられないように近寄らないようにしている
事)を伝えたのですが先生の態度は今までと変わっていませし、園での様子を聞いて
もあまり話してもらえません。長男の友達の一人が言うことには長男はよく怒ってい
るそうです。

来年は小学校に入りもっと親の目がいき届かなくなるので今のうちに状態を良くした
いと思うのですがどうすればいいのかわかりません。小学校は一クラスしかなく、今
の友達がみんな同じ学校に入るのでこれから先が不安です。どうしたら今の状態から
抜け出すことができるのでしょうか?

ところで先生にお聞きしたい事があるのですが、いじめはいじめる子だけに問題があ
ると思われますか?いじめられる子にもなにか原因があるのでしょうか?

一回のメールでずうずうしく二人分の相談事をしてしまいましたが同時に悩んでいま
す。私の育て方に問題があるのでしょうか?アドバイスをよろしくお願いします。

【はやし浩司より】

A:メ−ルありがとうございました。

親の心配は尽きないものです。特に子どもの人間関係には
気を使います。子どもが仲間とうまくつきあってくれればそれでよし。
そうでなければ、これまた頭痛のタネです。心配もそこから生まれます。
しかし子どもは、外の世界で、そのつどつらい思いをしながら、人間的に
成長していきます。この「つらさ」を、どこでどの程度与えるか。いいかえると
親は子どもが感ずるであろう「つらさ」にどこまで寛容であるかということに
なります。

一つのポイントは、(1)子どもが、そのつらさに耐えられる範囲であれば、
親としては苦しいことかもしれませんが、がまんするしかないということです。
口を出したり、介入すればするほど、結局は子どもが社会性のない子どもに
なってしまいます。問題を先送りするだけになってしまうということです。
(2)しかし親の目から見て、子どもに何らかの情緒的、精神的変化が見られたら
そのときは、積極的に介入していきます。(神経症、情緒不安症状、何らかの
精神障害的な症状などが見られたら、ということです。
神経症などについては、私のサイトに書いておきましたので、参考に
してください。)

メールの内容ですと、お嬢さんの先生も、弟さんの先生も、それほど積極的に
(つまり深刻に)考えておられないということは、一応プロの目から見て、
「あまり問題ない」とみておられるのではないかということです。
つまり「よくある、日常的な問題」という範囲ではないかということです。
先生には、問題をすでに話しておられるということですので、学校や幼稚園での
問題は、先生と子どもに任すしかないと思います。

そこで家庭ではどうするかということですが、(1)外の世界でかなり神経を
するへらしているようであれば、(実際、そうでしょうが……)、家の中では
子どもの生活をゆるめます。家庭の役割を、「しつけ」から、「やすらぎの場」へと
変化させます。多少、親に向かって生意気なことや、乱暴なことを言っても
許します。「ああ、うちの子は、外でつらい思いをしているから、家の中で
荒れるのだ」とです。そうして暖かい、濃厚なスキンシップのある家庭に
します。(日本人は本当にスキンシップのない国民です。少なすぎます!)

二人のお子さんに社会性(問題解決の技法として、人間関係をうまく調整
できないこと)は、多分に、お母さんの育て方に問題があったようです。
あなたはお子さんが小さいとき、親子だけの、マンツーマンの世界だけで
子育てをしませんでしたか? お子さんが「ものわかりのよい人」だけの
世界で育てられると、いわゆる社会性のない子どもになります。
今でもそうですが、お母さんの心配過剰な子育てが、(イコール過保護が)
今の状態を作り出していると考えてもよいのではないでしょうか。

もっとも過去のことを持ち出しても、いまさらどうにもなりませんが、
要するに、(1)もうこれから社会性のある子どもにするのは、たいへん……
というより、あきらめます。その上で、(2)「うちの子どもは、こんなものだ」
「人間関係が苦手なのだ」とわかってあげることです。オールマイティな
子どもを望まないこと。そういう子どもを求めないこと。約30%の子どもは
あなたのお子さんのようですし、集団行動を嫌います。(子どもだから
遠足や運動会が好きなはずと考えるのは、まちがいです。)
年長児になったら、子どもの「核」が見えてきますので、その核にあわせた
子育てを考えます。得意な面、苦手な面がはっきりしてくるということです。

少し問題を感ずるのは、お姉さんのほうです。

外の世界で、仮面をかぶっていませんか。いい子ぶったり、心の
状態を隠したりするとか。あなたというお母さんの前ではどうですか?
もしそうなら、過干渉、過関心を疑ってみてください。うれしかったら、
うれしそうな顔をし、そうでなかったら、そうでな顔をする。そうであれば、
問題はありません。心がつかみにくいと感ずるようであれば、少し
様子をみてください。あなたの前でおおいに甘え、おおいに言いたいことを
行っているようであれば、問題はありません。

弟さんは、女の子と遊ぶのが好きということですが、
これはお母さんの影響力が強すぎた(父親の影が薄い?)ということです。
今、そういう子どもは(男の子)は珍しくありません。
(実のところ、私も、母親との交際が主体なため、女性が集まる講演会は
得意ですが、父親が集まる講演会は苦手です。そういうものです。)
これも過去の育て方の問題に踏み込んでしまいますので、
いまさら問題にしても意味がありませんね。まあ、そういう状態なら
そういう状態でいいのではないでしょうか。やはり男児でも、実際
約30%(推定)は、女の子と遊ぶのが好きなどと言っています。
(実際のところ、小学校の低学年児でみるなら、最近では、
いじめるのは女の子、いじめられるのは男の子という図式がもう
20年ほど前からできています。男の子がやさしく、その一方で
昔的なたくましさをさくしているのは事実です。家庭環境、教育環境、
さらには環境ホルモン説までありますが、ともかくも事実はそんな
ところです。)

いじめについてですが、内容はきわめて複雑です。単なるいじわるから、
嫉妬がからんだ陰湿なものまで、いろいろあります。
本能的な闘争心に根ざすいじめもあれば、いじめられる前に
別の子どもをいじめるという防衛的ないじめもあれば、また
ストレスを発散するためのいじめもあります。で、それぞれの
ケースで、いじめられる側の問題も変わってきます。ですから
ご質問の件には、「あります」とも、「ない」とも答えられません。
(いじめを論じたら、それだけで膨大な量になってしまいます。
近くサイトにまとめておきますので、またサイトをご覧になってください。)

あなた様のケースでは、まだ「いじめられている」という段階ではないように
思います。年齢も小さいですし、本格的な「いじめ」は、そんなものではないです
よ。
熾(し)烈というか、陰湿というか、もっともっと激しいものです。
もしそうであれば、それはそれとして問題にしますが、メールの範囲内で
あれば、「よくある通常の悪戯」と考えていいのではないでしょうか。

で、問題が一つあるとすれば、あなた自身のことです。
過関心? 不安神経症? 過保護? ……などが疑われます。
お子さんが自分で外の世界でがんばっているようであれば、子どもの
世界のことは子どもに任せて、あなたは少し、親業から離れて、
つまり子育てを忘れて、外の世界を見たらいいのではないでしょうか。
そうでないと、あなた自身が、精神的にまいってしまいますよ。
お子さんがリーダー格の子どもの「下」に入るのは、親としても
どこかなさけない気持ちになるものですが、この段階では、どうにも
なりません。もし心配なら、お子さんの「一芸」を伸ばすようにします。
私のサイトから「一芸論」を検索して、どうか参考にしてください。
ヤフーで、「はやし浩司 一芸論」を検索すると、読んでいただけると
思います。要するに、「下」に入ったからといって、それがずっと続くものでは
ないし、リーダー格だから、それがずっと続くというものではないということです。
「下」にいる子どもでも、下を学ぶことによって、やがてべつのところで
リーダーになったり、あるいは同時に別のところで子分になったりしながら、
複雑な人間関係を展開するようになります。ここは静観したらよいと思います。
(親として、すべきことはないので……。)

いただく相談はもっともっと深刻なものが多いですよ。それにくらべたら、
二人とも、問題なく、いいお子さんのようですから、お母さんは
もっと自信をもって前向きに進んでください。親としてすべきことがあるなら、
キズついて、疲れて学校や幼稚園から帰ってくるお子さんを、暖かく
迎えてあげることぐらいしかもうありません。「よくがんばっているわね」と
お子さんの心を理解してあげてください。そういうねぎらいが、お子さんの
心をいやし、疲れを取ります。今のところ、初期症状としての神経症は
出ていないようなので、この点はうまくいっていると判断されます。

お母さんはお母さんで、そろそろ子離れの準備をします。子どもは小学
3年生くらいから親離れを始めますよ。お母さんはお母さんで子育てを
忘れられるような環境を自分の周囲に用意します。

何か神経症的な、心の問題が出てきたときには、また相談してください。力に
なれます。では……。

Q:はじめまして・・・。高3と中3の娘をもつ母親です。次女のことで、「ず〜〜っと」悩
んでおります。(涙)。
もっと早くに、このページにめぐりあっていれば・・・と後悔しきりです。中日新聞の「子
育て論」は読んでいましたし、一度、講演を聞かせていただいたこともあります。次女は
中2の頃から、目だって悪くなった様です。生活態度、言葉づかい等・・・昨年暮れ頃か
ら、一つ年上の「彼氏」ができ、すぐに、心配な交際(あえてそう言わせていただきます)
の仕方となり、「最後の一線」までは、どうか・・・親としては、それだけは守っていてほ
しい!と思うのですが、定かではありません・・・このような心配は、私がたまたま耳に
した、二人の電話でのやりとりや、手紙の内容(いけない事とと承知で見てしまった)か
ら、生じました。かなり衝撃的な内容で、(とても口ではいえない様な・・・性的表現)非
常にショックを受けました。・・・いつからこんな子に・・・!?と・・・。携帯電話も、
親に内緒で勝手にプリペイド式のを購入し、もう何回か、カードを買い換えています。彼
氏やクラスの男子と、くだらないエッチメールを交換しているようです。(あまりにも、強
烈な・・・)。今どき?と思われるかもしれませんが、うちは特にお小遣いはあげてなく、
時々おばあちゃん(私の実家の母)からいただくお小遣いから、カードなどは買っていて、
その他服など、入用に応じて、お金を与えています。(しぶしぶ)。

先生はよく、「勉強」のことは言ってはならないとおっしゃっていますが、「受験生」真っ
只中の娘は、本当に勉強からはほど遠い生活態度なんです。今、この場に及んでも、机の
上には、分厚いプリクラ帳と、マニキュア、毛抜き、鏡が置いてあって、いわゆる勉強道
具はどこへやら・・・という状態です。明日も、塾の模試があるらしいのですが、全く勉
強に手がつかず、鱈腹食べては、(静かだと思うと)寝ている、という状態・・・今月ある
英検(準2級)も自分から受けるといって、受験料を支払ったものの、これまたどういう
つもりなのか、マッタク勉強していません。私も、たまりかねて、「受ける限りは、合格で
きるように努力したら?」とか、いってはみるのですが、うん・・・と一応答えるだけ。
なんだか、自分で勉強できなくなってしまっている、仕方がわからない?(今さらなが
ら・・・)という感じがします。いったい、どういうつもりなのか・・・本人は、「どっか、
公立には入ってやるさぁー」みたいな言い方しますが、本心はちゃんと入りたい高校があ
るのです。(それは、彼氏のいる高校なのですが)。でも、このままでは・・・。この時期
皆それぞれにガンバッテいることですし、こんなに勉強しないでいたら、実力なんてつき
っこないし、・・・私自信がかなり不安でいっぱいです。(←先生は、こんな言い方をする
と、お笑いになるかもしれませんが(^−^;)やはり、失敗はこわいです。本人だって、
絶対そのはずです!誰だって、希望がかなって、幸せな気分で、笑って卒業式を迎えたい
と思います。・・・まだまだと思っていたこの時期もあっという間に訪れてしまい、日々は、
どんどん過ぎてゆくのです・・・!こうしていると、わたしはどうにかなりそうでー不安
と焦りーのんき(本当はそうじゃないのかもしれませんが)に寝ている娘が、憎らしいよ
うな、はがゆいような、なんともいえない嫌な気分です!!

それから、いったいこれはどういう「心理」かしら?と思うのですが・・・とにかく目立
ちたがり屋で、(本人も言っています)後期学級委員に立候補したり、「卒業式のとき、み
んなの前で何か言いたい」←(そんな次第があるか知りませんが)と言ったり、やたら声
が大きかったり・・・ちょっと、あれっ?って思ってしまうような言動なのですが、これ
はどうなんでしょうか?なんか、心理的に欠陥があるのでは?などと心配になります。

長くいろいろと書いてしまいましたが、私の悩み、心配はつきません・・・一刻でも早く、
こんな状態から開放されたい・・・っていうか、娘自信をなんとか良い方向へ(言い方悪
いですが)向かわせたい!!という一心です。先生、お時間がなかなか足りないのでしょ
うが、どうか、こんな「母」の悩みにお答えを頂戴したいと思います!勝手なお願いです
が、できる限り早くに・・・(すみません・・・)

このQコーナーを知って、藁をもすがる思いです。。。
どうか、よろしくお願い致します。     ☆とっても悩める母より☆


A:メールをいただきました。

まず前もって、お話しますが、「悩める母」様(以後Nさん)の悩みは、多かれ少なかれ、
ほとんどの親がもつ共通の悩みですよ。男女の性交渉にしても、もう関東地域では、
約70%弱の女子高校生が、卒業までに性体験をしています。また高校進学については
今、この静岡県では、約60%が、内申書による推薦入学という現状になっています。
私たちの時代とは、ものの考え方が違うし、社会も変わってきています。受験制度その
ものも変わってきています。
 
そういう前提で、Nさんのケースですが、お嬢さんのようなケースも、これまた多くはな
くても珍しくありません。まず第一に、「うちの子だけが……、なぜ?」というような悩み
方はしないでくださいね。子どもは親離れをし、そして巣立っていきますが、それはいつ
も必ずしも、美しいものばかりとは限りません。中には、壮絶な親子戦争を繰り返して巣
立っていく子どももいます。そしてここが大切なことですが、どんな巣立ちであるにせよ、
Nさんの愛情がしっかりしていれば、必ず子どもはあなたのところに戻ってくるというこ
とです。

単調直入に言いましょう。今、あなたがかかえている問題は、どれもいつか「笑い話」に
なるような問題ばかりです。いつかあなたは二女の方にこう話すのです。「あんたは、中学
生のとき、たいへんだったのよ。お母さん、心配したのよ」と。するとあなたのお嬢さん
は、こういうのです。「まあね、いろいろ心配かけて、ごめん」と。
 
順に話していきます。
 
(1)この問題は、「今の状態より、より悪くなって、はじめて今の状態が軽かった」と気
づくことを繰り返して、あなたから見れば(本当はそうではないのですが)、どんどんお嬢
さんは悪く(?)なっていきます。今はまだ塾へも通っている、立候補もするという状態
ですが、それも今の状態では風前のともしびかもしれませんね。今ここで大切なことは、
今の状態をこれ以上、悪くしないことだけを考えて、お子さんと接することです。今はま
だ進学のことを本人も多少は心配しているようですが、しかしここで追い込んでしまうと、
その進学すら放棄してしまうかもしれません。そのとき、あなたは、今の状態が、まだよ
かったと気づくのです。
 
(2)セックスの問題は、これは熱病のようなものです。私も教える側から見ると、性体
験している女子中学生は、その様子からすぐわかります。「男」を見るめつきが、なまめか
しくなるからです。しかしそういう女子中学生を無数に見てきましたが、高校生になると、
これまたふつうの高校生になっていくから不思議です。(ふつうにするかしないかは、Nさ
んが、お子さんとのきずなを切るかきらないかの違いです。このあとに、10月号にファ
ミリスに書いた原稿を添付しておきます。参考にしてください。)つまり熱病のようなもの
ですから、抑えても抑えきれないでしょう。どうしようもないのです。私も、かつてはそ
ういう中高校生を懸命に指導した経験もありますが、結論は、「もう関せず」です。Nさん
にはNさんの、性教育観があるのでしょうが、今の若い人たちは、別の観点で動いていま
す。ショックを与えるようなことを言いますが、恐らく、年上の男の子に誘惑されたとい
うよりは、お嬢さんのほうが多分積極的だと思います。(今は、もう、男の子が遊ばれる時
代なのです。)

ですから、今は、避妊と性病だけに心配し、その指導を家庭でするしかないです。とにか
く、今の状況を悪くしないことだけを考えてください。本人たちに罪悪感などないのです
から、いくら説教してもムダですよ。
 
(3)受験についてですが、二女の方は、あなたが思っている以上に、学校で苦しみ、キ
ズついています。ただ誤解ですが、私は「勉強については言ってはならない」とは、書い
たことはありません。受験勉強は子どもの心に大きな影響を与えるとはあちこちで書いて
います。「言う」についても、注意しなさいという意味です。追い込むと子どもの心をゆが
めます。Nさんのあせる気持ちはわかりますが、子育てはまさに許して忘れるの連続。そ
してここが重要ですが、「あきらめは悟りの境地」です。先ほども書きましたよに、今はも
う受験制度もちがいますし、学校の指導も変わってきています。それ以上に子どもたちの
意識も変わってきています。昔は勉強がよくできる子どもは、それだけで尊敬されたもの
ですが、今はむしろ「へんなヤツ」と見られたりします。それにあわせて社会の構造も変
わってきています。これからの日本は、学歴ではなく、欧米型のプロ型社会がやってきま
す。どんなことでもいいのです。プロが生き残る時代が、もうすぐそこまできているので
す。意識改革をすべきは、まさに私たち自身のほうだということです。
 
(4)不安なNさんへ、

こう書いてもなぐさめにしかなりませんが、みんな不安ですよ。子どものテスト週間にな
ると、病院通いしたり、おかゆしかのどをとおらないという人は、いくらでもいます。息
子が受験に失敗したあと、自殺をはかった母親すらいます。決してあなただけではないの
です。それもこれも、もとを正せば、明治以来(あるいは平安の昔から)続いた学歴信仰
が原因なのです。私たちは、みな、学歴信仰というカルト教団の信者なのです。もっと言
えば、あなたの不安は、「つくられた不安」ということです。もっと言えばあなた自身のエ
ゴにもとづいた不安です。あなたがお嬢さんをあなたの思い通りにしたいだけ。思い通り
にならないから不安に思っているだけです。あなたのお嬢さんは何も不安に思っていない
のですから……。今、中学生で、家でまともに勉強している子どもは、約10〜15%と
みてよいでしょう。そんなものです。あなたはガリガリと机に向かって受験勉強をするお
嬢さんを理想の娘と思っているかもしれませんが、そんな子どもは、もういないというこ
と。
 
(5)思うようにならないのが子育て。しかしそれでも子どもは育っていく。親は夢や希
望を一枚ずつはがされながら、自分の子育てを終えていくのです。あなただけではないし、
あなたのかかえている問題は、まだまだ軽い! もっと深刻なケースで苦しんでいる人は
いくらでもいるし、みんな外面をよくしているだけ。近所のSさんなんかは、二人の息子
とも、高校へ入ってすぐ中退。下の子どもは、そのまま名古屋にある人形劇団に入団。今
は遊園地などでぬいぐるみを着て踊っています。当時のSさんは死ぬほど苦しんだのです
が、今は息子さんが楽しそうに踊っている姿を見ながら、笑い話にしていますよ。そして
こう言っています。「人間、何でも、じぶんの好きなことをすればいいのよね」とです。N
さんも、あと一歩でそういう境地に達することができるようになりますよ。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

 ●最初は小さな亀裂

Very often the relationship between parents and their children collapse. This is an 
article about it.

最初は、それは小さな亀裂で始まる。しかしそれに気づく親は少ない。「うちの子に限っ
て……」「まだうちの子は小さいから……」と思っているうちに、互いの間の不協和音はや
がて大きくなる。そしてそれが、断絶へと進む……。
 今、「父親を尊敬していない」と考えている中高校生は55%もいる。「父親のように
なりたくない」と思っている中高校生は79%もいる(「青少年白書」平成十年)。が、こ
の程度ならまだ救われる。親子といいながら会話もない。廊下ですれ違っても、目と目を
そむけあう。まさに一触即発。親が何かを話しかけただけで、「ウッセー!」と、子どもは
やり返す。そこで親は親で、「親に向かって、何だ!」となる。あとはいつもの大げんか!
……と、書くと、たいていの親はこう言う。「うちはだいじょうぶ」と。「私は子どもに
感謝されているはず」と言う親もいる。しかし本当にそうか。そこでこんなテスト。
あなたの子どもが、学校から帰ってきたら、どこで体を休めているか、それを観察して
みてほしい。そのときあなたの子どもが、あなたのいるところで、あなたのことを気にし
ないで、体を休めているようであれば、それでよし。あなたと子どもの関係は良好とみて
よい。しかし好んであなたの姿の見えないところで体を休めたり、あなたの姿を見ると、
どこかへ逃げて行くようであれば、要注意。かなり反省したほうがよい。ちなみに中学生
の多くが、心が休まる場所としてあげたのが、(1)風呂の中、(2)トイレの中、それに
(3)ふとんの中だそうだ(「学外研」九八年報告)。

●断絶の三要素

 親子を断絶させるものに、三つある。権威主義、相互不信、それにリズムの乱れ。「私は
親だ」というのが権威主義。「子どものことは、私が一番よく知っている」「子どもは親に
従うべき」という親ほど、あぶない。親が権威主義的であればあるほど、子どもは親の前
では、仮面をかぶる。いい子ぶる。が、その分だけ、子どもの心は離れる。親は親で、子
どもの心を見失う。次に相互不信。「うちの子はすばらしい」という自信が、子どもを伸ば
す。しかし親が「心配だ」「不安だ」と思っていると、それはそのまま子どもの心となる。
人間の心は、鏡のようなものだ。イギリスの格言にも、「相手は、あなたが思っているよう
に、あなたのことを思う」というのがある。つまりあなたが子どものことを「すばらしい
子」と思っていると、あなたの子どもも、あなたを「すばらしい親」と思うようになる。
そういう相互作用が、親子の間を密にする。が、そうでなければ、そうでなくなる。三つ
目にリズム。あなたの子どもがまだヨチヨチ歩きをしていたころを思い出してみてほしい。
そのときあなたは子どもの横か、うしろを歩いていただろうか。そうであれば、それでよ
し。しかしあなたが子どもの前を、子どもの手を引きながら、ぐいぐいと歩いていたとす
るなら、あなたと子どものリズムは、そのときから狂い始めていたとみる。おけいこ塾で
も何でも、あなたは子どもの意思を無視して、勝手に決めていたはずだ。今もそうだ。こ
れからもそうだ。そしてあなたは、やがて子どもと、こんな会話をするようになる。親「あ
んたは誰のおかげでピアノがひけるようになったか、それがわかっているの! お母さん
が高い月謝を払って、毎週ピアノ教室へ連れていってあげたからよ!」、子「いつ誰が、そ
んなこと、お前に頼んだア!」と。
 権威主義は百害あって一利なし。頭ごなしの命令は、タブー。子どもを信じ、今日か
らでも遅くないから、子どものうしろを歩く。決して前を歩かない。アメリカでは親子で
も、「お前はパパに何をしてほしい?」「パパはぼくに何をしてほしい?」と聞きあってい
る。そういう謙虚さが、子どもの心を開く。親子の断絶を防ぐ。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

 (2)子どもが非行に走るとき

●こぼれた水は戻らない

 子どもは、なだらかな坂をのぼるように成長するのではない。ちょうど階段をトント
ンとのぼるように成長する。子どもが悪くなるときも、そうだ。(悪くなる)→(何とか
しようと親があせる)→(さらに悪くなる)の悪循環の中で、子どもは、トントンと悪
くなる。その一つが、非行。暴力、暴行、窃盗、万引き、性行為、飲酒、喫煙、集団非
行、夜遊び、外泊、家出など。最初は、遠慮がちに、しかも隠れて悪いことしていた子
どもでも、(叱られる)→(居直る)→(さらに叱られる)の悪循環を繰り返すうちに、
ますます非行に走るようになる。この段階で親がすべきことは、「それ以上、症状を悪化
させないこと」だが、親にはそれが理解できない「なおそう」とか、「元に戻そう」とす
る。しかし一度、盆からこぼれた水は、簡単には戻らない。が、親は、無理に無理を重
ねる……。

●独特の症状

 子どもが非行に走るようになると、独特の症状を見せるようになる。脳の機能そのも
のが、変調すると考えるとわかりやすい。「心の病気」ととらえる人もいる。実際アメリ
カでは、非行少年に対して薬物療法をしているところもある。それはともかくも、その
特徴としては、(1)拒否的態度(「ジュースを飲むか?」と声をかけても、即座に、「ウ
ッセー」と拒否する。意識的に拒否するというよりは、条件反射的に拒否する)、(2)
破滅的態度(ものの考え方が、投げやりになり、他人に対するやさしさや思いやりが消
える。無感動、無関心になる。他人への迷惑に無頓着になる。バイクの騒音を注意して
も、それが理解できない)、(3)自閉的態度(自分のカラに閉じこもり、独自の価値観
を先鋭化する。「死」「命」「悪霊」などという言葉に鋭い反応を示すようになる。「家族
が迷惑すれば、結局はあなたも損なのだ」と話しても、このタイプの子どもにはそれが
理解できない。親のサイフからお金を抜き取って、それを使い込むなど)、(4)野獣的
態度(行動が動物的になり、動作も、目つきが鋭くなり、肩をいからせて歩くようにな
る。考え方も、直感的、直情的になり、「文句のあるヤツは、ぶっ殺せ」式の、短絡した
ものの考え方をするようになる)などがある。

 こうした症状が見られたら、できるだけ初期の段階で、親は家庭のあり方を猛省しな
ければならない。しかしこれがむずかしい。このタイプの親に限って、その自覚がない
ばかりか、さらに強制的に子どもをなおそうとする。はげしく叱ったり、暴力を加えた
りする。これがますます子どもの非行を悪化させる。こじらせる。

●最後の「糸」を切らない

 家族でも先生でも、誰かと一本の「糸」で結ばれている子どもは、非行に走る一歩手
前で、自分をコントロールすることができる。が、その糸が切れたとき、あるいは子ど
もが「切れた(捨てられた)」と感じたとき、子どもの非行は一挙に加速する。だから子
どもの心がゆがみ始めたら(そう感じたら)、なおさら、その糸を大切にする。「どんな
ことがあっても、私はあなたを愛していますからね」という姿勢を、徹底的に貫く。子
どもというのは、自分を信じてくれる人の前では、自分のよい面を見せようとする。そ
ういう性質をうまく使って、子どもを非行から立ちなおらせる。そのためにも最後の「糸」
は切ってはいけない。切れば切ったで、ちょうど糸の切れた凧ように、子どもは行き場
をなくしてしまう。そしてここが重要だが、このタイプの子どもは、「なおそう」とは思
わないこと。現在の症状を今より悪化させないことだけを考えて、時間をかけて様子を
みる。一般に、この非行も含めて、「心の問題」は、一年単位(一年でも短いほうだが…
…)で、その推移を見守る。こじらせればこじらせるほど、その分、子どもの立ちなお
りは遅れる。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

【子どもどうしのトラブル】

Q:我が家には小学校1年生の男の子(6歳)と幼稚園年少の女の子(4歳)の子供がいま
す。

今日は、下の子についての相談です。以前から近所に住んでいる3人兄妹の家と母親同士
も仲が良いということもありよく行き来をしています。前から気にはなっていたのですが、
その家の長女(2年生)が娘と良く遊んではくれるのですが、かなり強引なところがあり
娘に「嫌だ」という間さえも与えずにいろいろな面で突っ走っていきます。先日、その家
族とキャンプに行った時にもその子が「Kちゃん(娘の名)、私と一緒に寝たいって。だか
らそうするね」と行ってきました。私が娘に確認すると「寝るって言ったもんねぇ」とそ
の子が答える始末。「あのね、おばちゃんはいまKに聞いてるの」と言ったものの娘はその
子の強引さに押されてしまったようで小さく「うん…」とうなずきました、がいざ二人で
テントに入ると娘の号泣が。「ママと寝たかったのに、ママとが良かったのに」と。キャン
プの間4日間そんなことの連続でした。帰ってきて、娘の髪の毛を結わこうと分け目をつ
けている時に2箇所の円形脱毛を発見しました。ショックでした。原因は、そのことしか
考えられません。その子と娘とは年も離れているのですが、我が家の長男とその子の弟と
が同級のためにいつもセットでやって来るのです。その子の母親にもある程度のことは伝
えてあるのですが、なかなか……今では娘のその子が来るのを恐怖に感じています。いつ
も、そんな様子を見ている長男も「琴を虐めるから来て欲しくない」と。私としては、そ
の弟君と長男とは遊ばせてあげたいのですが、お姉さんのほうはちょっと……今後、どの
ように接していけばよいでしょう。

A:子どもどうしの交際には、ある一定の許容範囲と程度(深さ)があります。ある程度の
トラブルは、覚悟して子どもたちに任せます。こうしたトラブルを経験して、子どもは社
会性と問題解決の技法を身につけます。しかしその許容範囲を超える場合は、別です。ご
相談の件ですが、円形脱毛症の原因がその小2の女の子にあるとしたら、明らかに許容範
囲を超えています。どこかで瞬間的な恐怖心を経験したのが原因です。年齢も年少と小2
ですから、この時期には離れすぎています。さらにその子どもに対して、恐怖心を感じて
いるなら、当然、遠ざけます。ふつうめんどうみのよい、1〜2歳年上の子どもは、すば
らしい先生になるのですが、このケースでは、かえって子どもをマイナスに引っ張ってし
まいます。対人恐怖、自信喪失、神経症の原因ともなりかねません。小2の女の子が、お
嬢さんに対して、自分の欲求不満のはけ口にしているようならなおさら、遠ざけます。そ
してできるだけ同年齢の子どもと遊ばせるようにします。具体的な方法については、家の
様子、友人関係などがわかりませんので、お答えできませんが、その女の子がきたら、お
母さんがお嬢さんを外へ連れてでたり、間にこまめに入ったりすればいいのではないかと
思います。数回繰り返すと、その女の子は来なくなるのでは……。長男には、相手の子に
「お前の姉を連れてくるな」と言うようにしむけたらどうでしょうか。要するにこういう
ケースでは、相手の女の子を遠ざけるのが賢明です。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

【子どもに、セックスを見られてしまった】

Q:7歳の息子に、性生活そのものを見られてしまいました。その場は適当にごまかしまし
たが、心にキズがついたのではないかと心配です。どうしたらいいでしょうか?

A:まったくありません。子どもがキズつくのは、親の不正義、不誠実、非倫理、不道徳的
行為です。たとえば不倫現場を見られる、など。これはまずいです。が、夫婦が愛し合い、
いたわり合す姿は、どんどん見せます。(セックスまで見せろということではありません。) 
国によっても違いますが、ラテン系の国へ行くと、目のやり場のないほど、若い人たちは
人の目もはばからず、抱き合ったり、愛撫しあったり、キスしたりしています。若い夫婦
もそうです。アメリカでもそうです。オーストラリアは、もう少し謙虚です。しかし恐ろ
しいほど何もしないのが、日本人です。

 7歳ですから、やがてすぐ親たちが何をしていたかを知る時期にくるでしょうが、「へへ
へ」で終わります。そういうものです。こうした例はたいへん多く、教室でも、ときどき、
「きのうの夜、パパとママが、裸でプロレスをしていた!」と言う子どももときどきいま
す。そういうときは、私は、「ふうん。どこで?」ととぼけて聞くことにしています。する
と子どもは「ふとんの上で……」と言ったりします。その程度でおさめておきます。子ど
もは、ときどきおとなの世界をかいまみながら、情報を蓄積していきます。そしておとな
になっていきます。

 要は、性にうしろめたさをもたせいないこと。スウェーデンでは、もう30年も前から、
大学の講義で、「セックスの仕方」そのものを教えています。教官が、「そこのA君、そこ
のBさん、前でセックスしてみなさい」などと、まあ、実にあっけらかんです。日本人の
ように、「性」にうしろめたさをもたないことによるものです。親が悪いことをしたと思っ
ていると、子どもに罪悪感をもたせてしまいます。それは避けます。親が子どもに、「セッ
クスは楽しいものよ」「愛し合う人どうしがするものよ」と、その年齢の子どもに言えるよ
うになったとき、性の解放は達成されるのです。「秘め事」ではないのです。また秘め事と
考える必要もないのです。昔、スウェーデンのベッテルグレン女史という、性教育協会の
会長の通訳として全国を回ったことがあります。その女史からこれは私が学んだことです。

 アングロサクソン系の夫婦は、ベッドの中ではいつも真っ裸です。子どもはいつもそう
いう夫婦像を見ていますが、それで「子どもの心がゆがんだ」という話は聞いたことがあ
りません。もうその話には触れないで、知らぬ顔をして、子どもの成長を見守ればいいで
しょう。(あえて文字をピンクにしました! ははは)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:あと片づけをしない

A:「あと片づけ」と「あと始末」は違います。子どもが外の世界をもつようになったら、
あと片づけは大目に見ます。しかしあと始末は別です。どんなことでも、あと始末をしっ
かりとさせるようします。たとえば食後、食器をシンクにもってこさせるとか、など。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:よい友だちと遊ばせたいが、どうしたらよいか。

A:実際に、子どもの友人を選ぶのは親ですね。よい友だちというのは、1〜2年、年上で、
たっぷりと親の愛情を受けた、めんどうみのよい子どもをいいます。そういう友だちをも
つと、あなたの子どもは飛躍的に伸びます。そういう子どもは、誕生会に呼んであげたり、
夕食をごちそうしてあげたり、親ぐるみのつきあいをしたりします。ただしこの方法は、
小学3〜4年生ぐらいまでしか通用しません。それ以後は、子どもの友だちは、子どもに
任すしかありません。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:どうもよくない友だちと、つきあいはじめたようです……

A:そういうときは、「友を責めるな、行為を責めよ」(イギリスの教育格言)です。相手
の子どもの行為だけを責めて、決して友だちを責めてはいけません。「タバコを吸うことは、
体に悪い」と

かなど。コツは、決して、相手の友だちの名前を出さないようにすることです。以下に、
私が書

いた原稿(新聞コラムより)を、添付しておきます。

「A君は悪い子だから、つきあってはダメ」・友を責めるな、行為を責めよ

 あなたの子どもが、あなたから見て好ましくない友人とつきあい始めたら、あなたはど
うするだろうか。しかもその友人から、どうもよくない遊びを覚え始めたとしたら……。
こういうときの鉄則はただ一つ。『友を責めるな、行為を責めよ』、である。これはイギリ
スの格言だが、こういうことだ。

 こういうケースで、「A君は悪い子だから、つきあってはダメ」と子どもに言うのは、子
どもに、「友を取るか、親を取るか」の二者択一を迫るようなもの。あなたの子どもがあな
たを取ればよし。しかしそうでなければ、あなたと子どもの間には大きな亀裂が入ること
になる。友だちというのは、その子どもにとっては、子どもの人格そのもの。友を捨てろ
というのは、子どもの人格を否定することに等しい。あなたが友だちを責めれば責めるほ
ど、あなたの子どもは窮地に立たされる。そういう状態に子どもを追い込むことは、たい
へんまずい。ではどうするか。

 こういうケースでは、行為を責める。またその範囲でおさめる。「タバコは体に悪い」「夜
ふかしすれば、健康によくない」「バイクで夜騒音をたてると、眠れなくて困る人がいる」
とか、など。コツは、決して友だちの名前を出さないようにすること。子ども自身に判断
させるようにしむける。そしてあとは時を待つ。

 ……と書くだけだと、イギリスの格言の受け売りで終わってしまう。そこで私はもう一
歩、この格言を前に進める。そしてこんな格言を作った。『行為を責めて、友をほめろ』と。
 子どもというのは自分を信じてくれる人の前では、よい自分を見せようとする。そうい
う子どもの性質を利用して、まず相手の友だちをほめる。「あなたの友だちのB君、あの子
はユーモアがあっておもしろい子ね」とか。「あなたの友だちのB君って、いい子ね。この
プレゼントをもっていってあげてね」とか。そういう言葉はあなたの子どもを介して、必
ず相手の子どもに伝わる。そしてそれを知った相手の子どもは、あなたの期待にこたえよ
うと、あなたの前ではよい自分を演ずるようになる。つまりあなたは相手の子どもを、あ
なたの子どもを通して遠隔操作するわけだが、これは子育ての中でも高等技術に属する。
ただし一言。

 よく「うちの子は悪くない。友だちが悪いだけだ。友だちに誘われただけだ」と言う親
がいる。しかし『類は友を呼ぶ』の諺どおり、こういうケースではまず自分の子どもを疑
ってみること。祭で酒を飲んで補導された中学生がいた。親は「誘われただけだ」と泣い
て弁解していたが、調べてみると、その子どもが主犯格だった。……というようなケース
は、よくある。自分の子どもを疑うのはつらいことだが、「友が悪い」と思ったら、「原因
は自分の子ども」と思うこと。だからよけいに、友を責めても意味がない。何でもない格
言のようだが、さすが教育先進国イギリス!、と思わせるような、名格言である。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q:一人っ子の育て方の注意点を……

A:第一に考えなければならないのは、社会性の欠落です。ですから幼いときから、同年齢
の子どもたちと遊ぶ機会を多くしてください。この点さえ気をつければ、大きな問題は起
きません。

ただどうしても一人っ子だと、過干渉、過関心、溺愛、過保護になりやすいですから、親
は親として、別の生きがいを見出すようにしてください。子どもの問題というより、親の
問題のほうが大きいです。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q: 兄(8歳)と弟(6歳)の兄弟喧嘩が激しく手に負えません。

A: 兄弟喧嘩は、それが一定のワクの範囲なら、一に静観、二に静観。互いの言い分は聞
いても、ジャッジはしない、です。ここでいう一定の「ワク」というのは、いわゆる「仲
のよい兄弟の範囲内で」という意味です。しかしそのワクを越えて、本当に憎しみあうと
か、暴力行為が過激になるというのであれば、もっと別の原因をさぐってみます。頭から
押さえても、意味がないばかりか、かえって喧嘩を激しくさせてしまいます。別の原因と
して考えられるのは、上の子どもの側の嫉妬、欲求不満など。さらには外の世界で受ける
ストレスの発散など。情緒不安も考えられます。それぞれのケースに応じて、考え、対処
します。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q: 夫と子どもの教育のことでよく対立します。どうしたらよいでしょうか。

A: 子どもの前では意見の対立をしない……これが大鉄則です。子どもの前では、「お父
さんがそう言っているから、そうしなさい」とだけ言います。そして夫婦の意見の対立は、
子どものい
ないところでします。賢い母親なら、そうします。昔から「船頭が二人では舟は進まない
と言います。夫婦の意見が一致していても難しいのが子育て。こういうときは、夫に船頭
になってもらい、夫に子育てをリードしてもらいます。……こう書くと、封建的なことを
言っていると思われるかもしれませんが、相談者が父親なら、私は逆のことを言います。
つまり互いに高い次元において、子どもを教育します。子育てでタブー中のタブーは、互
いの悪口を子どもに言うことです。「お父さんの給料が少ないから、お母さんは苦労してい
るのよ」式のグチもタブーです。母親は子どもを自分の味方につけたいため、そう言いま
すが、かえって子どもの心は親から離れます。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

Q: 子どもをどう叱ったらよいのですか。

A: 子どもを叱るときは、子どもにその子ども(あなたから見れば孫)の叱り方を教え
るつもりで叱ります。「あなたが親になったら、こういうふうに叱るのですよ」と、です。
そういう心づもりをどこかでもちながら子どもを叱ると、あなたと子どもの間にワンクッ
ション置くことができ、ギクシャクした関係を和らげることができます。あなたは親の見
本なのです。そういうつもりで叱ってみてください。


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

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子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 15日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【子育て、Q and A・特集】(1)
(今回から4回に分けて、QandA特集をします)

Here are questions from parents and my answers to them.

Q:祖父母と、子どもの教育問題で対立することが多いが、どうしたらよいか。祖父母は何
ごとにつけ、子どもの教育に対して口をはさむ。

(Grand parents interfere our life and our way we raise up our children.)

A:もう20年近く前ですが、調査をしてみました。その結果わかったことは、つぎのよう
なことです。

まず祖父母と同居するなら、結婚当初、もしくは子どもが生まれる前にします。こうい
うケースでは、ほとんどの母親(嫁)は、「祖父母と同居してよかった」と答えています。
問題は、途中からの同居です。特に子どもがある程度大きくなってからの同居は、何か
と問題が起きるようです。その中でも一番多いのが(母親からの回答)、祖父母が子ども
の教育に口を出して困る、というもの。子ども(祖父母からみれば孫)を取り合って、
壮絶な家庭内戦争を繰り返す人はいくらでもいます。

 相談の方のケースはどちらかわかりませんが、多分、途中からの同居ではないかと思い
ます。夫婦として、親子として、ある程度「形」ができたところに、祖父母が入ってく
るため、どうしてもそこで摩擦が生じます。この摩擦が、家庭内騒動の原因というわけ
です。実際、この種の騒動は、母親も妥協しないため、深刻になるケースがほとんどで
す。最終的には、別居か、さもなくば離婚というところまで発展してしまいます。

 そこでこう考えます。(1)別居か離婚かという段階まで進んでいないようだったら、祖
父母に子どもの教育を分担してもらいます。その分、母親は自分で好き勝手なことをす
ればよいのです。こうした割り切りが、家庭に風を通します。祖父母には、「おじいちゃ
ん、おばあちゃんがいてくださるから、私は助かります」と言えばいいのです。

よく「祖父母の甘やかし」を心配する母親がいますが、全体としてみれば、マイナーな
問題です。(あなたのご主人よりは、あなたの子どもはよい子どもになるはずです。)ま
ずいのは、祖父母と父母の教育姿勢がちぐはぐになるときです。子どもが船頭をなくし
た状態になりますので、ご注意ください。

 (2)別居か、離婚かというレベルなら、あとはあなたがご判断ください。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●夫との違い

(I have different views of raising up children from my husband. My husband is 
short-tempered and rough to our children.)

1 夫の怒りかたが荒っぽくて困っている。できれば話して(言葉で)わからせたいのに、
夫は怒鳴ったり、手をあげることも・・・。

★『夫婦は一枚岩』というのが、子育ての鉄則です。夫婦で意見の衝突があっても、子ど
もの前では見せないようにします。また『船頭は一人』という鉄則もあります。こういう
ケースでは、母親は、まず父親を立てる。決して男尊女卑的なことを言っているのではあ
りません。たがいに高度な次元で尊敬しあってこそ、それを「平等」といいます。

子どもの前では、「お父さんがそう言っているから、そうしなさい」と、あくまでも父親
の側に立ちます。納得がいかないことがあれば、子どもが寝静まったあとにでも、「私は
こう思うけど……」と、意見の調整をします。

★そうでなくても、むずかしいのが子育て。これから先、夫婦の心がバラバラで、どうし
て子育てができるというのでしょうか。なおこういうケースでは、夫が怒鳴ったり、手
をあげたりしそうであれば、その前に、夫の言いたそうなことを前もって、言うように
します。いわゆる夫の機先を制するということです。「そんなことをすると、お父さんに
叱られますよ!」と。夫に抵抗すればするほど、夫の心は、あなたや子どもから離れて
いきます。これは子どもの問題というより、夫婦の問題かもしれません。どこか夫婦の
間に、すきま風が吹いていませんか。私には、そちらのほうが気になります。

★なお、親子の信頼感は、「一貫性」で決まります。E・H・エリクソンという心理学者も、
「親(とくに母親)の安定的態度が、基本的信頼関係を結ぶ基礎である」というような
ことを言っています。要するに親の心がグラグラしていては、親子の間で、信頼関係を
結ぶことができないだけではなく、つづいて、子どもは、園や学校の先生、さらには友
人との信頼関係を結べなくなります。よきにつけ、悪しきにつけ、親は、一本スジの通
った子育てをします。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

2 食事中のマナーについて。夫はテレビを見ながら食べている。でも、子どもには、ご
はんを食べるときはテレビを消しなさい」と言ってあるので、子どもの教育上、夫には
テレビを消して、協力して欲しい。

(My husband does not care watching TV while we are having dinners. I always ask to 
stop TV but he does not follow me.)

★子育ての世界には、メジャーな問題と、マイナーな問題があります。家庭の役目は、家
族が外の世界で疲れた心と体をいやすことです。そのために「家庭はどうあるべきか」を
考えるのは、メジャーな問題。「家庭でのこまごまとした、ルール」は、マイナーな問題と
いうことになります。マイナーな問題に引き回されていると、メジャーな問題を見失うこ
とがあります。そこでこうしたマイナーな問題は、言うべきことは言いながらも、あとは
適当に! その時と、場所になればできればよいと考えて、おおらかに構えます。

★また子どもの世界には、『まじめ八割、いいかげん二割』という鉄則があります。「歯を
みがきなさい」と言いながらも、心のどこかで、「虫歯になったら、歯医者へ行けばいい」
と思うようにします。虫歯の痛さを知って、子どもは歯をみがくことの大切さを学びます。
それだけではありません。

子どもは、そのいいかげんな部分で、羽を伸ばします。子育てでまずいのは、神経質な
完ぺき主義。家庭が家庭としての機能を果たさなくなるばかりか、子どもの心をつぶし
てしまいます。さらに子どものことで、こまごまとしたことが気になり始めたら、あな
た自身の育児ノイローゼを疑ってみます。

★「しつけ」と「ルール」は違います。「しつけ」は、自律規範のことをいいます。この自
律規範は、初期のころは、親から与えられますが、やがて子どもは、自分で考え、自分
で判断し、自分で行動するようになります。子どもをしつけるということは、いかにし
て子どもを自律させるかということ。一方、ルールは、あくまでもルール。むしろ『ル
ールがないから家庭』と言います。またイギリスの教育格言にも、『無能な教師ほど、ル
ールを好む』というのもあります。これを言いかえると、『無能な母親ほど、ルールを好
む』(失礼!)となります。

★ルールは、つくるとしても、家庭では最小限に。夫の立場で言うなら、「家に帰ってきて
からは、のんびりとテレビでも見ながら、食事をしたい」ということではないでしょう
か。私なら妻から、そんなこまごまとしたルールを言われたら、気がヘンになります。
なお、「食事中はテレビを見ない」というのは、マナーでも何でもありません。「マナー」
というのは、「他人の心を害さないこと」を言います。

そういうマナーは大切ですが、「テレビを見ながら、食事をしてはいけない」というのは、
マナーではありません。いわんや「教育上……」と、おおげさに構えなければならない
ような、問題ではありません。もしどうしても気になるようだったら、テレビを置く場
所をかえるとか、向きをかえてみてはどうでしょうか。ちなみに、私は、毎日、テレビ
を見ながら、夕食を食べています。

★要するに子育てをするときは、いつもメジャーな視点を忘れないこと。いつも、「より大
切なことは何か」と考えながら、します。そういう視点が、あなたを親として、大きな
人間にします。こまかいルールで、がんじがらめになっている家庭からは、大きな子ど
もは生まれません。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

3 子どもの習い事など。園のお友だちなどを見ると、習い事をさせる人もけっこういま
す。子どももやりたがっていることだし、私としては何かやらせてもいいのでは? とお
もっているけど、夫は「まだ早い。子どもはのびのび遊んでいればいい」と。この感覚の
違いって、これからももめごとの原因になりそうで・・・。

(Many children go to learning schools or piano lessons etc, children of my neighbours. I 
feel nervous about it.)

★親には、三つの役目があります。子どもの前を歩く。子どものガイドとして。子どもの
うしろを歩く。子どもの保護者として。そして子どもの横を歩く。子どもの友として。日
本の親は、子どもの前やうしろを歩くことは得意ですが、子どもの横を歩くのが苦手。そ
ういう発想そのものがありません。

こういう相談のケースでも、「(子どもに)やらせる」という発想そのものが、気になり
ます。大切なことは、子どもの方向性を見極めながら、「あなたはどう思うの?」と、そ
のつど、子どもの心を確かめながら、行動することです。習い事をするしないかは、あ
くまでもその結果です。

★で、習い事をするにしても、この時期は、「楽しませること」を考えてします。(できる、
できない)ではなく、(楽しんだかどうか)をみます。そういう前向きな姿勢が、子ども
を伸ばす原動力となります。もう少し専門的には、「プラスのストローク(働きかけ)」
を大切にするということです。

★この時期は、ややうぬぼれ気味のほうが、あとあとよい結果を生みます。ですからその
つど、「あなたはよくできる」「あなたはもっとできるようになる」と、プラスの暗示を
かけていきます。ほかに『一芸論』(子どもに一芸をもたせる。一芸を伸ばす)や、『才
能は作るものではなく、見つけるもの』という鉄則もあります。参考にしてください。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●ママ友だちとの違い

1 何かトラブルがあると「うちの子にかぎって、そんなことはしない!」と、決まって
言う母親がいる。自分の子が原因になっていても、よその子から疑うなんて。「他人は他
人」と思っていても、やっぱり頭にきちゃう!

(I have some troubles with young mothers.)

★反面教師という言葉があります。あなたのまわりに「親バカ的な人」(失礼!)がいたら、
いつも「自分はどうか?」と自問してみます。そういう親を非難するのではなく、自分自
身が伸びるための反面教師にします。このケースでも、「頭にきちゃう」ではなく、「親と
いうのはそういうもの。ならば自分はどうなのか?」という視点でみるようにします。そ
うすれば、少しは怒りがおさまるはずです。

★このケースで気になるのは、むしろ相手側の親子です。「うちの子にかぎって」と思って
いる親ほど、子どもの心がわかっていない。それだけではない。ひょっとしたら、その子
どもは、親の前で、いい子ぶっているだけ? こういうのを「仮面」といいます。さらに
ひどくなると、心(情意)と、表情や言動が遊離するようになります。不愉快に思ってい
るはずなのに、ニコニコ笑うなど。こうなると、親の側から見ても、自分の子どもが何を
考えているかわからなくなります。親子断絶の初期症状と考えて、警戒します。

★信頼関係を築くためには、(さらけ出し)→(心を開く)というプロセスを踏みます。「ど
んな恥ずかしいことでも、たがいに言いあえる」「何をしても、何を言っても、たがいに許
しあえる」という関係があってはじめて、信頼関係を築くことができます。親子とて、例
外ではありません。しかし今、信頼関係どころか、親子でも、心を開けないケースが、ふ
えています。先日も、私に、「うちの子(小二男児)がこわいです。私のほうから、あれこ
れ言うことができないので、先生のほうから言ってください」と言ってきた、母親がいま
した。

★一方、心を開けない子どもは、開けない分だけ、心をゆがめます。いじける、ひがむ、
つっぱる、ひねくれるなど。それを防ぐためにも、子どもには、まず言いたいことを言わ
せ、したいことをさせます。その上で、よい面を伸ばし、悪い面を削るようにします。相
手側の親子には、そういう姿勢が感じられません。ひょっとしたら溺愛ママ? 自分の心
のすき間を埋めるために、子どもを利用しているだけ? そういう視点で見てあげると、
さらに怒りがおさまるかもしれません。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

2 育児論に自信があり、「私の子育ては正しくて間違いはない!」と言ってはばからない
ママが園にいる。みんなそれぞれなのに、人の子育てにも口を出してくる始末。もう、ほ
っといてほしいのに。

(So-called expert mothers interfere my own child. It is nothing to do with them. Please 
leave me alone!)

★ほかの親とのつきあいは、『如水淡交』が原則。「淡く水のように」という意味です。中
に、自己中心的で、押しつけ的なことを言ってくる親もいますが、そういう親とは、サラ
サラと水のように交際するのが、コツです。

この世界、その底流では、親たちのドロドロの、それこそ血みどろの戦いがウズを巻い
ています。それに巻き込まれると、かなり神経の太い人でも、参ってしまいます。だか
ら交際するとしても、園や学校の行事の範囲だけにとどめます。決して深入りしてはい
けません。間に子どもがいるため、一度、こじれると、この種の問題は、とことんこじ
れます。もしどうしても、ということなら、あなたの子どもが通っている園や学校とは、
直接関係ない世界に住んでいる親と交際するようにします。

★ただ子育てで注意しなければならないのは、カプセル化です。カプセル化というのは、
親子だけの狭い世界でマンツーマンの生活をすることいいます。そしてその世界だけで、
独自の価値観を熟成してしまう……。家族が、ちょうど小さなカプセルに閉じ込められ
るようになるので、カプセル化といいます。

一度カプセル化すると、同じ過干渉でも、極端な過干渉、あるいは同じ溺愛でも、極端
な溺愛になりますから、注意します。それを防ぐためにも、自分のまわりは、いつも風
通しをよくしておきます。つまりたがいの情報を交換することは悪いことではありませ
んので、「ほっといて!」ではなく、「また教えてね!」というような、つきあい方に切
りかえてみてはどうでしょうか。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

3 うちによく遊びに来る子が、まったくしつけされていない。人の家の冷蔵庫を勝手に
あけたり、寝室(入ってはダメと言ってある所)に入ったり・・・。しかも、それを見て
も、本人の親は何も注意しない!「おたくのしつけ、どうなってるの!」って感じ。「もう
こないで!」と言いたいが、子ども同士は仲がいいので、言えない。

(Some of the kids who come to my house and play with my son are not well-educated. 
They are rough. What shall I do?)

★こういうときの鉄則は、ただ一つ。『友を責めるな、行為を責めよ』です。相手の子ども
の行動のどこか、どのように悪いかを、子どもに話しても、決して相手の子どもの名前を
出してはいけないということです。「よそのうちの冷蔵庫を勝手にあけるのはよくないね」
「そのおうちの人が入ってはいけないという部屋に入ってはいけないね」と、です。

こういうケースで、「○○君とは遊んではダメ」と、子どもに言うことは、子どもに、「親
を取るか、子どもを取るか」の択一を迫るようなもの。あなたの子どもがあなたを取れ
ばよし。そうでなければ、あなたとあなたの子どもの間に大きなキレツを入れることに
なりますから、注意してください。なおこの鉄則は、これから先、あなたの子どもがお
となになるまで、有効です。

★で、あえて言うなら、あなたの子どもは、その子どもといっしょにいることが、楽しい
のです。子どもというのは、無意識のうちにも、居心地のよい仲間とつきあいます。つ
まり『類は友を呼ぶ』です。そこで大切なことは、あなたの子どもにとって、どこがど
う居心地がよいかを知ることです。ひょっとしたら、あなたのほうが、ガミガミとこま
かいしつけをし過ぎていませんか。……そうではないと思いますが、そんなことも疑っ
てみることも、ときには大切です。

★これから先、あなたの子どもは、無数の人間関係を、いろいろな場所で結びながら、そ
の間でのやりくり、つまり社会性を身につけていきます。そういう意味では、悪友もま
た、必要なのです。社会に対する免疫性も、そこから生まれます。だからといって悪い
ことを容認せよというわけではありませんが、一般論として、非行などのサブカルチャ
(下位文化)を経験した子どもほど、社会人になってから常識豊かな人になることも、
よく知られています。「悪いからダメ」式に、子どもを押さえつけるのではなく、むしろ
逆に、「あの子はおもしろい子ね」式に、相手の子どものよさを発見してみてはどうでし
ょうか。


+++++++++++++++++++++++++++++++++はやし浩司

●義父母・父母との違い

1 子どものほしがるものは何でも与えてしまう姑。特に、お菓子やおもちゃは、わが
家なりのルールを決めて、守らせたいのに。今まで一生懸命に言い聞かせてきたのが無
駄になる!

(My grand parents are such people who are too sweet to my son and daughter. They are 
to spoil them in a sense.)

★昔の人は、「子どもにいい思いをさせるのが、親の愛の証(あかし)」「いい思いをさせれ
ば、子どもは親に感謝し、それで絆(きずな)は太くなるはず」と考えて、子育てをしま
した。今でも、日本は、その流れの中にあります。だから今でも、誕生日やクリスマスな
どに、より高価なプレゼントであればあるほど、あるいは子どものほしがるものを与えれ
ば与えるほど、子どもの心をとらえるはずと考える人は少なくありません。しかしこれは
誤解。むしろ、逆効果。

イギリスの格言に、『子どもには、釣竿を買ってあげるより、いっしょに釣りに行け』と
いうのがあります。つまり子どもの心をつかみたかったら、モノより、思い出というわ
けです。しかし戦後のひもじい時代を生きた人ほど、モノにこだわる傾向があります。「何
でも買い与える」という姑の姿勢の中に、その亡霊を見ることができます。

★また昔の人は、「親(祖父母)にベタベタ甘える子どもイコール、かわいい子イコール、
いい子」と考える傾向があります。そして独立心が旺盛で、親を親とも思わない子ども
を、「鬼の子」として嫌いました。今でも、そういう目で子どもを見る人は少なくありま
せん。あなたの姑がそうだとは言いませんが、つまりこうした問題は、子育ての根幹に
かかわる問題なので、簡単にはなおらないということです。あなたの姑も、子ども(孫)
の歓心を買うことにより、「いいおばあちゃん」でいたいのかもしれません。

そこでどうでしょうか。この私の答を、一度、姑さんに読んでもらっては? しかし子
育てには、その人の全人格が集約されていますから、ここにも書いたように、簡単には
なおりません。時間をかけて、ゆっくりと説得するという姿勢が大切です。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

2 嫁と舅・姑の違いって必ずあるし、それはしかたないことと割り切っています。でも、
我慢して「ノー」と言えないのでは、ストレスもたまるいっぽう。同居するとますます
増えそうなこのモヤモヤ。がまんにも限度があると思うから、それを越えてしまったと
きがこわい!

(I can't bear living together with my parents-in-law.)

★もう、同居している? それともしていない? 祖父母との同居問題は、最終的に、「別
居か、もしくは離婚か」というところまで覚悟できないなら、あきらめて、受け入れるし
かありません。たしかに問題もありますが、メリットとデメリットを天秤(てんびん)に
かけてみると、メリットのほうが多いはず。私の調査でも、子どもの出産前から同居して
いるケースでは、ほぼ、一〇〇%の母親が、「同居してよかった」と認めています。

★問題は途中同居(つまり子どもがある程度大きくなってからの同居)ですが、このばあ
いも、祖父母との同居を前向きに生かして、あなたはあなたで、好きなことをすればよい
のです。仕事でも、趣味でも、スポーツでも。「おじいちゃんやおばあちゃんが、いっしょ
にいてくださるので、助かります」とか何とか言って、です。祖父母の甘やかしが理由で、
子どもに影響が出ることもありますが、全体からみれば、マイナーな問題です。子ども自
身の自己意識が育ってくれば、克服できる問題ですので、あまり深刻に考えないようにし
てください。

★なお、「嫌われるおじいちゃん、おばあちゃん」について、私は以前、その理由を調査し
てみたことがあります。その結果わかったことは、理由の第一は、健康問題。つぎに「子
どもの教育に口を出す」でした。今、日本の子育ては、大きな過渡期にあります。(孫の教
育に口を出す祖父母の時代)から、(祖父母は祖父母で、自分の人生を生きる時代)へと、
変化しつつあります。そこで今は今で、そのストレスをしっかりと実感しておき、今度は、
あなたが祖父母になったとき、(その時代は、あっという間にやってきますが……)、そう
いうストレスを、つぎの若い夫婦に与えないようにします。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

3 何かあると自分の子育て論で迫る母。「昔は8か月でオムツが取れた」とか「昔は○○
だったのに」など、自分の時代にことを持ち出して、いい加減なことばかり。時代は進ん
でいるの! 今のやり方をもっと認めて!

(My mother always compare me with older people like my mother. It is her common way 
of saying that older time is better than now.)

★『若い人は、老人をアホだと思うが、老人は、若い人をアホだと思う』と言ったのは、
アメリカの詩人のチャップマンです。「時代は進んでいる」と思うのは、若い人だけ(失礼!)。
数十万年もつづいた子育てが、一世代くらいの時間で変わるはずもないのです。いえ、私
は、このことを、古い世代にも、若い世代にも言いたいのです。子育てに「今のやり方」
も、「昔のやり方」もないのです。もしそう見えるなら、疑うべきは、あなた自身の視野の
狭さです(失礼!)。

★もっともだからといって、あなたの姑の子育て観を容認しているのではありません。子
離れどころか、孫離れさえできていない? いや、それ以上に、すでに姑とあなたの関係
は、危険な状態に入っているかもしれません。やはりイギリスの格言に、『相手は、あなた
が相手を思うように、あなたを思う』というのがあります。これを心理学では、「好意の返
報性」と呼んでいます。つまりあなたが、姑を「昔風の子育てを押しつけて、いやな人」
と思っているということは、まったく反対の立場で、姑も、あなたのことを、「今風、今風
って、何よ。いやな嫁」と思っているということです。

★実のところ子育てでまずいのは、個々の問題ではなく、こうしたギクシャクした人間関
係です。つまりこうした不協和音が、子育て全体をゆがめることにもなりかねません。そ
こでどうでしょうか。こういうケースでは、姑を、「お母さんは、すばらしいですね。なる
ほど、そうですか!」ともちあげてみるのです。

最初は、ウソでもかまいません。それをつづけていると、やがて姑も、「よくできた、い
い嫁だ」となります。そしてそういう関係が、子育てのみならず、家庭そのものを明る
くします。どうせ同居しなければならないのなら、割り切って、そうします。こんな小
さな地球の、こんな狭い日本の、そのまたちっぽけな家庭の中で、いがみあっていても、
し方ないでしょう!


+++++++++++++++++++++++++++++++++はやし浩司

●子育て観の違い

 子育てにかぎらず、ものの考え方や価値観のちがいは、あらゆる場所で、ごく日常的に
起きます。ここにあげたもののほか、園や学校の先生との衝突やズレ、もっと大きくは、
国の教育との衝突やズレなど。

 しかしこうした考え方や価値観のちがいを感じたときの鉄則は、それと戦うのではなく、
それを乗り越えるということです。夫との対立、ママ友だちとの対立、さらには、祖父
母との対立にしても、それと争っても意味はありません。「対立する」ということは、相
手と同レベルであるということを意味します。相手はまちがっていると思えば、相手も、
あなたをまちがっていると思うもの。そういう状態では、争えば争うほど、袋小路に入
ってしまいます。では、どうするか?

 相手が納得するような、さらに高次元なものの考え方や価値観を、こちら側が追求しま
す。そして結果として、相手のものの考え方や価値観を乗り越えます。相手が、それに
気づいたとき、対立は、ごく自然な形で、消滅します。たとえば……。

●山には登る

 遠くから見ると、低く見える山でも、登ってみると、意外と視野が広く見えるもの。子
育ても、その山登りに似ています。つまり高い山に登れば登るほど、それまでの自分が
いかに小さな世界で、右往左往していたかがわかります。

 そこでもし、相手がだれであるにせよ、その相手と子育ての見方、考え方で衝突したら、
自分の視野を高めることだけを考えます。相手の人が、つまらないと思えるなら、なお
さらです。衝突するということは、自分も相手と同じレベルだと認めるようなもの。し
かしあなたが一歩、先に出れば、相手が、小さく、とるに足りない相手とわかるはずで
す。たとえば私は、幼児や、暴走族の若者たちに、「バカ!」と言われても、気にしませ
ん。もとから相手にしていないからです。要するに、相手の子育て観を気にしないほど
までに、自分の子育て観を高めるということ。その一つのヒントとして、「許して、忘れ
る」があります。

●子育ては、「許して、忘れる」の連続

 子どもへの愛情の深さは、どこまで子どもを許し、忘れるかで決まります。つまりどの
度量の広さこそが、親の愛の深さということになります。その「許して、忘れる」、英語
では、「フォ・ギブ&フォ・ゲッツ」と言います。「フォ・ギブ」という単語をよく見る
と、「与える・ため」とも訳せます。また「フォ・ゲッツ」は、「得る・ため」と訳せま
す。つまり「許して、忘れる」は、「子どもに愛を与えるため、許し、子どもから愛を得
るため、忘れる」ということになります。

 もちろんだからといって、子どもに好き勝手なことをさせろということではありません。
ここでいう「許して、忘れる」は、子どもにどんな問題があっても、また何か問題が起
きても、子どもは、ありのまま受け入れ、認め、そして許すということです。そういう
視点で、もう一度、あなたの身のまわりで起きている問題をながめてみてください。あ
らゆる問題が、ささいな問題に見えてくるはずです。

●さらに自分を高めるために……

 子育てをしていて、道に迷ったら、つぎの四つの方向から、子どもをみます。まず未来
をみる。あなたは子どもを育てているのではない。あなたは、子どもに子どもの育て方
を教える。それが子育てだ、とです。「あなたが親になったら、こういうふうに子ども(あ
なたからみれば孫)を育てるのですよ。お母さんは、今、その見本を見せてあげるから、
よく見ておくのですよ」と。そして同時に、「幸せな家庭というのは、こういうものです
よ」「家族というのは、こういうふうに助けあうのですよ」と。

 つぎに子育てをしながら、自分の過去をみます。もしあなたが、恵まれた環境で、何不
自由なく、両親の温かい愛に包まれて育てられたのなら、それでよし。そうでないなら
(大半の人が、そうですが……)、心のどこかがゆがんでいないかを冷静に判断します。
ゆがんでいることが、問題ではありません。そのゆがみに気づかないまま、同じ失敗を
繰りかえすことが、問題です。しかしこの問題は、そういう過去があったということに
気づくだけでも、そのほとんどが解決したとみます。

 三つ目に、自分の子育てを「上」からみます。その視点は高ければ高いほど、よいとい
うことになります。まず近くの人の子育てをのぞいてもます。つぎに親戚や友人など。
さらに世界の子育てなど。子育てをしていて一番、こわいのは、「うちの子のことは、私
が、一番よく知っている」という過信と誤解。そして独断と偏見の世界に入ることです。
子どもはたしかにあなたから生まれますが、生まれたときから、別の人格をもった、一
人の人間です。もっと言えば、世の中にいる無数の人たちの一人、ということです。つ
まり子どものもつ可能性にせよ、人間性にせよ、あなたには、わかっている部分より、
わかっていない部分のほうが、はるかに多いということです。そういう一歩退いた、謙
虚な見方が、子どもを伸びやかな子どもにします。

 最後に、自分の心の中をのぞいてみます。ある母親は、自分の子ども(二歳男児)が、
生死の境をさまようような病気になったとき、「私の命は、どうなってもよい。私の命と
交換してでもよいから、あの子の命を救ってほしい」と、願ったといいます。こうした
「自分の命すらも、おしくない」という至上の愛は、まさに人は、子どもをもってはじ
めて知ります。子どもは、ただの子どもではない。あなたに、もっと大切なことを教え
るために、今、あなたのそばにいる……。つまりあなたが子どもを育てるのではない。
子どもが、あなたを育てます。これから先、あなたは幾多の山を越え、谷を越える。平
凡は美徳ですが、平凡から何も生まれません。子育ては重労働です。ある心理学者は、「母
親にとっての家庭は兵舎と同じ」というようなことを書いていますが、楽な子育てとい
うのはありません。しかしそういう苦労が、無数のドラマをつくり、あなたの人生を、
心豊かなものにします。立ちはだかる困難を恐れないこと。今、あなたのまわりで起き
つつある、さまざまな問題は、その第一歩ということになります。逃げるのではなく、
勇気を出して、そうした問題と取りくんでみてください。応援します。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

【はやし浩司先生へ】

In Japan we used to have two systems to care pre-school children, one is Hoikun-en 
(Nursery Cebter) and anotherone is Yochi-en (Kindargaten). This mother who sent me 
an E-mail is worrying about which is better for her child.

●保育園VS幼稚園

娘のKは、生後六か月の頃から保育園に通っています。

今から考えれば笑い話なのですが、初めての育児でどうしたらよいかわからず
一人で悩んでどうにかなりそうだったので、六か月で育児休暇を切り上げ、
保育園に入れ、仕事に復帰したのです。

保育園の先生方は、私の悩みを聞いてくれたり、色々なアドバイスをしてくれました。

娘のKは、人見知りしない子だったので(今もですが)どの先生にでも抱っこされて、
大変かわいがってもらいました。(今もです)。

娘のKも、異年齢のお友達と遊びながら、時にはお姉ちゃん、時には妹となり、楽しく遊
んでいます。保育園に入れて良かったと感じています。

ところが、最近、一部のお母さん方に「Kちゃんは、どこの幼稚園に行くの?」と聞かれ
るのです。

小学校まで今の保育園のままだと答えると、「えー!」と驚かれます。

「SSの幼稚園はひらがなを教える」とか「AA幼稚園は算数を教える」と言うのです。

更に「保育園出身では授業中じっと座っていられない」と・・・。
私達(夫婦)は、今の保育園で十分満足していますし、ひらがなや簡単な算数なら
普段の生活の中で少しずつ覚えていくと考えています。
(実際、ひらがなは自然と覚えていきましたし、数字にも興味津々です。)

幼稚園出身児に比べ、保育園出身児は授業中じっと座っていられないのでしょうか?
小学校でじっと座っていられるように、今から訓練(?)させるなんて、おかしいような
気がする
のですが・・・。
それとも私達がおかしい・・・?

先生のお時間がある時にご意見を聞かせて頂ければ嬉しいです。
長々とすみませんでした。
(佐賀県U市、TEより)

+++++++++++++++

【はやし浩司より、TEさんへ】

 保育園児だからとか、幼稚園児だからという区別は、まったくナンセンスです。最近で
は、教育カリキュラムにしても、保育園の幼稚園化が進み、区別できなくなっているのが、
現状です。

保育園は旧厚生省管轄、幼稚園は旧文部省管轄という点だけをのぞけば、外から見たとこ
ろでは、区別できません。保育園と幼稚園の一本化が叫ばれる理由は、こんなところにも
あります。(保育時間などの違いは、ありますが……。)

 さらに保育園児だから、じっと座っていることができないとか、幼稚園児だから、座っ
ていることができるとか、そういう区別も、ナンセンスです。問題の「根」は、もっと別
のところにあります。まったく関係ないと断言できます。

 で、先取り教育と幼児教育、さらに早期教育は区別して考えます。小学校で勉強するこ
とを、先に教えるのが、先取り教育。今、私の住む地方でも、掛け算の九九を教えている
幼稚園があります。典型的な先取り教育です。
 
 幼児教育は、幼児期にしておくべきことを教える教育です。それについては、私の専門
ですから、またマガジンを参考にしてください。

 で、早期教育ですが、これには、いろいろな意味が含まれます。(こういうふうに、区別
して考えるのは、正しくないかもしれませんが……。)たとえば音感やある種のスポーツな
どは、かなり早い時期から訓練を開始したほうがよいと言われています。たとえばピアノ
演奏の練習などは、満一〇歳を過ぎてから始めても、遅いと言われています。だから早い
時期から、教育を始める……。これが早期教育です。

 文字、数の学習については、私のサイトのあちこちに書いていますので、どうか参考に
してください。大切なのは、この時期、できる、できないではなく、前向きな姿勢が育っ
ているかどうか、です。文字や数を見たとき、逃げ腰になっているようであれば、失敗と
いうことです。そのためにも、この時期は、「楽しい」ということだけを教え、あとは子ど
も自身がもつ力に任せます。

これが幼児教育です。

 あまりよい回答になっていないかもしれませんが、私は、TEさんの今のやり方で、よ
いと思います。もちろんすぐれた教育を実践している幼稚園も多いので、一度、見学な
どをなさってみられたらいかがでしょうか。あくまでも「先生」「園」「園長」を見て、
判断なさることだと思います。

園の選び方などは、たまたま一月七日号のマガジンに、簡単に書いておきました。どう
か、参考にしてください。

 なおいただきましたメールを、マガジンに転載しますが、よろしくご了解ください。ご
都合の悪い部分があれば、改めます。

                                はやし浩司

******************************************************************************

Q:2週間程前に、長女と次女の事で相談のメールを送りました三重県のTTです。

 その後、今までは、主人の両親が車で3分のところに住んでいますので、次女は主人の
義母に預けて、義母が都合が悪い日は義父に見てもらっていたのですが、二人ともボラン
ティアや町内会の仕事などで忙しく、また幼稚園を休むようになってからは次女を一日中
見てもらわなくてはならなくて、それで疲れている様子も見られたので、先週から私の母
が月曜から金曜まで泊まりで来てくれています。1週間はそれで喜んでいた次女もやはり
そろそろ「ママがいい!」と言い始めています。それは、もうしょうがないことなんだと
思っています。

 最近私は、長女の「学校へ行く」「行かない」の言葉に家族や祖父母までが振り回されて
しまっている、ということを思うようになりました。
 
 確かに学校へは行って欲しいですし、私が付いていくことで行けるのであればそれを続
けたいと、思っていました。また、そうしているうちに一人で行けるようになるなら、そ
れまではと思っていました。そして、私が教室にいなくても大丈夫になっているのだし、
もう少し。。。と。  

でも、その為に妹や祖父母を巻き込んでしまってもいいのか?と思い始めました。長女
が「学校へ行く」「行かない」は本人の問題としてうけとめ、本人が決める事で、その事
に私が振り回されず、次女もいるので私は家にいた方がいいのではないか。 それで、
今は行けている学校へ行かなくなってしまっても、それはそれとして受け止めるしかな
いのではないのでは、と思うようになりました。 でも、主人はそこまでは思えないよ
うで、やはり学校で学び続けることを望んでいます。 それも解るのですが・・・はや
しさんはどう思われますか?ぜひ、ご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。

三重県TTより


A:拝復
メール、ありがとうございました。

この種の問題を考えるときは、
(1)どうにかなる問題と、
(2)どうにもならない問題の二つに分けて
考えます。
まず(2)のどうにもならない問題は何かということを
選り分けて、それについては、あきらめ、受け入れます。
それをまずはっきりと納得してください。

TTさんのばあい、協力的な義父母、それに母親が
いらっしゃるようなので、まずもって、たいへん
恵まれた環境にあることを忘れないでください。
多少ぎくしゃくすることがあるでしょうが、しかし
恵まれていることは事実です。

次に私のところへ寄せられる相談の中でもTTさんの
ケースは、軽いです。たいへん軽いケースです。
ですから、その程度の問題は多かれ少なかれ
どの家庭にもあると思ってください。外から見ると
どの家庭もうまく言っているように見えますが、
問題のない家庭はありませんよ。

さて本論ですが、不登校の問題は、とにかく
こじらせないこと。わかりやすく言えば無理をしない
こと。どこかに親や子どもを怒鳴りつけて不登校を
なおす(?)女性がいるそうですが、ああいった
やり方は邪道中の邪道です。今の状態をより悪く
しないことだけを考えて、とにかく心静かに対処します。
私のサイトの中に「不登校」がありますので、
どうかお読みください。
(実のところ、先週、私のパソコンにウィルスが入り、
鈴木さんのメールも含めて、すべて削除してしまい
鈴木さんの前回のメールをなくしてしまいました。
ですからもう一度、前回のメールを送って
ほしいと思っているような次第です。)

メールから察するに、あなたと義父母との関係は
どこかぎくしゃくしているように思います。
ひょっとしたら、あなたがあまり他人に心を
許さないタイプなのかもしれません。もう少し
心を許してみたらどうでしょうか。
巻き込んでしまってよいものかどうかという問題ではなく、
今は協力してもらうしかないと思います。
頭をさげて、あなた自身がすなおに助けを
請えばよいのです。「お父さん、お母さん
助けてください」とです。どこかであなたがへんに
がんばればがんばるほど、あなたも疲れますが
義父母も疲れますよ。

あなたのお母さんについても、そうですが、
「ママがいい」とのこと。そのあたりは、
だからといって、次女に問題がないようであれば、
受け入れてもらうしかないだろうと思います。
しっかりと説得すべきことは説得しながら、
事情を受け入れてもらうのです。もう
それが理解できる年齢にはなっていると
思います。

「長女が「学校へ行く」「行かない」は本人の問題としてうけとめ、本人が決める事で、そ
の事に私が振り回されず、次女もいるので私は家にいた方がいいのではないか。それで、
今は行けている学校へ行かなくなってしまっても、それはそれとして受け止めるしかな
いのではないのでは、と思うようになりました。」とのこと。

……私もそう思います。本人がいちばん緊張状態にあることを
わかってあげましょう。この問題は、もう少し長い時間的経過をみながら
考えます。親は「3か月くらい」と思うかもしれませんが、私は一年単位
とみています。一年単位で気長に見るしかないのです。
サイトの「ポイント」(トップページより)のどこかに書いておきましたので
一度、お読みになっていただけませんか。

どちらにせよ、前回のメールをなくしてしまいましたので、
詳しくはお答えできません。ごめんなさい。
今日はこれで失礼します。





【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●自由とは……(What is the Freedom?)

Freedom means to liberate yourself from physical as well as mental burdons which bind 
you to the ground. But then what is Freedom? To be free means to live knowing yourself. 
I am here. I am living my life. I know what I am.

++++++++++++++++

「自由」というのは、「自らに由る」という
意味である。
しかし自由というのは、それだけではない。

私は私でありたい。
私は私らしく生きたい。
私はここにいると、それを実感したい。
私は、自分の人生を生きたという実感をもちたい。

それを「自由」という。

しかしその「自由」には、限界がある。
「死」という限界である。

その限界を、どう乗り越えるか。
私たちは、死ぬことで、すべてを奪われる。
すべてを失う。
いくら「私は自由だ」と叫んだところで、
その限界を乗り越えることができない。

それが実は、自由との戦いということになる。

++++++++++++++++++

●親の悪口(To criticize our own parents)

In Japan it is rather a kind of taboo to criricise or sometimes deny our own parents. 
They openly say parents should be respected withour any reasons. But it is true that 
under this social common sense some people are suffering from the burdons, so-called 
social burdons. I used to be one of them.

この日本では、親を批判したり、悪口は
ともかくも、中傷したり、さらに否定したり
することは、タブー視されている。

親をたたえる歌は多いが、その分だけ、
そうでない親をもった子どもの苦悩も
また大きい。

その苦悩の中で、悶絶している人も少なくない。
心理学的に言えば、家族自我群の中で、
幻惑に苦しむということになる。

とくに親子の関係は、本能に近い部分にまで
刷り込みがなされている。
その幻惑から逃れることは、容易なことではない。

では、私はどうか?

父親は、2、3日おきに酒を飲んできては、
家の中で暴れた。

母親にしても、長男が誕生した日に、私の
家にやってきて、あり金すべてもって、
帰っていった。

当時のお金で、24万円だった。

「家」といっても、そのとき、私たち夫婦は、
4畳と6畳の2部屋だけのアパートに住んで
いた。

しかしだからといって、今、私は、父親を
うらんだり、母親をうらんだりしているわけ
ではない。

私の父は、台湾で、貫通銃創といって、アメリカ軍の
銃弾を2発受けている。
今で言うPTSDではなかったか。

母にしても、戦後のあの時代を懸命に生きた。
収入がとぼしい中、懸命に、「家」を支えた。
まだあの時代は、そういう時代だった。

今になって、そういう父や母が、理解できる
ようになった。

しかし同時に、私に残した後遺症は大きい。
私にしても、いまだに、その後遺症に苦しんで
いる。

それについては、また別の機会に書くことにするが、
ともかくも、私たちは、もっともっと自由に
生きてもよいのではないのか。

正直に、声を出して、言いたいことは言えばよい。
言うことによって、自分の心を解放させることが
できる。

親についても、同じ。

しかし同時に、これだけは覚えておくとよい。
もしあなたが、子どもの批判に耐えうるような
親であれば、それはそれでよし。

そうでなければ、結局は、さみしい思いをするのは、
あなた自身ということになる。

こわいぞ〜、親であるということは!


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子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 13日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●「EARTH(アース)」を見る(Whaling should be prohibited)

I saw the film "Earth" with my wife on the day it was released. I spilled tears slightly 
three times during I saw the film. I spilled tears not because I felt sad. I spilled tears 
because I felt human's stupidity is displayed against me. That was my first time I 
spilled my tears for the reason. Whaling should be prohibited right now. Or is there 
any reason why we should keep doing it under then name "Research"? It sounds so 
ridicurous. We should be ashamed more! I hereby strongly protest against our 
government!

++++++++++++++++++

封切り日に、ワイフと2人で、「earth」
を見る。

イギリスのBBCが主体となって、5年
ほどかけて制作された映画だという。

私は、その映画を見ながら、3度ほど、
うっすらと涙をこぼした。

悲しくて泣いたというよりは、人間の
愚かさを見せつけられて泣いた。

そんな涙は、生まれてはじめての経験
だった。

++++++++++++++++++

 「Earth」によれば、2030年までに、北極の白くまは、絶滅するだろうという
ことだ。あと、22年。それだけではないが、私はその映画を見ながら、3度ほど、うっ
すらと涙をこぼした。悲しくて泣いたというよりは、人間の愚かさを見せつけられて、泣
いた。そんな涙は、私にとっては、生まれてはじめての経験だった。

 たとえば……。

 日本は、いまだに、「調査捕鯨」という名前のもとで、捕鯨を繰り返している。「調査」
だと?

 こんなインチキはもうやめて、捕鯨など、すぐやめればよい。世界中から避難されなが
ら、どうして捕鯨をつづけなければならないのか? それがわからなければ、「Earth」
を見たらよい。人間だけが、生き物でもあるまい。今の今も、日本の捕鯨船団は、南氷洋
で捕鯨をつづけている。それに対して、オーストラリア政府は、海軍まで出動させて、そ
れを阻止しようとしている。

 どうして今、「調査」なのか? 「捕鯨」なのか? 「調査」というのなら、どこの大学
のどの教授が、しているのか? 世界のどこのだれが、この日本に、「調査してほしい」と
頼んでいるのか? 日本を遠く離れたところに住む、クジラを! 結局は、食用のためで
はないか? 

 日本人は、もっと自らを恥じたらよい。改めて、捕鯨に、強く反対したい!
(2008年1月16日)


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●インチキ博士号(pseudo doctor)

Doctor degrees are being sold in Japan. In most cases you receive a letter one day from 
an unknown university, in which it says that you are qualified to be nominated as a 
doctor of our university. This may be apparently pseudo. The reason is quite simple. It 
also says you need to pay abt. 500 thousand yen ~ 1 million yen for the degree. I have 
received some of them in the past. Then one day I rang up to the telephone number and 
ask someone in charge about it. The man in charge answered me that the money would 
be used as scholarship for students. But do we have to pay money before the doctor 
degree is admitted? One of the most well-known professor of Waseda University is the 
one who has the title given by the university. I mean it is pseudo, for as far as I have 
checked it through internet, the university has no students. The professor said in the 
TV program, that, he did not know the university is pseudo. But this is funny or 
ridiculous.  

++++++++++++++++++

日本でも、インチキ博士号が、問題に
なっている。

早稲田大学の、あの吉M教授も、その1人。
昨夜(1月13日)の報道番組の中で、吉M教授は、
「私は、ちゃんと論文を出して認められた」
「博士号のオッファーがあったので、応募した」
などというようなことを言っていた。
(記憶によるものなので、細部では、正確では
ないかもしれない。)

しかしこの吉M教授の話は、ウソと考えてよい。
吉M教授ともあろう、偉い(?)、お方が、
インチキかどうか、見抜けなかったというのは、
どう考えても、おかしい。

この私ですら、見抜けた。理由がある。

まず、寄付金の告示があったこと。博士号資格で、
50〜100万円。額は、大学によって異なる。
一度、電話で問い合わせると、こうした寄付金は、
学生の奨学金として使用されるということだった。

そこでインターネットを使って調べてみると、
大学といっても、校舎だけ。学生の臭いが
ほとんどしなかった。

すでに当時、こうしたインチキ博士号は、世界では
常識。そういう世界を知っていた吉M教授が、
それを知らなかったはずはない。

「当時」というのは、10年以上も前のこと。
私のところへ、そうした勧誘が届き始めたのも、
そのころである。

一事が万事。

うっすらと笑みまで浮かべて、テレビのレポータの
質問に答えていた吉M教授は、何か隠していると
いったふう。
インチキ認定書の横に、分厚い、論文集(?)
なるものを、これ見よがしに置いていた。

(そういうものを、わざわざ置くところが、
あやしい?)

テレビの報道によれば、吉M教授は、そのインチキ
大学のために、講演会まで開いていたという。
つまり新たな被害者をさがすための、手助けまでして
いた疑いがかけられている(テレビ報道)。

責任は、重大である。
「知らなかった」では、すまされない。

++++++++++++++++++++

●過去の肩書き(Are you a respected man?)

Are you a respected man? If so, you are good enough. But when you retire from the job, 
you had better forget about your past and be free from the career. Otherwise you would 
be kicked out of the society you belong to. But some remains the same after he retire 
from his job, thinking himself that he is a respected man. A reader living in 
H-prefecture gave me a mail in which she worries about her brother who still cling to 
his career before he retired long time ago.

++++++++++++++++

「私は偉い」「私は尊敬されるべき」と、
思うのは、その人の勝手。しかしときには、
自問してみることも、大切。

こんなメールが届いた。S県にお住まいの
Aさん(女性、60歳)からのものである。
私のエッセーを読んで、同じように感じた
とのこと。

転載許可は、いただけなかったので、概略
のみ、紹介させてもらう。

++++++++++++++++

【Aさんより、はやし浩司へ】

私の兄は、現在、65歳です。5年前まで、国家公務員をしていました。その出先機関の
長にもなりました。しかしいまだに過去と、決別できずにいます。ことあるごとに過去の
学歴と肩書きをひけらかしています。

私の息子(32歳)が、フリーターをしていることについても、「そういうのは、人間のク
ズだ」とか、「まともな仕事でないから、結婚相手も紹介できん」とか、言いました。

その兄が、去年(07年)のはじめ、がんになりました。大腸がんです。そのときのこと
です。兄は、親戚中にそのことを連絡していました。実際には、私に、あちこちへ電話を
かけさせました。私は、そういう話は、内々ですませたほうがよいと考えていました。

で、兄は、術後1か月ほど入院しました。現在も、週2回、通院治療をつづけています。
が、見舞いに来たのは、この1年間で、親戚の中では、いとこの男性、1人だけです。私
の息子も、「ぜったいに見舞いに、行かない」と、がんばっています。それについて兄は、
「冷たい」とか、「水臭い」とか言って、怒っています。

まるで自分のことがわかっていない。そんな兄が、あわれです。私は高卒で、そういうこ
ともあって、いまだに私を、子分か何かのように使います。私の家が、兄の家(=私の実
家)と近いこともあって、私を車の運転手くらいにしか考えていないようです。どうした
ら、よいですか?

【はやし浩司より、Aさんへ】

 この問題は、私たちの年代のものにとっては、深刻な問題のひとつです。よく「定年退
職したら、過去の経歴をすべて捨てよ」と言います。それはそのとおりで、それを引きず
っていたら、再就職もままなりません。

 しかし経歴を捨てることができない人が多いのも、事実です。とくに有名大学を出たあ
と、高い役職についた人ほど、そうです。みなにチヤホヤされるうち、自分を見失ってし
まうのですね。それこそ80歳とか90歳とか、死ぬまで、過去の経歴を引きずって生き
ていきます。

 こういうケースでは、過去の経歴を否定するということは、お兄さんに自己否定を迫る
ようなものです。わかりやすく言えば、お兄さんの(生きがい)をすべて、奪ってしまう
ようなことにもなりかねません。あなたの立場で、お兄さんにそれをわからせようとして
も、不可能と考えてください。

 では、どうするか?

 結局は、この問題は、その人自身の問題ということになります。だれからも相手にされ
ていないのに、それにすら気づかない。つまりは、心のさみしい人ということになります。

 少しあなたのお兄さんとは違いますが、私の実家の近くにも、似たような人がいました。
ことあるごとに、私の家にやってきては、自慢話ばかりするのです。「今月は、○○万円も
うけた」「来月は、○○万円もうける」「この町内で、私がいちばんの高額納税者だ」とか、
なんとか。
 
 そのころすでに私の実家の稼業は、斜陽の一途をたどっていました。そんな話を聞かさ
れても、楽しくありません。その人が帰るたびに、私の母などは、玄関先に、塩をまいて
いました。

 が、その人は、やがて多額の借金をかかえて、どこかへ夜逃げをしていきました。うわ
さによれば、株の信用取引で、多額の損を出したということです。もちろんその人に同情
する人は、私の家族も含めて、だれもいませんでした。

 いつかあなたのお兄さんも、そのさみしさに気がつくときがやってくるのでしょうか。
あるいは今、それに気がつきつつあるのかもしれませんね。が、それを認めることは、先
にも書いたように、自己否定につながってしまいます。だから余計に認めるわけには、い
かない。

 あなたのお兄さんの病気には同情しますが、それについても、あなたとしてできること
は、もうほとんど、ありません。今は今で、そしてこの先も、淡々と、今までどおりの人
間関係をつづけていくしかないように思います。あなたの立場で、お兄さんにあれこれわ
からせようとか、意見を言うのは、こういうケースでは、タブーと考えてください。

 というのも、それがどういうものであれ、お兄さんはお兄さんで、懸命に生きてきた。
今も懸命に生きている。そういう(懸命さ)を感じたら、私たちは静かに引きさがるしか
ないのです。「かわいそうだな」と思いながらも、お兄さんの話を、そっと聞いてやる。そ
れでしませます。


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●1000号、後遺症

++++++++++++++++

2008年の2月4日、私の電子
マガジンが、第1000号を迎える。

それはそれとしてうれしいが、しかし
今、原稿を書く気が、ほとんど
わいてこない。

どうしてだろう?

気が抜けてしまった感じ。
誤解を与えるとまずいが、もう少し
率直に言えば、どうでもよくなって
しまった感じ。

もう少しがんばってみるが、それで
だめなら、またそのとき、考えよう。
(少し、弱気かな?)

「1000号になれば、何かが変わる
かもしれない」と思っていた。

しかし結局のところ、何も変わらなかった。
「このままこんなことをつづけていて、
何になるのか?」と、今、そんな迷いが
急速にふくらみつつある。

「文句があるなら、さっさと、やめろ!」と、
だれかが言った。

「今まで読んでやっただけでも、ありがたく思え」と、
また、だれかが言った。
そんな声も、聞こえてきそうな気がする。

本来なら、今ごろは、2月15日号用の原稿を
書いていなければならない。

しかし2月4日号すら、書いていない。
「どうしようか?」
「どうなるんだろう?」

ワイフは、「自然体でやれば」と言ってくれる。
自然体かア・・・?
そう、ここは、自然体でやるしかない。

+++++++++++++++++++

●前立腺がん

 知人が、最近、前立腺がんの手術を受けた。5ミリ前後の小さながんだったという。先
日見舞うと、表面的には、以前と変わらなかった。元気だった。しかしこう言った。

 「手術を受けたあと、こんなに不便になるとは、思っていなかった」と。

 そのときすでに術後、1か月以上になっていた。自宅で療養していた。が、かなりの痛
みがあるらしい。「尿がパイプの外に漏れるため」と、知人は言った。パイプの外に漏れた
尿が、痛みを引き起こすらしい。それに、尿が、四六時中、外にたれ流しの状態という。
紙おむつはつけたまま。はずせるようになるのに、半年くらいかかるとのこと。

 前立腺がんには、ホルモン療法というのもある。ほかに、ラジオ・アイソトープを埋め
込んで治すという方法もある。放射線で焼くという方法は、腸に穴があくため、現在はあ
まり用いられていないらしい。

 がんには、切除という方法が、もっとも効果的ということになる。しかし切除したとた
ん、がん細胞が、全身に散るという危険性もある。(このあたりは、私という素人の意見な
ので、適当に、読み流してほしい。)

 そんなこともあって、高齢の人は、がんをそのまま温存しながら、「共存」という方法を
とることが多い。前立腺がんにしても、75歳以上の人は、手術をしないそうだ(知人の
話)。

 なお前立腺がんではないが、前立腺肥大というのであれば、50代で50%、60代で
60%、70代で70%の人がなるという説もある。小便の出が細くなったり、悪くなっ
たら、前立腺肥大を疑ってみたらよい。少し前、そう教えてくれた人がいた。(このあたり
の数字は、あくまでも伝聞なので、その範囲で、理解してほしい。)

 小便が、小便として出るだけでも、ありがたいこと。家に帰って、トイレに入った。改
めて、自分の小便をしみじみと見つめた。

(補記)(群馬大学医学部HPより)

前立腺がんには、「手術療法」、「放射線療法」、「内分泌療法(ホルモン療法)」など、さま
ざまな治療法があります。これらの治療を単独あるいは組み合わせて行います。

治療法は、がんの進行度(広がり)や悪性度、また、患者さんの全身状態、年齢などを考
えて、最適な方法を選択することになります。

主治医とよく相談の上、納得のいく治療法を選択するようにしましょう。

(補記2)(YOMIURI ONLINEより)

 前立腺がんは、高齢者に多い男性のがん。前立腺は、膀胱(ぼうこう)の下方にあり、
前立腺液を分泌するなど男性機能を支える。欧米人に多いが、日本でも高齢化や食生活の
洋風化などを背景に増えている。

 年間死者数は、8400人余り(2003年)。10年前2万人足らずだった新規患者は、
2020年には7万8000人に達するとの予測もあり、男性では胃がんを抜き、肺がん
に次いで2位になると見られる。

 読売新聞では、泌尿器手術の国の施設基準などを参考に、全国426医療機関に対し、
2004年の前立腺の治療実績をアンケートし、333施設から回答を得た(回収率7
8%)。紙面の制約から、患者数の多い約200病院を一覧にした。表は、患者数のほか、
転移のないがんについて、主たる治療が「手術」、「放射線治療」、「ホルモン単独治療」の
数を掲載した。

●血液検査で早期発見

 前立腺がんは、自覚症状が出にくく、かつては進行して骨などに転移して見つかる患者
が4割を占めた。しかし血液で調べるPSA(前立腺特異抗原)検診の普及によって、早
期で見つかるケースが急増した。早期なら10年後の生存率は90%以上とされ、手術で
も放射線治療でも良好な治療成績をあげている。

 手術は開腹のほかに、腹部に開けた数か所の穴からカメラなどを差し込んで行う腹腔(ふ
っくう)鏡手術もある。放射線では、通常の照射のほか、前立腺に針を刺して放射線を出
すカプセルを埋め込む小線源治療が一昨年から始まった。さらに、重粒子線や陽子線とい
った特殊な放射線治療や、超音波の熱を用いた試験的な治療も一部で行われている。


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●「国歌」に異論あり(Objection against the common sense of Anthem)

+++++++++++++++

英語で、「国歌」というのは、
「Anthem」という。

これは常識だが、その「Anthem」
はラテン語の、「antifoma」、また
ギリシア語の「antiphoma」に
由来する。

もともとは、「賛歌」「祝歌」(小学館
ランダムハウス大辞典)という意味である。

つまり、「祝宴で歌う、祝い歌」のこと。

が、この日本では、「国歌」と訳し、
そこに「国」という文字を入れる。

日本はそれでよいとしても、しかし、
これには、問題がある。

たとえば外国で、「これから日本の
anthemを歌います」と言って、
「君が代」を歌えば、つまりその
時点で、好むと好まざるとにかかわらず、
「天皇、もしくは天皇家を祝う歌」を
歌うことになる。

もっとわかりやすく言えば、「Japan
を祝う歌ではなく、天皇を祝う歌」を歌う
ことになるということ。

外国の人は、そう解釈する。そして
同時に、外国の人は、「日本人が、天皇
を祝っている」と、とらえる。

「君が代」の「君」については、いろいろ解釈
する人がいるようだが、「天皇」のこと
である。

また、よく「国歌は、国をたたえる歌であり、
世界の常識」と言う人がいる。

それならそれで問題は、ない。しかし
ここで、すり替えをしてはいけない。

英語でいう「Anthem」は、
「祝歌」のこと。しかも何を祝うかといえば、
「郷土」である。

「愛国心」を意味する、「Patriatism」
は、もともとは「父なる大地を愛する」という
意味である(同辞典)。

そこで異論。

どうして郷土を愛する歌に、天皇を祝う
歌を歌うのか。世界の人は、「Anthem」
というときは、郷土を愛する歌として、
それを歌う。

何も、私は、「君が代」に反対しているのでは
ない。「天皇の国、日本」と考えて、天皇家の
人たちが、「君が代」を歌うなら、まだよい。
(イギリスでは、「イギリスは、女王陛下の国」
と考えて、「God saves the Queen」を歌って
いるが……。しかし先進国の中では、例外。)

しかしこの民主主義の時代にあって、
どうして「National Anthem 
of Japan」が、「君が代」なのか。

一度、国際的な常識で、日本の国歌を
考えなおしてみることも、大切だと私は思う。
少なくとも、日本の常識は、世界の常識と、
少し、ズレている。

そのヒントとして、ここで「Anthem」という
単語を取りあげてみた。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist anthem 国歌 日本の国歌 
National Anthem of Japan)


++++++++++++++++++++++

最前線の子育て論byはやし浩司(2415)

●家康文化圏vs秀吉文化圏(Yeyasu Sphere vs Hideyoshi Sphere)

Japan is roughly devided into two big cultural spheres, one is "Yeyasu Sphere" and 
another one is "Hideyosi Sphere". For example in this Hamamatsu-city which belongs to 
Yeyasu Sphere, we never deal the prices or we buy and sell at the fixed prices. But in 
Gifu, which is away from Hamamatsu-city only two-hour-drive by car, they always deal 
the prices. This difference occurs depending on which Sphere we belong to. This simply 
means Yeyasu must have been a very honest man and on the contrary Hideyosi was not. 

+++++++++++++++

私が浜松へ来て、いちばん驚いたこと。
それは、浜松の人たちが、モノを買うとき、
値段を、値切らないこと。

すべて定価どおり。これを私が生まれ育った
岐阜のほうでは、「正札(しょうふだ)どおり」
という。

私は、当初、この(ばか正直さ)(失礼!)に
驚いた。

ワイフともよく口論した。「どうして値切らないのか?」と。

一方、岐阜のほうでは、値切るのが当たり前。
1000円のモノを、1000円で買う人はいない。
「800円でどう?」とか、ばあいによっては、
「いくらになる?」(=いくら、安くしてもらえるか)
とか聞く。

あるいは駆け引きをする。

1個1000円であれば、「2個で、1500円でどう?」と
声をかける。
売り手がしぶっていたら、すかさず、「じゃあ、3個で、2000円」
と、切り返す。

同じ日本でありながら、しかも、距離は、それほど離れていない。
今では、車で、2時間足らずで行き来できる。

なぜか? どうしてこうまで、ちがうのか?

私はこれを、「家康文化圏」と、「秀吉文化圏」のちがいと、
判断している。

家康という人は、実直な人だったらしい。
一方、秀吉という人は、小ズルイ人だったらしい。

その逆と考えてもよい。

つまり家康は、こういう風土の中で生まれ育ったので、
実直な人になった。

一方、秀吉という人は、ああいう風土の中で生まれ育ったので、
ああいう人になった。
「ああいう人」というのは、ああいう人をいう。

(これ以上書くと、関西の人たちに袋田叩きにあうので、
ここでは書けない。)

岐阜という地方は、名古屋文化圏の中にありながら、
実際には、大阪文化圏に属する。

一方、この浜松という地方は、名古屋文化圏のほうが
近いにもかかわらず、東京文化圏に属する。

では、織田信長が生まれた名古屋文化圏は、どうか。

しかし織田信長という人は、信長文化圏という
文化圏をつくるほどの力はなかった。
やることなすこと、どこかメチャメチャ。
「文化圏」を作るには、それなりの人物でなければ
ならない。

はっきり言えば、織田信長には、その力はなかった。
信長は、パツと咲いて、パッと散った。
だから、どこか、中途半端。

家康文化圏でもないし、秀吉文化圏でもない。
最近でこそ、TOYOTAの力で、勢いを増しているが、
それ以前はというと、「文化のない町」、それが
名古屋だった。

……というような、あまり意味のないことを、
今朝は考えている。

社会学的には興味深いが、しかしこの程度のことなら、
もうどこかのだれかが調べているにちがいない。

だからこの話は、ここまで。

+++++++++++++++++++

●世界恐慌(World Economic Depression)

Stock prices have been falling down these few days. Is this the beginning of the end of 
USA? Whenever I go to USA, I am surprised to see big houses, or so-called mansions 
which we can seldom see in Japan. I just wondered why American can enjoy such a high 
standard of life though the evarage working hours are much less than those of 
Japanese. 
Sub-prime issue, which is now the biggest economic problems, is the result.
 
+++++++++++++

世界恐慌が、ますます現実味を帯びてきた。
株価は、連日、棒下げに近い状態になっている。
しかしこうなることは、わかっていた。

私は、すでに2000年ごろ、こう書いていた。
「アメリカ経済があぶない」と。

そしてアメリカへ行くたびに、ワイフに
こう言った。

「こんなバカな生活ができるほうが、
おかしい」「毎月30万円しか稼げない人が、
60万円の生活をしている」と。

アメリカ人の労働時間は、日本人のそれより
はるかに短い。その短いアメリカ人たちが、
日本人には考えられないほど、大きく、
立派な家に住んでいる。

日本ではめったに見ない大豪邸が、
場所によっては、ズラズラと並んでいる。

しかも、だ。どの部屋も、煌々(こうこう)と、
明かりがついている。家、丸ごとの冷暖房にしても、
アメリカでは常識。

(日本人のようにチマチマとした冷暖房など、
していないぞ!)

「どうしてあんな生活ができるのか?」、
……という疑問が、こんどのサブプライム問題と
直結している。

つまりその分だけ、この問題の根は深く、大きい。

で、アメリカ政府は、3兆円(日本円で換算)とか、
10兆円とかいう、日本で言う「財政緊急投融資」
(=お金のバラマキ)を始めた。

しかしこんな額ですむような話ではない。

日本のばあい、バブル崩壊直後ですら、30兆円規模の、
緊急投融資をしている。

で、昨日(1月16日)の経済紙を読むと、アメリカの
シティ銀行が、1兆円〜の損失があったとか、なかったとか。

しかしこれも、そんな額ですむはずがない。

日本のばあい、あの債券信用銀行だけですら、4兆円もの
穴があいた。

これらは、すべて税金で穴埋めされたが、アメリカ政府の
動きは、どうも鈍い。言いかえると、アメリカ政府ですら、
身動きが取れない状態と考えてよい。

つまり首が回らなくなった。

ゆいいつの頼みの綱は、中国であり、インドであり、
EUということになる。

日本の経済は、中国特需によって救われた。
今回も、そうなりそうだが、これを機会に、
従来のアメリカ一国主義が、世界全体に分散する
ことになる。

とは言っても、日本も、相当の被害を被ることになる。

覚悟しておこう!


Hiroshi Hayashi++++++++JAN 08++++++++++はやし浩司

●メガ・チューズディー(Mega Tuesday)

Feb. 5th is coming soon when which one of them would de decided to be the next 
President of USA, between Barack Obama and Hilary R. Clinton. 

++++++++++++++++

アメリカ史上初の、黒人大統領が生まれるか。
それとも、アメリカ史上初の、女性大統領が
生まれるか。

その結果が、まもなくわかる。

2月5日、火曜日!

この日、アメリカの20州以上の予備選挙
が集中する。
このマガジンが発行されるころには、
その勝敗が決していることと思う。

もし、Barack Obama氏が勝てば、
アメリカ史上初の、黒人大統領誕生と
いうことになる。

もし、Hillary R. Clinton氏が勝てば、
アメリカ史上初の、女性大統領誕生と
いうことになる。

では、ブッシュ現大統領が率いる共和党
はどうかというと、今回の大統領選挙では、
お呼びではない。

ブッシュ大統領の支持率は、20%台。
06年11月の予備選挙では、民主党が
圧勝。上院、下院ともに、民主党が多数党
となっている。

この流れは、もう変わらない。つまり
Obama氏が勝つか、Clinton氏が勝つか、
それで次期大統領が決まる。

が、Clinton氏についてはよく知っているが、
Obama氏についての情報は、ほとんどない。

父親はケニア人。母親は白人。1961年
生まれ。弁護士。2004年、上院議員に当選。

報道によれば、今のところ、互角だという。

こういう言い方は不適切かもしれないが、
日本にとっては、Obama氏のほうが、好ましい
かもしれない。

若い分だけ、思考に柔軟性がある。
一方、Clinton氏は、NK問題についても、
かねてより、「米朝平和条約を結ぶ」と公言して
いる。

もしそうなれば、日本は、アメリカという後ろ盾
を失うことになる。(すでに、失ったも同然の
状態だが……。)

悲しいかな、今の日本には、NK国や、韓国、
それに中国と、対等に渡り合えるような外交能力はない。
拉致問題ひとつみても、それがわかる。

たぶんObama氏も、同じような路線を打ち出して
くるだろうが……。

しかし現在のライス国務長官をみてもわかるように、
黒人だから、黄色人種の私たちに好意的と考えるのは、
早計である。

人種問題、その底流を支える人種意識は、私たちが
考えているほど、単純なものではない。


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子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 11日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

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子育て最前線の育児論byはやし浩司(Eマガ)……読者数(Nr. of Readers) XXX人
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How to cope with Kids at Home, by Hiroshi Hayashi
    Digital Magazine for Parents who are bringing up Children in the Forefront Line
☆===================☆==================

★★★★★★★★★★★★★★
02−9−10号(106)
★★★★★★★★★★★★★★
by はやし浩司(ひろし), Hiroshi Hayashi
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
キーワードは、C,X,I(シー・エクス・アイ)Private Cornerへのキーワードです!
Key Words to Private Room in my Website are, C-X-I
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●愛知県豊田町にて講演会をもちます。よろしかったらおいでください。
   9月26日(木) 豊田産業文化センター 午前9:30〜12:00
        主催  豊田市立幼稚園PTA連絡協議会
●愛知県尾張旭市にて、講演会をもちます。よろしかったらおいでください。
   11月14日(木)スカイワードアサヒ 午前10時〜12時
        主催  尾張旭市教育委員会
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みなさんへ、
●「子育てワンポイント」の、1〜600作を、
  一枚のCD(MS・ワード版)に収めました。
  ご希望の方に、1枚1000円でお分けします。(郵送料込み)です。
  詳しくは、このマガジンの末尾をご覧ください。

     匚二コ/
     彡彡ミ ♪♪♪ 
    ⊂OJO⊃
     \▽丿
≡    /く\
    (─〈\◯⊃
≡  ==\\==○
  / ̄\//\/ ̄\
≡ 〈《◎》∨二〈《◎》〉
  \_/   \_/自転車で、今日も健康!
        皆で乗ろう、自転車!  はやし浩司
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【お詫び】
子育てワンポイントをお申し込みくださった方へ
こちらの不手際で、ご住所とお名前を紛失してしまいました。
申し訳ありませんが、もう一度、お申し込みいただけないでしょうか。
(郵便番号)(ご住所)(お名前)をお知らせくださればうれしいです。
本当に申し訳ありませんでした。
     bwhayashi@vcs.wbs.ne.jp
(8月15日以後、お申し込みくださった方は、結構です。)
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みなさんへ、いつも、このマガジンを購読してくださり
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
●Hello, my friends overseas!
  From this edition on, my magazine is translated into English
  for your convenience. I hope you may enjoy this magazine 
  in your home country. Hiroshi
Hiroshi Hayashi, Japan■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

メニュー
今日のテーマ、「分離不安」(Seperation Anxiety)

【1】世界の子育て格言(Words of Wisdom) 
【2】あなたの子育てだいじょうぶ?(How to cope with Kids at home)
【3】分離不安ほか(Seperation Anxiety) 
【4】随筆(Essays)
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   / ̄\ ⊂⌒⌒⊃ 
⊂⌒⌒⊃  |  ⊂〜⊃
 ⊂⊃\_/       _ _
        ◯    / /⊃)
 __    ◯◯  (∂∂)
(⊂\\  ◯◯◯   γ \
 (θθ)┏━━━┓ (   σ
/ γ  ┗┓◯┏┛  ζ ζ
δ   )  ┃ ┃
  η η   ┗⌒┛
【1】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
(よいこのくに(学研)付録、母のくにの巻頭言用に書いた原稿より、転載)
++++++++++++++++++++++++++++++++++
三つほめて、二つ叱ってよき人となせ

名言から学ぶ子育て

かわいくば、五つ数えて三つほめ、二つ叱って良き人となせ。(二宮尊徳)

1787ー1856、江戸時代後期の農政家。農村復興の指導者。通称、二宮金次郎の名
で知られる。

++++++++++++++++++++

 子どもの価値観にまで干渉するお母さんがいます。その典型的な過干渉型ママの会話。
本屋さんで、子どもと絵本を選んでいた時のことです。お母さんは子どもが持ってくる本
を、次々と本棚へ戻しながら…。

「この本はよくないわ。あのあたりの本にしなさい。わかった!あそこから選ぶのよ。…
そうじゃないのよ。その本よ。ちがうわ、ちゃんと自分で選んでごらん。そうそう、その
本よ、それよ。それを選んでごらん」と。

 あるいは先生が子どもに、「夏休みはどこへ行ってきたのかな」と声をかけると、横に
立っていたお母さんが、「おばあちゃんの家へ行ってきたのよね。だったら、そう言って
ごらん。黙っていたらわからないでしょ。楽しかったわね。だったら楽しかったと言って
ごらん」と。

 お母さんが過干渉になる背景には、子どもへの根強い不信感があります。さらにその原
因は何かというと、子育てに対する不安感です。(うちの子は何をしても心配だ)という
不安感が、お母さんを過干渉型ママにします。長男、長女に、過干渉児が多いのはそのた
めです。もしそうであれば、お母さんはお母さん自身の心をつくり変えます。でないと、
(不安)→(過干渉)→(不安)の悪循環の中で、子どもはますます覇気のない子どもに
なってしまいます。ひどい場合には、子どもの性格そのものが萎縮することもあります。

 なおす方法は簡単です。子どもをまずほめること。最初は嘘でもかまいません。子ども
が何をしても、ほめるようにします。欠点を見つけたら、なおさらほめるようにします。
たとえば鉄棒が思うようにできないようであれば、「あなたはこの前よりじょうずにでき
るようになったわね」と。こうした前向きな姿勢が、やがてお母さんの心をつくりかえ、
結果として子どもを伸ばします。

 子育ての要は、二宮尊徳が言うように、ほめ方と、叱り方にあります。そしてそのバラ
ンスはと言えば、二宮尊徳が言うように、三つほめ、二つ叱るぐらいがよいのです。具体
的には、『ほめて、叱って、ほめて仕上げる』です。特に幼児は叱りっぱなしにしてはい
けません。叱ったら、必ずその後で、「ほら、あなたはちゃんとできるじゃない。あなた
はいい子だから」と、ほめて仕上げます。叱りっぱなしにすれば、子どもは自信をなくし、
自らを悪い方向へ追いやってしまいます。さらに、「あなたはやっぱりダメな子ね」式の、
人格攻撃は、タブー中のタブーです。

 ただしほめるといっても、子どもの努力や、やさしさにとどめます。頭のよさについて
は、ほめてよい場合とそうでない場合がありますから、慎重にします。子どもの顔やスタ
イルについては、ほめないこと。後々、そちらばかりに関心が移ってしまうということに、
なりかねません。

   ハ ハ   ((⌒⌒〃ヽ  ♪
   (  ⌒ヽ  ((( ( 人 )
   γ ρρ   │σ σ ρ )
   γ   ⌒ρ 人 ▽ 〃ノ )
   人   υ ( `) (  )
    ┗━┛   /⌒V ⌒ヽ)
   ノ  ミ   / (^^^) ヽ
  (   m m ○/ ̄ ̄ ̄ヽ○
【2】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
あなたの子育てを診断します。
+++++++++++++++++++++

友情

Q あなたの子どもがまだ、ヨチヨチ歩きをしていたころのことを、思い出してみてくだ
さい。あなたはあなたの子どもと、どのように歩いていましたか。

(1)いつも子どもの前を、ぐいぐいと手を引きながら歩いていたように思う。
(2)いつも子どものうしろを歩いていたように思う。
(3)いつも子どもの横を、子どもの歩調にあわせて歩いていたように思う。

A 昔、オーストラリアの友人がこう言った。「親には三つの役目がある。親は、ガイド
として子どもの前を歩く。保護者として子どものうしろを歩く。そして友として子どもの
横を歩く」と。日本人は、子どもの前やうしろを歩くのは得意だが、友として横を歩くの
がヘタ。「私は親だ」という親意識が強い人ほど、子どもの前をぐいぐいと手を引きなが
ら歩く。おけいこごとでも、勉強でも、何でも親が先に決め、子どもに従わせる。また保
護意識が悪いわけではないが、その意識が強すぎると、過保護になり、子どもをひ弱で自
立できない子どもにしてしまう。

 大切なことは、子どもの友として、子どもといっしょに歩くこと。英語国では、親子で
も、「パパはぼくに何をしてほしい?」「お前は、パパに何をしてほしい?」と聞きあっ
ている。そういう謙虚さが、親子の絆を太くする。

 ついでながらイギリスには、こんな格言がある。『子どもには釣竿を買ってあげるより、
いっしょに釣りにいけ』と。子どもの心をつかみたかったら、子どもの友になる。モノや
お金ではない。日本人は、より高価なものを子どもに買い与えることで、子どもの心をつ
かんだハズと考えやすいが、これはまったくの誤解。あるいは逆効果。モノやお金で、子
どもの心をつかむことはできない。(正解(3))

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


親意識

Q 子どもと言い争いになったとき、あなたの子どもが、あなたに向かって、やや本気で、
「バカヤロー!」と言ったとします。そのとき、あなたは……

(1)日常的に口が悪いことはわかっているので、まったく気にしない。
(2)一応たしなめながらも、気にせず、子どもと冷静に言い争うことができる。
(3)親に向かって暴言を吐くというのは、自分の子どもでも許せない。

A 「私は親だ」という意識を「親意識」という。たとえば子どもに対して、「産んでや
った」「育ててやった」と考える人は多い。さらに子どもをモノのように考えている人さ
えいる。ある女性(六〇歳)は私に会うとこう言った。「親なんてさみしいものですね。
息子は横浜の嫁に取られてしまいました」と。息子が結婚して横浜に住んでいることを、
その女性は「取られた」というのだ。日本人はこの親意識が、欧米の人とくらべても、ダ
ントツに強い。長く続いた封建制度が、こうした日本人独特の親意識を育てたとも考えら
れる。

 この親意識が強ければ強いほど、子どもにとっては居心地の悪い世界になる。が、それ
だけではすまない。子どもは親の前では仮面をかぶるようになり、そのかぶった分だけ、
心を隠す。親は親で子どもの心をつかめなくなる。そしてそれが互いの間に大きなキレツ
を入れることになる。

昔は「控えおろう!」と、三つ葉葵の紋章か何かを見せれば、人はひれ伏したが、今はそ
ういう時代ではない。親が親風を吹かせば吹かすほど、子どもの心は親から離れる。この
テストで(3)を選んだ人は、あなたというより、あなたが育った環境に原因があるとみ
てよい。あなた自身も、その権威主義的な家庭環境で育てられているはずである。(正解
(2))

     /⌒⌒^\
     (λハハλ ヽ ♪♪
     ))∂ ∂)) )
    (|^ c  ( (
    )人 v  )し
     _>−−<
    /†_____†ヽ//   食欲の秋です!
    ( ('    ξヽ
  ┏ ||   o//\) )(
 --□---`○_oOO%__------凵---
【3】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
子育て随筆byはやし浩司
+++++++++++++
子育て随筆byはやし浩司

ダイエット

 少し油断すると、体重があっという間に七〇キロ近くにまでなってしまう。で、気がつ
くたびに、今度はダイエット。こんなことを数年おきに繰り返して、もう一五年になる。
 私のダイエット法は、食事を減らすという単純な方法。しかしそのまま減らすと、抵抗
力が落ちるのか、結膜炎など、皮膚病にかかりやすくなる。そこで栄養だけは、別の方法
で補給する。私がよく口にするのは、カロリーメイト(大塚製薬株式会社製)と、アミノ
バイタル(味の素株式会社製)。あとは、栄養ドリンク剤とビタミン剤など。食事はライ
スを減らし、サラダを多くする。この方法を続けると、一か月ほどで、適正体重の六五キ
ロ前後にまでもどる。

 が、問題がないわけではない。私はもともと血圧が低いので、ダイエットをし始めると、
血圧がさがってしまう。上が一〇〇以下、下が六〇前後になることもある。そうなると今
度は、頭が働かなくなる。どこかボンヤリとしてしまう。そこでダイエット中は、水分を
多量に補給する。昼間だけで、二リットル入りのウーロン茶を、二本ほど飲むこともある
(計四リットル!)。夏場はとくに飲む。飲んでいないと、頭がすぐボーッとしてしまう。

 今、この原稿を書いている日(九月二日)は、体重が六四・五キロ。すこぶる調子はよ
い。軽い感じがする。自転車に乗っていても、全身で体をくねらせながら、ペダルをこぐ
ような感じ。だからますます調子がよくなる。そういう今の状態からみると、体重が七〇
キロ(最高で七二・五キロ)前後だったころの自分が、何とムダなことをしていたかと思
う。食べては寝るだけ。体が重いから、運動もしない。そしてまた食べる……。その繰り
かえし。

 もっとも本当のところは、今の体重でも、ギリギリ適正体重というところ。計算すると、
もう二、三キロやせなくてはならない。年齢を考えると、もう四、五キロというところか。
あまり急激にやせると、みなが心配するので、しばらくはこのままの体重をキープして、
しばらくしてから、つぎのダイエットに移るつもり。
(02−9−2)

参考++++++++++++++++++++++++

(適正体重計算……BM標準体重計算法)

   BM=(体重)÷(身長)÷(身長)   

     40以上   ……肥満(4度)
     35〜40  ……肥満(3度)
     30〜35  ……肥満(2度)
     25〜30  ……肥満(1度)
     18・5〜25……正常値
     〜18・5以下……やせ

 (注、身長はメートル単位。私は166センチだから、1・66となる。)
この計算式でいくと、私は24ということになり、一応、適正体重ということになる。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

子どもが恐怖症になるとき

●九死に一生

 先日私は、交通事故で、あやうく死にかけた。九死に一生とは、まさにあのこと。今、
こうして文を書いているのが、不思議なくらいだ。が、それはそれとして、そのあと、妙
な現象が現れた。夜、自転車に乗っていたのだが、すれ違う自動車が、すべて私に向かっ
て走ってくるように感じた。私は少し走っては自転車からおり、少し走ってはまた、自転
車からおりた。こわかった……。恐怖症である。子どもはふとしたきっかけで、この恐怖
症になりやすい。

 たとえば以前、『学校の怪談』というドラマがはやったことがある。そのとき「小学校
へ行きたくない」と言う園児が続出した。あるいは私の住む家の近くの湖で水死体があが
ったことがある。その直後から、その近くの小学校でも、「こわいから学校へ行きたくな
い」という子どもが続出した。これは単なる恐怖心だが、それが高じて、精神面、身体面
に影響が出ることがある。それが恐怖症だが、この恐怖症は子どものばあい、何に対して
恐怖心をいだくかによって、ふつう、次の三つに分けて考える。

(1)対人(集団)恐怖症……子ども、とくに幼児のばあい、新しい人の出会いや環境
に、
ある程度の警戒心をもつことは、むしろ正常な反応とみる。知恵の発達がおくれぎ
みの子どもや、注意力が欠如している子どもほど、周囲に対して、無警戒、無頓着
で、はじめて行ったような場所でも、わがもの顔で騒いだりする。が、反対にその
警戒心が、一定の限度を超えると、人前に出ると、声が出なくなる(失語症)、顔
が赤くなる(赤面症)、冷や汗をかく、幼稚園や学校がこわくて行けなくなる(学
校恐怖症)などの症状が表れる。さらに症状がこじれると、外出できない、人と会
えない、人と話せないなどの症状が表れることもある。

(2)場面恐怖症……その場面になると、極度の緊張状態になることをいう。エレベー

ーに乗れない(閉所恐怖症)、鉄棒に登れない(高所恐怖症)などがある。これは
ある子ども(小一男児)のケースだが、毎朝学校へ行く時刻になると、いつもメソ
メソし始めるという。親から相談があったので調べてみると、原因はどうやら学校
へ行くとちゅうにある、トンネルらしいということがわかった。その子どもは閉所
恐怖症だった。実は私も子どものころ、暗いトイレでは用を足すことができなかっ
た。それと関係があるかどうかは知らないが、今でも窮屈なトンネルなどに入った
りすると、ぞっとするような恐怖感を覚える。

(3)そのほかの恐怖症……動物や虫をこわがる(動物恐怖症)、死や幽霊、お化けを

わがる、先のとがったものをこわがる(先端恐怖症)などもある。何かのお面をか
ぶって見せただけで、ワーッと泣き出す「お面恐怖症」の子どもは、一五人に一人
はいる(年中児)。ただ子どものばあい、恐怖症といってもばくぜんとしたもので
あり、問いただしてもなかなか原因がわからないことが多い。また症状も、そのと
き出るというよりも、その前後に出ることが多い。これも私のことだが、私は三〇
歳になる少し前、羽田空港で飛行機事故を経験した。そのためそれ以来、ひどい飛
行機恐怖症になってしまった。何とか飛行機には乗ることはできるが、いつも現地
ではひどい不眠症になってしまう。「生きて帰れるだろうか」という不安が不眠症
の原因になる。また一度恐怖症になると、その恐怖症はそのつど姿を変えていろい
ろな症状となって表れる。高所恐怖症になったり、閉所恐怖症になったりする。脳
の中にそういう回路(パターン)ができるためと考えるとわかりやすい。私のケー
スでは、幼いころの閉所恐怖症が飛行機恐怖症になり、そして今回の自動車恐怖症
となったと考えられる。

●忘れるのが一番

 子ども自身の力でコントロールできないから、恐怖症という。そのため説教したり、叱
っても意味がない。一般に「心」の問題は、一年単位、二年単位で考える。子どもの立場
で、子どもの視点で、子どもの心を考える。無理な誘導や強引な押しつけは、タブー。無
理をすればするほど、逆効果。ますます子どもはものごとをこわがるようになる。いわば
心が熱を出したと思い、できるだけそのことを忘れさせるようにする。症状だけをみると、
神経症と区別がつきにくい。私のときも、その事故から数日間は、車の速度が五〇キロ前
後を超えると、目が回るような状態になってしまった。「気のせいだ」とはわかっていて
も、あとで見ると、手のひらがびっしょりと汗をかいていた。が、少しずつ自分をスピー
ドに慣れさせ、何度も自分に、「こわくない」と言いきかせることで、克服することがで
きた。いや、今でもときどき、あのときの模様を思い出すと、夜中でも興奮状態になって
しまう。恐怖症というのはそういうもので、自分の理性や道理ではどうにもならない。そ
ういう前提で、子どもの恐怖症には対処する。

(付記)
●不登校と怠学

不登校は広い意味で、恐怖症(対人恐怖症など)の一つと考えられているが、恐怖症とは
区別する。この不登校のうち、行為障害に近い不登校を怠学という。うつ病の一つと考え
る学者もいる。不安障害(不安神経症)が、その根底にあって、不登校の原因となると考
えるとわかりやすい。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

子どもの分離不安を考える法

子どもが分離不安になるとき

●親子のきずなに感動した!?    
 
 ある女性週刊誌の子育てコラム欄に、こんな手記が載っていた。日本でもよく知られた
コラムニストの書いたものだが、いわく、「うちの娘(三歳)をはじめて幼稚園へ連れて
いったときのこと。娘ははげしく泣きじゃくり、私との別れに抵抗した。私はそれを見て、
親子の絆の深さに感動した」と。そのコラムニストは、ワーワーと泣き叫ぶ子どもを見て、
「親子の絆の深さ」に感動したと言うのだ。とんでもない! ほかにもあれこれ症状が書
かれていたが、それはまさしく分離不安の症状。「別れをつらがって泣く子どもの姿」で
は、ない。

●分離不安は不安発作

 分離不安。親の姿が見えなくなると、発作的に混乱して、泣き叫んだり暴れたりする。
大声をあげて泣き叫ぶタイプ(プラス型)と、思考そのものが混乱状態になり、オドオド
するタイプ(マイナス型)に分けて考える。似たようなタイプの子どもに、単独では行動
ができない子ども(孤立恐怖)もいるが、それはともかくも、分離不安の子どもは多い。
四〜六歳児についていうなら、一五〜二〇人に一人くらいの割合で経験する。親が子ども
の見える範囲内にいるうちは、静かに落ちついている。が、親の姿が見えなくなったとた
ん、ギャーッと、ものすごい声をはりあげて、そのあとを追いかけたりする。

●過去に何らかの事件

 原因は……、というより、分離不安の子どもをみていくと、必ずといってよいほど、そ
のきっかけとなった事件が、過去にあるのがわかる。はげしい家庭内騒動、離婚騒動など。
母親が病気で入院したことや、置き去り、迷子を経験して、分離不安になった子どももい
る。さらには育児拒否、冷淡、無視、親の暴力、下の子どもが生まれたことが引き金とな
った例もある。子どもの側からみて、「捨てられるのでは……」という被害妄想が、分離
不安の原因と考えるとわかりやすい。無意識下で起こる現象であるため、叱ったりしても
意味がない。表面的な症状だけを見て、「集団生活になれていないため」とか、「わがま
ま」とか考える人もいるが、無理をすればかえって症状をこじらせてしまう。いや、実際
には無理に引き離せば混乱状態になるものの、しばらくするとやがて静かに収まることが
多い。しかしそれで分離不安がなおるのではない。「もぐる」のである。一度キズついた
心は、そんなに簡単になおらない。この分離不安についても、そのつど繰り返し症状が表
れる。

●鉄則は無理をしない

 こうした症状が出てきたら、鉄則はただ一つ。無理をしない。その場ではやさしくてい
ねいに説得を繰り返す。まさに根気との勝負ということになるが、これが難しい。現場で、
そういう親子を観察すると、たいてい親のほうが短気で、顔をしかめて子どもを叱ったり、
怒ったりしているのがわかる。「いいかげんにしなさい」「私はもう行きますからね!」
と。こういう親子のリズムの乱れが、症状を悪化させる。子どもはますます強く被害妄想
をもつようになる。分離不安を神経症の一つに分類している学者も多い(牧田清志氏ほか)。

 分離不安は四〜五歳をピークとして、症状は急速に収まっていく。しかしここに書いた
ように、一度キズついた心は、簡単にはなおらない。ある母親はこう言った。「今でも、
夫の帰宅が予定より遅くなっただけで、言いようのない不安発作に襲われます」と。姿や
形を変えて、おとなになってからも症状が表れることがある。

(付記)

●分離不安は小児うつ病?

子どもは離乳期に入ると、母親から身体的に分離し始め、父親や周囲の者との心理的つな
がりを求めるようになる。自我の芽生え、自立心、道徳的善悪の意識などがこの時期に始
まる。そしてさらに三歳前後になると、母親から心理的にも分離しようとするが、この時
期に、母子の間に問題があると、この心理的分離がスムーズにいかず、分離不安を起こす
と考えられている(クラウスほか)。小児うつ病の一形態と考える学者も多い。症状がこ
じれると、慢性的な発熱、情緒不安症状、さらには神経症による諸症状を示すこともある。

   /⌒⌒^ヽ ♪♪♪
  / 八))))ハ
  | | ー ー||(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  | | ・ ・||( どうせ子育てするなら、楽しみましょう!       )
  | |"   )||(____________________       )
  | |  o 丿|。o
  |川|`ー-イ川
【4】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

分離不安について、考えてみました
+++++++++++++++++
分離不安(Seperation Anxiety)

ある母親から

「明日9月1日から2学期がはじまるのですが、
うちの子(年少児)は親から離れられず困っています。
1学期も離れると大泣きして離れられませんでした。
どうしたらできるようになるのでしょうか?」
(東京板橋区・UYより)

++++++++++++++++++++++++++

 母親は新生児を愛し、いつくしむ。これを愛着行動(attachment)という。これはよく
知られた現象だが、最近の研究では、新生児の側からも、母親に「働きかけ行動」がある
ことがわかってきた(イギリス、ボウルビー、ケンネルほか)。こうした母子間の相互作
用が、新生児の発育には必要不可欠であり、それが阻害されると、子どもには顕著な情緒
的、精神的欠陥が現れる。その一例が、「人見知り」。

 子どもは生後六か月前後から、一年数か月にかけて、人見知りするという特異な症状を
示す。一種の恐怖反応で、見知らぬ人に近寄られたり、抱かれたりすると、それをこばん
だり、拒否したりする。しかしこの段階で、母子間の相互作用が不完全であったり、それ
が何らの理由で阻害されると、「依存うつ型」に似た症状を示すことも知られている。基
本的には、母子間の分離不安(separation anxiety)は、こうした背景があって、それが
置き去り、迷子、育児拒否的な行為(子どもの誤解によるものも含む)などがきっかけに
よって起こると考えられる。

 分離不安は、私の経験でも、年中児(満五歳児)、年長児(満六歳児)で、一五〜二〇
人に一人程度の割合で起こることがわかっている。症状にも軽重があり、また発症する場
所などもそれぞれで、この数字は、あくまでも推計である。親の顔や姿が見えなくなった
だけで、ギャーッとものすごい形相で追いかける子どももいれば、待ち合い場所に母親が
現れなかったときなどに混乱状態になる子どももいる。

 症状は、(1)突発的に興奮状態になり、攻撃的に親のあとを追いかけるプラス型、(2)
混乱状態になり、オドオドとしたり、サメザメと泣くマイナス型に分けて考える。全体に
半々と私は見ている。

 対処方法は、子どもの恐怖症に準じて、対処する。無理をしても意味がない。無理をす
れば、かえって恐怖心を増長させ、症状をこじらせる。そのこじらせた分だけ、立ちなお
りが遅れる。また強い指示を与えて、子どもにきびしく接すると、一時的に症状が消えた
ように見えることがある(仮面治癒)。しかし症状が消えても、治ったわけではない。症
状が、子どもの心の奥にもぐったとみる。恐怖症と同じように、簡単には治らない。ばあ
いによっては、数年単位で経過と様子をみる。自意識が発達し、セルフコントロールでき
るようになると、分離不安による表面的な症状は、急速に消失する。その時期は満六歳以
後とみる。

 恐怖症もそうだが、この分離不安による発作的症状は、おとなになってからも残ること
が多い。ある女性(四〇歳)はこう言った。「今でも夫の帰りが、少し遅くなっただけで、
言いようのない不安感に襲われます」と。分離不安というのは、そういうもの。
(02−9−1)※

+++++++
追記

分離不安になったら、治そうという考えは捨て、できるだけ子どもと行動をともにする。
家庭では絶対的な安心感(疑いをいだかない安心感)を与えることに注意する。Ca、Mgの
多い食生活にこころがけるだけでも、興奮状態はかなり軽減されるので、食生活を改善す
ることも忘れてはならない。

親が子育てで失敗しておきながら、子どもを治すという発想は、親の身勝手でしかない。
そういう視点で、この問題はみること。泣き叫んで幼稚園へ行くのを拒否するようであれ
ば、行かなければよい。「行かねばならない」という、発想を修正する。が、どうしても
行かせたいなら、一緒に幼稚園へ行けばよい。幼稚園の先生によっては、「集団に慣れさ
せます」とか言って、無理に引き離し、無理に子どもたちの中に入れようとする先生もい
る。そういうときは事情をていねいに話し、ほかの子ども以上に、心温かいケアを頼むよ
うにする。とにかく無理をしないが、原則である。繰り返すが、一度キズついた心はそん
なに簡単には治らない。またそのキズは、何らかの形で、一生残る。決して安易に考えて
はいけない。

      ミ ( ⌒⌒ ) 彡♪♪♪♪
      ∞((((( )∞
      │6 6 b
      (" 。 "人
     ヽ ̄ ̄ヽ/ ̄ ̄ ̄ヽ
     ○  ヽ ABC ○
   ̄ ̄ ̄ヽ  ヽ    ヽ ̄ ̄ ̄読書の秋です! はやし浩司の本を読みましょう!
       ̄ ̄ ̄ヽ/ ̄ ̄ ̄
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■Hiroshi Hayashi, Japan
【講演会のお知らせ】
各地で講演会をもちます。詳しくはサイトのニュースを
ご覧ください。
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/→「ニュース」です。
2・20  ……内野小学校
1・19  ……浜松市医療センター
11・29 ……砂丘小学校
11・21 ……北浜南小学校
11・14 ……愛知県尾張旭市教育委員会・スカイワードアサヒ(10時〜12時)
10・30 ……五島小学校
10・17 ……島田市立第四保育園
10・10 ……富士市、田子浦小学校(中学校)
9・26  ……愛知県豊田市立幼稚園PTA連絡協議会
9・11  ……蜆塚幼稚園
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静岡県教育委員会発行雑誌「ファミリス」での連載が、2002年度も続くことに
なりました。どうか、ご購読くださいますよう、心からお願いします。全力をあげて
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みなさんへ、いつも、このマガジンを購読してくださり
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
●Hello, my friends overseas!
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  以上、コマーシャルばかりで、すみません! よろしくお願いします!
           ツ  <<
      >> / \  <
    >>  /   \ <<
  >>>   |____|
 >>>  ツ  \∴∵∴/  <<<  また次号をよろしくお願いします!
 >>> / \   ̄ ̄ ̄  <<<     See you again in the next magazine!
>>> /   \ <<<
>>>|____| <<<
 >> \∴∵∴/ <<<
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(イラストは、パナソニックパソコン付録のフリーソフトを転用しました。)


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メニュー
今日のテーマ、子どもの居場所(Can you feel your kids close to you?)

【1】あなたの子育てだいじょうぶ?(How to cope with Kids at home)
【2】子どもの居場所(Can you feel your kids close to you?)
【3】子育て随筆() 
【4】随筆(Essays)
   / ̄\ ⊂⌒⌒⊃ 
⊂⌒⌒⊃  |  ⊂〜⊃
 ⊂⊃\_/       _ _
        ◯    / /⊃)
 __    ◯◯  (∂∂)
(⊂\\  ◯◯◯   γ \
 (θθ)┏━━━┓ (   σ
/ γ  ┗┓◯┏┛  ζ ζ
δ   )  ┃ ┃
  η η   ┗⌒┛
【1】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
あなたの子育てをチェックしてみませんか?
++++++++++++++++++++++
愛情

Q 今度の誕生日に、子どもへのプレゼントとして、小さな石にペインティングしたもの
を渡してみてください。そのときあなたの子どもは……

(1)いつものように、あなたの子どもはそれを喜んでくれ、ありがとうと言う。
(2)あまり関心を示さず、「何、これ?」というような態度で、それを粗末にあつかう。
(3)いつもそのようなプレゼントを渡すのが我が家の習慣になっている。

+++++++++++++++++++++++++

A 外国では、「家族どうしのプレゼントは、買ったものはダメ」というハウス・ルール
を守っている家庭が多い。「人の心はお金やモノでは買えない」という精神が、そこにあ
る。私もときどきオーストラリアの友人宅にとめてもらうが、帰りに渡されるプレゼント
は質素なものばかりである。粘土で作ったトカゲの置物、ドライフラワーで作った壁かけ、
ガラスに絵をかいたかざりものなど。先日、アメリカ人の友人がアメリカに帰っていった
が、そのときもらったのも、石にペインティングしたものだった。実のところ、最初のこ
ろは、そういうものをもらうと、内心、「何だ、こんなもの!」と思った。しかしそう思
った私のほうが、まちがっていた!

 より高価なプレゼントであればあるほど、子どもは喜ぶハズとか、子どもは親に感謝す
るハズと考えるのは、誤解。日本人は戦後の高度成長期の中で、心の奥までお金に毒され
ているから、そのおかしさすら気づかないでいる(失礼!)。実際には逆効果で、子ども
自身はますます金銭的な物欲の世界におぼれることになる。

 ほかにも私の友人の家では、『家族はたがいをジャッジ(判断)しない』、『家族の悪
口は言わない』、『家族のプライバシーは守る』、『家族にはウソは言わない』、『家族
どうしは命令や、禁止命令はしない』などの、ハウス・ルールがあるという。参考までに。
(正解(1)(3))

     /⌒⌒^\
     (λハハλ ヽ ♪♪
     ))∂ ∂)) )
    (|^ c  ( (   高価なものを買ってあげれば、子どもは喜ぶハズと
    )人 v  )し   考えるのは、誤解。むしろ逆効果ですね。
     _>−−<      子どもの心をつかむということは、もっと
    /†_____†ヽ//     別のこと。
    ( ('    ξヽ
  ┏ ||   o//\) )(
 --□---`○_oOO%__------凵---
【2】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
あなたの家には
子どもの臭いが
ありますか?
子どもの居場所
がありますか?
園や学校は、ど
うですか?
++++++++++++++++++

子どもの臭い

 子どもは、あらゆるいたずらが好き。そのいたずらは、いわば心のユーモア。そのユー
モアが子どもを伸ばす。
そのひとつが落書き。子どもはあらゆる場所に落書きをする。私は、その子どもの落書き
には、さんざん手を焼いた。注意しても、しかっても一向に減らない。そこで方針を変え
た。

 落書きコーナーをあちこちに作った。教室で渡す私製のノートにも、落書きコーナーを
作った。ほかに机とデスクパッドの間にも、それぞれ画用紙をはさみ込み、それにも落書
きコーナーを作った。とくに効果的だったのは、ここでいう画用紙だった。一応表向きは
落書きをしてはいけないとは言っていたが、それは表向き。子どもたちは、その画用紙に
自由に落書きをした。おかげで、ほかの場所への落書きは、まったくといってよいほど、
なくなった。

 これは子どもを指導するときのコツだが、押してダメなら、思いきって引いてみる。(あ
るいはその反対でもよい。)そこで私は考えた。「〜〜をしてはダメ」と禁止命令ばかり
出していると、子どもの心は萎縮する。そこでさらに私は考えた。「子どもの臭い」。

 ずいぶん前だが、私は、不登校で悩んでいる親の家を訪れて、「おかしい」と思ったこ
とがある。大きな家で、大きな居間があったが、その居間のどこにも、子どもの臭いがし
なかった。すべてがきれいに片づいていた。が、それ以上に「アレッ」と思ったのは、子
どものものがどこにもなかったこと。ふつう子どものいる家庭では、あちこちに子どもの
ものがゴロゴロしているもの。しかしそれがない? そのときはそれで終わってしまった
が、今から思い出すと、あの家の中には、子どもの居場所がなかったのではないか。もち
ろんそれが不登校の原因とは言わないが、何らかの形で、関連していたことは、じゅうぶ
ん考えられる。

 同じように、保育園でも幼稚園でも、よい園では、子どもの臭いがプンプンする。あち
こちに子どもの残したシミのようなものがあって、それが全体として、温もりのあるもの
にする。しかし中には、まるで、どこかの病棟のように、まったく子どもの臭いのしない
園もある。すべてがピカピカに磨かれていて、落書きどころか、シミ一つ、ない。一見、
清潔で、過ごしやすく見えるかもしれないが、それは本来あるべき子どもの世界ではない。
またそういう園へ子どもをやれば……? この先は立場上、書けないが、私なら、そうい
う園へは子どもをやらない。短い期間ならともかくも、一年も二年も通わせれば、子ども
の心は、まちがいなく萎縮する。
(02−9−19)

【3】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
子育て随筆byはやし浩司
+++++++++++++
子育て随筆byはやし浩司(110)

子どもが好き?

 幼児教育をしているから、幼児が好きということにはならない。そこで私は、正直に書
く。私はある時期は、毎日、数百人の幼児に接していたことがある。今でも、いろいろな
場面で、毎日幼児と接している。そういう立場でいうと、仕事がオフのときには、幼児の
顔はできるだけ見ないようにしている。たとえば電車で旅に出たようなとき、前の席に幼
児が座ると、私は席をかえる。幼児を、ある意味で、どうしても専門的な目で見てしまう
からだ。気になってしかたない。落ちつかない。
 
 私のそういう気持ちは、たとえて言うなら、うな丼屋のオヤジのようなものではないか
と思う。浜松でも一、二を争ううな丼屋のオヤジが昔、こう言った。「私はうな丼はまっ
たく食べません」と。こんな話もある。

 浜松の郊外に、大きな医療病院がある。その病院で、外科部長をしているドクターの息
子(高校生)に英語を教えていたときのこと。私はある日、ふとその高校生にこう聞いた。
「君のお父さんは、担当の患者さんが急変したら、夜中でも病院へとんでいくのか?」と。
私は「たいへんな仕事だろうな」という気持ちで、そう聞いた。するとその高校生は、「い
いや」と。驚いて、「じゃあ、どうするのか?」と聞くと、「たいてい居留守をつかう」
と。「昼だったら、学会へ行っているとか何とか、ウソをつくこともある」とも。さらに
驚いていると、その高校生はこう言った。「もし夜中に病院へ行くようなことをしていれ
ば、翌日の手術にさしさわりがでる。手術では失敗は許されない」と。私はそこまで聞い
て、「さすが、プロだなあ」と、今度は一転、感心した。

 子ども、とくに幼児というのは、そもそも好きになる存在ではない。うるさいし、騒々
しい。私は幼児教育をして、もう三〇年以上になるが、その幼児教育でいちばんつまらな
いのは、人間関係ができないこと。その点、高校の先生や大学の先生は、うらやましい。
いわゆるおとな対おとなの関係をつくることができる。しかし幼児教育には、それがない。
ないから、教えるとしても、いつも一方的なもの。人間関係も、いつも一方的なもの。こ
の一方性が、幼児教育をつまらないものにしている。いかにその子どもで苦労をしても、
離れるときが、別れるとき。親に感謝されることはあっても、子どもの側からはない。

 さて、ここで暴露する。私も無数の幼稚園の教師や園長に会ってきたが、どの人もみな、
「私は幼児が好きです」と言う。そう言わなければ、仕事が成りたたないからだ。しかし
ここにも書いたように、「好き」ということは、ありえない。あえて言えば、「嫌いでは
ない」ということか。それなら話がわかる。幼児の世話をしながらも、それが苦にならな
い。幼児と接していると、気が晴れる。幼児に教えていると、笑いが絶えない。だから嫌
いではない、と。実のところ私もそうだ。好きではないが、嫌いでもない。だから幼児教
育ができる?

 ただしこういうことはある。何らかの理由で、一〜二週間も幼児から離れていると、無
性に幼児に会いたくなる。あるいは久しぶりに幼児の声を聞いたりすると、ほっとする。
(02−9−19)※

(追記)
 私が幼児教育の世界にスンナリと入ることができたのは、自分自身の子ども時代と大き
く関係していると思う。私は小学校の四、五年生まで、お山の大将として、子どもたちの
世界に君臨していた。いつも近くの山の中を歩くときは、年少の子どもたちを子分にして
歩いていた。年齢的には五、六歳から小学三、四年生くらいの子どもたちだった。今でも
幼児に接していると、ときどき、そういう親分的な感覚が、ふと戻ってくるときがある。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


子育て随筆byはやし浩司(108)

加害者と被害者

●私の被害妄想?

 私は高校時代、あるグループの連中から、いじめを受けた。何をするにも、仲間ハズレ
にされた。無視された。

 しかしそれから一〇年あまり後。同窓会があった。私はその同窓会で、それとなくその
グループの男たちと、当時の話をした。しかしだれも、私をいじめた話など、覚えていな
かった。……いじめられたというのは、私の被害妄想だったのか?

 こうした話は、子どもたちの世界ではよく経験する。いじめられる側は、「いじめられ
た」「いじめられた」と騒ぐが、一方、いじめる側には、その意識は薄い。薄いというよ
り、ほとんどのケースでは、ない。いじめる側は、そのときの気分で、おもしろ半分に、
いじめる。深い意識があって、相手をいじめるわけではない。ここに、いじめる側の意識
と、いじめられる側の意識の、違いがある。その違いが、ズレが生ずる。

 ふつう加害者は、自分が悪いことをしたことをできるだけ早く、忘れようとする。しか
し被害者はそうではない。体や心のキズを背負いながら、そのキズとともに生きる。被害
者にしてみれば、忘れるどころか、月日がたてばたつほど、その被害意識が強くなること
だってある。よい例が、先の戦争である。

●ユネスコの交換学生として

 私は日韓の間に、まだ国交がない時代に、ユネスコの交換学生として、韓国に渡った。
いろいろあったが、私はその韓国で、「日本の教科書はウソは書いてないが、しかしすべ
てを書いてない」と実感した。日本から見る、日韓併合時代と、韓国から見る、日本帝国
主義植民地時代は、まったく、本当にまったく異質のものだった。たとえば当時、韓国人
が三人集まって韓国語を離せば、それだけで投獄された。日本式神社への参拝を強要され、
日本の伝統や文化、それに歴史すらも、押しつけられた。こうした日本の、ある意味でデ
タラメな植民地政策に抵抗し、闇から闇へと葬られた人は、数知れない。

 ここで意識のズレが生ずる。日本人は、いわば加害者。韓国の人は、いわば被害者。敗
戦とともに、日本人は、あのいまわしい歴史を自分から遠ざけ、そしてそれを忘れた。忘
れようとした。「悪いことした」という意識も、ない。が、韓国の人たちは、そうではな
い。日本人がした蛮行を記憶にとどめるために、各地に記念館をつくり、子どもたちにそ
れを教えた。私が韓国にいたころは、そうした記念館はなかったように思うが、それでも
行く先々で、日本攻撃の矢面に立たされた。ソウルのミョンドンを歩いていたときには、
暴漢に囲まれ、命の危険すら感じたこともある。こうした韓国の人たちの気持ちがわから
なければ、反対の立場で考えてみればよい。

●もし北朝鮮が日本を植民地にしたら……

 あの強大な軍事力をもった北朝鮮が、ある日、金正日の命令のもと、日本に攻め入って
きたとする。日本を植民地化するためである。そして彼らがいうところの、主体思想を押
しつけ、朝鮮語を強要した。また日本人は、亡き金日成ゆかりの記念碑への参拝を強制さ
れ、ついで北朝鮮の工場で働くため、数十万人、もしくは百万人単位で、北朝鮮へ連行さ
れた! こういう状態になったとしたら、あなたはそれをどう思うだろうか。それでもあ
なたは、「朝鮮半島の歴史や文化のほうが、すぐれている。北朝鮮はすばらしい国だ。北
朝鮮に従おう」と思うだろうか。

 たしかに今の北朝鮮には、問題がある。読売新聞の社説は、はっきりと「軍事独裁国家」
(〇二年九月一八日)と書いている。彼らは日本がした悪行を、自分たちのしている悪行
の隠れミノにしている面は、確かにある。しかし彼らの意識を理解するためには、その前
に、こうした意識のズレを理解しないと、理解できない。たとえば、今回、つまり「北朝
鮮による日本人拉致(らち)問題」が、日本中をひっくり返すほど、大きな問題になって
いる。たしかにこれは大きな問題だ。しかも拉致された人のうち、六割の人が、若くして
死んでいる。新潟県の海岸から誘拐され、拉致されたM・Yさんにいたっては、当時中学
二年生ということもあって、その衝撃は大きかった。私もそのニュースを知ったときには、
体が一瞬宙を舞うのではないかと思えるほど、怒りが体中を走った。しかし考えてみれば、
これは日本人が戦後はじめて受けた、「被害」ではないのか。事実、今回も、日本人は、
「拉致」「拉致」と騒いでいるが、肝心の韓国では、それほど大きな問題にはなっていな
い。「何を偉そうに」「植民地時代に日本へ強制連行された韓国人はどうなのか」という
声もあると聞く。韓国人も数百人前後、拉致されているということもある。事実、この拉
致問題に感じては、終始一貫して、韓国人の反応は鈍かった。今も鈍い。

 おそらく北朝鮮は、今回の会談を契機に、拉致問題は解決したと、あとはその事件その
ものを、一挙に忘れるだろう。しかし日本人はそうではない。おそらくこれからも、その
問題を忘れることなく、北朝鮮に、説明と補償を求めていくだろう。これはまさに加害者
と被害者の立場の違いである。これはまさに加加害者の意識と被害者の意識の違いである。

●加害者は加害意識を……

 そこで問題は、つぎの段階へと進む。いかに加害者は加害者であったことを心にとめ、
被害者はその被害を、加害者に訴えていくかである。が、ここでまたまた大きな問題にぶ
つかってしまう。日本人ははたして、加害者であったことを、心にとめてきたかという問
題である。戦後五五年になろうとする今ですら、毎年のように、中国や韓国から、「日本
人の歴史認識はまちがっている」という批判が届く。これに対して、「どうして日本が日
本の歴史の悪口を、(教科書に)書かねばならないのか」と反論している人も、この日本
には多い。しかし、もしこの日本人の論理が、大手を振ってまかりとおるとしたら、今回
の拉致問題についても、仮に北朝鮮の人たちがそれをすぐ忘れても、文句は言えないとい
うことになる。さらに、あの日韓併合時代が日本人にとって、やむをえない、まちがって
いなかったと言うなら、逆に今、韓国や北朝鮮に反対のことをされても、文句は言えない
ということになる。

●子どものいじめと、国際問題

 子どものいじめの問題と、国際問題は、一見何ら関係がないように見えるかもしれない
が、その底流で深くつながっている。それはまさに加害者と被害者の構図といってもよい。
たしかに今回の拉致問題は、きわめて深刻であり、きわめて衝撃的な事件である。この事
件は決して風化させてはならない。許してはならない。それは当然だが、同時にそのため
にも、私たちがすべきことは、同時に、被害者の立場がどういうものであるかを知り、同
時に日本人がした数々の加害行為を静かに反省すべきである。それをしないで、一方的に
北朝鮮を責めても、北朝鮮の人たちにその心が届かないばかりか、世界から同情を得るこ
ともできない。

 さて冒頭のいじめの問題。もっとも私は、いじめられていじけるような、そんなヤワな
男ではなかった。露骨に無視した相手には、とびかかっていって、相手を床にたたきのめ
したこともある。相手のもっていたギターを取りあげ、それを叩き壊したこともある。が、
今になってみると、私のそうした行為は、まちがっていた。相手は本当に、私をいじめよ
うとしていたのかという疑問があるからである。ただ単に、私をイヤなヤツと思っていた
だけかもしれない。好かれるか嫌われるかといえば、私はみなに、嫌われてもおかしくな
い男だった。(実際、嫌われていたと思う。)いじめられていると感じたのは、やはり被
害妄想だったのか? どちらにせよ、あの時代は、私にとっては、イヤな時代だった。
(02−9−19)

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


子育て随筆byはやし浩司(109)

日本の教育をゆがめる元凶

 「頭がよい」ということと、「勉強ができる」ということは、別。概して言えば、「勉
強ができる子どもは、頭がいい」。しかし勉強ができる子どもでも、頭が悪い子どもはい
くらでもいる。頭がよくても、勉強ができない子どもは、もっといくらでもいる。

 しかしこの日本では、人生の入り口では、勉強ができたほうが、絶対に得! 一度出世
のエスカレーターに乗れば、あとは自動的に楽な道を歩むことができる。この不公平感が、
結局は、受験競争の温床になり、教育をゆがめている。

 自分の二男のことをここに書くのは少し気が引けるが、しかし正直に書く。私の二男は
一級の頭脳をもっていた。超一級といってもよい。親バカとしてではなく、一人の教育家
として、私はそう見ていた。しかし中学二年のとき、受験勉強そのものを放棄してしまっ
た。「パパ、くだらないよ」と。ほとんど勉強らしい勉強などしたことがなかったが、そ
れでも県内のトップ高校(こういう言い方自体、不愉快だが……)へ入る力をもっていた。
その二男が、受験勉強を放棄したいきさつはいろいろあった。それはそれとして、結果的
にそうなった。私は、迷いはあったが、二男を支持した。「お前がそう判断するなら、そ
れはそうだ」と。私は二男の力が、受験勉強をはるかに超えていることを知っていた。

 で、彼は近くの高校を選んだ。市内でも、A、B、C、Dのランクで言えば、Dランク
の高校である。ワイフは「何もそこまで落とさなくても……」と絶句したが、二男はそう
いう子どもだった。「そのときになったら、勉強するよ。どこの高校でも同じだから……」
と。私はそうは思わなかったが、二男のその言葉を信ずるしかなかった。

 が、入学直後から、二男にとっては失望の連続だったらしい。進学校と教科書そのもの
が違っていた。二男はそれにショックを受けた。そしてしばらく通ううち、レベルの低さ
もさることながら、勉強するという雰囲気そのものがないことを知った。二男だけがひと
り、仲間から浮いてしまった。と、同時に、二男も勉強しなくなってしまった。

 高校時代の二男は、まあ、俗な言葉で言えば、遊びほけた。好き勝手なことをして過ご
した。バンドを組んだり、文化祭の実行委員長をしたり。ワンゲル部で、全国の山々を歩
いたりした。高校三年生のときは、たったひとりで、北海道を一周したりもした。が、い
よいよ進学というときになったときのこと。もちろん成績は、その程度。「どこか国立を
……」と私は願ったが、何とか入れそうな国立大学は、I県のI大学しかなかった。もと
もと、国立大学へ進学する子どもは、数年に一人いるかいないかというような高校である。
しかも入れそうなのは、「哲学科」? 私が認める二男の能力は、数理的な能力である。
その二男が哲学科? 模擬試験の偏差値で判断すると、そういうことになった。

 そこで私は二男に、アメリカ留学をすすめた。アメリカ人の知人が、勧めてくれたこと
もある。で、私は二男をアメリカへ送ることにした。彼も行く気になっていた。が、私は
内心、「どうせ、一、二年で帰ってくるだろう」と思っていた。高校からアメリカの大学
へ行ったところで、まず言葉のカベがある。ふつうのアメリカの高校生でも、学位をとっ
てアメリカの大学を卒業することはむすかしい。いわんや、日本の高校生を、や。まあ、
私としては、二男のやりたいようにさせてやるのが一番というような、軽い気持ちだった。

 が、アメリカへ行ってからの二男は、変わった。当時の二男を直接知るわけではないが、
二男が言うには、「狂ったように勉強した」とのこと。で、三年目に、私立大学から、よ
り高度な勉強を求めて、州立大学に転籍。四年間で、その州立大学で学位を取って卒業し
た。それもアメリカでもむずかしいとされる、コンピュータ科学の学位。〇一年の五月の
ことである。

 私はその二男を今、頭の中で思い浮かべながら、日本の教育システムの欠陥を、改めて
思い知らされている。ときどき「もし二男が、あのまま日本のどこかの専門学校か、私立
大学へ入っていたら、今ごろ二男はどうなっていたか」と。おそらくもてる才能を伸ばす
機会もなく、またその才能を発揮することもなく、そこそこの人間になっていただろう、
と。少なくとも日本の教育システムの中では、大学入試までで、その人の人生の道筋(コ
ース)は決まってしまう。それ以後、多少がんばったところで、その道筋を変えることは
できない。いくら能力と才能があっても、だ。しかしこういうしくみの中で、それほど苦
労しないでも、のんきな生活ができる人が生まれる一方、そのしくみの中で、苦労に苦労
を重ねても、きびしい生活を強いられる人も生まれるということだ。しかしこういうしく
みこそが、日本の教育をゆがめる元凶になっている。

 二男が「アメリカで仕事をしたい」と言ったとき、私はもうそれに返す言葉がなかった。
そのとき、二男は、日本そのものに失望していたと思う。今でもときどきこう言う。「日
本の教育制度はおかしい」と。 
(02−9−19)※

二男のホームページ……はやし浩司のサイトのトップページから、どうぞ!

   /⌒⌒^ヽ ♪♪♪
  / 八))))ハ
  | | ー ー||(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  | | ・ ・||( みんなで、力をあわせて、子どもの世界を変えましょう!)
  | |"   )||(____________________       )
  | |  o 丿|。o
  |川|`ー-イ川

【4】∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

ホームページに動画!

 今、ほしいもの。デジタルビデオカメラ。
今、したいこと。そのカメラでビデオをとり、私のホームページに動画を載せること。し
かしいくつか、越えなければならないハードルがある。

(1)まず私の入っているプロバイダーは、10メガバイトまでは、無料だが、その1
0メガバイトを超えると、10メガバイトごとに年間、一万円の費用がかかる。
今のところ、20メガバイトまで加入しているが、できるならその範囲でおさめ
たい。

(2)動画を載せると、あっという間に、20メガバイトを超えてしまう。以前、声を
載せたが、一言二言載せただけで、1〜2メガバイトも消費してしまった。音声
というの
は、意外と、容量をくう。ほかにも苦い経験がいくつかある。

 そこで私が選んだ方法は、インターネットディスク(インターネットストーレッジとも
いうらしい)に、自分のディスクスペースをつくり、そこへ動画を保存しておくという方
法。そしてホームページのほうから、アクセスする。こうすれば、ホームページのほうに、
動画を載せる必要はない。そこで選んだのが、「I・D500」(J社)。このインター
ネットディスクには、その名前のとおり、500メガバイトまで、自分のデータを保存し
ておくことができる。500メガバイトもあれば、じゅうぶんだ。
 
 そこでいくつか実験を始めた。まずインターネットディスクに、自分の画像のファイル
を保存してみた。これはスンナリとできた。

 つぎにそのファイルを「公開」に設定してみた。これもスンナリとできた。が、そのつ
ぎの段階で、問題が発生。「公開」に設定すると、アドレスが割り当てられるが、そのア
ドレスが長すぎて、コピーすると、コピー先で、勝手に改行されてしまう。アドレスを暗
号化しているためだという。アドレスが正しく表示されないようでは、読者がインターネ
ットディスクにアクセスすることは不可能。で、何度もチャレンジしてみたが、ダメ。そ
こで「I・D500」のメーカーのJ社に電話するが、不親切なこときわまりない。ほん
の数分間、話しただけだが、「そういう(簡単な)ことは、メールに書いて送ってくださ
い」(大阪支社)と、そのまま電話を切られてしまった。

 しかたないので私は別の方法を試した。アドレスを一度、テキスト形式で保存し、それ
をコピーして使うという方法である。で、この方法はうまくいった。少しめんどうだが、
一度アドレスを登録しておけば、あとはディスクの内容を変えるだけでよい。この方法で、
しばらくしてみることにした。

 こうして実験は成功。私のサイトのトップページに、「動画」をいう項目を、何とか載
せることができた。興味のある人は、ぜひ見てほしい。(ただしダウンロードに時間がか
かるので、まだブロードバンドにしていない人には、勧めない。)まだ思考錯誤の段階だ
から、お粗末な映像だが(カメラがお粗末)、これはあくまでも「はじめの一歩」。これ
から先、どんどんよくする。そうそう、デジタルビデオは、今度の誕生日に買うことにし
た。昨日やっとワイフが、OKサインを出してくれた。ハイ。
(02−9−18)※

      ミ ( ⌒⌒ ) 彡♪♪♪♪
      ∞((((( )∞
      │6 6 b   このところ、はやし浩司のマガジンは、
      (" 。 "人       どこか、いじけてる?
     ヽ ̄ ̄ヽ/ ̄ ̄ ̄ヽ       もっと気楽に生きればいいのの……
     ○  ヽ ABC ○
   ̄ ̄ ̄ヽ  ヽ    ヽ ̄ ̄ ̄
       ̄ ̄ ̄ヽ/ ̄ ̄ ̄


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


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子育て最前線の育児論byはやし浩司   2月 8日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【文化性】(The "Culture" that each man has)

What is the "Culture" that each man has? I understand "Culture" is a sort of thing 
that supports us in case we face a crisis. Man with high culture is able to stand against 
the crisis without losing himself, but man without is not so. Therefore I understand the 
"Culture" that each man has is a kind of a "Pillar". This reminds me of a student I met 
in Argentine, Buenos Aires, who was waiting for the door open in front of a museum.

++++++++++++++++++++

その人の文化性は、その人が
危機に陥(おちい)ったときに、
試される。

危機に陥ったとき、泰然自若(たいぜんじじゃく)
として、動じない人もいれば、
あたふたと狼狽(ろうばい)し、
自分を見失ってしまう人もいる。

つまりその人の文化性は、いわば心の
貯金のようなもの。「心の柱」と言ってもよい。

++++++++++++++++++++

●その人の文化性

 本は読もう。音楽は聴こう。美術は鑑賞しよう。日々に高邁(こうまい)な思想に触れ、
感動し、ものを考えよう。こうした日々の研鑽(けんさん)が、その人の文化性を高める。
そうでなければ、そうでない。そうでないばかりか、油断すると、通俗的価値に毒されて、
その人のもつ文化性は、どんどんと低下する。

 こんな人がいた。

 趣味は、掛け軸を集めることだという。一度だけだが、私は、その掛け軸を見せてもら
ったことがある。それは2間ほどの壁に、びっしりと、積まれていた。が、その人が口に
するのは、その価値(?)だけ。値段だけ。

 「この掛け軸は、○○万円の価値がある」
 「この掛け軸は、江戸時代の、あの○○が、描いたもの」
 「この掛け軸と同じものが、ヤフオクで、○○万円で、売れた」と。

 こんな話までした。

 「これは伯母から買った掛け軸でね。伯母は、価値がわからないから、相場の10分の
1の値段で売ってくれましたよ」と。つまり「伯母をだまして、安く買いたたいた」と。

 こういう話を聞くと、ぞっとする。そういうことが平気でできる人というのは、そうは
いない。またそれを自慢話にする人というのは、そうはいない。

 が、それ以上に私は、(掛け軸を集める)という高邁(こうまい)な文化性と、その人が
口にする言葉とのギャップに驚いた。わかりやすく言えば、その人にとって掛け軸という
のは、ただのモノにすぎなかったということになる。

 さらにこんな人も。

 これは友人から聞いた話だが、その友人の近くに、1人の女性が住んでいた。当時、年
齢は、70歳くらいだった。

 その女性は、近所を散歩しながら、軒先に植木鉢が並べてあったりすると、それをその
まま家に持ち帰ってきてしまうという。

 この話を聞いたときも、驚いた。70歳近い女性が、盗みをしているということについ
てではない。(花を楽しむ)という高邁な文化性と、(盗みをするというその女性の行為)
が、私は頭の中で、結びつかなかったからである。

 その女性について書いた原稿がある。日付はわからないが、もう7、8年前に書いた原
稿だと思う。少し話が脱線するが、許してほしい。

+++++++++++++

●しつけは普遍

 50歳を過ぎると、その人の持病がドンと前に出てくる。しかし60歳を過ぎると、そ
の人の人格がドンと前に出てくる。ごまかしがきかなくなる。

たとえばTさん(70歳女性)は近所でも、「仏様」と呼ばれていた。が、このところ様
子がおかしくなってきた。近所を散歩しながら、よその家の庭先にあったような植木鉢
や小物を盗んできてしまうのだ。

人はそれを、Tさんが老人になったせいだと話していたが、実のところTさんの盗みグ
セは、Tさんが2、30歳のときからあった。ただ若いときは巧妙というか、そういう
自分をごまかすだけの気力があった。

しかし70歳近くもなって、その気力そのものが急速に弱まってきた。と同時に、それ
と反比例するかのように、Tさんの醜い性格が前に出てきた……。

 日々の積み重ねが月となり、月々の積み重ねが歳となり、やがてその人の人格となる。
むずかしいことではない。ゴミを捨てないとか、ウソをつかないとか、約束は守るとか、
そういうことで決まる。しかもそれはその人が幼児期からの心構えで決まる。子どもが中
学生になるころには、すでにその人の人格の方向性は決まる。あとはその方向性に沿って
おとなになるだけ。途中で変わるとか、変えるとか、そういうこと自体、ありえない。

たとえばゴミを捨てる子どもがいる。子どもが幼稚園児ならていねいに指導すれば、一
度でゴミを捨てなくなる。しかし中学生ともなると、そうはいかない。強く叱っても、
その場だけの効果しかない。あるいは小ずるくなって、人前ではしないが、人の見てい
ないところでは捨てたりする。

 さて本題。子どものしつけがよく話題になる。しかし「しつけ」と大上段に構えるから、
話がおかしくなる。小中学校で学ぶ道徳にしてもそうだ。

人間がもつしつけなどというのは、もっと常識的なもの。むずかしい本など読まなくて
も、静かに自分の心に問いかけてみれば、それでわかる。してよいことをしたときには、
心は穏やかなままである。しかししてはいけないことをしたときには、どこか不快感が
心に充満する。そういう常識に従って生きることを教えればよい。そしてそれを教える
のが、「しつけ」ということになる。

そういう意味ではしつけというのは、国や時代を超える。そしてそういう意味で私は、「し
つけは普遍」という。

+++++++++++++

●試される文化性

 その人のもつ文化性は、危機的状況になったときに、試される。高い文化性をもった人
は、その文化性を維持したまま、泰然自若と、それを構えて受けることができる。が、そ
うでない人は、そうでない。

 そういう意味で、その人がもつ文化性というのは、「心の貯金」のようなものと考えてよ
い。あるいは、「心の柱」と言いかえてもよい。つまり文化性というのは、それを身に貯金
しているときは、その価値がわからない。「柱」と意識することもない。

 が、けっして、無駄ではない。しかもその時期というのは、小学時代とか、中学時代に
決まる。少なくとも大学生になったころには、ある程度の方向づけが、決まる。アルゼン
チンのブエノスアイレスに行ったときのこと。こんなことがあった。

 ホテルの反対側に、大きな美術館があった。道路をはさんだ、向かい側だった。朝早く
散歩をしながら、その美術館の前に行くと、1人の女子学生が、石の階段に腰をかけてす
わっていた。「何をしているのか?」と聞くと、「美術館が開くのを待っている」と。


その女子学生は、そこにいた。大きな絵画を一枚ずつ、身動きすらしないで、じっとなが
めていた。そのあまりの迫力に圧倒されて、私は、声もかけられなかった。

 今にして思うと、あのような若い女性でも、方向づけができていたことになる。コンサ
ートやスポーツの世界では、開館を待ってそこに並ぶということはあるが、美術の世界で
は、珍しい。今ごろ、あの女性は、アルゼンチンでも、すばらしい女性になっているにち
がいない。

●反対に……

 反対に、こんな人もいた。

(……とここまで書いて、私はその先を書くのが、いやになった。愚劣な人たちの、愚劣
な話など、書きたくない。世の中には、サルのような人というか、サル同然の人もいる。
ささいな問題で、ギャーギャーとわめき散らす。

 そういう人たちの話を書きたいと思ったが、どういうわけか、指先が止まってしまった。
はっきり言えば、私は、もうそういう人たちを相手にしたくない。だから、この話は、こ
こまで!)

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 文化性)


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【マガジン・過去版(3)】

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子育て最前線の育児論byはやし浩司(Eマガ)……読者数(Nr. of Readers) XXX人
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最前線の育児論byはやし浩司(メルマガ)  ……読者数(Nr. of Readers)  XX人
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How to cope with Kids at Home, by Hiroshi Hayashi
    Digital Magazine for Parents who are bringing up Children in the Forefront Line
☆===================☆==================

★★★★★★★★★★★★★★
02−9−8号(105)
★★★★★★★★★★★★★★
by はやし浩司(ひろし), Hiroshi Hayashi
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
キーワードは、C,X,I(シー・エクス・アイ)
Key Words to Private Room in my Website are, C-X-I
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●愛知県豊田町にて講演会をもちます。おいでください。
   9月26日(木) 豊田産業文化センター 午前9:30〜12:00
        主催  豊田市立幼稚園PTA連絡協議会
●11月14日(木)……愛知県尾張旭市教育委員会・スカイワードアサヒ
午前10時〜12時、主催 尾張旭市教育委員会
            
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みなさんへ、
●「子育てワンポイント」の、1〜600作を、
  一枚のCD(MS・ワード版)に収めました。
  ご希望の方に、1枚1000円でお分けします。(郵送料込み)です。
  詳しくは、このマガジンの末尾をご覧ください。

     匚二コ/
     彡彡ミ
    ⊂OJO⊃
     \▽丿
≡    /く\
    (─〈\◯⊃
≡  ==\\==○
  / ̄\//\/ ̄\
≡ 〈《◎》∨二〈《◎》〉
  \_/   \_/自転車で、今日も健康!
        皆で乗ろう、自転車!  はやし浩司
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【お詫び】
子育てワンポイントをお申し込みくださった方へ
こちらの不手際で、ご住所とお名前を紛失してしまいました。
申し訳ありませんが、もう一度、お申し込みいただけないでしょうか。
(郵便番号)(ご住所)(お名前)をお知らせくださればうれしいです。
本当に申し訳ありませんでした。
     bwhayashi@vcs.wbs.ne.jp
(8月15日以後、お申し込みくださった方は、結構です。)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

みなさんへ、いつも、このマガジンを購読してくださり
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

●Hello, my friends overseas!
  From this edition on, my magazine is translated into English
  for your convenience. I hope you may enjoy this magazine 
  in your home country. Hiroshi

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

【今日のテーマ】「家族チェックテスト(2)」(Let's check out your parenting)

【1】世界の子育て格言(Words of Wisdom) 
【2】あなたの子育てだいじょうぶ?(How to cope with Kids at home)
【3】失敗危険度(Are you all right?) 
【4】随筆(Essays)
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        ◯    / /⊃)
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(⊂\\  ◯◯◯   γ \
 (θθ)┏━━━┓ (   σ
/ γ  ┗┓◯┏┛  ζ ζ
δ   )  ┃ ┃
  η η   ┗⌒┛
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【1】
世界の子育て格言
(よいこのくに(学研)付録、母のくにの巻頭言用に書いた原稿より、転載)
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目の見える人は、その幸福がわからない

名言から学ぶ子育て

目の見える人間は、見えているという幸運を知らずにいる。(A.ジイド)
Those who can see do not know the happiness that he can see.

1869ー1951、フランスの小説家。個性の束縛と闘った、20世紀を代表する作家。
ノーベル文学賞を受賞。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 お母さんの子育て相談を聞いていると、際限がないのがわかります。子どもができない
ならできないなりに、お母さんは悩み、できるならできるなりに、お母さんは悩みます。
子どもを伸ばそうという気持ちは大切ですが、それが度を越すと、過剰期待となり、かえ
って子どもをマイナス方向へ追いやってしまいます。

 こんなお母さんがいました。「子どもの教育で失敗しました」と言うのです。話を聞く
と、足し算は何とか理解できるようになったものの、引き算が理解できず、ほんの数問を
解くのに、半時間もかかってしまう、と。市販のワークを見せると、それを見ただけで拒
絶反応を示し、ワーッと泣きだしてしまうというのです。そして「どうしたらよいか」と。

 私にはこんな苦い経験があります。三人の子どもたちを、近くの湖へ連れていった時の
ことです。私と女房は浅瀬だとばかり思って船の上で寝ていたのですが、三男が突然、「お
兄ちゃんがいない!」と叫んだ時には、上の二人ははるか沖合まで流されてしまっていま
した。長男は何とか助けたものの、まだ泳げない次男(年長児)は、すでに頭が半分、水
の中に潜っていました。私は必死で船を出そうとしましたが、錨(いかり)が遠くまで延
びていて、それをたぐることもできませんでした。

 しかし奇跡が起きました。その近くで、元国体選手という人が魚を釣っていたのです。
私が振り返った時、ちょうどその人が次男を助け出してくれるところでした。以来、私は
次男のできの悪さを見せつけられながらも、「生きていてくれるだけでよい」と思いなお
すようにしています。

 懸命な人は、何でもなくす前に、その価値に気づき、そうでない人は、なくしてからそ
の価値に気づくのかもしれません。青春しかり、健康しかり。そして子どものよさも、ま
たしかり。ジイドは、『目が見える人間は、見えるという幸福を知らずにいる』と言いま
す。同じように、子どもをもっている親は、子どもをもつという幸福を、知らずにいると
いうことになります。そういう観点で見ると、この世の中に、子どもとともに生きている
ということだけでも、すばらしいことだとわかるはずです。と、同時に、子育てのあらゆ
る問題が解決するはずです。

 子育ての悩みというのは、すべて、親の未来にわたる我欲が原因で起こります。「もう
少し何とかならないものか…」という思いが、あらゆる子育ての問題の基本にあります。
だったらそう思うのをやめればよいのです。そうすればすべての問題は、解決するはずで
す。そして自分の子どもだけを見据えて、子育てをする……。

 これはいわば「居直りの論理」ですが、もっと言えば、生きている、そのことだけをす
べての前提に置いて、子育てを考えます。またそうすることによって、子どもも幸福に、
そしてかつ伸びやかに成長します。
(1408)
   ハ ハ   ((⌒⌒〃ヽ
   (  ⌒ヽ  ((( ( 人 )
   γ ρρ   │σ σ ρ )
   γ   ⌒ρ 人 ▽ 〃ノ )
   人   υ ( `) (  )
    ┗━┛   /⌒V ⌒ヽ)
   ノ  ミ   / (^^^) ヽ
  (   m m ○/ ̄ ̄ ̄ヽ○
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【2】
あなたの子育てを診断します。あなたの子育てだいじょうぶですか?
(この原稿に対する、ご意見、ご批評を歓迎します。今度O書店から出版の
話をすすめている原稿の一部です。たいへん実用的な本にしたいと思ってい
ます。みなさんのご感想をどうかお聞かせください。)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++

忍耐

Q あなたの子どもの前で、重い荷物をもって、苦しそうに歩いてみてください。そのと
きあなたの子どもは、どのような反応を示すでしょうか。

(1)さっと走りよってきて、「ママ、手伝ってあげる」と荷物をいっしょに運んでく
れる。
(2)見て見ぬフリをしたり、知らぬフリをして、ゲームなどに夢中になっている。
(3)「手伝ってちょうだい」と言うまで、重い腰をあげようとしない。

A (2)のようであれば、あなたの子どもはかなりのドラ息子、ドラ娘とみてよい。今
は体も小さく、あなたの前でおとなしくしているかもしれないが、やがてあなたの手に負
えなくなる……。

 以前、幼稚園で、母親たちの何かの集会があったときのこと。やってくる母親たちにス
リッパを出してあげていた子ども(年長男児)がいた。だれかに頼まれて、そうしていた
わけではない。で、その子どもは集会が始まると、今度は、炊事室へ行き、炊事室のおば
さんに、お茶を出すからお茶をつくってほしいとまで言った。たまたま彼の母親がその場
にいたが、その母親は笑いながら、こう言った。「うちの子はよく気がつくのですよ。先
日は何かのセールスの人にまで、お茶を出していました」と。

 このタイプの子どもは、学習面でも伸びる。もともと「勉強」には、ある種の苦痛がと
もなう。その苦痛を乗り越える力が、ここでいう「忍耐力」だからである。たとえば子ど
もにこう言ってみてほしい。「台所の生ゴミを始末して!」と。あるいは風呂場の排水口
にたまった毛玉でもよい。そのとき「ハーイ」と言って、手で始末できれば、あなたの子
どもはかなり忍耐力のある子どもとみる。その忍耐力のある子どもにするには、子どもは
使う。「子どもは使えば使うほどいい子になる」と覚えておくとよい。(正解(1))

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


情緒

Q 「情緒不安」という言葉があります。その言葉を聞いたとき、あなたは次のどのタイ
プの子どもを想像しますか。

(1)ちょっとしたことで、すぐカッとなったり、反対にぐずったりする子ども。
(2)いつも周囲に気をつかい、心が緊張状態にあって、その緊張感が抜けない子ども。
(3)心の状態がつかみにくく、何を考えているかわからない子ども。

A 外部の刺激に左右され、そのたびに精神的に動揺することを情緒不安という。二〜四
歳の第一反抗期、思春期の第二反抗期に、とくに子どもは動揺しやすくなる。
 その情緒が不安定な子どもは、神経がたえず緊張状態にあることが知られている。気を
許さない、気を抜かない、周囲に気をつかう、他人の目を気にする、よい子ぶるなど。そ
の緊張状態の中に、不安が入り込むと、その不安を解消しようと、一挙に緊張感が高まり、
情緒が不安定になる。
症状が進むと、周囲に溶け込めず、引きこもったり、怠学、不登校を起こしたり(マイナ
ス型)、反対に攻撃的、暴力的になり、突発的に興奮して暴れたりする(プラス型)。表
情にだまされてはいけない。柔和な表情をしながら、不安定な子どもはいくらでもいる。
このタイプの子どもは、ささいなことがきっかけで、激変する。母親が、「ピアノのレッ
スンをしようね」と言っただけで、激怒し、母親に包丁を投げつけた子ども(年長女児)
がいた。さらに症状が進むと、集団的な非行行動をとったり、慢性的な下痢、腹痛、体の
不調を訴えることもある。子どもの情緒が不安定になったら、心の緊張感をほぐすことだ
けを考える。静かで穏やかな家庭環境を大切にし、子どもの側からみて、のんびりとくつ
ろげるようにする。(正解(1)(2)(3))

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


言葉

Q 子どもが園、もしくは学校へでかけるとき、あなたはいつも、どのような話し方をし
ていますか。

(1) 「ハンカチをもっていますか。ティッシュペーパーは、もっていますか」と言う。
(2) 「ほら、ハンカチ、ハンカチ! ほら、ティシュ、ティシュ!」と言う。
(3) 「ハンカチ、もってるの? ティッシュペーパーは?」と言う。

A  子どもの国語能力は、家庭環境で決まる。なかんずく母親の言葉能力によって決ま
る。毎日、「帽子、帽子、ハンカチ、ハンカチ! バス、バス、ほらバス!」というよう
な話し方をしていて、どうして子どもに国語能力が身につくというのだろうか。こういう
ケースでは、たとえめんどうでも、「あなたはハンカチを持っていますか。ティッシュペ
ーパーは、もっていますか」と言ってあげねばならない。

以前私は、国語力が基本的に劣っていると思われる小中学生たちに集まってもらい、その
子どもたちがほかの子どもたちと、どこがどう違うかを調べたことがある。結果、つぎの
三つの特徴があるのがわかった。

(1)使う言葉がだらしない(「ぼく、アイス、食べる」というような言い方をする)、
(2)使う言葉の数が少ない(使う語彙数そのものが少ない)、(3)正しい言葉で話せ
ない(話させようとすると、照れてしまう)。原因はすぐわかった。たまたま子どもを迎
えにきていた母親がいたので、その母親にそのことを告げると、その母親はこう言った。
「ダメネエ、うちの子ったら、ダメネエ。ホントにモウ、ダメネエ、ダメネエ」と。原因
は母親だった!

 たいていの親は、国語力は、学校の国語の勉強で身につくものだと思っている。しかし
これは誤解。しかもその国語力の基本は、幼児期に決まる。(正解(1))

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




Q あなたが座ってテレビを見ているとき、あなたの子どもが近くにやってきました。そ
のときあなたが子どもに手をさしだすと……

(1)ごく自然な感じで、あなたに抱かれ、あなたに身をすりよせてくる。
(2)抱かれようとせず、あなたのしぐさに無関心で、それを無視する。
(3)子どもを引き寄せ、抱こうとすると、それをいやがる。抱いても体をこわばらせ
る。

A 一般論として、濃密な親子関係の中で、親の愛情をたっぷりと受けた子どもほど、甘
え方が自然である。「自然」という言い方も変だが、要するに、子どもらしい柔和な表情
で、人に甘える。甘えることができる。心を開いているから、やさしくしてあげると、そ
のやさしさがそのまま子どもの心の中に染み込んでいくのがわかる。

 これに対して幼いときから親の手を離れ、施設で育てられたような子ども(施設児)や、
育児拒否、家庭崩壊、暴力や虐待を経験した子どもは、他人に心を許さない。許さない分
だけ、人に甘えない。一見、自立心が旺盛に見えるが、心は冷たい。他人が悲しんだり、
苦しんでいるのを見ても、反応が鈍い。感受性そのものが乏しくなる。ものの考え方が、
全体にひねくれることもある。ところでこんなショッキングな報告もある。抱こうとして
も抱かれない子どもが、四分の一もいるというのだ(二〇〇〇年)。

「全国各地の保育士が、預かった〇歳児を抱っこする際、以前はほとんど感じなかった『拒
否、抵抗する』などの違和感のある赤ちゃんが、四分の一に及ぶことが、『臨床育児・保
育研究会』(代表・汐見稔幸氏)の実態調査で判明した」(中日新聞)と。

 何でもないことのようだが、親に抱かれるというだけでも、あなたの子どもの心は、ま
っすぐに育っているということになる。(正解(1))

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


信頼

Q 久しぶりに高校時代の友人と会いました。その友人が、あなたの子どもをじっと見つ
めたあと、「(年齢は)いくつ?」と聞いたとします。そのときあなたは……

(1)いやなことを聞く人だと思う。子どもの年齢など、聞くものではないと思う。
(2)何も考えないで、すなおな気持ちで、「○歳よ」と答えることができる。
(3)よいことを聞いてくれたと思う。「まだ○歳よ」と誇らしげに答えることができる。

A 子どもの心はカガミのようなもの。あなたが「うちの子はすばらしい」と思っている
と、子どもは、そのすばらしい子になる。表情も明るく、ハツラツとしている。そうでな
ければそうでない。

 もしあなたがここでいう(1)のようであれば、まずあなたの心を作り変える。たとえ
ばひとつの方法として、「あなたはよい子」「あなたはどんどんよくなる」「あなたはす
ばらしい人になる」を口グセにするというのがある。子どもが幼児であればあるほど、そ
う言う。あなたが「うちの子は、だめな子」と思っているなら、なおさらそうする。最初
はウソでもよい。そうしてまず自分の心を作りかえる。子どもというのは、自分を信じて
くれる人の前では、よい面を見せようとする。そういう性質を利用して、子どもを伸ばす。
あなたが自然にそれを言えるようになったとき、あなたの子どもは、そのよい子になって
いる。それだけではない。

 英語の格言に、『相手は、あなたが相手を思うように、あなたのことを思う』というの
がある。あなたがあなたの子どもを、よい子どもと思っていると、あなたの子どももあな
たのことを、よい親と思うようになる。そういう相乗効果が、あなたの親子関係をより濃
密にする。(正解(3))

     /⌒⌒^\
     (λハハλ ヽ
     ))∂ ∂)) )
    (|^ c  ( (
    )人 v  )し
     _>−−<
    /†_____†ヽ//   食欲の秋です!
    ( ('    ξヽ
  ┏ ||   o//\) )(
 --□---`○_oOO%__------凵---
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【3】
子育て失敗危険度
+++++++++++++
ほら、カバン、カバン!
国語力を豊かにするために(失敗危険度★)

●会話環境と言葉

 「ほら、カバン、カバン! ハンカチは! バス、バス……、ほら、帽子!」と、こん
な話し方をしていて、子どもに国語力が育つはずがない。こういうときは、たとえめんど
うでも、「あなたはカバンをもちます。ハンカチはもっていますか。もうすぐバスが来ま
すから、急いでしたくをしなさい。帽子を忘れないでください」と。こうした会話環境が
あってはじめて、子どもは国語力を身につけることができる。が、こんな方法もある。

●バツグンの表現力

 一人、バツグンの国語力のある子ども(年長女児)がいた。作文力をみたら、小学四〜
五年生程度の力があったのではないか。紙芝居を渡しても、その場でスラスラと物語をつ
くってみせた。そこで母親にその秘訣を聞くと、こう話したくれた。

 母親の趣味はドライブ。そこでほとんど毎日、それもその子どもが乳幼児のときからド
ライブに連れていったのだが、そのとき母親は、自分の声で吹き込んだ物語のテープを聞
かせつづけたという。物語は、子ども向けのものから、もう少し年齢の大きい子ども向け
のものまで、いろいろあったという。

 確かにこの方法は効果的である。別の母親は、芥川竜之介の難解な小説(「高瀬舟」)
を吹き込んだカセットテープをその子ども(小一)に、毎晩眠る前に聞かせた。数か月も
すると、その子どもはその物語をソラで言えるようになったという。

●読み聞かせのコツ

 この方法にはいくつかのコツがある。テープに録音するにしても、やはり一番よいのは、
母親の声。物語は何でもよいが、読んで聞かせる目的なら、二〜四年レベルの高いもので
も構わない。大きな書店へ行くと、いろいろな学校の教科書を売っている。そういうとこ
ろで、教科書を手に入れるとよい。値段も安いし、内容もよく吟味されている。また国語
にかぎらず、社会や理科、あるいは道徳の教科書でもよい。子どもが興味をもっているこ
となら一番よいが、あまりこだわる必要はない。

 さて冒頭の話だが、子どもの国語力の基本は、あくまでも親、なかんずく母親の国語力
による。あなたも子どもの前では、正しい日本語で話してみてほしい。

***************************************


交通事故に気をつけてね
寸劇指導法(失敗危険度★)

●指示は具体的に

 具体性をともなわない指示は、子どもには意味がない。よい例が「友だちと仲よくする
のですよ」とか、「先生の話をよく聞くのですよ」とかなど。こういうことを言っても、
言う親の気休め程度の意味しかない。こういうときは、たとえば「これを○○君にもって
いってあげてね。○○君は喜ぶわ」とか、「今日、学校から帰ってきたら、終わりの会で
先生が何と言ったか、あとでママに話してね」と言いかえる。「交通事故に気をつけるの
ですよ」というのもそうだ。

●下水溝で遊んでいた子ども

 交通事故について話す前に、こんな例がある。その子ども(年長男児)は何度言っても、
下水溝の中に入って遊ぶのをやめなかった。母親が「汚いからダメ」と言っても、効果が
なかった。そこでその母親は、家庭排水がどこをどう通って、その下水溝に流れるかを説
明した。近所の家からはトイレの汚水も流れこんでいることを、順に歩きながらも見せた。
子どもは相当ショックを受けたようだったが、その日からその子どもは下水溝では遊ばな
くなった。

●迫真の演技で

 交通事故については、一度、寸劇をしてみせるとよい。私も授業の中で、ときどきこの
寸劇をしてみせる。ダンボールで車をつくり、交通事故のありさまを迫真の演技でしてみ
せるのである。……車がやってくる。子どもが角から飛び出す。車が子どもをはね飛ばす。
子どもが苦しみながら、あたりをころげまわる……と。気の弱い子どもだと、「こわい」
と泣き出すかもしれないが、子どもの命を守るためと考えて、決して手を抜いてはいけな
い。迫真の演技であればあるほど、よい。たいてい一回の演技で、子どもはこりてしまい、
以後道路へは飛び出さなくなる。

 もしあなたの子どもが、何度注意しても同じ失敗を繰り返すというのであれば、一度、
この寸劇法を試してみるとよい。具体的であるがために、説得力もあり、子どももそれで
納得する。
(1315)
   /⌒⌒^ヽ
  / 八))))ハ
  | | ー ー||(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒       )
  | | ・ ・||( 子どもへの指示は具体的にね! )
  | |"   )||(_________       )
  | |  o 丿|。o
  |川|`ー-イ川
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【4】
子育て随筆byはやし浩司
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 
子どもに教えられる

 著名な教育者でも、現場を離れたとたん、偏屈な、がんこオヤジになることはよくある。
そういう教育者の書いた文章を読んだりすると、その教育者が教育者であったのは、結局
は子どものおかげだったということが、よくわかる。たとえばよく知られた人に、Tとい
う人がいた。元小学校の教員だったとかで、たしかに現役時代の彼の書いた文章は、おも
しろかった。役にたった。しかし現役を退いてからの彼の書いた文章は、どれも美辞麗句
ばかり。まるで夢の中で書いたような文章ばかりだった。

 そこで私自身のことを静かに観察してみる。たとえばこんなことがある。ときどき仕事
にでかける前、ワイフと口論することがある。そういうとき気分はたしかに悪い。ムシャ
クシャしている。が、教室へ入って、子どもたちが、「やあ、林先生!」とか言って声を
かけてくれたとたん、その気分が吹き飛んでしまう。

 つまり教師というのは、いつも子どもたちに心を洗われていることになる。何でもない
ことのようだが、これにはすばらしい価値が隠されている。いや、反対にこんなことがあ
る。生徒の一人に、父親が大病院の腎臓センターのドクターをしている息子(中二)がい
る。私は腎臓センターに世話になったことがないので、よく知らないが、聞くところによ
ると、そのセンターにやってくるのは、重症の患者ばかりだという。中にはやってきて数
週間から数か月で亡くなる人もいるという。

私は頭の中でそういう職場を想像しながら、何と憂うつな職場だろうと思った。仮に気分
よく職場へ入っても、患者の顔を見たとたん、その気分が悪くなってしまうかもしれない。
つまり私の職場を、「朝日が輝く朝の職場」とするなら、腎臓センターは、「とっぷりと
日の暮れた闇の職場」(失礼!)ということになる。そこである日、その中学生にこう聞
いてみた。「君のお父さんは、どうやって気分を調整しているのだ」と。するとその中学
生は、「ううん、何も……」と。そういう仕事ができるというだけでも、そのドクターは、
崇高な人にちがいない。仮に私がそのセンターのドクターなら、私は数日働いただけで気
が滅入ってしまうかもしれない。それにこんなこともあった。

 もう一〇年ほど前のことだが、ある出版社から、老人ホームの老人向けの教材を考えて
ほしいという依頼をもらった。幼児と老人は、何となくどこかでつながっている。で、私
は一時は、その気になってそのための取材を始めた。いくつかのホームを回り、どんな指
導をしているかを見学して回った。が、そのうち、幼児向けの教材と、老人向けの教材は、
まったく異質のものであることき気づいた。幼児向けの教材は、発展的に知恵を伸ばすも
の。一方、老人向けの教材は、その知恵をのがさないためのもの。結局この仕事は、私の
ほうが断ったが、そのときも、同じように思った。「同じ教材作りでも、老人向けはつま
らないな」と。

 そこで私は考えた。私は毎日のように、幼児や小学生と接している。それは私が「教え
るという立場」にいるからだ。が、しかしその実、ひょっとしたら、私はその幼児や子ど
もたちを教えているのではなく、教えられているのではないか、と。あるいは心を洗われ
ているといってもよい。さらにそれを裏づけるかのように、こんなこともある。

 私はもともとうつ型タイプの人間で、ものの考え方がゆがんでいる。いじけやすいし、
ひがみやすい。そういう私がかろうじて、まとも(?)でいられるのは、子どもたちのお
かげである。たとえば子どもの世界では、ささいなウソやインチキですら、通用しない。
仮にそういうことがあると、子どもたちは猛烈にそれに反発する。その反発を受けている
と、いつの間にか、ゆがんだ心や考え方が、やはり吹き飛んでしまう。

 で、最初の話にもどる。実のところ、教育者と呼ばれる人は、どこか世間知らずの人が
多い。子どもという人間を、上ばかりから見ているから、下の世界がわからない。昔、職
業安定所の人もそう言っていた。「一番、ツブシのきかない人が教師です」と。私もその
一人だが、そのツブシのきかない教師が現場を離れると、とたんに教育的なカンが消えて
しまう。これも私の経験だが、たとえば休みが一〇日とか二週間とかつづいたりすると、
原稿そのものが書けなくなってしまうことがある。さらに休みがつづくと、ツブシがきか
ない分だけ、常識ハズレになり、偏屈な世界へと入ってしまう。冒頭にあげた、Tという
教育者がそうだった。

 そこで再び私のこと。最近、ときどきワイフとこんな話をする。私はものを書くのが仕
事だが、しかしその仕事をつづけるためには、どこかで子どもたちとの接点をもっていな
ければならないと。わかりやすく言えば、ものを書きつづける間、現場から離れることは
できない、と。離れたとたん、カンが消え、子育て論が書けなくなる。言いかえると、私
にものを書かせ、生きがいを与えてくれているのは、ほかならない、私の生徒ということ
になる。

 ごく最近、私はそれに気がついた。
(02−8−30)

      ミ ( ⌒⌒ ) 彡
      ∞((((( )∞
      │6 6 b
      (" 。 "人
     ヽ ̄ ̄ヽ/ ̄ ̄ ̄ヽ
     ○  ヽ ABC ○
   ̄ ̄ ̄ヽ  ヽ    ヽ ̄ ̄ ̄読書の秋です! はやし浩司の本を読みましょう!
       ̄ ̄ ̄ヽ/ ̄ ̄ ̄
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

講演会のお知らせ

各地で講演会をもちます。詳しくはサイトのニュースを
ご覧ください。
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/→「ニュース」です。

2・20……内野小学校
1・19……浜松市医療センター
11・29……砂丘小学校
11・21……北浜南小学校
11・14……愛知県尾張旭市教育委員会・スカイワードアサヒ(10時〜12時)
10・30……五島小学校
10・17……島田市立第四保育園
10・10……富士市、田子浦小学校(中学校)
9・26……愛知県豊田市立幼稚園PTA連絡協議会
9・11……蜆塚幼稚園
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静岡県教育委員会発行雑誌「ファミリス」での連載が、2002年度も続くことに
なりました。どうか、ご購読くださいますよう、心からお願いします。全力をあげて
この原稿に取り組んでいます。お申し込みは、学校の先生まで(静岡県内の方)、あるい


(株)静岡教育出版社 054−281−8870(ファミリス販売部)までお申し込み
ください。

〒422−8006 静岡市曲金5−5−38、静岡教育出版社
       一冊 300円プラス送料76円……現金書留にてお申し込みください。
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●また、よりアカデミックな(?)マガジンをご希望の方は、「はやし浩司の世界」を
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published periodically by Hiroshi Hayashi, for which I thank you very much.
Please go to the "Magazine Corner" from the Top Page of my Website to 
apply for subscription of the magazine. Free to read!
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●二男のホームページができました。よろしかったら、
のぞいてやってください。
I appreciate your kindness to pay a visit to my second 
son's website in USA, for which I thank you very much.
Soichi Hayashi (林 宗市のホームページ) http://dstoday.com
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コーナー」へ。そのページからお読みいただけます。
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みなさんへ、いつも、このマガジンを購読してくださり
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
●Hello, my friends overseas!
  From this edition on, my magazine is translated into English
  for your convenience. I hope you may enjoy this magazine 
  in your home country. Hiroshi
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  以上、コマーシャルばかりで、すみません! よろしくお願いします!
           ツ  <<
      >> / \  <
    >>  /   \ <<
  >>>   |____|
 >>>  ツ  \∴∵∴/  <<<  また次号をよろしくお願いします!
 >>> / \   ̄ ̄ ̄  <<<     See you again in the next magazine!
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 >> \∴∵∴/ <<<
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==(イラストは、パナソニックパソコン付録のフリーソフトを転用しました。)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●インチキ博士号(pseudo doctor)

Doctor degrees are being sold in Japan. In most cases you receive a letter one day from 
an unknown university, in which it says that you are qualified to be nominated as a 
doctor of our university. This may be apparently pseudo. The reason is quite simple. It 
also says you need to pay abt. 500 thousand yen ~ 1 million yen for the degree. I have 
received some of them in the past. Then one day I rang up to the telephone number and 
ask someone in charge about it. The man in charge answered me that the money would 
be used as scholarship for students. But do we have to pay money before the doctor 
degree is admitted? One of the most well-known professor of Waseda University is the 
one who has the title given by the university. I mean it is pseudo, for as far as I have 
checked it through internet, the university has no students. The professor said in the 
TV program, that, he did not know the university is pseudo. But this is funny or 
ridiculous.  

++++++++++++++++++

日本でも、インチキ博士号が、問題に
なっている。

早稲田大学の、あの吉M教授も、その1人。
昨夜(1月13日)の報道番組の中で、吉M教授は、
「私は、ちゃんと論文を出して認められた」
「博士号のオッファーがあったので、応募した」
などというようなことを言っていた。
(記憶によるものなので、細部では、正確では
ないかもしれない。)

しかしこの吉M教授の話は、ウソと考えてよい。
吉M教授ともあろう、偉い(?)、お方が、
インチキかどうか、見抜けなかったというのは、
どう考えても、おかしい。

この私ですら、見抜けた。理由がある。

まず、寄付金の告示があったこと。博士号資格で、
50〜100万円。額は、大学によって異なる。
一度、電話で問い合わせると、こうした寄付金は、
学生の奨学金として使用するということだった。

そこでインターネットを使って調べてみると、
大学といっても、校舎だけ。学生の臭いが
ほとんどしなかった。

すでに当時、こうしたインチキ博士号は、世界では
常識。そういう世界を知っていた吉M教授が、
それを知らなかったはずはない。

「当時」というのは、10年以上も前のこと。
私のところへ、そうした勧誘が届き始めたのも、
そのころである。

一事が万事。

うっすらと笑みまで浮かべて、テレビのレポータの
質問に答えていた吉M教授は、何か隠していると
いったふう。
インチキ認定書の横に、分厚い、論文集(?)
なるものを、これ見よがしに置いていた。

(そういうものを、わざわざ置くところが、
あやしい?)

テレビの報道によれば、吉M教授は、そのインチキ
大学のために、講演会まで開いていたという。
つまり新たな被害者をさがすための、手助けまでして
いた疑いがかけられている(テレビ報道)。

責任は、重大である。
「知らなかった」では、すまされない。

++++++++++++++++++++

●過去の肩書き(Are you a respected man?)

Are you a respected man? If so, you are good enough. But when you retire from the job, 
you had better forget about your past and be free from the career. Otherwise you would 
be kicked out of the society you belong to. But some remains the same after he retire 
from his job, thinking himself that he is a respected man. A reader living in 
H-prefecture gave me a mail in which she worries about her brother who still cling to 
his career before he retired long time ago.

++++++++++++++++

「私は偉い」「私は尊敬されるべき」と、
思うのは、その人の勝手。しかしときには、
自問してみることも、大切。

こんなメールが届いた。S県にお住まいの
Aさん(女性、60歳)からのものである。
私のエッセーを読んで、同じように感じた
とのこと。

転載許可は、いただけなかったので、概略
のみ、紹介させてもらう。

++++++++++++++++

【Aさんより、はやし浩司へ】

私の兄は、現在、65歳です。5年前まで、国家公務員をしていました。その出先機関の
長にもなりました。しかしいまだに過去と、決別できずにいます。ことあるごとに過去の
学歴と肩書きをひけらかしています。

私の息子(32歳)が、フリーターをしていることについても、「そういうのは、人間のク
ズだ」とか、「まともな仕事でないから、結婚相手も紹介できん」とか、言いました。

その兄が、去年(07年)のはじめ、がんになりました。大腸がんです。そのときのこと
です。兄は、親戚中にそのことを連絡していました。実際には、私に、あちこちへ電話を
かけさせました。私は、そういう話は、内々ですませたほうがよいと考えていました。

で、兄は、術後1か月ほど入院しました。現在も、週2回、通院治療をつづけています。
が、見舞いに来たのは、この1年間で、親戚の中では、いとこの男性、1人だけです。私
の息子も、「ぜったいに見舞いに、行かない」と、がんばっています。それについて兄は、
「冷たい」とか、「水臭い」とか言って、怒っています。

まるで自分のことがわかっていない。そんな兄が、あわれです。私は高卒で、そういうこ
ともあって、いまだに私を、子分か何かのように使います。私の家が、兄の家(=私の実
家)と近いこともあって、私を車の運転手くらいにしか考えていないようです。どうした
ら、よいですか?

【はやし浩司より、Aさんへ】

 この問題は、私たちの年代のものにとっては、深刻な問題のひとつです。よく「定年退
職したら、過去の経歴をすべて捨てよ」と言います。それはそのとおりで、それを引きず
っていたら、再就職もままなりません。

 しかし経歴を捨てることができない人が多いのも、事実です。とくに有名大学を出たあ
と、高い役職についた人ほど、そうです。みなにチヤホヤされるうち、自分を見失ってし
まうのですね。それこそ80歳とか90歳とか、死ぬまで、過去の経歴を引きずって生き
ていきます。

 こういうケースでは、過去の経歴を否定するということは、お兄さんに自己否定を迫る
ようなものです。わかりやすく言えば、お兄さんの(生きがい)をすべて、奪ってしまう
ようなことにもなりかねません。あなたの立場で、お兄さんにそれをわからせようとして
も、不可能と考えてください。

 では、どうするか?

 結局は、この問題は、その人自身の問題ということになります。だれからも相手にされ
ていないのに、それにすら気づかない。つまりは、心のさみしい人ということになります。

 少しあなたのお兄さんとは違いますが、私の実家の近くにも、似たような人がいました。
ことあるごとに、私の家にやってきては、自慢話ばかりするのです。「今月は、○○万円も
うけた」「来月は、○○万円もうける」「この町内で、私がいちばんの高額納税者だ」とか、
なんとか。
 
 そのころすでに私の実家の稼業は、斜陽の一途をたどっていました。そんな話を聞かさ
れても、楽しくありません。その人が帰るたびに、私の母などは、玄関先に、塩をまいて
いました。

 が、その人は、やがて多額の借金をかかえて、どこかへ夜逃げをしていきました。うわ
さによれば、株の信用取引で、多額の損を出したということです。もちろんその人に同情
する人は、私の家族も含めて、だれもいませんでした。

 いつかあなたのお兄さんも、そのさみしさに気がつくときがやってくるのでしょうか。
あるいは今、それに気がつきつつあるのかもしれませんね。が、それを認めることは、先
にも書いたように、自己否定につながってしまいます。だから余計に認めるわけには、い
かない。

 あなたのお兄さんの病気には同情しますが、それについても、あなたとしてできること
は、もうほとんど、ありません。今は今で、そしてこの先も、淡々と、今までどおりの人
間関係をつづけていくしかないように思います。あなたの立場で、お兄さんにあれこれわ
からせようとか、意見を言うのは、こういうケースでは、タブーと考えてください。

 というのも、それがどういうものであれ、お兄さんはお兄さんで、懸命に生きてきた。
今も懸命に生きている。そういう(懸命さ)を感じたら、私たちは静かに引きさがるしか
ないのです。「かわいそうだな」と思いながらも、お兄さんの話を、そっと聞いてやる。そ
れでしませます。


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. みなさん、   o o β      
.こんにちは!  (″ ▽ ゛)○   
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子育て最前線の育児論byはやし浩司    2月 6日
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【今日・あれこれ】(1月12日)

++++++++++++++++

寒い朝だ。冬の冷気が、ツンと身に
しみる。

生ぬるいウーロン茶を飲みながら、
ニュースに目を通す。

ペルシャ湾情勢、日韓関係、それに
あとは経済情報。

++++++++++++++++

●月面上のUFO

 日本の「かぐや」が、月の鮮明な写真を送りつづけてきている。数日前、その番組をワ
イフが見た。私は「UFOでも写っていたら、呼んで」と言って、書斎にこもった。

 YOU・TUBEで、「UFO on the Moon」を検索してみるとよい。(私のHPのトップ
ページから、「音楽と私」→(UFO)で、見ることができる。)その種の動画が、ズラリと
出てくる。月面上の構造物の動画もある。少し見慣れてくると、インチキかそうでないか
が、わかるようになる。だからといって私の目が正しいというわけではないが、中には、
無数のUFOが飛び交う動画まである。興味のある人は、そちらを見たらよい。

 で、アメリカは、2020年までに、有人月探査に復帰するという。現在のスペースシ
ャトルは、2010年までに引退。かわって新たに「オリオン」と命名されたカプセル型
宇宙船CEV(Crew Exploration Vehicle)を開発するという(以上、「IMIDAS」)。

 先の番組を見たワイフが、こう言った。「月にも、太陽の光線が当たらないところある。
そこには、氷のかたまりがあるかもしれない」と。

 月の南極のクレーターの内部には、そういうところがあるらしい。アメリカが月面基地
として選んだのも、そういう場所。シャックルトン・クレーターと呼ばれるところである。
そのクレーターの縁に、太陽光発電機を設置すれば、途切れることなく、太陽光を受ける
ことができるという。

 人間も、頭がよい。しかし月に宇宙人が住んでいるとするなら、同じことを考えている
はず。だいじょうぶかな?

 日本も、新たに、月・惑星探査推進グループというセクションを、JAXA内に設けた
そうだ。「このように組織改革が行われたのは、まず第一に、アメリカが打ち出した、国際
協力による有人月探査に対応する必要があるため」(「IMIDAS」)とのこと。

 見方を変えれば、たがいに協力しあって、月の謎を隠蔽(いんぺい)しあうともとれる。
アメリカのNASAが発表している月の写真は、その多くが、どういう理由かは知らない
が、修正されている。

 「月には、何かがある」「何かが、住んでいる」と考えているのは、けっして、私だけで
はない。


Hiroshi Hayashi+++++++++++はやし浩司

●「歓びを歌にのせて」(as it is in heaven)(フランス映画)

And yet it's the way that I chose そしてそれが私が選んだ道
My trust was far beyond words 私の信頼は、言葉では言い表せない
That has shown me a little bit それは少しだけ、私に示してくれた
Of the heaven I've never found 私が知らない天国を
I want to feel I'm alive 私は生きていることを感じたい
All my living days 私が生きている日々を、
I will live as I desire 私が思うように生きたい
I want to feel I'm alive 私は生きていることを実感したい
Knowing I was good enough 私にその価値があることを知りながら

I have never lost who I was 私は私を見失ったことはない。
I have only left it sleeping 私はただそれを眠らせていただけ
Maybe I never had a choice たぶん、私は、もう迷わない
Just the will to stay alive ただ意思の生かすまま
All I want is to be happy 私は幸せになりたいだけ
Being who I am 私はあるがままに生きるだけ
To be strong and to be free 強く、自由になるために
To see day arise from night 夜が明け、日が昇るのを見るために
I am here 私はここに生きている
And my life is only mine そして私の人生は、私だけのもの
And the heaven I thought was there そしてそこにあると思っていた天国を
I'll discover it there somewhere そのどこかに発見するでしょう

I want to feel 私は、感じたいだけ
That I've lived my life 私は私の人生を生きたということを。

+++++++++++++++++

 スウェーデン映画『歓びを歌にのせて』(As It Is In Heaven、2004年作品)を見た。
いや、見たのは、2、3年前のことだが、久しぶりに、その主題歌を聴いた。よかった。
感動した。

 さっそく歌詞(英語訳)をさがしてみた。ここに書いたのがそれである。

 物語は、世界的な指揮者のダニエルが、すべてを捨てて、自分の生まれ故郷に戻ってく
るところから始まる。そしてそこでダニエルは、はからずも、小さな教会のコーラスを指
揮することになる。

 最初は、発声練習だけ。その間にいろいろなドラマが生まれる。が、ダニエルは、こう
説く。「歌は心で歌うもの」「聴衆といったいで歌うもの」と。

 ……。
 
 ダニエルのその思いは、最後のシーンでかなう。コーラスと聴衆が一体になったとき、
ダニエルはひとり、そのコーラスを聴きながら、別の部屋で静かに息を引き取る。もちろ
ん星は5つの★★★★★。アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされている。

 この映画と並んで、すばらしかったのが、『コーラス』(Les Choristes)。2004年、フ
ランス映画。

 こちらも世界的指揮者として知られる、ひとりの男性の物語。その男性、つまりピエー
ルは、別の男性の訪問を受け、その男性から1冊のノートを渡される。そのノートには音
楽教師マチューと、寄宿舎の子どもたちとの交流が記されていた……。

 星は5つの★★★★★。

 少し古いが、『耳に残るは君の歌声』『天使にラブ・ソングを』もよかった。

 あまりよく知られていないが、ついでに『シャーロット・グレイ』も思い出した。すば
らしかった。

 【シャーロット・グレイ】

 (読み方で、シャルロットにもなるし、シャーロットにもなる。)ユニバーサル映画だが、
この映画は、まさに★★★★★(五つ星)!

 思いっきり感動してみたい人には、お勧め。とにかくよい映画だった。最後のシーンで
は、思わず、涙がポロポロ。(ボロボロかな?)「私はあなたに伝えたいことがある……」
と。このつづきは、どうかビデオのほうを、見てほしい。映画『タイタニック』に、まさ
るとも劣らない映画……と、私は思う。

 そう、映画のオープニングは、マリー・ローランサンの絵画を思わせる、夢のように美
しいシーンから始まる。(私は一時期、ローランサンが好きで、リトグラフを、何枚か買い
集めたことがある。)それでよけいに釘づけになってしまった。……やはりここから先は、
ビデオのほうを見てほしい。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【マガジン・過去版(2)】

前半部
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子育て最前線の育児論byはやし浩司(Eマガ)……読者数(Nr. of Readers) 428人
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How to cope with Kids at Home, by Hiroshi Hayashi
    Digital Magazine for Parents who are bringing up Children in the Forefront Line 
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02−9−4号(103)
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by はやし浩司(ひろし), Hiroshi Hayashi
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
キーワードは、C,X,I(シー・エクス・アイ)
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●愛知県豊田町にて講演会をもちます。おいでください。
   9月26日(木) 豊田産業文化センター 午前9:30〜12:00
        主催  豊田市立幼稚園PTA連絡協議会
●11月14日(木)……愛知県尾張旭市教育委員会・スカイワードアサヒ
午前10時〜12時)にて、講演会をもちます。
お近くの人は、よろしかったら、おいでください。
●「静岡県ホームページグランプリ」に、私のサイトを、応募作品として、出し
てみました。
これは皆さんの投票で、静岡県で発行しているホームページをコンテスト形式
で、審査しようというものです。皆さんの清き一票を、どうか私のサイトに投
票していただけませんか。
【投票方法】
☆私のサイト(ホームページ)を開いてください。
     下のアドレスをクリックすれば、私のサイトを開くことができます。
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☆サイトのトップページ、最上段に、「グランプリ」応募タグがはりつけて
あります。そのタグをクリックするだけで、一票が投票できます。
「はやし浩司のホームページは、よい」と思ってくださる方は、どうか
清き一票をお願いします。結果は、そのつど、報告されます。
よろしくお願いします。
投票ができるのは、8月5日からです。一人で何票でも、投票できます。
    (少しいいかげんですが、もともとお祭り(イベント)ですから……。)
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どうかあわせて、ご愛読ください。お申し込みは、http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
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●二男のホームページができました。よろしかったら、
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みなさんへ、いつも、このマガジンを購読してくださり
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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みなさんへ、
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  ご希望の方に、1枚1000円でお分けします。(郵送料込み)です。
  詳しくは、このマガジンの末尾をご覧ください。

     匚二コ/
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    ⊂OJO⊃
     \▽丿
≡    /く\
    (─〈\◯⊃
≡  ==\\==○
  / ̄\//\/ ̄\
≡ 〈《◎》∨二〈《◎》〉
  \_/   \_/自転車で、今日も健康!
        皆で乗ろう、自転車!  はやし浩司
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
【お詫び】
 子育てワンポイントをお申し込みくださった方へ
   こちらの不手際で、ご住所とお名前を紛失してしまいました。
   申し訳ありませんが、もう一度、お申し込みいただけないでしょうか。
   (郵便番号)(ご住所)(お名前)をお知らせくださればうれしいです。
    本当に申し訳ありませんでした。
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(8月15日以後、お申し込みくださった方は、結構です。)
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今日のテーマ、「見方を変える」(Change your view-point)

【1】世界の子育て格言(Words of Wisdom) 
【2】あなたの子育てだいじょうぶ?(How to cope with Kids)
【3】あるお母さんからのメール(An E-mail from a mother in Hiroshima)
【4】放課後補修制度について(On Classes after School)
【5】随筆(Essays)
   _(⌒⌒ヽ
  /((丶〜〜@)
 (_ |〇-〇ρ彡 )
   Ч ι |彡ノ|~~~~~~~~~~~~|
   ヽー 丿  <  今日のテーマです!|
(( 川 ) (   |____________|
  凵 ̄Y  ̄ヽ
  ││ d ∈∋ヽ
  ││ d │ │ヽ

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【1】
(よいこのくに(学研)付録、母のくにの巻頭言用に書いた原稿より、転載)
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ビロードのクッションより

名言から学ぶ子育て

ビロードのクッションより、カボチャの上に座っているほうが、よい。
(ソロー)
It is better to sit on a pumpkin in the field rather than be spoiled by the soft velvet 
cushion in the palace.

1812ー1862、アメリカの随筆家、思想家。ロマン主義的思想家。『日記』など。


 子どもに、「後片づけしなさい」という言葉ほど、空しい言葉はありません。子どもに
はその必然性がないからです。子どもにしてみれば、何でも手の届くところにあるほうが、
むしろ便利なのです。

 世界中あちこちの家庭を見て回りましたが、日本人ほど後片づけにうるさい国はないの
ではないかというのが、私の実感です。世界の親は日本の親より、もう少しおおらかです。
日本の住宅事情が悪いこともあるのかもしれません。あるいは日本人特有の感覚なのかも
しれません。とにかく子育て相談会などをすると、決まってこの後片づけの問題が、話題
になります。

 しかし再度子どもの立場で言うと、こうなります。子どもにとって大切な場所は、きれ
いに片づいている場所ではなく、気が休まる場所だということです。そのためには、ソロ
ーが言うように、『ビロードのクッションより、カボチャの上』ということになります。
そのカボチャは、次のようにして発見します。

 まず子どもが外から帰ってきた時、最初にどこに座るかを観察します。あるいは疲れて
帰ってきた時、どこで体を休めるかを観察します。子どもにとっては、そこがカボチャの
上ということになります。

 このカボチャは大切にします。いわば子どもの聖域のようなものです。親が不用意に足
を踏み入れたり、あるいはかき乱してはいけません。そして一度子どもがそのカボチャの
上に座ったら、静かにそっとしておいてあげます。子どもはそのカボチャの上に座り、心
をいやします。どんな動物にも、最後の逃げ場というものがあります。もし親がこの逃げ
場を踏みにじるようなことがあると、子どもの情緒は確実に不安定になります。最悪の場
合には、帰宅拒否、あるいは家出ということになりかねません。

 そこで教訓。後片づけも大切ですが、一部子どもの聖域については、子どものしたいよ
うにさせます。どんな形であれ、子どもは子どもなりのやり方で、自分の聖域をつくりま
す。おもちゃが散乱していても、それが子どもにとって居心地のよいものであれば、しか
たのないことです。もし気になるようだったら、ある特定の場所だけは子どもの好きなよ
うにさせます。そのほかのところでは、たとえば『おもちゃは一つ』を、守らせます。こ
のしつけを最初に徹底しておけば、子どもは次のおもちゃで遊びたいがため、前のおもち
ゃを片づけるようになります。

 後片づけができないからといって、人間がルーズになることはありません。むしろ幼い
ころより手をかけすぎ、それこそ掃除のしかた一つ知らない子どもほど、後々、後片づけ
ができなくなります。また後片づけというと大きな問題に思う人が多いですが、幼児教育
の世界では、何でもない問題の一つです。子どもにはカボチャのほうが、ずっと重要だと
いうことです。
(1405)

    ハ ハ   ((⌒⌒〃ヽ
   (  ⌒ヽ  ((( ( 人 )
   γ ρρ   │σ σ ρ )
   γ   ⌒ρ 人 ▽ 〃ノ )
   人   υ ( `) (  )
    ┗━┛   /⌒V ⌒ヽ)
   ノ  ミ   / (^^^) ヽ
  (   m m ○/ ̄ ̄ ̄ヽ○
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【2】
おとなになりたくない!
すばらしいと言え、親の仕事(失敗危険度★)
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●どうしたらいいか

 こんなことがあった。その息子(高一)が、家業である歯科技工士の仕事を継ぐのをい
やがって困っているというのだ。そこで「どうしたらいいか」と。

 今、子どもたちの間で、赤ちゃんがえりならぬ、幼児がえりという奇妙な現象が起きて
いる。自分の将来に不安や恐怖心をもつと、子どもはおとなになるのを無意識のうちにも
拒否するようになる。そして幼児期に使ったおもちゃや本を取り出し、それを大切そうに
もちあるいたりする。一人の小学生(小六男児)が、ボロボロになったマンガの本をかば
んの中に入れていたので、「それは何だ」と声をかけると、その子どもはこう言った。「ど
うちぇ、読んではダメだと言うんでチョ、言うんでチョ」と。この子どものケースでは、
父親に原因があった。父親はことあるごとに、「中学校へ入ると、勉強がきびしいぞ」「毎
日五、六時間は勉強しなければならないぞ」と、その子どもをおどしていた。こうしたお
どしが、子どもの心をゆがめていた。

●「ペコペコする仕事なんか、いやだ」

 で、私は先にあげた高校生を家に呼んで、理由をたずねてみた。するとその高校生はこ
う言った。「あんな歯医者にペコペコする仕事なんか、いやだ。それにオヤジは、いつも
『疲れた、疲れた』と言っている」と。

 そこで私は母親にこう話した。「これからは子どもの前では、家の仕事は楽しい、すば
らしいと言いましょう」と。結果的にその子どもは今、歯科技工士をしているので、私の
アドバイスはそれなりに効果があったのかもしれない。

●未来に希望を!

 子どもを伸ばす秘訣は、未来に希望をもたせること。あなたはすばらしい人になる、あ
なたの未来はすばらしいものになると、前向きの暗示を与える。幼児でもそうだ。少し前、
『学校の怪談』というドラマがあった。そのため「小学校へ行きたくない」という子ども
が続出した。理由を聞くと、「花子さんがいるから」と。やはり幼児には、「学校は楽し
いよ」「友だちがいっぱいできるよ」「大きな運動会をするよ」と、言ってあげねばなら
ない。そして……。

 子どもには、「お父さんの仕事はすばらしいよ」と言う。いや、言うだけでは足りない
かもしれない。生き生きと楽しそうに仕事をしている前向きの姿勢をどんどんと見せる。
そういう姿勢が子どもを伸ばす。
(1311)

++++++++++++++++++++++++++++++++++++

「うちの子は、何をしてもダメ」と思っている、あなたへ、
見方を変えれば、何でもないかも?
++++++++++++++++++++++++++++++
見方を変える

 中高年の自殺がふえているという。私もその予備軍のようなものだ。ときどき生きてい
ることそのものが無意味に思えることがある。「死んだら、どんなに楽になるだろう」と。
しかしそのたびに、つまりそのあとになって、私がまちがっていたことを知る。

 名前は忘れたが、少し前ビデオで見た映画(※)の中に、こんなジョークがあった。

 ある男が病院へ来てこう言った。「ドクター、私は頭を押さえても頭が痛い。腹を押さ
せても腹が痛い。足を押さえても足が痛い。体中、どこを押させても痛い。私は何の病気
でしょうか」と。するとそのドクターは、こう言った。「あなたはどこも悪くない。ただ
あなたの指が折れているだけだよ」と。

 ほんの少しだけ見方を変えると、ものの考え方も一八〇度変わるということだが、「何
もかもダメだ」と思うときも、見方を変えると一変する。ダメなのは、私自身ではなく、
ものの考え方なのだ。子どもにしてもしかり。勉強はしない。夜な夜なコンビニの前に座
り、酒を飲む。タバコを吸う。叱るどころか、こわくて話をすることもできない。「生き
ていてくれるだけでもいい」と思うのは、まだよいほうだ。親も追いつめられるところま
で追いつめられると、「よそ様に迷惑さえかけなければ……」と願うようになる。親子で
も、どこかで歯車が狂うと、そうなる。そしてそういうとき親は、深い絶望感にさいなま
れる。その子どもを産んだことを後悔する親さえいる。が、そういうときでも、ダメなの
は子ども自身ではなく、子どもを見る、あなたの見方なのだ。

 今、あなたは生きている。子どもは子どもで生きている。この数一〇億年という歴史の、
その瞬間に、同じく数一〇億人という人間の、その中で、親として、そして子どもとして、
互いに同じ時代で、同じ場所で、しかももっとも近い人間として生きている! そのすば
らしさの前では、どんな問題もささいな問題でしかない。繰り返すが、ダメなのは、あな
たの子どもではなく、あなた自身の見方なのだ。子どもがダメだと思ったら、あなたの見
方を変えればよい。それですべての問題は解決する。

 ……もっともこういう極端な例は別としても、最後の砦(とりで)の一つとして、こう
したものの考え方を心の中に用意しておくことは、大切なことだ。私もふと死にたくなる
ときがある。女房は「初老成のうつ病よ」と笑うが、そうかもしれない。あるいはそうで
ないかもしれない。しかし私は一方で、こう思う。どうせ一度しかない人生だから、とこ
とん最後まで見てやろうと。そして最後の最後になったら、この宇宙もろとも、消えれば
よい、と。何とも深刻な話になってしまったが、あなたの見方を変える一つのヒントにな
ればうれしい。
(はやし浩司のサイト:http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/)
※……イラン映画「桜桃の味」
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【3】
子育て随筆byはやし浩司
+++++++++++++
かん黙児ではないかという、相談がありました。
それについて考えてみました。転載許可をいた
だけましたので、メールを転載します。
**************************************

はやし浩司先生へ

5歳の女の子ですが、かん黙ではないかと思われます。
ただの内弁慶ではないんじゃないかとずっと気になっていたので、
先生の本を読んでかん黙という言葉をはじめて知り、少しほっとした自分がいました。
先生がされているという治療というのはどういう治療なのでしょうか。
私自身が変わるということが一番の治療だということは重々わかっているのですが
やはりどこか誰かに助けを求めてしまいます。
母親の私の育て方のせいであって、私自身がどうにかしなくてはと思い悩んでいたので
正直いって、脳の機能障害ということで誰かに頼れる……と思う卑怯な自分がいます。
その他を除けば全く普通なのですから、ありがたく育てていこうと思うのですが、
なんだかちょっとどうにかすれば変わるのではないかと思ってしまうので
その方法というか育て方を求めて、ついあせってしまいます。
いままであまり気にしないようにしていましたが、幼稚園に入ってからは
まわりの影響がありすぎて、親子ともにこのままではよくないのでは
……と思ってしまいます。
きちんと治療のようなことをした方がいいのでしょうか。
このまま様子をみた方がいいのでしょうか。
この時期大事な時期でするべきことをきちんとしておかないとこの先もっとひどく
なるのでしょうか。
くわしいことは書きませんでしたが、よろしくお願いします。
(広島県佐伯郡・KSより)

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++

KS様へ

緘黙児については、サイト→タイプ別→緘黙に
書いておきました。ただ頭から緘黙児と決めて
かからないこと。こうした誤解、早合点はこの
世界にはよくあることです。私も立場上、診断、
治療という言葉は使えません。また使いません。

指導方法といっても、少しずつ、集団に
慣れさせるしかありません。たいへん根気の
いる指導が必要です。少しよくなりかけると、
親がすぐ無理をするからです。この指導は
一年単位でかかります。万が一、かん黙症と
いうことなら、です。(あくまでも万が一、緘黙児
ならという話です。)

薬物で治療するとか、そういうことではありま
せん。

お子さんの心は外から見たところ、わかりま
せんが、たいへんな緊張状態にあります。た
めしに、だれかに抱いてもらってみてください。
恐らく心を許さないはずです。万が一、緘黙児
なら、です。体をこわばらせ、パニック状態に
なります。

私はこの時期は無理をしないほうがよいと思い
ますが、たいていの親は、「どうしても」と無理を
して、保育園や幼稚園へ押し込んだりします。
こうした無理がかえって症状を悪化させます。
というのも、万が一緘黙児でも、症状をこじら
せなければ、小学3〜4年を境に、症状が急速
に消失するからです。自意識で自分の心を
コントロールできるようになるためと考えて
ください。それまでとにかく無理をしないことです。

家の中では心を許しているはずですから、学習面
などの指導は家で、あとは少しずつ心を外の
世界にならすという方法で対処します。
無理をなさらないこと。私も毎年、このタイプの
お子さんを教えさせていただいていますが、
とにかく時期を待つしかありません。しかし時期
がくれば、治ってしまいます。それまでとにかく
あせって、症状を悪化させないことです。わかり
ますか。

子どもというのは、それぞれがいろいろな問題
をかかえています。問題のない子どものほうが
少ないくらいです。そういう視点で、「ようし、一つ
くらい荷物を背負ってやる」という気構えで、お子さんの
心を理解し、守ってあげてください。お母さんさえ
これを守れば、あとあと必ず笑い話になります。
親子のきずなも、ふつうの親子より太くなります。
お母さんの愛情がためされていると思ってくださ
い。いいですか、無理をしてはいけません。

私も若いころは、急いでなおしてやろうと考え、
あれこれ無理をしましたが、結局、時期のカベが
あって、そのカベを乗り越えることはできませんでした。
とにかく時期をまつのです。それまでにしなければ
ならないことをし、してはならないことをしては
いけません。わかりますか? お子さんの立場に
なって、「お母さんも、みんなの前にくると、緊張
するのよ」「お母さんも、苦手よ」「だれだって苦手
なことはあるのよ」と、お子さんの心を救ってあげる
ことだけを考えてください。

もともと感受性の強いお子さんですから、お母さん
の心の動きを敏感に感じ取っているはずです。
ですから余計に、ここは慎重に。そしてていねいに!

治療という言葉はあまり使わないこと。ある意味で
何でもない問題ですから。私なら幼稚園は、適当に
行って、適当に休みますが……。そういうことは
できませんか。

そうそう緘黙は、(もしそうなら)、症状としては今ごろ
がピークで、これ以上、悪くなることはありません。
ただし無理をすると、それが別の神経症を誘発し、
それがこじれて何らかの精神障害などに発展する
ことはあります。ですから無理をしないように!
心の問題は、半年、一年単位で気長に考えるの
がコツです。

繰り返しますが、時期がくると、ウソのように症状
が消えますから、無理をしないこと。本人が望むなら
お母さんがいつも付き添ってあげればいいのです。
付き添いがないとパニック状態になるなら、そういう
ところへは無理には行かないことです。

なお、濃厚なスキンシップがたいへん有効ですから
スキンシップを大切に。私のばあいは、授業中も
親に子どもの手を握ってもらっているようにして
います。「どんなことをしても、私は守られている」という
安心感が、子どもの心の立ち直りを早めます。
根気ですよ。まさに根気! 

だれだって風邪をひくように、たまたま集団におびえ
ているだけ。
心が風邪をひいたようなものです。ですから一見
深刻な問題に見えますが、深刻に考えないこと。
先ほど、小学3〜4年生で症状が消えると書きましたが
早い子どもで年長児の終わりから小学1年くらいで
消えます。それを信じて、つまりあくまでも一過性の
症状ですから、気にしないでください。お母さんの
おおらかさが伝わったとき。子どもは安心し、そのとき
いつの間にか症状が消えます。ウソだと思ったら、
このメールはコピーして、数年後に読み返してみて
ください。そのときまだ症状がこじれているようでしたら、
私は責任をちゃんととります。いつでもあなたの力に
なりますから、また困ったこと、わからないことがあれば、
メールをください。力になります。

では、
あくまでも万が一、緘黙児という前提で書きましたが、
本当にただの内弁慶だけなのかもしれませんよ。
おおげさに考えないでくださいね。

おやすみなさい。

はやし浩司

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

はやし浩司先生へ

長い、ご丁寧なお返事ありがとうございました。
なんだかとても元気がでてきました。
かんもく児をみてくださる病院があって、行ってみようかと思っていましたが、
娘は自分のそういう話を他人にしているのがわかると敏感に感じとって、耳を指でふ
さぎ、ものすごくいやがりますし、私自身が前向きに変わっていくことで治してみせ
ようと思
います。
また状況がよくなってきましたら、ご報告させてください。

掲載の件ですが、ドンドン載せてください。
同じ症状の方の相談内容を見て私も救われましたので。

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   /⌒⌒^ヽ
  / 八))))ハ
  | | ー ー||(⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒       )
  | | ・ ・||( 子育てで、いろいろ教えられるわ)
  | |"   )||(_________       )
  | |  o 丿|。o
  |川|`ー-イ川


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彡彡人ミミ     (λハハλ ヽ    ♪♪♪……  
| ⌒ ⌒ |   MM ⌒ ⌒ MM
q 0―0 MMMMM  ∩ ∩ MM m  皆さん、お元気ですか!
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子育て最前線の育児論byはやし浩司(Eマガ)……読者数(Nr. of Readers) XXX人
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最前線の育児論byはやし浩司(メルマガ)  ……読者数(Nr. of Readers)  XX人
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How to cope with Kids at Home, by Hiroshi Hayashi
    Digital Magazine for Parents who are bringing up Children in the Forefront Line
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★★★★★★★★★★★★★★
02−9−26号(115)
★★★★★★★★★★★★★★
by はやし浩司(ひろし), Hiroshi Hayashi
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
キーワードは、C,X,I(シー・エクス・アイ)Private Cornerへのキーワードです!
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●愛知県豊田町にて講演会をもちます。よろしかったらおいでください。
   9月26日(木) 豊田産業文化センター 午前9:30〜12:00
        主催  豊田市立幼稚園PTA連絡協議会
●愛知県尾張旭市にて、講演会をもちます。よろしかったらおいでください。
   11月14日(木)スカイワードアサヒ 午前10時〜12時
        主催  尾張旭市教育委員会
●静岡市にて、講演会をもちます。よろしかったら、おいでください。
   03年6月24日(火) アイセル21 午前10時〜12時
        主催  静岡市文化振興課  
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「親子断絶・家庭崩壊、110のチェックポイント」近日発売!
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みなさんへ、
●「子育てワンポイント」の、1〜600作を、
  一枚のCD(MS・ワード版)に収めました。
  ご希望の方に、1枚1000円でお分けします。(郵送料込み)です。
  詳しくは、このマガジンの末尾をご覧ください。

     匚二コ/
     彡彡ミ ♪♪♪ 
    ⊂OJO⊃
     \▽丿
≡    /く\
    (─〈\◯⊃
≡  ==\\==○
  / ̄\//\/ ̄\
≡ 〈《◎》∨二〈《◎》〉
  \_/   \_/自転車で、今日も健康!
        皆で乗ろう、自転車!  はやし浩司
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【お詫び】
子育てワンポイントをお申し込みくださった方へ
こちらの不手際で、ご住所とお名前を紛失してしまいました。
申し訳ありませんが、もう一度、お申し込みいただけないでしょうか。
(郵便番号)(ご住所)(お名前)をお知らせくださればうれしいです。
本当に申し訳ありませんでした。
     bwhayashi@vcs.wbs.ne.jp
(8月15日以後、お申し込みくださった方は、結構です。)
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みなさんへ、いつも、このマガジンを購読してくださり
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
●Hello, my friends overseas!
  From this edition on, my magazine is translated into English
  for your convenience. I hope you may enjoy this magazine 
  in your home country. Hiroshi
Hiroshi Hayashi, Japan
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Hiroshi Hayashi, Japan∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

魂の解放(To liberate our soul)

Japanese are more concerned about their appearance in the public, about which we 
know when we compare ourselves with Australians. Australians seldom care about the 
appearance in the public. They seem to live showing themselves as they are. This means 
that we have still drag the bad aspect of feudal age of more than 100 years ago. I, 
however, don't mean which is good and which is bad. From our point of view Australians 
are too much rational or "dry" we say, and from their point of view we are not or "wet". 
This is a story I heard from my son: One day my son and his friends were driving to 
Florida and went into the sand dune where their car was in the dead end. Then there 
appeared some American students, saying, "If you need our help to get your car out of 
the sand, pay us 20 dollars". Is this sort of thing to be happened in Japan? This is "dry", 
we say in Japanese. But still I say our Japanese traditional way of living, for example, 
to care about the appearance in the public is rather stupid. Whatever I am, I am "Me". I 
still find it difficult for me to live as I am. This is an article about this.

+++++++++++++++++

世俗的な見栄、体裁、世間体に
引きずられて、自分を見失う人は多い。
このタイプの人は、おかしなところで、
おかしな気を遣(つか)う。

ときには、それが滑稽(こっけい)なほど、
不自然に見えることがある。

が、それは何も、他人の姿ではない。
私たち自身も、いつもその見栄、体裁、
世間体を気にしている。

程度の差こそあれ、みな、そうである。

+++++++++++++++++

 オーストラリア人たちとつきあっていて、第一に感ずること。彼らは、日本で言う、世
俗的な見栄、体裁、世間体というものを、まったくと言ってよいほど、気にしない。恐ろ
しく、サバサバしている。あまりにもサバサバしているので、いまだに、こちらのほうが
面食らうほどである。

 このちがいは、どこから生まれるのか?

 日本人は、いまだに農村社会の、あの「邑(むら)意識」を、引きずっている。封建時
代が残した、最悪の負の遺産と言ってもよい。「私は私」と考える前に、つねにそこに他人
の目を意識する。それが転じて、見栄になり、体裁になり、世間体になる。

 一方、オーストラリアという国は、それ自体が、移民国家。無数の他民族が、複雑に入
り混ざっている。日本人の私たちとは逆で、「私は私」と、それを前面に出していかないと、
生きていくことすら、むずかしい。

 どちらがよいとか悪いとか、そういうことを議論しても意味はない。それぞれに一長一
短がある。あるオーストラリア人は、こう言った。「日本は、すばらしい国だ」と。話を聞
くと、どこかで道に迷ったとき、そこで出会った日本人が、ていねいに道案内をしてくれ
たという。

 「オーストラリアではどうか?」と聞くと、「道を聞こうとすると、みな、逃げていく」
と。

 さらにこんな話も……。これはアメリカでの話。

 息子たちが、アメリカのフロリダをめざしてドライブをしていたときのこと。海辺の砂
浜が美しかったので、そこへ車を乗り入れた。とたん、車は砂浜の砂に車輪を取られて、
身動きが取れなくなってしまった。

 が、そこへどこからともなく、4〜5人のアメリカ人が現れ、こう言ったという。「車を
出してほしかったら、20ドル払え」と。

 そのアメリカ人たちは、学生だった。そこで息子たちが、「ぼくたちも学生だ」と答える
と、「じゃあ、10ドルでいい」と。

 こうした生き方を、私たち日本人は、「ドライ」と表現する。言いかえると、日本人は、
その分だけ、「ウェット」ということになる。このウェットな部分が、人間関係を濃密にす
る。私が冒頭にあげた、世俗的な見栄、体裁、世間体というのは、それから生まれる。

 しかし……。それにも程度というものがある。あるいは相対的なものか? 見栄、体裁、
世間体を気にしない人から見れば、それを気にする人がよくわかる。ときに滑稽(こっけ
い)なほど、よくわかる。

 しかし見栄、体裁、世間体を気にする人にすれば、気にしない人が、かえって変わり者
に見えるかもしれない。実際、この私は、その「変わり者」ということになっている。さ
らに私のワイフにいたっては、見栄、体裁、世間体を、気にしない。まったくと言ってよ
いほど、気にしない。同窓会でも、TOYOTAのビッツに乗って、普段着のまま出かけ
ていく。

いや、全体として見ても、ここ浜松の人たちは、郷里の岐阜の人たちほど、見栄、体裁、
世間体を気にしない。浜松という町が、古来、街道筋の宿場町として発展したためでは
ないか。

 ともかくも、見栄、体裁、世間体を気にすればするほど、「私」を見失う。自分がどこに
いるかさえ、わからなくなってしまう。「私は私」、どこまでいっても、「私は私」。

 が、こう書くからといって、私は、何も日本人がもつ、民族的な(温もり)まで否定し
ているわけではない。密着する部分は、密着すればよい。道に迷ったり、砂浜で身動きと
れない車を見つけたら、助けてやればよい。それは、それ。しかしいつもどこかで、「私」
をキープする。

 その操作を誤ると、繰りかえすが、私を見失ってしまう。つまり時間を無駄にする。人
生を無駄にする。命を無駄にする。そういう意味では、世俗的な見栄、体裁、世間体は、
戦うべきものではあっても、擁護しなければならないものでは、けっして、ない。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 
Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist 世俗的な見栄 体裁 世間
体)


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子育て最前線の育児論byはやし浩司   2月 4日 1000号達成!
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今回をもちまして、マガジンが、1000号を達成しました!

みなさんの今までの暖かい、励まし、応援に心から感謝しています。

ありがとうございました!

1000号********************************

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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【1000号・記念】(No. 1000th Commemoration)

I have published internet magazines which count on today, No. 1000th commemoration. 
It has taken me about 6 years and 6 months onto Today! I fight unbeatable foe, I bear 
unbearable sorrow and I reach unreachable star. But nothing has happened and 
nothing has changed. I am still here and I keep writing. I am writing forward to reach 
unreachable star. Here I'd like to express my greatest thanks to Akiko, my wife、 as well 
as my readers of the magazines. Thank you very much!

++++++++++++++++

やったぞ、1000号! ハハハ!
これが、その第1000号!

だれに頼まれたわけではない。
自分で、勝手に目標を決めただけ。
「1000号までがんばるぞ」とね。

まさしくそれは、ラマンチャの男。
ドンキホーテの心境。

耐えられない苦しみに耐え、
戦えない敵と戦い、
届かぬ星に届く。

まあ、それほどおおげさではないに
しても、とうとう1000号!

晃子、ありがとう!
お前のおかげで、こうして自分の
道楽をつづけることができた。
読者のみなさん、ありがとう!
みなさんのおかげで、今日まで、
こうしてがんばることができた。

+++++++++++++++++

●老後の統合性(How to establish our own integration)

We, young old men, should establish our own integration for the rested life. Otherwise 
our life would be a miserable one. But what is the integration? Then how can we 
establish our own integration? When we were young we were seeking ourselves, 
thinking what we are, and where we should go. But now we think what we should do for 
other people. In most cases what we should do would be accompanied with some kind of 
pain or troubles. Therefore most people would try to avoid such and such pain and 
trouble. But without this pain and troubles, we would not be able to establish the 
integration. Our life becomes shorter and shorter. Then I have to hurry up to do 
something. By the way I went to Gero-hot spring spa, Gifu pref., a few days ago where I 
met my cousin. Then I brought some souvenir to my brother-in-law. Also I talked with 
him and his wife for a couple of hours. During these conversations with them, I was 
thinking of my own integration. This is a kind of very serious problem. How can we 
establish our own integration? How can we integrate ourselves with what we should do?

 おととい、岐阜県の下呂温泉に泊まった。街中にある水M館という旅館だった。よい旅
館だった。1階にひとつ、3階にひとつ、それに9階にもうひとつ、温泉があった。温泉
につかると、ヌメッとした感じが、肌を包む。が、湯からあがると、それが消え、サッパ
リとした感じになる。さすが、天下の名泉!、と思わせるような温泉だった。

 風呂からあがると、いとこのY君が来てくれた。1階の喫茶室で、数時間、話す。子ど
ものときからの、ワルガキ仲間である。元気そうだった。言い忘れたが、Y君は、下呂市
内で、理髪店を経営している。かなり繁盛しているらしく、羽振りもよかった。

 そのY君。今は町内会長をしているから忙しくて行けないが、4月からは、また登山を
再開するという。Y君の最大の趣味は、登山。そのため足腰を、毎日、鍛えているという。
そんな話をしながら、私は、こう言った。

 「ぼくたちのように、老後のカベがなく、現役から老後へと連続性のある人間は、ラッ
キーだね」と。

 つまり私たちには、サラリーマンの人たちのような(定年)がない。だから現役のまま、
老後を迎えることができる。しかしそうでない人は、そうでない。定年と同時に、そこで
プツリと糸を切られる。人によっては、それは恐ろしいほどの衝撃となって、その人を襲
う。そのまま心を病んでしまう人も多い。

 が、私たちにも統合性の問題はある。老後になったら、(やるべきこと)と、(やってい
ること)を一致させていかなければならない。これを、心理学の世界では、「統合性の一致」
という。

 この統合性に失敗すると、私も含めて、人は、そのまま(死の待合室)に放り込まれる。
つまり死を待つだけの人生になってしまう。孫の世話だとか、庭いじりだとか、そういう
ものでいくらごまかしても、ごまかしきれない。日々に、むなしさとの戦いということに
なる。

 その統合性は、実は40歳前後から、準備しなければならないという。「定年になりまし
た。明日からボランティア活動を始めます」と言ったところで、うまくいくはずがない。

 で、Y君のばあい、それが「登山」ということになる。話題は、登山になった。そうい
うときのY君の表情は、明るく輝く。実に楽しそうだった。

 そして昨日、その下呂のみやげをもって、義兄を訪ねた。前立腺がんの手術をして、退
院したところだった。術後の不都合がいろいろあるらしいが、それを除けば、元気そうだ
った。義兄とも、数時間、話し込んだ。

 ……つまり、私は、こうした人たちと話しながら、今、懸命に自分さがしをしている。「統
合性」という言葉を使うなら、「私は何をすべきか」、それを懸命に模索している。よく誤
解されるが、(したいこと)と、(すべきこと)は、まったく別のものである。(したいこと)
には、楽しさがともなう。しかし(すべきこと)には、ふつう(苦しみ)が伴う。その苦
しみを乗り越えないかぎり、統合性を確立することはできない。

 いとこの話を聞きながら、私は、「私にとって統合性とは何か」、義兄の話を聞きながら、
「私も急がなければ」と、それぞれ考えた。

 ……ということで、私は、これから自分の統合性の追求をしてみたい。ものを書くにし
ても、意味のないことは書かない。つまらないことも書かない。常に前向きに、ものを書
いていきたい。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【1000号特集・過去版より(1)】

+++++++++++++++

これから4回に渡って、マガジン
過去版をお届けします。

まだ読者の方が、400〜500人
前後のとき発行していたマガジンで
す。

その中から、今でも、役にたつと
思われる原稿を選んで、お届けし
ます。

+++++++++++++++

★★★★★★★★★★★★★★
02−9−2号(臨時増刊号)
★★★★★★★★★★★★★★
by はやし浩司(ひろし), Hiroshi Hayashi
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
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Hiroshi Hayashi, Japan■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
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臨時増刊号
家庭内暴力について、考えてみました。何かの参考にしていただければ、うれしいです。

テーマ「家庭内暴力」
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家庭内暴力

●千葉県市原市のESより、はやし浩司へ

 はじめてメールいたします。
ここ一年、加速するようにドラ化する現中一の息子への対応に
悪戦苦闘している四五歳の母親です。
「不登校」「家庭内暴力」「奇声」というキーワードで検索して
いくつかたぐっていましたが、どれも琴線に響くものもなく、
溜息混じりに見つけたのが貴方の直言でした。
長い文筆にかかわらず、一気にスクロールしてしまうほどの
まさに迷う私にとって目からうろこの言葉の数珠繋ぎだったのです。

私は大学の同級生の夫と高一の長女、中二の長男の四人家族ですが、
主人は京都に単身赴任して三年になります。
思えば夫の赴任に伴って、悪化した長男の心身生活態度でしたが、
夫もマメに帰省してくれ、その度に息子と心通わす時間を持ってくれており、
「単身赴任だから」という理由付けで息子の変化を語るには悔しすぎます。

ただ、今の息子は達成感がなく、何事にもやる気のない、目標意識のない、何かにつけて
マイナス思考で、やり場のないストレスを家族にぶつけている状態です。
もちろん、何事も長続きせず、成績は下降の一途です。
時には恐ろしいくらい(明日新聞に載るのではないか?という気さえします)乱暴になり、
その刃は留守宅の私に集中して向けられ、夫が帰るとウソのようにいい子になります。
彼の状態を家族として夫に報告することが、息子にはタブーで半ば脅されたような
状態で、我慢しています。知らぬは主人ばかりなり。一体いつまで続くのか、
学校も中学になって一学期のうち約二〇日欠席してしまい、果ては「学校なんて辞めたい」。
小学校のころから、問題を起こしては責任転嫁をするので、学友からは浮き上がってしま
い、
本人も自覚するものの、引っ込みがつかなくなって自己矛盾に陥って悪循環。
見ていて痛々しくなってしまいます。

そのくせ、今も私のそばを離れず、注意を引くような、私が困るような行動をとるので、
今は、彼が何を探しあぐねて、彼がどう自分のことを考えてるのか、
様子を見ながら、笑顔をつくっている始末。乱暴時には怖くても何もできませんが、
息子と自分たちを信じて負けるまいと考えています。
ただ、時にどうしようもなく、逃げ込みたくなることもあり、死んでしまいたいとすら
思うほど落ち込んでしまいます。
恐らく何千の相談メールのなかで、こんなグダグダなど、取るに足らぬ甘いものだと
察しますが、ほんの少しでも、心を支える言葉を見つけられればと思い、
メール致しました。夫以外誰にもここまで話せません。
陥りやすい母親のパターンなのかもしれませんが、気長に構えるファイトが欲しくてなり
ません。ながながとすみませんが、よろしくお願いいたします。
(千葉県市原市・ESより)

+++++++++++++++++++

●はやし浩司より、ESさんへ
はやし浩司より、
メール、拝見いたしました。
 
息子さんを、R君としておきます。
 
R君は、思春期にありがちな、典型的な情緒不安と
思われます。みんなそうですから、あまり深刻にな
らないのが、賢明です。(情緒不安というのは、いわ
ゆる心の緊張感がとれない状態と考えてください。)
その緊張している状態に、不安が入り込むと、一挙に
暴走するわけです。暴力に向うプラス型と、引きこもり
などに向うマイナス型に分けて考えます。R君は
プラス型です。精神科で診断されると、青年期の
うつ病というような診断名をつけるかもしれません。
この名前を出してショックを受けられるかもしれませんが、
多かれ少なかれどの子どもも、そういった傾向を示しますので、
「うちの子だけが……」とは、思わないでくださいね。
 
言いかえると、この時期さえうまくくぐりぬけると、
症状は急速に回復しますので、あまり不安にならないように。
将来に対する不安を感じているのは、むしろ
R君自身と思ってあげてください。
成績がさがる、勉強がうまくはかどらない、しかし
みんなの中で目立ちたいなど、思春期の中で、
心の中がいつも緊張状態にあるのです。そのため
情緒そのものがたいへん不安定になっているのです。
まあ、いわば、心の風邪のようなもの。少し症状が
重いので、インフルエンザくらいだと思ってください。
いえ、決してなぐさめているのではありません。
ここにも書いたように、ケースとしては、たいへん
多く、またマイナス型(ひきこもり)と比べると
予後もよく、回復し始めると、あっという間に
症状が消えていきます。ですからここは「心がインフルエンザ
にかかっている」と思い、一歩退いた見方で、R君を
みるようにします。
 
で、いくつかコツがあります。
 
(1)今こそ、あなたの親としての愛情が試されている
ときと思うこと。今までのあなたは、いわば本能的愛、
あるいは代償的愛に翻弄されていただけです。しかし
今、あなたのR君に対する愛がためされているのです。
言いかえると、あなたがこの問題を、R君に対する
おしみない愛情で乗り越えたとき、あなたはさらに
深い親の愛を知ることになります。ですから決して
投げ出したり、投げやりになったりしてはいけませんよ。
「私はあなたにどれだけ裏切られても、あなたを
愛していますからね」という態度を貫きます。
いつかR君はそういうあなたに気づき、あなたのところ
に戻ってきます。そのときのために、決してドアを
閉じてはいけません。いつもドアを開いていてください。
そのためにも、「許して忘れる」です。
 
この「許して忘れる」については、私のサイトの
「心のオアシス」の中に書いておきましたから
トップページから開いて、ぜひ読んでみてくださいね。
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
 
(2)この症状は、「治そう」とは思わないこと。
「今の状態をより悪くしないことだけを考える」こと。
ここが大切です。この段階で、治そうと思うと、悪循環の
世界に入ってしまい、それこそ「以前のほうが症状が
軽かった……」ということを繰り返しながら、症状は
どんどん悪化(本当は悪化ではなく、親の過干渉、
溺愛からの解放をめざしているのです)します。
ですから、数か月単位で、R君をみるようにし、
そして今の状態をこれ以上悪くしないことだけを
考えて、様子をみます。私の経験では、これから
一通り、R君はおとなになる準備をし、落ち着き始めるのは
一六、七歳ころだと思います。あせってはいけません。
気長に考えるのです。
 
(3)冷蔵庫から甘い食品を一掃してみてください。
思い切って捨てるのです。そしてCA、MGの多い食生活
にこころがけます。子どもの場合、食生活を変える
だけで、みちがえるほど、静かに落ち着いてきます。
詳しくは、サイトのあちこちに「過剰行動児」という
項目で書いておきました。ヤフーの検索で、
「はやし浩司 過剰行動」で検索するとヒットできるはずです。
 
(1)R君は恐らく幼児期はいい子のまま、仮面をかぶっていた
はずです。お父さんに対する態度が違うところがそうです。
(お父さんはかなり権威主義者ですね。)そういう仮面の
重圧感に苦しんできたのですよ。わかりますか?
それを今、懸命に調整しようとしている。そういう意味でも
ごくありふれた、先ほども書きましたように、多かれ
少なかれ、どの子どももかかる、心のインフルエンザの
ようなものです。ただ外から症状が見えないから
どうしても安易に考えてしまう。そういうものです。
 
(5)進学ということよりも、R君がしたいこと、R君に
向いている面で、将来の設計図を一緒に考えてあげるのが
いいでしょうが、ただ今の状態では、まだ時期が早いかもしれ
ません。今、あれこれ動いても、R君自身をかえって追い込んで
しまうからです。心のリハビリを考え、
 
●何もしない、何も世話をやかない、何も言わない、何も
かまわない……という状況の中で、つまりR君から見て、まったく
親の存在を感じないほどまでに、気が楽になるようにしむけます。
こういうケースでは、扱い方をまちがえたり、子どもを追い込むと
たとえば集団非行、家出ということを
繰り返しながら、どんどん悪循環の輪の中に入ってしまい
ます。ですから、子どもの側から見て、安心できる家庭づくり、
ほっとする家庭づくりに心がけてください。(家出をしたら、
またまた何かとやっかいになります。)家にいるだけでも、
ありがたいと思いつつR君に「やすらぎ」を用意します。
つまり根競べです。本当に根競べです。
 
この問題は、今のあなたには深刻な問題ですが、
必ず笑い話になりますよ。巣立ちにはいろいろな
形がありますが、これもその一つです。ですから親の
あなたが一歩退いて、つまり子どもを飲み込んだ世界から
見るのです。決して対等になってはいけません。
 
あのね、R君は、あなたが不安そうな表情、心配そうな
表情を見ながら、自分の心の中の不安を増幅させて
いるのですよ。そういう心理を理解するにはむずかしい
かもしれませんが、一度それがわかると、「何だ、
やっぱり子どもだな」と思えるようになります。ためして
みてください。
 
私の知人(女性)の長男も、高一のとき、無免許でバイクに乗り、
事故を起こし、逮捕、退学。いろいろありましたが、今は
笑い話にしています。(その分、その知人はみちがえるほど
気高い母親になりましたがね……。)いろいろみんな
あるのです。決して、自分だけが……とは思わないこと。
追い込まないこと。わかりますか? 
 
私のサイトの中に、「タイプ別子育て」という
コーナーがありますから、その中から非行なども
読んでみてください。参考になると思います。
 
子どもというのは不思議なもので、親が心配したところで
どうにかなる存在ではないし、しかし放っておいても
自分で育っていくものです。そろそろ子離れを始めてください。
(子どものほうはとっくの昔に親離れしているのですよ。)
 
子育てはまさに航海。「ようし、荒波の一つや二つ、
越えてやる」「十字架の一つや二つ、背負ってやる」
「さあ、こい」と怒鳴ったとき、不幸(本当は不幸でも
何でもないのです。あなたも子どものころ、品行方正の
女の子でしたか? ちがうでしょ!)は、向こうから
退散していきます。
 
R君は、今、自分の将来に大きな不安をもっています。
うまく口ではそれを表現できないだけですよ。だから
態度や行動でそれを示している。繰り返しますが、心の風邪
です。だれでもかかる、思春期の熱病です。(外の世界で
暴れれば問題ですが、いわゆる家庭内暴力というのです。)
本当にありふれた症状です。だからあまり深刻に、(いえ
今は深刻ですが……。決して深刻でないとは思って
いません。)そういうふうに一歩退いてみるのですよ。
決して、R君を追い込まないこと。「がんばれ」とか、
「こんなことでは、高校へ行けなくなる」とか、そういう
ふうに追い込んではいけません。(多分、あなたの
夫は仕事人間で、そういう姿を彼は見て、よけいに
不安になるのかもしれませんね。)
 
あまりよい回答になっていないかもしれませんが、
何か不安なことがあれば、またそのとき、メールを
ください。力になります。いつか必ず笑い話になり、
そしてそのときあなたは「子育てをやり遂げた」「子どもを
信じた」「子どもを愛しぬいた」という満足感を得られます。
そういうときが必ずきますから、どうか、どうか、その日を
信じてください。みんなそうなりましたから。私が経験した
同じようなケースは、みな、そうなっています。だから
私の言っていることを信じて、前向きに生きてください。
 
そうそうあなた自身の学歴信仰とか、学校神話の
価値観を変えることも忘れないでください。そのために
いろいろなコラムを書いていますから、また読んでください。
マガジンも発行しています。
 
みんながあなたを応援します。私も応援します。
R君は、本当はやさしい男の子です。ただ少し
気が小さいだけです。あなたもそう思っているでしょ。
 
では、おやすみなさい。
 
はやし浩司

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


家庭内暴力について

●思春期の不安

 思春期の不安感は、大きく分類すると、つぎのように分けられる。
抑うつ気分(気分が晴れない)、悲哀感(何を見ても聞いても悲しい)、絶望感、自信喪
失、自責感(自分はダメな人間と思い込む)、罪責感(罪の意識を強くもつ)など。これ
らが高じると、集団に対する不適応症状(不登校、怠学)、厭世気分(生きていることが
無意味と思う)感情の鈍化、感情のコントロール不能(激怒、キレる)などの症状が現れ
る。

 またその前の段階として、軽い不安症状にあわせて、心の緊張感がほぐれない、焦燥感
(あせり)などの症状にあわせて、ものごとに対して突発的に攻撃的になったり、イライ
ラしたりすることもある。(こうした攻撃性が、ときにキレる状態になり、凶暴的、かつ
破滅的な行為に及ぶこともある。)

●行為障害としての家庭内暴力

 こうした症状は、思春期の子どもなら、多かれ少なかれ共通してもつ症状といってもよ
い。が、その症状が一定レベルを超え、子ども自身の処理能力を超えたとき、さまざまな
障害となって、発展的に現れる。それらを大きく分けると、思考障害、感情障害、行為障
害、精神障害、身体的障害の五つになる。

 思考障害……ふつう思考障害というときは、思考の停止(考えが袋小路に入ってしまう)、
混乱(わけがわからなくなる)、集中力の減退(考え方が散漫になってしまう)、想像お
よび創造力の減退(アイデアが思い浮かばない)、記憶力の低下(英語の単語が覚えられ
ない)、決断力の不足(グズグズした感じになる)、反応力の衰退(話しかけても、反応
が鈍い)などをいう。

 感情障害……感情障害の最大の特徴は、自分の感情を、理性でコントロールできないこ
と。「自分ではわかっているのだが……」という状態のまま、激怒したり、突発的に暴れ
たりする。こうした状態を、「そう状態における錯乱状態」と考える学者もいる。ただ私
は、この「自分ではわかっているのだが……」という点に着目し、精神の二重構造性を考
える。コンピュータにたとえていうなら、暴走するプログラムと、それを制御しようとす
るCPU(中央演算装置)が、同時に機能している状態ということになる。(実際には、
コンピュータ上では、こういうことはありえないが……。)

この時期の子どもは、感情障害を起こしつつも、もう一人の自分が別にいて、それをコン
トロールするという特徴がある。その一例として、家庭内暴力を起こす子どもは、(1)
暴力行為の範囲を家庭内でとどめていること。また(2)暴力行為も、(事件になるよう
な特別なケースは別として)、最終的な危害行為(それ以上したら、家庭そのものが破滅
する行為のこと。私はこれを「最終的危害行為」と呼んでいる)に及ぶ、その直前スレス
レのところで抑制することがある。家庭内暴力を起こす子どもが、はげしい暴力を起こし
ながらも、どこか自制的なのは、そのためと考える。

行為障害……軽度のばあいは、生活習慣の乱れ(起床時刻や就眠時刻が守れない)、生活
態度の乱れ(服装がだらしなくなる)、義務感の喪失(やるべきことをしない)、怠惰、
怠学(無気力になり、無意味なサボり方をする)などの症状が現れる。が、それが高ずる
と、社会的機能が影響を受け、集団非行、万引き、さらには回避性障害(他人との接触を
嫌い、部屋に引きこもる)、摂食障害(拒食症、過食症など)を引き起こすようになる。
この段階で、家人は異変に気づくことが多いが、この状態を放置すると、厭世気分が高じ
て、自殺願望(「死にたい」と思う)、自殺企画(自殺方法を考える)、最終的には自殺
行為に及ぶこともある。

精神障害……うつ状態が長期化すると、感情の鈍化(喜怒哀楽の情が消える)、無反応性
(話しかけてもボーッとしている)が現れる。一見痴呆症状に似ているので、痴呆症と誤
解するケースも多い。しかし実際には、ほとんどのケースでは、本人自身が、自分の症状
を自覚していることが多い。これを「病識(自分で自分の症状を的確に把握している)」
という。ある青年は、中学時代、家庭内暴力を起こしていたときのことについて、こう言
った。「いつももう一人の自分がそこにいて、そんなバカなことをするのをやめろと叫ん
でいたような気がする。しかしいったん怒り始めると、それにブレーキをかけることがで
きなくなってしまった」と。

ほかにもう一つ、腹痛や頭痛などの身体的障害もあるが、一般的な病状と区別しにくいの
で、ここでは省略する。

●情緒不安

 よく誤解されるが、情緒が不安定な状態を、情緒不安というのではない。情緒不安とい
うのは、心の緊張感がとれない状態をいう。「気を許さない」「気を抜かない」「気をゆ
るめない」という状態を考えればよい。その緊張しているところに、不安要素が入り込む
と、その不安を解消しようと、一挙に心の緊張感が高まる。このタイプの子どもは、どこ
か神経がピリピリしていて、心を許さない。そのことは軽く抱いてみればわかる。心を許
さない分だけ、体をこわばらせたり、がんこな様子で、それを拒絶したりする。情緒が不
安定になるのは、あくまでもその結果でしかない。

 家庭内暴力を繰り返す子どもは、基本的には、この情緒が不安定な状態にあると考える
とわかりやすい。そのためたいていは(親側からみれば)ささいな親の言動で、子どもは
突発的に凶暴になり、攻撃的な暴力を繰り返す。ある女子(中二)は、母親がガラガラと
ガラス戸を閉めただけで、母親を殴ったり、蹴ったりした。母親には理由がわからなかっ
たが、その女子はあとになってこう言った。「ガラス戸をしめられると、『もっと勉強し
なさい』と、催促をされているような気がした」と。

その女子の家は大通りに面していて、ふだんから車の騒音が絶えなかった。それで子ども
のときから、母親はその女子に「勉強しなさい」と言ったあと、いつもそのガラス戸をガ
ラガラとしめていた。母親としては、その女子の部屋を静かにしてあげようと思ってそう
していたのだが、いつの間にか、それがその女子には「もっと勉強しなさいという催促」
と聞こえるようになった……らしい。

●暴力行為

 家庭内暴力の「暴力」は、その家人にとってはまさに想像を絶するものである。またそ
れだけに深刻な問題となる。その家庭内暴力に、私がはじめて接したケースに、こんなの
がある。

 浜松市に移り住むようになってしばらくのこと。私は親類の女性に頼まれて、一人の中
学三年生男子を私のアパートで、個人レッスンをすることになった。「夏休みの間だけ」
という約束だった。が、教えて始めてすぐ、その中学生は、おとなしく従順だったが、ま
さに「何を考えているかわからないタイプの子ども」ということがわかった。勉強をした
いのか、したくないのか。勉強をしなければならないと思っているのか、思っていないの
か。どの程度まで教えてほしいのか、教えてほしくないのか。それがまったくわからなか
った。心と表情が、完全に遊離していて、どんな性格なのかも、つかめなかった。

 が、その少年は、家庭の中で、激しい暴力行為を繰り返していた。その少年が暴力行為
を繰り返すようになると、母親は仕事をやめ、父親も出張の多いそれまでの仕事をやめ、
地元の電気会社に就職していた。そういう事実からだけでも、その少年の家庭内暴力がい
かに激しかったかがわかる。

その少年を紹介してくれた親類の女性はこう言った。「毎晩、動物のうめき声にも似た少
年の絶叫が、道をへだてた私の家まで聞こえてきました。その子どもが暴れ始めると、父
親も母親も、廊下をはって歩かねばならなかったそうです」と。
私は具体的な話を聞きながら、最初から最後まで、自分の耳を疑った。私が知るその少年
は、「わけのわからない子ども」ではあったが、家の中で、そのような暴力を働いている
とは、とても思えない子どもだったからである。

●心の病気

 こうした抑うつ感が、うつ病につながるということはよく知られている。一般には家庭
内暴力を起こす子どもは、うつ病であると言われる。おとなでも、うつ病患者が突発的に
はげしい暴力行為を繰り返すことは、よく知られている。が、家庭内暴力を起こす子ども
がすべて、うつ病かというと、それは言えない。症状としては重なる部分もあるというだ
けかもしれない。

たとえば学校恐怖症というのがあるが、どこまでが恐怖症で、どこからがうつ病なのか、
その線を引くのがむずかしい。少なくとも、教育の現場では、その線を引くことができな
い。同じように、家庭内暴力を起こす子どもと、うつ病との間に、線を引くことはむずか
しい。そこで比較的研究の進んでいる、うつ病についての資料を拾ってみる。(というの
も、家庭内暴力という診断名はなく、そのため、治療法もないということになっているの
で……。)

 村田豊久氏という学者らが調査したところによると、日本においては、小学二年生から
六年生までの一〇四一人の子どもについて調べたところ、約一三・三%に「うつ病とみな
してよいとの評点を、得点していた」(八九年)という。もちろんこの中には、偽陽性者
(症状としてうつ病に似た症状を訴えても、うつ病でない子ども)も含まれているので、
一三・三%の子どもがすべてがうつ病ということにはならない。

最近の調査研究では、学童全体の約一・八%、思春期の学童の約四・七%が、うつ病とい
うことになっている(長崎医大調査)。が、この数字も、注意してみなければならない。
「うつ病」と診断されるほどのうつ病でなくても、それ以前の軽度、中度のうつ病も含め
るとどうなるかという問題がある。さらに、うつ病もふくめて、こうした情緒障害には、
周期性、反復性がある。数週間単位で、症状が軽減したり、重くなったりすることもある。
そういう子どもはどうするかという問題もある。が、それはさておき、ここでいう「四・
七%」というのは、おおむね、「今という時点において、中学生の約二〇人に一人が、う
つ病である」と考えてよい数字ということになる。

 で、この数字を多いとみるか、少ないとみるかは、別として、こうした子どもたちが、
一方で不登校や引きこもり(マイナス型)を起こし、また一方で家庭内暴力を起こす(プ
ラス型)、その予備軍と考えてよい。(あるいは実際、すでに起こしている子どもも含ま
れる。)で、ここで問題は、二つに分かれる。(1)どうすれば、家庭内暴力も含めて、
どうすれば子どものうつ病を避けることができるか。(2)今、家庭内暴力を起こしてい
る子どもも含めて、どういう子どもには、どう対処したらよいか。

●どうすれば防げるか 

 「すなおな子ども」というとき、私たちは昔風に、従順で、おとなの言うことをハイハ
イと聞く子どもを想像する。しかしこれは、誤解。

教育の世界で、「すなおな子ども」というときには、二つの意味がある。一つは、心の状
態と表情が一致していること。悲しいときには悲しそうな顔をする。うれしいときにはう
れしそうな顔をする、など。が、それが一致しなくなると、いわゆる心と表情の「遊離」
が始まる。不愉快に思っているはずなのに、ニコニコと笑ったりするなど。

 もう一つは、「心のゆがみ」がないこと。いじける、ひがむ、つっぱる、ひねくれるな
どの心のゆがみがない子どもを、すなおな子どもという。心がいつもオープンになってい
て、やさしくしてあげたり、親切にしてあげると、それがそのままスーッと子どもの心の
中にしみこんできくのがわかる。が、心がゆがんでくると、どこかでそのやさしさや親切
がねじまげられてしまう。私「このお菓子、食べる?」、子、「どうせ宿題をさせたいの
でしょう」と。

 ついでに、子どもの心は風船玉のようなもの。「家庭」で圧力を加えると、「園や学校」
で荒れる。反対に「園や学校」で圧力を加えると、「家庭」で荒れる。友人との「外の世
界」で荒れることもある。問題は、荒れることではなく、こうした子どもたちが、いわゆ
る仮面をかぶり、二重人格性をもつことだ。親の前では、恐ろしくよい子ぶりながら、そ
の裏で、陰湿な弟や妹いじめを繰り返す、など。家庭内暴力を起こす子どもなどは、外の
世界では、信じられないほど、よい子を演ずることが多い。

●こわい遊離と仮面

 一般論として、情意(心)と表情が遊離し始めると、心に膜がかかったかのようになる。
教える側から見ると、「何を考えているかわからない子ども」、親から見ると、「ぐずな
子ども」ということになる。あるいは「静かで、おとなしい子ども」という評価をくだす
こともある。ともかくも心と表情が、ミスマッチ(遊離)するようになる。ブランコを横
取りされても、笑みを浮かべながら渡す。失敗して皆に笑われているようなときでも、表
情を変えず平然としている、など。「ふつうの子どもならこういうとき、こうするだろう
な」という自然さが消える。が、問題はそれで終わらない。

 このタイプの子どもは、表情のおだやかさとは別に、その裏で、虚構の世界を作ること
が多い。作るだけならまだしも、その世界に住んでしまう。ゲームのキャラクターにハマ
りこんでしまい、現実と空想の区別がつかなくなってしまう、など。ある中学生は、毎晩、
ゲームで覚えた呪文を、空に向かって唱えていた。「超能力をください」と。あるいはも
のの考え方が極端化し、先鋭化することもある。異常な嫉妬心や自尊心をもつことも多い。

 原因の多くは、家庭環境にある。威圧的な過干渉、権威主義的な子育て、親のはげしい
情緒不安、虐待など。異常な教育的過関心も原因になることがある。子どもの側からみて、
息を抜けない環境が、子どもの心をゆがめる。子どもは、先ほども書いたように、一見「よ
い子」になるが、それはあくまでも仮面。この仮面にだまされてはいけない。こうした仮
面は、家庭内暴力を繰り返す子どもに、共通して見られる。

 子どもの心を遊離させないためにも、子育ては、『まじめ八割、いいかげん二割』と覚
えておく。これは車のハンドルの遊びのようなもの。子どもはこの「いいかげんな部分」
で、羽をのばし、自分を伸ばす。が、その「いいかげん」を許さない人がいる。許さない
というより、妥協しない。外から帰ってきたら、必ず手洗いさせるとか、うがいさせるな
ど。このタイプの親は、何ごとにつけ完ぺきさを求め、それを子どもに強要する。そして
それが子どもの心をゆがめる。が、悲劇はまだ続く。このタイプの親に限って、その自覚
がない。ないばかりか、自分は理想的な親だと思い込んでしまう。中には父母会の席など
で、堂々とそれを誇示する人もいる。

 なお子どもの二重人格性を知るのは、それほど難しいことではない。園や学校の参観日
に行ってみて、家庭における子どもと、園や学校での子どもの「違い」を見ればわかる。
もしあなたの子どもが、家庭でも園や学校でも、同じようであれば、問題はない。しかし
園や学校では、別人のようであれば、ここに書いた子どもを疑ってみる。そしてもしそう
なら、心の開放を、何よりも大切にする。一人静かにぼんやりとできる時間を大切にする。

●前兆症状に注意
 子どもの心の変化を、的確にとらえることによって、子どもの心の病気を未然に防ぐこ
とができる。チェック項目を考えてみた。

○ときどきもの思いに沈み、ふきげんな表情を見せる(抑うつ感)
○意味もなく悲しんだり、感傷的になって悲嘆する(悲哀感)
○「さみしい」「ひとりぼっち」という言葉を、ときどきもらす(孤独感)
○体の調子が悪いとか、勉強が思い通りに進まないとこぼす(不調感)
○「どうせ自分はダメ」とか、「未来は暗い」などと考えているよう(悲観)
○何をするにも、自信がなく、自らダメ人間であると言う(劣等感)
○好きな番組やゲームのはずなのに、突然ポカンとそれをやめてしまう(感情の喪
失)
○ちょっとしたことで、カッと激怒したり、人が変わったようになる(緊張感)
○イライラしたり、あせったりして、かえってものごとが手につかないよう(焦燥
感)
○ときどき苦しそうな表情をし、ため息をもらうことが多くなった(苦悶)
○同じことを堂々巡りに考え、いつまでもクヨクヨしている(思考の渋滞)
○考えることをやめてしまい、何か話しかけても、ただボーッとしている(思考の
停止)
○何かの行動をすることができず、決断することができない(優柔不断)
○ワークなど、問題集を見ているはずなのに、内容が理解できない(集中困難)
○「自分はダメだ」「悪い人間だ」と、自分を責める言動がこのところ目立つ(自
責感)
○「生きていてもムダ」「どうせ死ぬ」と、「死」という言葉が多くなる(希死願
望)
○行動力がなくなり、行動半径も小さくなる。友人も極端に少なくなる(活動力低
下)
○動きが鈍くなり、とっさの行動ができなくなる。動作がノロノロする(緩慢行動)
○ブツブツと独り言をいうようになる。意味のないことを口にする(内閉性)
○行動半径が小さくなり、行動パターンも限られてくる(寡動)
○独りでいることを好み、家族の輪の中に入ろうとしない(孤立化)
○何をしても、時間ばかりかかり、前に進まない(作業能率の低下)
○具体的に死ぬ方法を考え出したり、死後の世界を頭の中で描くようになる(自殺
企画)

こうした前兆症状を繰り返しながら、子どもの心は、本来あるべき状態から、ゆがんだ状
態へと進んでいく。

●家庭内暴力の特徴
 家庭内暴力といわれる暴力には、ほかには見られない特徴がいくつかある。

(1)区域限定的

 家庭内暴力は、その名称のとおり、「家庭内」のみにおいて、なされる。これは子ども
の側からみて、自己の支配下のみで、かつ自己の抑制下でなされることを意味する。その
暴力が、家庭を離れて、学校や社会、友人の世界で起こることはない。

(2)最終的危害行為にまでは及ばない

 子どもは、自分ができる、またできるギリギリのところまでの暴力を繰り返すが、その
一線を越えることはない。(たまに悲惨な事件がマスコミをにぎわすが、ああいったケー
スはむしろ例外で、ほとんどのばあい、子ども自身が、暴力をどこかで抑制する。)どこ
か子ども自身が、「ここまでは許される」というような冷静な判断をもちつつ、暴力を繰
り返す。これを私は「精神の二重構造性」と呼んでいる。言いかえると、これを反対にう
まく利用して、子どもの心に訴えるという方法もある。私もよく、そういう家庭の中に乗
り込んでいって、子どもと対峙したことがある。そういうとき、もう一方の冷静な子ども
がいることを想定して、つまりその子どもに話しかけるようにして、諭すという方法をと
る。「これは暴れる君ではない。もう一人の君だ。わかるかな。本当の君だよ。本当の君
は、やさしくて、もう一人の君を嫌っているはずだ。そうだろ?」と。大切なことは、決
して子どもを袋小路に追い込まないこと。励ましたり、脅したりするのは、タブー中のタ
ブー。

(3)計算された恐怖

 子どもが暴力を振るう目的は、親や兄弟に、恐怖を与えること。その恐怖を与えること
によって、相手を自分の支配下に置こうとする。方法としては、暴力団の構成員が、恐怖
心を相手に与えて、自分の優位性を誇示しているのに似ている。そしてその恐怖は、計算
されたもの。決して突発的、偶発的なものではない。繰り返すが、ここが、子どもがほか
で見せる暴力とは違うところ。妄想性を帯びることもあるが、たとえば分裂病患者がもつ
ような、非連続的な妄想や、了解不能な妄想をもつことはない。このタイプの子どもは、
どうすれば相手が自分の暴力に恐怖を覚え、自分に屈服するかを計算しながら、行動する。
そういう意味では、「依存」と「甘え」が混在した、アンビバレンツ(両価的)な状態と
いうことになる。

●家庭内暴力には、どう対処するか
 家庭内暴力に対処するには、いくつかの鉄則がある。

(1)できるだけ初期の段階で、それに気づく

家庭内暴力が家庭内暴力になるのは、初期の段階での不手際、家庭教育の失敗によるとこ
ろが大きい。子どもが荒れ始めると、親はこの段階で、説教、威圧、暴言、暴力を使って
子どもを抑えようとする。体力的にもまだ親のほうが優勢で、一時はそれで収まる様子を
見せることが多い。しかしこうした無理や強制は、それがたとえ一時的なものであっても、
子どもの心には取り返しがつかないほどのキズを残す。このキズが、その後、家庭内暴力
を、さらに凶暴なものにする。

(2)「直そう」とか、「治そう」と思わないこと

一度、悪循環に入ると、「以前のほうが、まだ症状が軽かった」ということを繰り返しな
がら、あとはドロ沼の悪循環におちいる。この悪循環の「輪」に入ると、あとは何をして
も裏目、裏目と出る。子どもの心の問題というのは、そういうもので、たとえばこれは非
行の例だが、「門限を過ぎても帰ってきた、そこで親は強く叱る」→「外泊する。そこで
親は強く叱る」→「家出を繰り返す、そこで親は強く叱る」→「年上の男性(女性)と、
同棲生活を始める、そこで親は強く叱る」→「性病になったり、妊娠したりする……」と
いう段階を経て、状態は、どんどんと悪化する。

そこで大切なことは、一度、こうした空回り(悪循環と裏目)を感じたら、「今の状態を
それ以上悪くしないこと」だけを考えて、親は子どもの指導から思い切って手を引く。「直
そう」とか、「治そう」と思ってはいけない。つまり子どもの側からみて、子どもを束縛
していたものから子どもを解き放つ。(親にはその自覚がないことが多い。)その時期は
早ければ早いほどよい。また子どもの症状は、数か月、半年、あるいは一年単位で観察す
る。一時的な症状の悪化、改善に、一喜一憂しないのがコツ。

(2)愛情の糸は切らない

 家庭内暴力は、あくまでも「心の病気」。そういう視点で対処する。脳そのものが、イ
ンフルエンザにかかったと思うこと。熱病で、苦しんでいる子どもに、勉強などさせない。
ただ脳がインフルエンザにかかっても、外からその症状が見えない。だから親としては、
子どもの病状がつかみにくいが、しかし病気は病気。そういう視点で、いつも子どもをみ
る。無理をしてはいけない。無理を求めてもいけない。この時点で重要なことは、「どん
なことがあっても、私はあなたを捨てません」「あなたを守ります」という親の愛情を守
り抜くこと。ここに書いたように、これはインフルエンザのようなもの。本当のインフル
エンザのように、数日から一週間で治るということはないが、しかし必ず、いつか治る。
(治らなかった例はない。症状がこじれて長期に渡った例や、副次的にいろいろな症状を
併発した例はある。)必ず治るから、そのときに視点を置いて、「今」の状態をみる。こ
の愛情さえしっかりしていれば、子どもの立ち直りも早いし、予後もよい。あとで笑い話
になるケースすらある。

(3)心の緊張感をほぐす

 一般の情緒不安と同じに考え、心の緊張感をほぐすことに全力をおく。そのとき、何が、
「核」になっているかを、知ることが大切。多くは、将来への不安や心配が核になってい
ることが多い。自分自身がもつ学歴信仰や、「学校へは行かねばならないもの」という義
務感が、子ども自らを追い込むこともある。よくあるケースとしては、子どもの心を軽減
しようとして、「学校へは行かなくてもいい」と言ったりすると、かえって暴力がはげし
くなることがある。子ども自身の葛藤に対しては、何ら解決にはならないからである。

 だいたい親自身も、それまで学歴信仰を強く信奉するケースが多い。子どもはそれを見
習っているだけなのだが、親にはその自覚がない。意識もない。子どもが家庭内暴力を起
こした段階でも、「まともに学校へ行ってほしい」「高校くらいは出てほしい」と願う親
は多い。が、それも限界を超えると、そのときはじめて親は、「学校なんかどうでもいい」
と思うようになるが、子どもはそれほど器用に自分の考えを変えることができない。そこ
で葛藤することになる。「どんどん自分がダメになる」という恐怖の中で、情緒は一挙に
不安定になる。

 ただ症状が軽いばあいは、子どもが学校へ行きやすい環境を用意してあげることで、暴
力行為が軽減することがある。A君は、夏休みの間、断続的に暴力行為を繰り返していた
が、母親が一緒になって宿題を片づけてやったところ、その暴力行為は停止した。このケ
ースでも、子ども自身が、自分を追い込んでいたことがわかる。

(4)食生活の改善

 家庭内暴力とはやや、内容を異にするが、「キレる子ども」というのがいる。そのキレ
る子どもについて、最近にわかにクローズアップされてきたのが、「セロトニン悪玉説」
である。つまり脳間伝達物質であるセロトニンが異常に分泌され、それが毒性をもって、
脳の抑制命令を狂わすという(生化学者、ミラー博士ほか)。アメリカでは、「過剰行動
児」として、もう二〇年以上も前から指摘されていることだが、もう少し具体的に言うと
こうだ。たとえば白砂糖を多く含む甘い食品を、一時的に過剰に摂取すると、インスリン
が多量に分泌され、それがセロトニンの過剰分泌を促す。そしてそれがキレる原因となる
という(岩手大学の大沢博名誉教授や大分大学の飯野節夫教授ほか)。

 このタイプの子どもは、独特の動き方をするのがわかっている。ちょうどカミソリの刃
でスパスパとものを切るように、動きが鋭くなる。なめらかな動作が消える。そしていっ
たん怒りだすと、カッとなり、見境なく暴れたり、ものを投げつけたりする。ギャーッと
金切り声を出すことも珍しくない。幼児でいうと、突発的にキーキー声を出して、泣いた
り、暴れたりする。興奮したとき、体を小刻みに震わせることもある。

 そこでもしこういう症状が見られたら、まず食生活を改善してみる。甘い食品を控え、
カルシウム分やマグネシウム分の多い食生活に心がける。リン酸食品も控える。リン酸は
日もちをよくしたり、鮮度を保つために多くの食品に使われている。リン酸をとると、せ
っかく摂取したカルシウムをリン酸カルシウムとして、体外へ排出してしまう。一方、昔
からイギリスでは、『カルシウムは紳士をつくる』という。日本でも戦前までは、カルシ
ウムは精神安定剤として使われていた。それはともかくも、子どもから静かな落ち着きが
消えたら、まずこのカルシウム不足を疑ってみる。ふつう子どものばあい、カルシウムが
不足してくると、筋肉の緊張感が持続できず、座っていても体をクニャクニャとくねらせ
たり、ダラダラさせたりする。

 これはここにも書いたように、キレる子どもへの対処法のひとつだが、家庭内暴力を繰
り返す子どもにも有効である。

 最後に家庭内暴力を起こす子どもは、一方で親の溺愛、あるいは育児拒否などにより、
情緒的未熟性が、その背景にあるとみる。親は突発的に変化したと言うが、本来子どもと
いうのは、その年齢ごとに、ちょうど昆虫がカラを脱ぐように、段階的に成長する。その
段階的な成長が、変質的な環境により、阻害されたためと考えられる。よくあるケースは、
幼児期から少年少女期にかけて、「いい子」で過ごしてしまうケース。こうした子どもが、
それまで脱げなかったカラを一挙に脱ごうとする。それが家庭内暴力の大きな要因となる。
そういう意味では、家庭内暴力というのは、もちろん心理的な分野からも考えられなけれ
ばならないが、同時に、家庭教育の失敗、あるいは家庭教育のひずみの集大成のようなも
のとも考えられる。子どもだけを一方的に問題にしても意味はないし、また何ら解決策に
はならない。

(以上、未完成ですが、また別の機会に補足します。)
(02−9−1)

           ツ  <<
      >> / \  <
    >>  /   \ <<
  >>>   |____|
 >>>  ツ  \∴∵∴/  <<<  また次号をよろしくお願いします!
 >>> / \   ̄ ̄ ̄  <<<     See you again in the next magazine!
>>> /   \ <<<
>>>|____| <<<
 >> \∴∵∴/ <<<
☆===================☆==================

(イラストは、パナソニックパソコン付録のフリーソフトを転用しました。)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●North Korea seen reluctant to divulge nuclear plans(NK国は、核開発暴露に、消極
的)

I don't think that C. Hill is such a person that is so tolerant and generous, but he has no 
choice to follow what North Korea says and does. C. Hill is so much pro-South Korea 
and his son is driving a Korean-made car back in USA. He is believed to support 
so-called "the sun and the north wind Policy" of South Korea. But is it OK? Wake up, Mr 
Hill! North Korea is not such a nation which we think she is. 

+++++++++++++++++

NK国の核兵器開発は、いったい
どうなっているのか?

今朝(1月9日)の朝鮮N報を読むと、
今月中(08年1月)に、6か国協議が
開かれるという。

情報が交錯している。

アメリカのABCニュースから、関連記事を
さがしてみた。

+++++++++++++++++

 この中でとくに注目しなければならないのは、ヒル氏の発言ということになる。ヒル氏
は、こう述べている。

"They have not wanted to list certain programs that we know about and they know that 
we know about,"

「彼らは、我々が知っているあるプログラムをリスト化したくないと望んでいる。そして
彼らは、我々が知っていることを知っていると、それをリスト化したくないと望んでいる」

"The DPRK (North Korea) is not often automatically inclined to be transparent."

「NK国は、しばしば自動的に、透明性をもたない傾向がある」(=自ら進んで、透明性を
高めようとはしない。)

"I don't think there is any reason to panic, no reason to get upset or turn this into a 
crisis,"

「(期限が過ぎたことについて)、パニックになる必要はないし、動揺する必要もないし、
危機にする必要もない」

 ヒル氏は、要するに、「NK国は、そういう国だから、そういう国だと知った上で、もう
少し忍耐強く交渉するしかない」と言っている。

 韓国の「太陽政策」とやらに、まんまと乗せられてしまったヒル氏。大の韓国びいき。
息子氏は、韓国製の自動車を運転している。今さら、「私の方策はまちがっていました」と
は、とても言えない。苦しい胸中はよくわかる。

参考:アメリカABCニュース(08年1月8日)
SEOUL (Reuters) - North Korea's refusal to divulge details of its nuclear weapons 
program caused it to miss a deadline in a disarmament-for-aid deal it struck with 
regional powers, a U.S. nuclear envoy said on Tuesday. 

North Korea missed an end-of-2007 deadline to provide a full listing of its nuclear arms 
program and answer U.S. suspicions of having a clandestine program to enrich uranium 
for weapons.

"They have not wanted to list certain programs that we know about and they know that 
we know about," U.S. Assistant Secretary of State Christopher Hill said after arriving 
in Seoul.

"The DPRK (North Korea) is not often automatically inclined to be transparent."
Reclusive North Korea has a history of missing deadlines and dragging its feet in its 
limited international dealings. It often uses brinkmanship to extract maximum 
concessions.

Hill, who is traveling to Northeast Asia and Russia, urged patience and said the United 
States was looking for a full declaration from North Korea.

"I don't think there is any reason to panic, no reason to get upset or turn this into a 
crisis," he said.

North Korea has been cooperating in another part of the nuclear deal in taking apart its 
ageing facility that generates arms-grade plutonium, he added.

Under the deal, energy-starved North Korea can receive up to 1 million tons of heavy 
fuel oil or equivalent aid and removal from a U.S. terrorism blacklist if it makes the 
nuclear declaration and disables its nuclear plant.
(Reporting by Jon Herskovitz; Editing by Alex Richardson)

 ここで単語を拾ってみよう。これは英語の勉強のため。

divulge……暴露する

a disarmament-for-aid deal……軍縮―援助取り引き

U.S. Assistant Secretary of State Christopher Hill……国務次官補、クリストファー・ヒ


a U.S. terrorism blacklist……合衆国テロブラックリスト

six-party nuclear negotiations……6か国核兵器交渉


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.こんにちは!  (″ ▽ ゛)○   
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子育て最前線の育児論byはやし浩司   0年 2月 1日  999号
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2月1日現在、999号です!

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http://bwhayashi2.fc2web.com/page016.html

●まぐまぐプレミアの購読料は、月額300円です。

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電子マガジンを、HTML(カラー+写真版)でも、お届けしています。
見本版をご覧くださる方は(↓)を、クリックしてください。
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********安全は確認しています。どうか安心して、お読みください*****

【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【マガジン・復刻版】

Feb 4th 2008, I will issue the 1000th celebrated magazine with my honor. I started this 
magazine on June 6th 2001 and since then I have published my magazines twice and 
three times (later) per week. It has been a long way to come up here. I just remember 
one day I thought while I was writing articles like this: "Shall I be on this world when I 
issu the 1000th magazine?" Yes, I am still alive! I can see, I can think, I can hear and I 
am alive. What else can I ask the world more? Here on this occasion I would like to 
express my greatest thanks to all of these readers and people who have supported me in 
the past. Thank you very much! Here I would like to introduce some of my magazines 
which I issued more than 6 years ago.

+++++++++++++++++

2008年の2月1日、私の電子
マガジンは、999号を迎えます。

次回、2月4日、1000号を迎えます。

遠い道のりでした。

いつだったか、1000号の発行日を
計算しながら、「それまで生きているだろうか」
と考えたことがあります。

しかし私は、生きています。
こうして元気に生きています。

目も見える。
音も聞こえる。
体も動く。

健康です!

みなさん、ありがとうございました。

第1号〜は、Eマガの過去版のほうに
収録されています。興味をもってくださる
人がいれば、どうか、また目を通して
みてください。

今回は、その復刻版を改めて読みなおし
ながら、自分なりのコメントを書き添えて
みたいと思います。

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http://www.emaga.com/bn/list.cgi?code=hhayashi2

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 彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
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    子育て最前線の育児論
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2001年6月6日号
         by はやし浩司(ひろし)

トピックス

● はじめまして! 
●育児診断ができるぞ
●子育て定期検診ができるぞ
●はやし浩司、ってどんな人?
●どんなことを考えている……?


●はじめまして!

今回から、E-マガジン、初登場です。よろしくお願いします。
子育ての最前線でがんばっている、お母さん、お父さんのためのマ
ガジンです。

この日本、エラーイ先生も、私のようなエラークない先生もいます。
どこが違う……かって?

エラーイ先生には、実戦経験がない。しかし私はいつも子育ての最
前線で、お母さんたちと戦ってきた。いわば、最前線の現場指揮官
というわけです。経験は豊富です。たいていの問題には、答えられ
ます。お助けできます。そんな私が皆さんのお役に、少しでもたて
ればと思い、このマガジンを発行することにしました。

                    はやし浩司


●育児診断ができるぞ!
あなたは過保護ママ? 過干渉ママ? それとも溺愛ママ?
 
診断方法 …… http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
   の「子育て診断」→「過保護ママ?」を開いてみてください。
30項目の質問に答えるだけ(少したいへんかな?)。でも一度は診
断してみてください。わかっているようで、意外とわかっていないの
が、自分の子育てです。


●子育て定期検診もできます!

あなたのお子さんは、園や学校から帰ってきたら、どこで疲れた心
と体を休めていますか。
あなたのいる前で、心と体を休めていればよし。しかし……。そん
な日常的な様子から、あなたの子育てを定期検診します。

検診方法 …… http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
   の「子育て診断」→「定期検診」を開いてみてください。


●はやし浩司って、どんな男?

現在、中日新聞で、子育て論を連載しています。2001年6月
で、もう丸4年になります(東海版、毎週土曜日朝刊)。
Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/
を開いてみてください。最近のコラム50作が、紹介されていま
す。決してあやしい男(あやしいかな?)ではありません。意外
とオーソドックス、正統派です。

☆ただいま、会員募集中!(無料です!)

ただいまE-マガジンの会員を募集しています。毎回定期的に、み
なさんのところに、E-マガジンセンターから、このようなマガジ
ンが送られてきます。どうか、ご登録ください。

無料です。一切、負担はありません。かつ、E-マガジンのもろもろ
の子育て情報を、無料で手に入れることができます。

会員登録のしかた ……  
(1)下をクリックする
http://www.emaga.com/
(2)E-マガジンの画面が出てくる。
(3)右上の「検索」で、「最前線」と記入して、検索をクリック!
(4)私のE-マガジンが紹介されていますから、そこで購読を登録!

では、皆さんのご来訪をお待ちしています!


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以上が、第1号です。このときは、読者はゼロでした。
つづいて、第4号。このとき読者は、7人になって
いました。

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 彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
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    子育て最前線の育児論
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2001年7月6日号(004号)
         by はやし浩司(ひろし)

★★★★★★★★
01−7−6号
★★★★★★★★

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★静岡県教育委員会発行の、「ファミリス」に、9月号から
連載記事が載ります。どうかご覧になってください。
「教育委員会」というと、コワ〜イイメージをもって
おられる方も多いと思いますが、私の記事は、きわめて
実用的です。楽しみにしておいてください。

★「別冊PHP」9月号(7・23発売)に特集記事が載ります。
どうかご覧になってください。

★「浜松百撰」で、子育て対談をします。7月24日予定ですので、
記事はそれ以後載ると思います。ご注目ください。

**************************

あなたの子育てをチェックしてみませんか?

お子さんのちょっとした、しぐさの中に、
実は重大な警告が隠されている……というようなことが
よくあります。

たとえば……

(机とお子さんの相性)

●お子さんが好きそうな食べ物や、おもちゃをそっと
机の上に置いてみてあげてください。
そのときお子さんが

(1)そのまま机に座って、食べ物を食べたり、おもちゃ
で遊んだりすれば、だいじょうぶ。

(2)しかしその食べ物やおもちゃを、別の場所に移動して
食べたり、遊んだりするようであれば、お子さんと
机の相性はよくないとみます。

長い間、相性の悪い机を使っていると、勉強嫌い……
ということにもなりかねませんので、ご注意ください。

●同じように、たとえば親子の断絶なども、ちょっとした様子
から、その初期症状を知ることができます。

 それをまとめたのが、「子育て診断」です。わかりやすい15項目に
 してみましたので、どうかご活用ください。

詳しくは……
  http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
  の中、

  (育児診断)→(子育て危険度早期診断)をご覧になってください。
  7月10日に、新居町教育委員会のほうで、講演をします。その席を
  借りて、結果の集計をし、その結果は、また私のホームページのほうに
  掲載しておきますので、11日以後、結果をお知りになりたい方は、どう
  かまたご覧になってください。

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親子の断絶が始まるとき

●最初は小さな亀裂

最初は、それは小さな亀裂で始まる。しかしそれに気づく親は少ない。「まさか……」「ま
だ何とかなる……」と思っているうちに、やがて互いの間の不協和音は大きくなる。そし
てそれが、断絶へと進む……。

 今、「父親を尊敬していない」と考えている中高校生は五五%もいる。「父親のようにな
りたくない」と思っている中高校生は七九%もいる(「青少年白書」平成十年)。が、この
程度ならまだよいほうだ。親子といいながら会話もない。廊下ですれ違っても、目と目を
そむけあう。まさに一触即発。親が何かを話しかけただけで、子どもは「ウッセー!」と。
そこで親は親で、「親に向かって、何だ、その態度は!」となる。あとはいつもの大げんか!

 ……こう書くと、たいていの親はこう言う。「うちはだいじょうぶ」と。「私は子どもに
感謝されているはず」と思っている親もいる。しかし本当にそうか。そこでこんなテスト。
あなたの子どもが、学校から帰ってきたら、どこで体を休めているか、それを観察してみ
てほしい。そのときあなたの子どもが、あなたのいるところで、あなたのことを気にしな
いで、体を休めているようであれば、それでよし。あなたと子どもの関係は良好とみてよ
い。しかし好んであなたの姿の見えないところで体を休めたり、あなたの姿を見ると、ど
こかへ逃げて行くようであれば、要注意。かなり反省したほうがよい。ちなみに中高校生
の多くが、心が休まる場所としてあげたのが、(1)風呂の中、(2)トイレの中、それに
(3)ふとんの中だそうだ(「学外研」九八年報告)。

●断絶の三要素

 親子を断絶させるものに、三つある。権威主義、相互不信、それにリズムの乱れ。「私は
親だ」というのが権威主義。「子どものことは、私が一番よく知っている」という親ほど、
あぶない。

この権威主義が強ければ強いほど、子どもは親の前では、仮面をかぶる。いい子ぶる。
その分だけ、子どもの心は離れる。次に相互不信。「うちの子はすばらしい」という自信
が、子どもを伸ばす。しかし親が「心配だ」「不安だ」と思っていると、それはそのまま
子どもの心となる。人間の心は、鏡のようなもの。

イギリスの格言にも、「相手は、あなたが思っているように、あなたのことを思う」とい
うのがある。つまりあなたが子どものことを「すばらしい子」と思っていると、あなた
の子どもも、あなたを「すばらしい親」と思うようになる。そういう相互作用が、親子
の間を密にする。が、そうでなければ、そうでなくなる。三つ目にリズム。あなたの子
どもがまだヨチヨチ歩きをしていたころを思い出してみてほしい。そのときあなたは子
どもの横か、うしろを歩いていただろうか。そうであれば、それでよし。しかしあなた
が子どもの前を、子どもの手を引きながら、ぐいぐいと歩いていたとするなら、あなた
と子どものリズムは、そのときから狂い始めていたとみる。

おけいこ塾でも何でも、あなたは子どもの意思を無視して、勝手に決めていたはずだ。
やがてあなたは子どもと、こんな会話をするようになるかもしれない。親「あんたは誰
のおかげでピアノがひけるようになったか、それがわかっているの! お母さんが高い
月謝を払って、毎週ピアノ教室へ連れていってあげたからよ!」子「いつ誰が、そんな
こと、あんたに頼んだ!」と。

 権威主義は百害あって一利なし。頭ごなしの命令は、タブー。子どもを信じ、今日から
でも遅くないから、子どものうしろを歩く。決して前を歩かない。アメリカでは、親子で
も、「お前はパパに何をしてほしい」とか、「ママはぼくに何をしてほしい」と聞き合って
いる。そういう謙虚さが、子どもの心を開く。親子の断絶を防ぐ。
 
************************************
これからも、よろしくご購読ください。
             はやし浩司
*************************************

(以下、003号です。)

まだの方はどうかお読みください。

朝晩は気持ちのよい日になりました。お元気ですか?

「はやし浩司のホームページ」が、またまた充実しました。
また、ぜひ、ご覧になってください。
                 はやし浩司(ひろし)

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ホームページに、またまた新しいコーナーが、新登場!

●お子さん向けの、「読んでね」コーナー
●「子どもチェックシート」

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(近況ニュース)

★6月29日(金曜日)午前10時〜より、静岡県教育委員会主催の
「教育講演会」で、基調講演をいたします。
    場所:可美総合センターにて
(午後からは、パネルディスカッションを予定しています)
       お申し込みは …… 053−458−7304です。

★「別冊PHP」9月号 (7月23日発売)増刊号にて、
      「子どもをほめるコツ・しかるコツ」の特集記事を書かせてもらいました。
          ぜひ、書店で、お買い求めください。

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中日新聞(東海版)では、

    「乱舞するイメージ」を書きました。

          Http://www.chunichi-tokai.co.jp/education/child_world/
               を、ご覧ください。

       右脳教育への疑問を、この記事の中に織り込みました。

   なお新聞のほうは、「人間は考えるアシ」を掲載してもらいました。
   インターネットでは、6月22日以後、紹介されます。よろしく!

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「読んでね」コーナーは、直接お子さんに呼びかけるコーナーです。
お子さんが、読んでくださることを願っています。
対象年齢は、小4〜中学生を考えて、書きました。



賢明な人、愚(おろ)かな人

賢明な人はね、なくす前に、その価値に気づくんだよ。
しかしね、愚かな人は、なくしてから、その価値に気づくんだよ。
たとえば健康。たとえば時間。たとえば家族。

それからね、愚かな人とは、つきあってはダメだよ。
愚かな人とつきあっていると、君たちまで、愚かになるよ。
いいかな。
自分よりすぐれている人を見つけて、
その人をいつも目標にするといいよ。

賢明な人はね、いつも自分より、より賢明な人をみつけて、
自分の力のないことを、嘆くのさ。
愚かな人はね、いつも自分より、より愚かな人をみつけて、
それで自分をなぐさめるのさ。
 
それからね、賢明な人は、愚かな人を相手にしない。
でもね愚かな人は、賢明な人に、あれこれ文句を言ってくる。
自分が愚かだとわかっていないからね。

だからちょうど、図書館で本を選ぶように、
君たちも、友や仲間を選ぶんだよ。
これはとても大切なことだよ。

++++++++++++++++++++

バカな人
ついでにね、

「フォレスト・ガンプ」という映画の中で、
フォレストのお母さんが、こう言うよ。
「バカなことをする人を、バカと言うのよ。頭じゃ、ないのよ」と、ね。
いい映画だから、一度は見てごらん。

いいかな。バカなことをする人を、バカというんだよ。
勉強ができないとか、成績が悪いとか、そういうことではないよ。
バカなことをする人を、バカというんだよ。
タバコを吸ったり、バイクで夜中に騒いだり、
ゴミを平気で捨てたり、道路にツバをはいたり、
人をキズつけるようなことを平気で言う人を
バカって、いうんだよ。
人をいじめたり、いやがらせをしたり、仲間ハズレをしたりして
おもしろがっている人を、バカっていうんだよ。
君は、そのバカな人ではないんだよ。
だってね、
この文章を読んでね、バカの本当の意味がわかったからね。

+++++++++++++++++++

相手のこと

イギリスのことわざに、ね、
「相手は、自分が相手を思うように、自分を思う」というのが、あるよ。
つまりね、
君が、AさんならAさんを、「いい人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いい人だ」と思っているということ。
君が、AさんならAさんを、「いやな人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いやな人だ」と思っているということ。
そういう意味でね、人間の心は、カガミのようなものだね。

だからね、みんなと仲よくしたかったら、みんなのことを「いい人だ」と
思うようにするといいよ。そうするとね、みんなも、君のことを
「いい人だ」と思うようになるよ。やってみたら?

++++++++++++++++++++

家庭

君は、どこで心を休めているのかな?
家の中。そう家の中だよね。
でも、その家の中のどこかな?
居間かな? 台所かな?
「トイレの中」と言った人もいたよ。
「お風呂の中」と言った人もいたよ。
あるいは「ふとんの中」と言った人もいたよ。

でもね、もし君が、家族のいる、
みんなの中が、一番安心できるとしたら、
それはすばらしいことだよ。
君は、すばらしい家族をもっているということ。
うらやましい、ね。
もしそうなら、君は、君の家族を、
大切にしたらいいよ。
自信をもって、ね。

(ほか、30項目)続きはホームページで
        http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/


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 この1〜4号のころは、まさに手探りの状態でした。(当然ですが……。)「書いても、は
たして読んでくれる人がいるだろうか」と、そんな不安ばかり、先に立ったのを覚えてい
ます。

 もっとも、そのころは、(遊び)のつもりでした。本気で書くようになったのは、ずっと
あとになってからのことです。1000号を意識するようになったのは、さらにあとにな
ってからのことです。

 毎号、1〜2人と読者がふえていくのは、ほんとうに励みになりました。その新しく読
者になってくれた人をがっかりさせたくないという思いが、私の書く原動力になりました。
そんな思いが、この1〜4号を読むと、6年6か月という年月を超えて、私の心の中によ
みがえってきます。

 文もどこかいいかげんで、自己宣伝ばかり。あのころの私は、それでもインターネット
の未来を信じて、電子マガジンの発行を始めました。「本を書くより、インターネットだ」
とです。

 2003年以後は、一冊も、本を書いていないのは、そのためです。

 結果として、それがよかったのか、悪かったのか、まだよくわかりません。この間、も
ちろん収入は、ほとんどありませんでした。またマガジンを出したからといって、世間的
に注目されるということもありませんでした。

 インターネットの世界は、まあ、こんなものですね。

 しかし現在、マガジン、HP、BLOGなどを含めますと、月に約10万件のアクセス
があります。10万件ですよ!

 重複している人も多いかと思いますが、それでも、月に10万人の人たちが、「はやし浩
司の文章」に触れてくれています。世間的な評価は別として、これはものすごいことです。
書籍ではとても、まねのできないことです。

 が、その(ものすごさ)にしても、肌で実感するということはありません。そこは電子
の世界ですね。数字だけが、勝手にひとり歩きしているといった感じです。一方、原稿を
書いている私は、丘の上から、空に向かって話しているようなものです。そこに読者の方
がいるとしても、その姿はまったく見えません。本のように、モノとして残るということ
もありません。

 そういう意味では、おかしな、ほんとうにおかしな世界です。

 2月4日、ささやかですが、今までのよき協力者であり、理解者であったワイフと2人
で、どこかのレストランで祝杯をあげます。

 何がうれしいかといって、今、現実に、こうして元気でものを考え、ものを書けること
くらい、うれしいことはありません。

 1000号までつづけてくることができたのは、賛助会のみなさん、まぐプレの読者の
みなさん、それに、わかば医院のみなさんの暖かい励ましがあったからです。この場で、
厚くお礼を申し上げます。

 なお1001号からは、さらに、(1)英文をふやして外国に向けて、自分の意見を発表
していく、(2)USTREAMなどのサービスを利用して、動画と音声を多用していく…
…などとうことを考えています。

 以上ですが、これからも、よろしくお願いします。

 長い間のご購読、ありがとうございました。

       2008年1月8日記                はやし浩司


+++++++++++++++++

以下、読者が100人を超えたときの
号です。

日付を見ると、11月23日になって
います。

第1号から、5か月もかかりました。


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 彡彡人ミミ      彡彡彡彡彡
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    子育て最前線の育児論
 ================          
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01−11−23号(15)
★★★★★★★★
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http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

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ウィルス対策について……
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
の「トップページ」より、「ウィルス対策」をご覧ください。
どうか安心して、このサイトをお楽しみください。
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文字化けして、お読みになりにくい点がありましたら、
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
より、(マガジン読者)のコーナーへおいでください。少しだけ読みやすくしてあります。
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今回も、マガジンをご愛読くださり、感謝しています。ありがとうございます!
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メニュー

(1)よい幼稚園の選び方
(2)よい先生の見分け方(子どもとの相性を知る)
(3)教育者の美談にだまされない法
(4)子どもを本好きにする法(子どもの方向性を知る)

********************************
来春、リヨン社から新しい本を出します。よろしくお願いします。
********************************

あなたは、目上の人でも、目下の人でも、同じような電話をかけていますか?
権威主義的なものの考え方をする人、つまり無意識のうちにも、人間の上下関係を
つくる人は、目上の人に対する態度と、目下の人に対する態度が、まるで違います。
そんなことを書いたのが、「親子の関係がぎくしゃくするとき」です。どうか
お読みください。

*********************************

●よい幼稚園を選ぶ法(先生を見て選べ!)

親が幼稚園を選ぶとき 

●「どこの幼稚園がいいですか?」

 「どこの幼稚園がいいですか」という問い合わせが、ときどきある。私のばあい、立場
上、具体的に幼稚園の名前を出すということはできない。しかしよい幼稚園を選ぶポイン
トはある。

その一。まず園長を見る。園長が運動服でも着て、園児の中で汗をかいている幼稚園は
すばらしい。理由がある。教育というのは、手をかけようと思えば、どこまでも手がか
けられる。反面、手を抜こうと思えば、いくらでも抜ける。しかし園長が率先して教育
の中に飛び込んでくるような幼稚園では、現場の先生は手を抜くことができない。

 次に、幼稚園は子どもの視点で見る。たとえばピカピカにみがかれた、汚れ一つない幼
稚園は、親には受けがよい。しかしそれは子どもの世界ではない。よい幼稚園というのは、
園舎のあちこちに子どもの臭いがする。落書きがあったり、いたずらをしたあとが残って
いたりする。そういう臭いがする幼稚園は、よい幼稚園ということになる。

そして三つ目のポイントは、哲学があるかどうかということ。富士宮市にR幼稚園とい
うのがある。その幼稚園では、独自に玄米食の給食をしている。給食の時間になると、
子どもたちが「♪カメカメカメよ、カメさんよ」と歌を歌いながら、玄米を懸命にかみな
がら食べている。大阪市のI幼稚園の園長は、ものを大切にするという意図から、いつ
もヨレヨレのスーツを着ている。浜松市のK幼稚園では、無数の動物を飼っている。私
が見に行ったときも、アヒルの子どもが生まれて、子どもたちはワイワイと喜んでいた。
そういう幼稚園は、すばらしい。

●幼稚園は先生を見て選ぶ

 が、何といっても最大のポイントは、現場の先生だ。先生が生き生きと活動している幼
稚園は、すばらしい。よい幼稚園には活気がある。先生もハツラツとしている。明るい声
が飛び交っている。静岡市の郊外にR幼稚園という幼稚園がある。その職員室でお茶を飲
んでいたときのこと。若い先生たちが、大きな声で、「今日の資料できていますかア!」「ハ
イ、できてるわよ!」と、皆が声をかけあっていた。そういう幼稚園は、すばらしい。

「先生」というには、「先に生き生きとするから先生」、……というのは、こじつけだが、
しかし先生と言うのは、そうでなくてはいけない。その活気の中に、子どもたちが巻き
込まれていく。あるいは先生が庭にいたりすると、子どもたちが、先生のまわりに集ま
ってくる。先生に飛びついたりして、楽しそうにはしゃいでいる。そういう幼稚園はす
ばらしい。子どもと先生の関係を、外から観察してみるとそれがわかる。

もちろんあまり推薦できない幼稚園もある。経営第一主義の幼稚園だ。それを感じたら、
子どもをやらないほうがよい。こういう幼稚園はやることだけはどこか派手だが、一本
スジが通っていない。それについてはここにはこの程度しか書けないが、要するにここ
に書いたすばらしい幼稚園の、反対の幼稚園だと思えばよい。

●メリハリのある授業がよい授業

 また先生のよしあしは、メリハリのある授業ができるかどうかでみる。発言のときにな
ると、子どもたちが自由かったつに意見を言い、作業のときになると、シーンと静まりか
える。しっかりとした口調で、テキパキと指導を進める。

そういう授業のできる先生はすばらしい。が、一番のポイントは、子ども好きの先生か
どうかということ。教えることを楽しんでいるかどうかでみる。子どもが何かを失敗し
たときの様子をみれば、それがわかる。先生が子どもを叱るときでも、子ども好きの先
生だとどこかなごやかな雰囲気になる。そうでない先生は、ピリピリとした雰囲気にな
る。

 ……とまあ、偉そうなことを書いてしまったが、許してほしい。園長や現場の先生なら、
私のような人間にこういうことを言われると、頭にカチンとくるものだ。「教育は権威だ」
「運動着など着られるか」と言う園長もいるにはいる。そういう気持ちはよくわかる。一
応ここでは、私は常識的なことを書いた。あくまでも一つの参考になればよい。

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●子どもと先生の相性を見分ける法(休み時間を観察せよ!)

子どもがよい先生を見分けるとき

●よい先生VS悪い先生

 私のような、もともと性格のゆがんだ男が、かろうじて「まとも?」でいられるのは、「教
える」という立場にあるからだ。子ども、なかんずく幼児に接していると、その純粋さに
毎日のように心を洗われる。何かトラブルがあって、気分が滅入っているときでも、子ど
もたちと接したとたん、それが吹っ飛んでしまう。よく「仕事のストレス」を問題にする
人がいる。しかし私のばあい、職場そのものが、ストレス解消の場となっている。

●「子ども的」ということ

 その子どもたちと接していると、ものの考え方が、どうしても子ども的になる。しかし
誤解しないでほしい。「子ども的」というのは、幼稚という意味ではない。子どもは確かに
知識は乏しく、未経験だが、決して、幼稚ではない。むしろ人間は、おとなになるにつれ
て、多くの雑音の中で、自分を見失っていく。醜くなる人だっている。

「子ども的である」ということは、何ら恥ずべきことではない。特に私のばあい、若い
ときから、いろいろな世界をのぞいてきた。教育の世界や出版界はもちろんのこと、翻
訳や通訳の世界も経験した。いくつかの会社の貿易業務を手伝ったり、医学の世界をか
いま見たこともある。しかしこれだけは言える。園や学校の先生には、心のゆがんだ人
は、まずいないということ。少なくとも、ほかの世界よりは、はるかに少ない。

●目線が子どもと同じ高さ?

 そこで「よい先生」論である。いろいろな先生に会ってきたが、目線が子どもと同じ高
さにいる先生もいる。が、中には上から子どもを見おろしている先生もいる。このタイプ
の先生は妙に権威主義的で、いばっている。そういう先生は、そういう先生なりに、「教育」
を考えてそうしているのだろうが、しかしすばらしい世界を、ムダにしている。それはち
ょうど美しい花を見て、それを美しいと感動する前に、花の品種改良を考えるようなもの
だ。昔、こんな先生がいた。ことあるごとに、「親のしつけがなっていない」「あの子は問
題児」とこぼす先生である。決して悪い先生ではないが、しかしこういう先生に出会うと、
子どもから明るさが消える。

 そこで子どもと先生の相性があっているかどうかを見分ける、簡単な方法……。子ども
に紙とクレヨンを渡して、「園の先生と遊んでいるところをかいてね」と指示する。そのと
き子どもがあれこれ先生の話をしながら、楽しそうに絵をかけばよし。そうでなく、子ど
もが暗い表情になったり、絵をかきたがらないようであれば、子どもと先生の相性は、よ
くないとみる。もしそうであれば、この時期はできるだけ早い機会に、園長なら園長に相
談して、子どもと先生の関係を調整したほうがよい。

(参考)
●教師の外部評価制

 教師の指導力を、地域住民がチェックするという「外部評価制」が、二〇〇二年度より
東京都品川区で実施されることになった。評価結果は項目ごとに四段階で示され、年度末
に公表し、学校選びの目安にしようというもの。一つの自治体が小中学校に外部評価を導
入するのはたいへん珍しい。学校そのものを外部のきびしい目にさらすことで、学校改革
を促す試みとして、今注目されている。

 品川区には現在、公立小中学校は五八校あるが、各学校ごとに保護者と地域の住人数一
〇人に「評価モニター」を委託し、月に一度以上学校を訪れてもらい、一年間かけて学校
の様子を評価してもらおうというもの。具体的には、(1)教員の指導が行き届いているか、
(2)いじめなどで子どもが不当な扱いを受けていないか、(3)学校の方針は妥当かなど、
約二〇項目についてA〜Dの四段階で評価する。結果は品川区のホームページで公表し、
区が新入生に配る学校案内にも掲載されるという。また評価の低かった項目については、
各学校に改善計画を提出させ、評価結果とあわせて公表するという。

●私の経験から……

 「古い体質をなかなか変えようとしない学校教育を改善するには効果的」(若月秀夫教育
長)ということだが、私ももう二〇年近く前に、浜松市内の小学校について、学校に対す
る評価を調査したことがある。しかしその結果、(1)評価は、複数の学校を相互に比較し
てはじめて可能。(2)客観的評価は、たいへん難しいの二点で、「この種の調査は、あま
り意味がない」という結論を出したことがある。その学校しか知らない父母や子どもに、「あ
なたの学校をどう思いますか」と質問しても、その質問自体にあまり意味がないということ。

そこで県外からの転校生や、兄弟で別々の学校に通っている子どもやその父母に聞き取
り調査をしてみたが、今度はサンプル数そのものが少なくて、「結果」と言えるほどまで
に集計できなかった。さらに親の評価はたいへん主観的なもので、「友だち先生」をよい
先生とする親もいれば、悪いとする親もいる。また同じ先生でも、比較的勉強がよくで
きる子どもの親はよい先生と評価し、勉強ができない子どもの親は悪い先生と評価する
ということもわかった。品川区のお手並みを拝見したい。

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●教育者の美談にだまされない法(美談にだまされるな!)

教育者が美談を口にするとき

●どこかおかしい美談

 美しい話だが、よく考えてみるとおかしいというような話は、教育の世界には多い。こ
んな話がある。

 あるテレビタレントがアフリカへ行ったときのこと。物乞いの子どもがその人のところ
にやってきて、「あなたのもっているペンをくれ」と頼んだという。理由を聞くと、「ぼく
はそのペンで勉強をして、この国を救う立派な人間になりたい」と。そのタレントは、感
きわまった様子で、ほとんど涙ながらにこの話をしていた(二〇〇〇年夏、H市での教育
講演)。しかしこの話はどこかおかしい。だいたい「国を救う」という高邁な精神をもって
いる子どもが、「ペンをくれ」などと、物乞いなどするだろうか。仮にペンを手に入れても、
インクの補充はどうするのか。「だから日本の子どもたちよ、豊かであることに感謝せよ」
ということを、そのタレントは言いたかったのだろうが、この話はどこか不自然である。
こんな事実もある。

 一五年ほど前のこと。K県の私塾連盟の有志が、トラック一杯の学用品を、インド洋に
あるS国に送ったことがある。で、その二年後、その文房具がどう使われているか、二人
の教師が見に行った。が、それらの文房具はほとんど手つかずのまま、倉庫に眠っていた
という。理由を聞くと、その学校の先生はこう言った。「父親の一日の給料よりも高価なノ
ートや鉛筆を、どうして子どもに渡せますか」と。「石版にチョークのほうが、使いやすい
です」とも。そういう話ならわかるが、「立派な人間になりたい」とは?

 そうそう似たような話だが、昔、『いっぱいのかけそば』という話もあった。しかしこの
話もおかしい。貧しい親子が、一杯のかけそばを分けあって食べたという、あの話である。
国会でも取りあげられ、その後、映画にもなった。しかし私がその場にいた親なら、かけ
そばには箸をつけない。「私はいいから、お前たちだけで食べろ」と言って、週刊誌でも読
んでいる。私には私の生きる誇りというものがある。その誇りを捨てたら、私はおしまい。
親としての私もおしまい。またこんな話も……。

●「ぼくのために負けてくれ」

 運動会でのこと。これから一〇〇メートル走というときのこと。横に並んだB君(小二)
が、A君にこう言った。「お願いだから、ぼくのために負けてくれ。でないと、ぼくはママ
に叱られる」と。そこでA君は最初はB君のうしろを走ったが、わざと負ければ、かえっ
てB君のためにならない思い、途中から本気で走ってB君を追い抜き、B君に勝った、と。
ある著名な教育家が、ある雑誌の巻頭で披露していた話だが、この話は、視点そのものが
おかしい。その教育者は、二人の会話をどうやって知ったというのだろうか。それに教え
たことのある人ならすぐわかるが、こういう高度な判断能力は、小学二年生には、まだな
い。仮にあったとしても、あの騒々しい運動会で、どうやってそれができたというのだろ
うか。さらに、こんな話も……。

●こんな美談も……

 ある小学校教師が一時間目の授業に顔を出したときのこと。小学一年生の生徒たちが、
「先生の顔はおかしい」と言った。そこでその教師が鏡を見ると、確かにへんな顔をして
いた。原因は、その前の職員会議だった。その会議で不愉快な思いをしたのが、そのまま
顔に出ていた。そこでその教師は、三〇分間ほど、近くのたんぼのあぜ道を歩いて気分を
取りなおし、そして再び授業に臨んだという。その教師は、「そういうことまでして、私は
子どもたちの前に立つときは心を整えた」とテレビで話していたが、この話もおかしい。
その三〇分間だが、子どもたちはどこで何をしていたというのだろうか。その教師の話だ
と、子どもたちは教室に残されたままだったということになるのだが……?

 教育を語る者は、いつも美しい話をしたがる。しかしその美しい話には、じゅうぶん注
意したらよい。こうした美しい話のほとんどは、ウソか作り話。中身のない教育者ほど、
こうした美しい話で自分の説話を飾りたがる。

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●子どもを本好きにする法(方向性は図書館で知れ!)

子どもの方向性を知るとき 

●図書館でわかる子どもの方向性
 
子どもの方向性を知るには、図書館へ連れて行けばよい。数時間、図書館の中で自由に
遊ばせてみればよい。そしてそのあと、子どもがどんな本を読んでいるかを観察してみ
る。サッカーが好きな子どもは、サッカーの本を読む。動物が好きな子どもは、動物の
本を読む。そのとき子どもが読んでいる本が、その子どもの方向性である。その方向性
にすなおに従えば、子どもは本が好きになる。さからえば、本が嫌いになる。無理をす
れば子どもの伸びる「芽」そのものをつぶすことにもなりかねない。ここでいくつかの
コツがある。

●無理をしない

 まず子どもに与える本は、その年齢よりも、一〜二年、レベルをさげる。親というのは、
どうしても無理をする傾向がある。六歳の子どもには、七歳用の本を与えようとする。七
歳の子どもには、八歳用の本を与えようとする。この小さな無理が、子どもから本を遠ざ
ける。そこで「うちの子どもはどうも本が好きではないようだ」と感じたら、思いきって
レベルをさげる。本の選択は、子どもに任す。こういう親がいた。本屋で子どもに、「好き
な本を一冊買ってあげる」と言っておきながら、子どもが何か本をもってくると、「こんな
本はダメ。もっといい本にしなさい」と。こういう身勝手さが、子どもから本から遠ざけ
る。

●動機づけを大切に

 次に本を与えるときは、まず親が読んでみせる。読むフリでもよい。そして親自身が子
どもの前で感動してみせる。「この本はおもしろいわ」とか。これは本に限らない。子ども
に何かものを与えるときは、それなりのお膳立てをする。これを動機づけという。本のば
あいだと、子どもをひざに抱いて、少しだけでもその本を読んであげるとよい。この動機
づけがうまくいくと、あとは子どもは自分で伸びる。そうでなければそうでない。この動
機づけのよしあしで、その後の子どもの取り組み方は、まったく違ってくる。まずいのは、
買ってきた本を袋に入れたまま、子どもにポイと渡すような行為。子どもは読む意欲その
ものをなくしてしまう。無理や強制がよくないことは、言うまでもない。

●文字を音にかえているだけ?

 なお年中児ともなると、本をスラスラと読む子どもが現れる。親は「うちの子どもは国
語力があるはず」と喜ぶが、たいていは文字を音にかえているだけ。内容はまったく理解
していない。親「うさぎさんは、どこへ行ったのかな」、子「……わかんない」、親「うさ
ぎさんは誰に会ったのかな?」、子「……わかんない」と。もしそうであれば子どもが本を
読んだら、一ページごとに質問してみるとよい。「うさぎさんは、どこへ行きましたか」「う
さぎさんは、誰に会いましたか」と。あるいは本を読み終えたら、その内容について絵を
かかせるとよい。読解力のある子どもは、一枚の絵だけで、全体のストーリーがわかるよ
うな絵をかく。そうでない子どもは、ある部分だけにこだわった絵をかく。なお読解力の
ある子どもは、一ページを読むごとに深く考える様子をみせたり、そのつど挿し絵を見な
がら読む。本の読み方としては、そのほうが好ましいことは言うまでもない。

●文字の使命は心を伝えること

 最後に、作文を好きにさせるためには、こまかいルール(文法)はうるさく言わないこ
と。誤字、脱字についても同じ。要は意味が伝わればよしとする。そういうおおらかさが
子どもを文字好きにする。が、日本人はどうしても「型」にこだわりやすい。書き順もそ
うだが、文法もそうだ。接続詞という言葉こそ使わないが、小学二年生から、その接続詞
の使い方を学ぶ。こういうことばかりに神経質になるから、子どもは作文が嫌いになる。
小学校の高学年児で、作文が好きと言う子どもは、五人に一人もいない。大嫌いと言う子
どもは、五人に三人はいる。

(付記)
●私の記事への反論

 「一ページごとに質問してみるとよい」という考えに対して、「子どもに本を読んであげ
るときには、途中で、あれこれ質問してはいけない。作者の意図をそこなう」「本というの
は言葉の流れや、文のリズムを味わうものだ」という意見をもらった。図書館などで、子
どもたちに本の読み聞かせをしている人からだった。

 私もそう思う。それはそれだが、しかし実際には、幼児を知らない児童文学者という人
も多い。そういう人は、自分の本の中で、幼児が知るはずもないというような言葉を平気
で並べる。たとえばある幼児向けの本の中には、次のような言葉があった。「かわべの ほ
とりで、 ひとりの つりびとが うつら うつらと つりいとを たれたまま、 まど
ろんでいた」と。この中だけでも、幼児には理解ができそうもないと思われる言葉が、「川
辺」「釣り人」「うつら」「釣り糸」「まどろむ」と続く。

こうした言葉の説明を説明したり、問いかけたりすることは、決してその本の「よさ」
をそこなうものではない。が、それだけではない。意味のわからない言葉から受けるス
トレスは相当なものだ。パソコンを相手にしていると、そういう場面によく出あう。「T
IFFファイル(インターネットファックスファイル)を、EASYFAXPRO20
01EXのファックスビューワーに関連付けますか」などという表示が突然出てきたり
すると、パソコン歴三〇年以上の私ですら、いまだにドキッとする。あくまでも子ども
の立場で考えたらよい。
(以上、マガジン第1号、第15号より)

+++++++++++++++++

 こうして過去版を読み返してみると、当時の自分が、そのまま、そこにいるのを知る。「日
記」でもそれができなくはないが、日記で、自分の奥底をえぐり出すのは、むずかしい。
へたをすれば、毎日、「〜〜した」「〜〜した」で終わってしまう。

 その点、エッセーは、ちがう。そのつど、心の奥底をのぞく。日記を書くにしても、心
の奥底をえぐり出すことが大切ということになる。読み返すことで、そのままその過去に、
タイムスリップすることができる。

 さて、2008年は、こうして始まった。つぎの目標は、2000号ということになる。
が、迷いがないわけではない。「こんなことをしていて何になるだろうか」という迷いであ
る。

 「1000号になれば、何か変わるはず」という思いは、いつもあった。しかし何も変
わらなかった。相変わらず、外は、冬の景色。どんよりとした鉛色の空。「真・善・美の追
求」とは言うが、そのどれも、中途半端なまま。むしろ脳みそ自体は、後退しているのか
もしれない。

 ゆいいつの楽しみは、HP上で、いろいろ、新しい分野に挑戦していくこと。最近は、
USTREAMに凝(こ)っている。しかしこれにしても、息子に言わせると、「2年前に
ははやったけど……」ということらしい。

 映像をのせながら、自分の声で、子育てを語る。しかもテレビのように時間制限はなし。
編集も、カットもなし。今のところ見てくれる人は、1日に、1〜2人という状況だが、
おもしろい。しばらくは、これに没頭してみる。

 ともかくも、今の私にとって、生きがいは、これしかない。これにしがみつくしかない。
あまり気負わないで、つぎは、2000号に向けてがんばる。週3回、発行しても、20
00号になるのは、6・4年後! 2014年の夏ごろ。

 それまで私は生きているだろうか? そのとき、私の周囲で、何か、変わるだろうか?
 あるいは日本は、どうなっているだろうか?
(2008年1月9日記)


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

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 はやし浩司のホームページ http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/
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話していただけませんか?

よろしくお願いします。              はやし浩司
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.みなさん、次号で、またお会いしましょう!
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